小説を読む前に↓の※をご確認ください
※小説の中に稀に絵を入れることがあります。下手の横好きレベルです。
※フィクションです。
※下手です。
※登場人物は通常、同好会の皆さんを出しています。
どうにでもなれ
では本編をどうぞお楽しみください!
登場人物 
※年代
原初のR
原初の非R
その鋼の如く鍛えられた肉体から繰り出される拳技の数々は周囲の者々を圧倒していた。
マスターの父親代わり。
享年22歳。168cm。
〜非R勢〜
〜R勢〜
首領1人、幹部10人で成り立っている。
滅亡。
本名は神楽坂 慧。さつじんきの兄。元撲滅隊。
極致能:ジェット
極致能：スロー
最恐のR勢組織。
赤十邇の六番以上達による統制。
トパルフ地区のR勢数千人を従える。
霧叉夢芽
R勢姉弟、｢ムマタゆうめコン｣の姉方。
メイド服を常に身につけている。
鞭を操る。頭がよく、馬鹿な弟の指示役。
撲滅隊への復讐に燃える。
極致能：ウィップ
霧叉魂
R勢姉弟、｢ムマタゆうめコン｣の弟方。
やせ細った体からは想像出来ないほどの耐久力を持つ。
ナイトキャップを被せられた者を3秒間眠らせることが出来る。姉が大好き。
コハルにころされる。
極致能：スリープ
強い者好き。第五邇以下を弱者と
見なしており、ムマタ兄弟とよく衝突する。
金色の瞳は並みのR勢を戦慄させる。
187cm
極致能:地異
地割れを起こしたり、土の壁で閉じ込めるなど
大地を簡単に変形させる。
暗い場所を好む。
不幸な人を嫌い、幸せ者を好む。
十文字の銛をもつ。
極致能:?
168cm
能力を持つ者には崇拝し、
非R勢に対しては蔑む。
武器は使わない。
174cm
元滅殺隊隊長。
撲滅隊に執着心があり、
赤十邇、アザレアを仕向けた張本人。
極致能:バーサーク
ダメージを喰らえば喰らうほど
身体能力が異常な程向上していく。
素のパワーが尋常ではないため、非常に強力。
177cm。
〜中立派〜
温厚な性格の持ち主であり、
被害者の保護や森林の保全などに
取り組む。子供の撲滅隊員に友好的。
身長170cm。20歳。
超絶なガタイの良さから
ボディーガードと間違えられる。
皆と仲良くしたいだけだが
怖がられる。生真面目。
197cm。19歳。
依頼で人を躊躇なく葬るアサシン。
当時撲滅隊だったアキとその一派に倒される
| age18 | アタルフ | スタン | けいちゃ |
| age16 | ヒナタ | きよはる | コハル |
| age15 | クラーレ | ||
| age13 | あっくん | ||
| age2 | マスター |
トロモフ 呼称：切り裂き屋のトロモフ
カッターを操り、切り裂きのトロモフと恐れられた殺し屋。
降り注ぐカッターの連続攻撃は何人も近づけなかった
年齢不明。
カッターを操り、切り裂きのトロモフと恐れられた殺し屋。
降り注ぐカッターの連続攻撃は何人も近づけなかった
年齢不明。
- 羽水 天元
その鋼の如く鍛えられた肉体から繰り出される拳技の数々は周囲の者々を圧倒していた。
マスターの父親代わり。
享年22歳。168cm。
・R撲滅隊
オッドアイに見えるが左目は戦争時に
火事で失明し、白くなった。
仇を討つために撲滅隊に入隊。
172cm。15歳。
今までR勢の力を存在しているだけで抑制してきた。
撲滅隊隊長。拳蹴り主体で戦う。
大抵の敵は瞬殺できる。
Rを相手にするために特別強く生まれてきた。
170cm。2歳。頭は10歳程度。
極致能：波動
あらゆる波を操れる。
波には魄撃と反対にR勢に対する効果が強い。
波動の威力は通常の攻撃の約12乗になる。
撲滅隊の副長。
元滅殺隊。マスターを訳あって育てる。
極致能：パラソル
18歳。190cm。
満面の笑みを浮かべながら放たれる爆弾は
まさに狂気。クラーレの相棒。(自称)
16歳。174cm。
極致能：ボム
1日の約3分の2は寝ている。
枕を使った軽やかな身のこなしは、
普段からは想像不可能。(寝ながら戦う)
極致能：スリープ
眠った時に体力を回復。欠損した部位も再生可能。
反射速度も上がる。
無理矢理起こされた時は…
16歳 160cm。
撲滅隊の半数がイカれてる中で
唯一まともな人材。優しい性格。
アザレアとの戦いで命を落とす。
極致能：ウィップ
16歳 174cm。
タバコと酒が好き。
警備や敵情視察などを担う逸材。
だが、『能力』が強過ぎて大抵一人で殲滅してしまう。
元滅殺隊。
極致能：グランドオペ
自分の見える範囲で大地のあらゆる操作が可能
18歳 187cm
一文一文に罵詈雑言を入れる。最年少。
『戦闘の天才』。身を守るため、女性であることを隠している。
さつじんきに育てられた。
13歳 160cm
極致能：トルネイド
文字通り竜巻を起こせる。
赤い目はみたものにプレッシャーを与える。
非常に暴力的だが、忠誠心と戦闘力は随一。
兄との戦いで命を落とす。
18歳 177cm
「壊す」というのを自身のモットーとする。
撲滅隊に忠誠を誓う。
21歳 198cm
行動していたが、サーカスでの戦闘以降、
入隊。面倒見が良い。マトモ。
九楽 澪 通称クラーレ
オッドアイに見えるが左目は戦争時に
火事で失明し、白くなった。
仇を討つために撲滅隊に入隊。
172cm。15歳。
磨廃 稲海 通称マスター
今までR勢の力を存在しているだけで抑制してきた。
撲滅隊隊長。拳蹴り主体で戦う。
大抵の敵は瞬殺できる。
Rを相手にするために特別強く生まれてきた。
170cm。2歳。頭は10歳程度。
極致能：波動
あらゆる波を操れる。
波には魄撃と反対にR勢に対する効果が強い。
波動の威力は通常の攻撃の約12乗になる。
真夫 アザミ 通称アタルフ
撲滅隊の副長。
元滅殺隊。マスターを訳あって育てる。
極致能：パラソル
18歳。190cm。
- 天内 日向 通称ヒナタ
満面の笑みを浮かべながら放たれる爆弾は
まさに狂気。クラーレの相棒。(自称)
16歳。174cm。
極致能：ボム
百鬼 心桜 通称:コハル、百鬼夜行
1日の約3分の2は寝ている。
枕を使った軽やかな身のこなしは、
普段からは想像不可能。(寝ながら戦う)
極致能：スリープ
眠った時に体力を回復。欠損した部位も再生可能。
反射速度も上がる。
無理矢理起こされた時は…
16歳 160cm。
- 北条 清波流 通称きよはる
撲滅隊の半数がイカれてる中で
唯一まともな人材。優しい性格。
アザレアとの戦いで命を落とす。
極致能：ウィップ
16歳 174cm。
- 菅原 炭彦通称:スタン
タバコと酒が好き。
警備や敵情視察などを担う逸材。
だが、『能力』が強過ぎて大抵一人で殲滅してしまう。
元滅殺隊。
極致能：グランドオペ
自分の見える範囲で大地のあらゆる操作が可能
18歳 187cm
虎川 周 通称あっくん
一文一文に罵詈雑言を入れる。最年少。
『戦闘の天才』。身を守るため、女性であることを隠している。
さつじんきに育てられた。
13歳 160cm
極致能：トルネイド
文字通り竜巻を起こせる。
神楽坂 殺人 通称:さつじんき
赤い目はみたものにプレッシャーを与える。
非常に暴力的だが、忠誠心と戦闘力は随一。
兄との戦いで命を落とす。
18歳 177cm
六波羅 煽人 通称ROA
「壊す」というのを自身のモットーとする。
撲滅隊に忠誠を誓う。
21歳 198cm
- ゼオス
行動していたが、サーカスでの戦闘以降、
入隊。面倒見が良い。マトモ。
R増殖隊
''赤十邇''
首領1人、幹部10人で成り立っている。
滅亡。
- 首領:赤十邇
慧
本名は神楽坂 慧。さつじんきの兄。元撲滅隊。
極致能:ジェット
- 第一邇:ROA
- 第二邇:宇崎 犬千夜 通称ウザイヌ
- 第三邇:不動 運 通称うごはこ
極致能：スロー
- ブラックアサシン
最恐のR勢組織。
赤十邇の六番以上達による統制。
トパルフ地区のR勢数千人を従える。
- 第六邇:ムマタゆうめゴン
R勢姉弟、｢ムマタゆうめコン｣の姉方。
メイド服を常に身につけている。
鞭を操る。頭がよく、馬鹿な弟の指示役。
撲滅隊への復讐に燃える。
極致能：ウィップ
R勢姉弟、｢ムマタゆうめコン｣の弟方。
やせ細った体からは想像出来ないほどの耐久力を持つ。
ナイトキャップを被せられた者を3秒間眠らせることが出来る。姉が大好き。
コハルにころされる。
極致能：スリープ
- 第七邇:芝 愁一通称シーバ
強い者好き。第五邇以下を弱者と
見なしており、ムマタ兄弟とよく衝突する。
金色の瞳は並みのR勢を戦慄させる。
187cm
極致能:地異
地割れを起こしたり、土の壁で閉じ込めるなど
大地を簡単に変形させる。
- 第八邇:麻倉 憐太郎通称マクレン
暗い場所を好む。
不幸な人を嫌い、幸せ者を好む。
十文字の銛をもつ。
極致能:?
168cm
- 第九邇:仙水 るあ通称るあ
能力を持つ者には崇拝し、
非R勢に対しては蔑む。
武器は使わない。
174cm
- 第十邇:黒星千秋通称アキ
元滅殺隊隊長。
撲滅隊に執着心があり、
赤十邇、アザレアを仕向けた張本人。
極致能:バーサーク
ダメージを喰らえば喰らうほど
身体能力が異常な程向上していく。
素のパワーが尋常ではないため、非常に強力。
177cm。
- バトデラ財団
- 宇梶ユウキ
温厚な性格の持ち主であり、
被害者の保護や森林の保全などに
取り組む。子供の撲滅隊員に友好的。
身長170cm。20歳。
藪 ヨシヒロ
超絶なガタイの良さから
ボディーガードと間違えられる。
皆と仲良くしたいだけだが
怖がられる。生真面目。
197cm。19歳。
九楽 シオン
依頼で人を躊躇なく葬るアサシン。
当時撲滅隊だったアキとその一派に倒される
Season0
紀源前EP1 希望
人は皆、「希望」を求める。
だが不思議なものだ…
「絶望」こそが人を強くする。
この世にはそういった皮肉が多く存在する。
群れてしか戦うことができないR勢。
孤独に戦うことを誇りとする非R勢。
この二つの派閥の意見の食い違いは
大量の戦争を引き起こした。
戦争は正しさの押し付け合いに過ぎない。
これも、そんなつまらない話の一欠片にすぎない。
3年前〜
アタルフ「本当にここであってんのか?」
少年達4人が数人で集まる
R滅殺隊副隊長 真夫アザミ 当時15歳
スタン「俺に聞くなよ。と言いたいとこだが、
こんな雑木林の先にR勢の参謀があるとは思いにくいのは俺も同感だが」
焦げ茶色の頭髪を揺らす
菅原 炭彦 当時15歳
けいちゃ「撲滅隊揃って散歩とか…人に見られていないからいいものを」
神楽坂 慧 当時15歳
ガサガサ…
茂みから野生のR勢が飛び出した!!
野生のR「金目のものを置いてけぇぇええ!!」
けいちゃ「やべ…」
ガシッ…
野生のR勢「?」
けいちゃに飛びかかろうとしたところを
頭を鷲掴みにして止める
???「おいおい違うぜ?」
黒い星のピアスがリンと鳴る
ミシミシ…
???「俺らは撲滅隊じゃない。R滅殺隊だ」
ゴシャッ!!
片手でR勢の頭蓋を握り潰す
R滅殺隊(自称)隊長 黒星 千秋 通称あき 15歳
けいちゃ「あ…あき…」
アタルフ「くく…自称な」
あき「ん?(# ﾟДﾟ)」
スタン「んだよ来てたのかよ。簡単な調査だから実戦好きなお前が嫌がると思って置いてきたんだが」
あき「俺はそんないい加減じゃないぜ?どちらかと言うと
冷静沈着だ。
ほら、いいかげんな奴は、コイツみたいに相手の強さも分からずに突っ込んで、つまらない死を招いちまう。」
胴体のみになったR勢を見つめる
あき「で」
アタルフ「?」
あき「コイツ誰?」
けいちゃ「!!!?Σ（・□・；）」
スタン「誰かも知らずに殺ったのかよ。流石はボス。
ソイツはこの辺りの遺跡を拝見しにきた奴らを襲ってる
いわば山賊ってところかねえ。」
あき「まあ…つまり敵だろ?じゃあいいだろ。
弔う価値もない。俺の目に狂いはなかったってことだ」
スタン「目は正常かもだが感覚は狂ってるｚ…」
あき「よし!!じゃあ遺跡を探検だ!!」
遮るように大声を張り上げる
けいちゃ「元気なのは良いことだと弟も言ってたなー」
アタルフ「R勢に容赦がないだけだろ。元気どうこうの話じゃない」
4人はR滅殺隊だった。
Rには無情。非Rには友情を抱き、
他3人と違い、能力を持たない隊長
あき。
真面目でいたいのに他3人の態度が悪すぎて
面倒見の良さと冷静さばかりが備わってしまった副隊長
アタルフ。
ミステリアスでおちゃらけた性格
だが仕事はできる参謀
スタン。
ムードメーカーで感情豊かな
(弟の会話を除く)戦闘家
けいちゃ。
そんな4人に共通していること。それは‥‥
スタン「なあ、道どっちだっけ?」
アタルフ「あ…」
あき「どーちーらーにーしーよーうーかーなー道は神様の言う通り…」
けいちゃ「いやあてずっぽう!!」
方向音痴
こんな4人に果たして希望などあるのか…
紀源前EP2 束ねる力
酒場〜
店主「それで迷子になって隊長に迎えに来てもらったのかい」
あき「おう!ﾄﾞﾔｻ」
アタルフ「いや誇んなよ()恥じろよ。」
スタン「悪いなぱすてん。慧が地図忘れたせいで」
けいちゃ「え、おれ!?」
ぱすてん「まあ運動になったし、いいよ」
4人が酒場で話していると、ぱすてんが入ってくる
あき「隊長…!」
店主「訓練だけじゃなく、衛生面についても教えて
やりなよ隊長さん。」
カクテルを雑に振り回しながら手際良くグラスに注ぐ。
ぱすてん「いや必要ないでしょう。
どうせ手洗ってもまた汚れるんだし…」
パリィィィン!
店主が持っていたグラスを落とす
店主「うわ…内の店に金輪際入らないでくれます?」
ぱすてん「いや嘘!冗談だから!ごめんて」
スタン「…」
アタルフ「あのーたいちょ…」
ぱすてん「あ!ごめん!任務については後日知らせるから!!先帰っといて!!」
〜撲滅隊本部〜
スタン「あれでも隊長か…」
けいちゃ「それな〜!なんで隊長やっていけてんだか…」
アタルフ「カリスマ性だ。」
けいちゃ「?」
アタルフ「実を言えば、ぱすてんは戦いでも強くない」
スタン「‥は?何言ってんだ?
トロモフと殺りあったって言ってたろ。」
アタルフ「あれはガセ。下の奴らにとってはそんな存在ってだけ。アイツは俺ら相手に勝てねえだろうよ。」
けいちゃ「じゃあ尚更向いてねえじゃん隊長。」
アタルフ「だからカリスマ性だよ。
弱いが頭は良い。それで数多くいる撲滅隊の豪傑や
非R勢を束ねてきたんだ。
そして束ねた軍勢で、トロモフを打ち破った。」
あき「…やめろアタルフ。禁句だぞ。」
今まで黙っていたあきがアタルフを注意する
アタルフ「あ、すまん。だが、俺ら撲滅隊を支える身としても知っておくべき…」
ドゴッ!
けいちゃの座っていたダンボールの山を小突く
けいちゃ、アタルフ「!?」
あき「…もういい。寝るわ。好きにしろ。」
そう言い残し、部屋を去っていく。
けいちゃ「…なんだよ。あの態度」
スタン「トロモフって言葉はそんなに禁句と
されているのか?」
アタルフ「…さぁな」
けいちゃ「しっかし…トロモフとタイマンして勝ったってのが嘘だったとはな〜…なんか残念」
スタン「俺はカッコいいと思うぜ?
誰かを束ねるなんてそう易易と出来るもんじゃない。」
あき(…トロモフ)
かつて世界を絶望のどん底に陥れた災厄
あき「お前らを束ねるのは俺だ。
そしてトロモフは、俺が倒す」
そういってあきはカプセル型の鎮痛薬を噛み砕いた。
店主「それで迷子になって隊長に迎えに来てもらったのかい」
あき「おう!ﾄﾞﾔｻ」
アタルフ「いや誇んなよ()恥じろよ。」
スタン「悪いなぱすてん。慧が地図忘れたせいで」
けいちゃ「え、おれ!?」
ぱすてん「まあ運動になったし、いいよ」
4人が酒場で話していると、ぱすてんが入ってくる
あき「隊長…!」
店主「訓練だけじゃなく、衛生面についても教えて
やりなよ隊長さん。」
カクテルを雑に振り回しながら手際良くグラスに注ぐ。
ぱすてん「いや必要ないでしょう。
どうせ手洗ってもまた汚れるんだし…」
パリィィィン!
店主が持っていたグラスを落とす
店主「うわ…内の店に金輪際入らないでくれます?」
ぱすてん「いや嘘!冗談だから!ごめんて」
スタン「…」
アタルフ「あのーたいちょ…」
ぱすてん「あ!ごめん!任務については後日知らせるから!!先帰っといて!!」
〜撲滅隊本部〜
スタン「あれでも隊長か…」
けいちゃ「それな〜!なんで隊長やっていけてんだか…」
アタルフ「カリスマ性だ。」
けいちゃ「?」
アタルフ「実を言えば、ぱすてんは戦いでも強くない」
スタン「‥は?何言ってんだ?
トロモフと殺りあったって言ってたろ。」
アタルフ「あれはガセ。下の奴らにとってはそんな存在ってだけ。アイツは俺ら相手に勝てねえだろうよ。」
けいちゃ「じゃあ尚更向いてねえじゃん隊長。」
アタルフ「だからカリスマ性だよ。
弱いが頭は良い。それで数多くいる撲滅隊の豪傑や
非R勢を束ねてきたんだ。
そして束ねた軍勢で、トロモフを打ち破った。」
あき「…やめろアタルフ。禁句だぞ。」
今まで黙っていたあきがアタルフを注意する
アタルフ「あ、すまん。だが、俺ら撲滅隊を支える身としても知っておくべき…」
ドゴッ!
けいちゃの座っていたダンボールの山を小突く
けいちゃ、アタルフ「!?」
あき「…もういい。寝るわ。好きにしろ。」
そう言い残し、部屋を去っていく。
けいちゃ「…なんだよ。あの態度」
スタン「トロモフって言葉はそんなに禁句と
されているのか?」
アタルフ「…さぁな」
けいちゃ「しっかし…トロモフとタイマンして勝ったってのが嘘だったとはな〜…なんか残念」
スタン「俺はカッコいいと思うぜ?
誰かを束ねるなんてそう易易と出来るもんじゃない。」
あき(…トロモフ)
かつて世界を絶望のどん底に陥れた災厄
あき「お前らを束ねるのは俺だ。
そしてトロモフは、俺が倒す」
そういってあきはカプセル型の鎮痛薬を噛み砕いた。
紀源前EP3 明暗浪漫
撲滅隊 朝〜
窓越しに鳥の囀りが聞こえる。
バアアアン!!
勢いよくドアが開く
ぱすてん「おっはよー皆ァ!新しい任務を報告します!」
あき「グゥー」
スタン「スゥー」
けいちゃ「グガァアア…ンゴッ!」
アタルフ「…」
ぱすてん「いや起きてよ…」
アタルフ「日曜日くらいゆっくり寝かせてやれ。
疲れが溜まってんだ。」
ぱすてん「いや今日は月曜だよそして疲れ溜まってんの俺だよ。」
アタルフ「ちぇ…」
ぱすてん「いいから早く起きて!はい起きて!」
3時間後〜in酒場
あき「んだよ〜隊長…」
アタルフ「前みたいに迷子になるのはごめんだぜ」
けいちゃ「どんな任務だろ!ﾜｸﾜｸ!」
スタン「グゥー…」
店主(大丈夫かコイツら…一人寝てるし)
ぱすてん「では、任務の発表です!」
あき「ｺﾞｸﾘ」
アタルフ「ｺﾞｸﾘ」
けいちゃ「ｺﾞｸﾘ」
スタン「グゥー…」
ぱすてん「君たちには工場見学を行なってもらう!」
あき「はぁ?」
アタルフ「工場見学ぅ?」
けいちゃ「コウジョウケンガク?」
ぱすてん「そ!」
あき「とうとう頭もおかしくなったか」
アタルフ「月曜は皆ストレス溜まるもんだ。気にすんなぱすてん。」
けいちゃ「ねえコウジョーって何?おいしーの?」
スタン「グゥー…」
ぱすてん(あーもう駄目かもしんない)
店主「隊長さん。まさかあの廃墟に…行く気かい?」
奥で驚愕していた店主が聞く
ぱすてん「…ぱすてん様に二言はないよ」
ぱすてん「まあ、工場見学といっても研究所の廃墟さ。
元々活動してたけど今は廃れて廃墟になってる。
君達はそこを見に行って欲しい。」
アタルフ「見るだけか?」
ぱすてん「うん。見るだけでいい。
ただし、廃墟で何かを見かけたら、すぐに逃げろ。
老若男女問わず、見かけたら逃げろ」
パァン!
スタンの鼻提灯を人差し指で軽く割る
あき「は?何で?」
ぱすてん「何でも。とにかく見るだけで良いんだ。」
トパルフ地区〜研究所廃墟前
けいちゃ「ここがケンキュージョか…!」
その研究所は禍々しい雰囲気を放っており、
4人は全員冷や汗をかいた。
アタルフ「何か見つけたら逃げろ。か」
スタン「どーせ何も出ねえよ。」
あき「いや、出るよ。『何か』は。」
それを聞いて他3人は固唾を飲んだ。
そうして4人はゆっくりと森に囲まれた研究所に入って行った。
研究所を取り囲む森の一本の木の枝に人影が映る
???「あれが例の研究所か…んで、
あの中に実験体MT-01が?」
白い十字架の上に黒いペンキをかぶったような
服を着た男が研究所を見下ろす
インテリヤ○ザ「ああ。そして、それには多額の賞金首がかかってる。」
十字架の男「へぇ…」
白衣男「どうだ?実験体カプセルの回収とその抹消。
受けねえか?もちろん報酬は払うぜ?九楽シオン」
シオン「あと一コ足せば御利益があったのかねぇ」
インテリヤ○ザ「?」
シオン「クックッ…いいぜ、受けてやるよ。その依頼。」
窓越しに鳥の囀りが聞こえる。
バアアアン!!
勢いよくドアが開く
ぱすてん「おっはよー皆ァ!新しい任務を報告します!」
あき「グゥー」
スタン「スゥー」
けいちゃ「グガァアア…ンゴッ!」
アタルフ「…」
ぱすてん「いや起きてよ…」
アタルフ「日曜日くらいゆっくり寝かせてやれ。
疲れが溜まってんだ。」
ぱすてん「いや今日は月曜だよそして疲れ溜まってんの俺だよ。」
アタルフ「ちぇ…」
ぱすてん「いいから早く起きて!はい起きて!」
3時間後〜in酒場
あき「んだよ〜隊長…」
アタルフ「前みたいに迷子になるのはごめんだぜ」
けいちゃ「どんな任務だろ!ﾜｸﾜｸ!」
スタン「グゥー…」
店主(大丈夫かコイツら…一人寝てるし)
ぱすてん「では、任務の発表です!」
あき「ｺﾞｸﾘ」
アタルフ「ｺﾞｸﾘ」
けいちゃ「ｺﾞｸﾘ」
スタン「グゥー…」
ぱすてん「君たちには工場見学を行なってもらう!」
あき「はぁ?」
アタルフ「工場見学ぅ?」
けいちゃ「コウジョウケンガク?」
ぱすてん「そ!」
あき「とうとう頭もおかしくなったか」
アタルフ「月曜は皆ストレス溜まるもんだ。気にすんなぱすてん。」
けいちゃ「ねえコウジョーって何?おいしーの?」
スタン「グゥー…」
ぱすてん(あーもう駄目かもしんない)
店主「隊長さん。まさかあの廃墟に…行く気かい?」
奥で驚愕していた店主が聞く
ぱすてん「…ぱすてん様に二言はないよ」
ぱすてん「まあ、工場見学といっても研究所の廃墟さ。
元々活動してたけど今は廃れて廃墟になってる。
君達はそこを見に行って欲しい。」
アタルフ「見るだけか?」
ぱすてん「うん。見るだけでいい。
ただし、廃墟で何かを見かけたら、すぐに逃げろ。
老若男女問わず、見かけたら逃げろ」
パァン!
スタンの鼻提灯を人差し指で軽く割る
あき「は?何で?」
ぱすてん「何でも。とにかく見るだけで良いんだ。」
トパルフ地区〜研究所廃墟前
けいちゃ「ここがケンキュージョか…!」
その研究所は禍々しい雰囲気を放っており、
4人は全員冷や汗をかいた。
アタルフ「何か見つけたら逃げろ。か」
スタン「どーせ何も出ねえよ。」
あき「いや、出るよ。『何か』は。」
それを聞いて他3人は固唾を飲んだ。
そうして4人はゆっくりと森に囲まれた研究所に入って行った。
研究所を取り囲む森の一本の木の枝に人影が映る
???「あれが例の研究所か…んで、
あの中に実験体MT-01が?」
白い十字架の上に黒いペンキをかぶったような
服を着た男が研究所を見下ろす
インテリヤ○ザ「ああ。そして、それには多額の賞金首がかかってる。」
十字架の男「へぇ…」
白衣男「どうだ?実験体カプセルの回収とその抹消。
受けねえか?もちろん報酬は払うぜ?九楽シオン」
シオン「あと一コ足せば御利益があったのかねぇ」
インテリヤ○ザ「?」
シオン「クックッ…いいぜ、受けてやるよ。その依頼。」
紀源前EP4 廃墟の遠足
研究所内〜
けいちゃ「薄暗いな…こえーな…」
アタルフ「確かに…昼間にしては暗すぎる…」
スタン「なんだお前ら。怖いのかよ」
けいちゃ「ち、ちげーし!」
アタルフ「…?なんだこれ」
カルテのようなものを拾う
あき「どうした?アタルフ。」
アタルフ「カルテか何かか…」
それを開こうとしたとき、
ガゴン!!
ラボの扉が勢いよく開く
全員「!?」
アタルフ「なんだ?」
けいちゃ「お化け!?」
スタン「んなわけあるかよ」
そう言ってスタンは扉のノブに手を触れた瞬間
???「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あｧｧ!」
目のない巨大な生物が扉をぶち破ってスタンに襲いかかる
あき「危ねえ!スタン!」
ゴチャ!!!
スタンに怪物の爪が当たろうとした瞬間、
怪物の乗っていた地面一帯が急上昇し、
怪物が跡形もなく潰れる。
スタン「…うわ!ビックリした〜…」
けいちゃ「反応遅!!」
スタン 能力：グランドオペレート
(地面を操作することできる。)
アタルフ「リアクションより先に本能が動くんだな…」
あき「…何だったんだアレは…」
けいちゃ「アレがぱすてんの言ってた何かか?」
あき「でも潰してんぞアイツ…」
スタン「わりぃ。ついつい…」
と安心したその時、
再び呻き声を上げて次々に怪物が飛び出す
怪物「アアアアアアアアガアア!」
あき「またかよ!」
けいちゃ「野生の何かが飛び出してきた!」
アタルフ「それいろいろと引っ掛かるからやめい!」
スタン「取り敢えず上の階に上がるぞー」
スタンが怪物を5、6匹土壁で押し潰し、
天井を砕いて、4人が乗っている地面一帯を
上の階に上げる
ドオオン!!
天井が崩落する音と共に上の階に上がる
下の階では怪物達が呻き声を上げている
スタン「うるせーな…」
と言って下の階の土壁で怪物をまとめてペシャンコにする。
けいちゃ「容赦無いな…」
スタン「そりゃあ、正当防衛も出来ないなら
撲滅隊としてやっていけないからな。」
あき「とにかく全員無傷で良かった…
そういえばアタルフ。さっきのカルテみたいなヤツは」
アタルフ「お、おう」
アタルフは持っていたカルテを開いた
けいちゃ「薄暗いな…こえーな…」
アタルフ「確かに…昼間にしては暗すぎる…」
スタン「なんだお前ら。怖いのかよ」
けいちゃ「ち、ちげーし!」
アタルフ「…?なんだこれ」
カルテのようなものを拾う
あき「どうした?アタルフ。」
アタルフ「カルテか何かか…」
それを開こうとしたとき、
ガゴン!!
ラボの扉が勢いよく開く
全員「!?」
アタルフ「なんだ?」
けいちゃ「お化け!?」
スタン「んなわけあるかよ」
そう言ってスタンは扉のノブに手を触れた瞬間
???「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あｧｧ!」
目のない巨大な生物が扉をぶち破ってスタンに襲いかかる
あき「危ねえ!スタン!」
ゴチャ!!!
スタンに怪物の爪が当たろうとした瞬間、
怪物の乗っていた地面一帯が急上昇し、
怪物が跡形もなく潰れる。
スタン「…うわ!ビックリした〜…」
けいちゃ「反応遅!!」
スタン 能力：グランドオペレート
(地面を操作することできる。)
アタルフ「リアクションより先に本能が動くんだな…」
あき「…何だったんだアレは…」
けいちゃ「アレがぱすてんの言ってた何かか?」
あき「でも潰してんぞアイツ…」
スタン「わりぃ。ついつい…」
と安心したその時、
再び呻き声を上げて次々に怪物が飛び出す
怪物「アアアアアアアアガアア!」
あき「またかよ!」
けいちゃ「野生の何かが飛び出してきた!」
アタルフ「それいろいろと引っ掛かるからやめい!」
スタン「取り敢えず上の階に上がるぞー」
スタンが怪物を5、6匹土壁で押し潰し、
天井を砕いて、4人が乗っている地面一帯を
上の階に上げる
ドオオン!!
天井が崩落する音と共に上の階に上がる
下の階では怪物達が呻き声を上げている
スタン「うるせーな…」
と言って下の階の土壁で怪物をまとめてペシャンコにする。
けいちゃ「容赦無いな…」
スタン「そりゃあ、正当防衛も出来ないなら
撲滅隊としてやっていけないからな。」
あき「とにかく全員無傷で良かった…
そういえばアタルフ。さっきのカルテみたいなヤツは」
アタルフ「お、おう」
アタルフは持っていたカルテを開いた
紀源前EP5 実験
『おにぎり研究所
Rと非Rの戦いを鎮めるために設立された研究所。
我々「中立陣営」は争いを鎮めるべきと判断。
しかし終戦には非RとRの力に十分対抗出来る
戦力が必要である。
中立は他二つの陣営より圧倒的に戦力が劣る。
これより、我々は強力な生命体の作製に励んだ。
第一実験〜〜〜…』
アタルフ「なるほど…ここは戦時中に造られた
研究所か…つーかおにぎり研究所って何だよ()」
スタン「その対抗するべく作られたのがあの怪物?」
けいちゃ「んで、R勢と非R勢に襲わせようとしたけど
作った自分らが襲われて廃墟化。今では怪物の溜まり場
ってワケか。」
あき「…アタルフ、続きは?」
アタルフ「いや、引き裂かれたりして読めない。
支離滅裂で。唯一残ってる文字がコレ…」
あき「?…実験体『MT-01』と『MT-02』?
何だこれ…」
けいちゃ「なんだそりゃ?」
アタルフ「わからない…ただ、一つ分かることは、
この研究所は廃墟ではないということだ。」
あき「は?どうみても廃墟だろ」
アタルフ「見た目はな。
でもまず、あれだけ大勢の怪物がいる
にも関わらず、研究所の外には一匹もいなかった。
目撃情報すらゼロ。
怪物は皆この研究所内にいた。
まるで意図してるかのように。
研究所に立てこもる理由でもあったのか、
それとも何か守りたいモノがあるのか。
怪物が意志ではなく、そうするように造られていたら」
スタン「主犯格がいる」
アタルフ「ああ。それに生きている可能性もある。
長年怪物を操作し続けてきた可能性も…」
あき「とにかく目標変更だ。
そいつらが隠しているモノを突き止める。
怪物の殲滅と同時にな。」
全員「おう!!」
Rと非Rの戦いを鎮めるために設立された研究所。
我々「中立陣営」は争いを鎮めるべきと判断。
しかし終戦には非RとRの力に十分対抗出来る
戦力が必要である。
中立は他二つの陣営より圧倒的に戦力が劣る。
これより、我々は強力な生命体の作製に励んだ。
第一実験〜〜〜…』
アタルフ「なるほど…ここは戦時中に造られた
研究所か…つーかおにぎり研究所って何だよ()」
スタン「その対抗するべく作られたのがあの怪物?」
けいちゃ「んで、R勢と非R勢に襲わせようとしたけど
作った自分らが襲われて廃墟化。今では怪物の溜まり場
ってワケか。」
あき「…アタルフ、続きは?」
アタルフ「いや、引き裂かれたりして読めない。
支離滅裂で。唯一残ってる文字がコレ…」
あき「?…実験体『MT-01』と『MT-02』?
何だこれ…」
けいちゃ「なんだそりゃ?」
アタルフ「わからない…ただ、一つ分かることは、
この研究所は廃墟ではないということだ。」
あき「は?どうみても廃墟だろ」
アタルフ「見た目はな。
でもまず、あれだけ大勢の怪物がいる
にも関わらず、研究所の外には一匹もいなかった。
目撃情報すらゼロ。
怪物は皆この研究所内にいた。
まるで意図してるかのように。
研究所に立てこもる理由でもあったのか、
それとも何か守りたいモノがあるのか。
怪物が意志ではなく、そうするように造られていたら」
スタン「主犯格がいる」
アタルフ「ああ。それに生きている可能性もある。
長年怪物を操作し続けてきた可能性も…」
あき「とにかく目標変更だ。
そいつらが隠しているモノを突き止める。
怪物の殲滅と同時にな。」
全員「おう!!」
紀源前EP6 黒幕?
酒場〜
店主がカウンターに座ったぱすてんと向かい合う
店主「あの子ら…奴らと出くわしてなけりゃいいが…」
ぱすてん「あっはは。何言ってんの。
もう出くわしてるに決まってんじゃん。」
店主「…へ?」
ぱすてん「もっと言えば多分、
もう半分は倒してるんじゃないかな?」
店主「どういうことですか?あなたは逃げろと言って…」
ぱすてん「子供はそういうところがあるんだ。
『やれ』と言われたら、やる気をなくす。
でも逆に
『やるな』と言われたら、やってみたくて
仕方がなくなり、かえってやる気が出る。
俺は表向きは禁止サインを出していたけど、
裏からはGOサインを出してた。」
店主「なんという危険な…()
たとえ対抗できるとしても、彼らが立ち向かう
という確信はあるんですか」
ぱすてん「はは、まさか。
俺は子供なんて持ったこともないし、
経験もそれほど豊富じゃない。
でも子供だったことはある。
だから俺は彼らを信じることができる。」
店主「…そういうもんですかね」
そう言って微笑む
ぱすてん「…今の撲滅隊っぽくね!?カッコよくね!?」
店主「…」
おにぎり研究所〜
ゴシャ!
拳が怪物を頭部を粉砕する
あき「はぁ…これで何匹倒した?」
アタルフ「さぁな」
けいちゃ「10匹以上だから『たくさん』で
いいだろ!んなもん!」
スタン「ははっ。わけ分かんねー。」
4人は順調に怪物を倒し続ける。
すると瞬時に怪物達の動きが止まる
あき「?…なんだ?」
パチパチパチパチ…
???「ブラボーブラボー…流石はR撲滅隊の諸君だ。」
頭上の足場に何者かが立っている
けいちゃ「誰だおまえ!!」
???「ふはは…私は中立勢の元首領を務めていた
『ドクター・マオ』だ!!」
そういってサラサラのカラフルな長髪を揺らす
アタルフ「何だコイツ」
スタン「君が主犯格?」
Dr.マオ「あー!素晴らしい!
一体何年待ち続けたことか!
白い髪のキミ!」
そういってけいちゃを指差す
けいちゃ「え?俺?」
Dr.マオ「そう!その輝く瞳、神聖な白髪!
まさに将来、この世界の十字架を背負う
大いなる役目を持ったダイヤの原石に違いない!!」
けいちゃ「えー…なんか嬉しいな。」
スタン「皮肉は良くないよオッサン」
あき「気にすんなけいちゃ。」
けいちゃ「オイ」
Dr.マオ「ウッヒョー!!ようやく生まれたんだァー!!
今日は歴史的な日だァア!外へ飛び立ち、
未来への第一歩となる最初の…ガッフ↑!」
ゴッ!!
あきが自分の靴をマオの顔面に投げつける
あき「話長いんだよジジイ…ってええ!!?」
Dr.マオ「許さんぞ若造…!!」
マオの頭にあったカラフルなサラサラヘアーは何処
髪がズレ落ち、日の出が見える
スタン「ズラだな」
けいちゃ「ズラだよな」
スタン「ズラだよね」
けいちゃ「うんズラだ。」
Dr.マオ「あ!!ああ!!」
慌てて落としたズラを拾い上げ装着する
Dr.マオ「おのれ撲滅隊どもめ!!許さん!!
怪物達よ!!白髪の男以外を始末し、白髪の男を連れてこい!」
オアアアア!!
呻き声を上げて4人に遅いかかる。
けいちゃ「うわまた来た!」
アタルフ「やっぱりアイツが操ってたのか…!」
あき「取り敢えず活路を開くぞ!」
強烈な回し蹴りが怪物達を
どんどんふっ飛ばしていく
Dr.マオ(何という突破力…!!まずいな)
ダダッ…
奥に逃げていく
アタルフ「ズラ野郎が逃げるぞ!ここは
俺とスタンに任せてあきとけいは先に行け!」
あき＆けいちゃ「了解!!」
店主がカウンターに座ったぱすてんと向かい合う
店主「あの子ら…奴らと出くわしてなけりゃいいが…」
ぱすてん「あっはは。何言ってんの。
もう出くわしてるに決まってんじゃん。」
店主「…へ?」
ぱすてん「もっと言えば多分、
もう半分は倒してるんじゃないかな?」
店主「どういうことですか?あなたは逃げろと言って…」
ぱすてん「子供はそういうところがあるんだ。
『やれ』と言われたら、やる気をなくす。
でも逆に
『やるな』と言われたら、やってみたくて
仕方がなくなり、かえってやる気が出る。
俺は表向きは禁止サインを出していたけど、
裏からはGOサインを出してた。」
店主「なんという危険な…()
たとえ対抗できるとしても、彼らが立ち向かう
という確信はあるんですか」
ぱすてん「はは、まさか。
俺は子供なんて持ったこともないし、
経験もそれほど豊富じゃない。
でも子供だったことはある。
だから俺は彼らを信じることができる。」
店主「…そういうもんですかね」
そう言って微笑む
ぱすてん「…今の撲滅隊っぽくね!?カッコよくね!?」
店主「…」
おにぎり研究所〜
ゴシャ!
拳が怪物を頭部を粉砕する
あき「はぁ…これで何匹倒した?」
アタルフ「さぁな」
けいちゃ「10匹以上だから『たくさん』で
いいだろ!んなもん!」
スタン「ははっ。わけ分かんねー。」
4人は順調に怪物を倒し続ける。
すると瞬時に怪物達の動きが止まる
あき「?…なんだ?」
パチパチパチパチ…
???「ブラボーブラボー…流石はR撲滅隊の諸君だ。」
頭上の足場に何者かが立っている
けいちゃ「誰だおまえ!!」
???「ふはは…私は中立勢の元首領を務めていた
『ドクター・マオ』だ!!」
そういってサラサラのカラフルな長髪を揺らす
アタルフ「何だコイツ」
スタン「君が主犯格?」
Dr.マオ「あー!素晴らしい!
一体何年待ち続けたことか!
白い髪のキミ!」
そういってけいちゃを指差す
けいちゃ「え?俺?」
Dr.マオ「そう!その輝く瞳、神聖な白髪!
まさに将来、この世界の十字架を背負う
大いなる役目を持ったダイヤの原石に違いない!!」
けいちゃ「えー…なんか嬉しいな。」
スタン「皮肉は良くないよオッサン」
あき「気にすんなけいちゃ。」
けいちゃ「オイ」
Dr.マオ「ウッヒョー!!ようやく生まれたんだァー!!
今日は歴史的な日だァア!外へ飛び立ち、
未来への第一歩となる最初の…ガッフ↑!」
ゴッ!!
あきが自分の靴をマオの顔面に投げつける
あき「話長いんだよジジイ…ってええ!!?」
Dr.マオ「許さんぞ若造…!!」
マオの頭にあったカラフルなサラサラヘアーは何処
髪がズレ落ち、日の出が見える
スタン「ズラだな」
けいちゃ「ズラだよな」
スタン「ズラだよね」
けいちゃ「うんズラだ。」
Dr.マオ「あ!!ああ!!」
慌てて落としたズラを拾い上げ装着する
Dr.マオ「おのれ撲滅隊どもめ!!許さん!!
怪物達よ!!白髪の男以外を始末し、白髪の男を連れてこい!」
オアアアア!!
呻き声を上げて4人に遅いかかる。
けいちゃ「うわまた来た!」
アタルフ「やっぱりアイツが操ってたのか…!」
あき「取り敢えず活路を開くぞ!」
強烈な回し蹴りが怪物達を
どんどんふっ飛ばしていく
Dr.マオ(何という突破力…!!まずいな)
ダダッ…
奥に逃げていく
アタルフ「ズラ野郎が逃げるぞ!ここは
俺とスタンに任せてあきとけいは先に行け!」
あき＆けいちゃ「了解!!」
紀源前EP7 クローン
最上階〜
Dr.マオ「図に乗るなよ…!あの小僧共!
かならず実験体を取り返し…なっ…!?」
あき「逃げ足の速いやつだ。」
けいちゃ「ったく」
Dr.マオ「取られていたと思っていた実験体がそのままだと!?」
あき「は?なんのことだ?」
そういってマオの奥を見ると、
大きめの瓶が左右二つおいてあった。
一方は割れており、もぬけの殻。
もう一方は割れておらず、中には小さな子供のような
白髪の人が入っていた。
Dr.マオ「おのれ…!!この私を騙したのか!!
悪知恵の働く猿ガアア!」
けいちゃ「ええ!?なんか怒ってる!?」
あき「うん…多分あのカプセルに入ってる奴と
お前を間違えたんじゃね?知らんけど」
Dr.マオ「ふん。まあいい。
これからお前達は生贄となるのだからなあ!!」
そういって白髪の子供の入ったカプセルに触れる
Dr.マオ「このカプセルに入っているのは人間だ。
いや、元人間といったところか?
今はもういないが、
そこの割れたカプセルに入っていた者と
融合した状態で空から降ってきたんだ。
直撃した衝撃で分裂したがな。
調べたらその生命体には、
強力な極致能の遺伝子を持っていてな。
我々研究員はそれを必死に回収し、
中立側の勝利に役立てられるよう
日々研究に励んだよ。
検出したエネルギーを実験台に
使って戦闘マシーンを作成したり…」
あき「あのカルテのようにか…」
アタルフの読んだ内容を思い出す
けいちゃ「そんなことのために実験台にされた人
はどうなんだよ!!」
Dr.マオ「他人の命など、勝利を篩にかければ
大した代償ではない!そのへんのちりに過ぎぬわ!!」
けいちゃ「てめぇ…」
あき「落ち着け慧。落ち着け。」
そういうあきの目は血走っており、
落ち着け。という言葉は自分に言い聞かせている
ようにも見えた。
Dr.マオ「そう…どうでもいいんだよ。」
スッ…
ポケットから注射器を取り出す。
中には濃い紫の液体が入っている。
あき「なんだそれは」
Dr.マオ「…割れたカプセルにいた方の話を忘れていたね。
コイツは研究所を逃げ出した。
とんでもない破壊力を秘めていたよ。
逃した魚は大きし。
私は悔いた。悔しさを胸に、
残っていた資料を元に、奴のクローンを作った。」
あき「まさか…!」
Dr.マオ「そう。この注射器にはそのクローンが
収容されている。だが所詮クローン。
自我を持たない殺戮兵器に過ぎない。
だから…」
ブスッ…ツツツ…
Dr.マオ「○ぬんだ」
Dr.マオは注射器を自身の首に刺し、
クローンを打ち込んだ。
Dr.マオ「図に乗るなよ…!あの小僧共!
かならず実験体を取り返し…なっ…!?」
あき「逃げ足の速いやつだ。」
けいちゃ「ったく」
Dr.マオ「取られていたと思っていた実験体がそのままだと!?」
あき「は?なんのことだ?」
そういってマオの奥を見ると、
大きめの瓶が左右二つおいてあった。
一方は割れており、もぬけの殻。
もう一方は割れておらず、中には小さな子供のような
白髪の人が入っていた。
Dr.マオ「おのれ…!!この私を騙したのか!!
悪知恵の働く猿ガアア!」
けいちゃ「ええ!?なんか怒ってる!?」
あき「うん…多分あのカプセルに入ってる奴と
お前を間違えたんじゃね?知らんけど」
Dr.マオ「ふん。まあいい。
これからお前達は生贄となるのだからなあ!!」
そういって白髪の子供の入ったカプセルに触れる
Dr.マオ「このカプセルに入っているのは人間だ。
いや、元人間といったところか?
今はもういないが、
そこの割れたカプセルに入っていた者と
融合した状態で空から降ってきたんだ。
直撃した衝撃で分裂したがな。
調べたらその生命体には、
強力な極致能の遺伝子を持っていてな。
我々研究員はそれを必死に回収し、
中立側の勝利に役立てられるよう
日々研究に励んだよ。
検出したエネルギーを実験台に
使って戦闘マシーンを作成したり…」
あき「あのカルテのようにか…」
アタルフの読んだ内容を思い出す
けいちゃ「そんなことのために実験台にされた人
はどうなんだよ!!」
Dr.マオ「他人の命など、勝利を篩にかければ
大した代償ではない!そのへんのちりに過ぎぬわ!!」
けいちゃ「てめぇ…」
あき「落ち着け慧。落ち着け。」
そういうあきの目は血走っており、
落ち着け。という言葉は自分に言い聞かせている
ようにも見えた。
Dr.マオ「そう…どうでもいいんだよ。」
スッ…
ポケットから注射器を取り出す。
中には濃い紫の液体が入っている。
あき「なんだそれは」
Dr.マオ「…割れたカプセルにいた方の話を忘れていたね。
コイツは研究所を逃げ出した。
とんでもない破壊力を秘めていたよ。
逃した魚は大きし。
私は悔いた。悔しさを胸に、
残っていた資料を元に、奴のクローンを作った。」
あき「まさか…!」
Dr.マオ「そう。この注射器にはそのクローンが
収容されている。だが所詮クローン。
自我を持たない殺戮兵器に過ぎない。
だから…」
ブスッ…ツツツ…
Dr.マオ「○ぬんだ」
Dr.マオは注射器を自身の首に刺し、
クローンを打ち込んだ。
紀源前EP8 トロモフ
あき「!…やめろ!」
Dr.マオ「ふふ…アハハハハハハ!!!
これで、私は自我を持つ最強の生命体となｎっ…」
ガクッ…
突然動きを止めた
あき「?」
けいちゃ「止まった?」
…むく
再び起き上がる
???「あー…私ノ名前は…マオと言うノカ?
いや、ドウデモヨイコトカ…」
体はDr.マオだが、声と気配が格段に変わっていた。
禍々しい雰囲気に変わっていた。
ズズ…
クローンを取り込んだマオの体は
顔や姿が徐々に変わっていく
けいちゃ「あ…顔が…」
あき「これは…誰の顔だ?」
???「そうカァ…理解出来タァ…俺はァ、
マオじゃないんダァ…」
アタルフ「今どういう状況?」
スタン「あれ?気取り屋ズラ博士は?」
あき「あれ…」
あきが指を差したクローンの方を見ると、アタルフは凍りついた
アタルフ「フだ…」
スタン「え?」
アタルフ「トロモフだ」
全員「!!」
その名に4人は驚愕した。
クローントロモフ「機嫌がいいからゲームだ。
頭が飛んだらそれ持って逃げろ
ソイツは生かしてやるよ!」
バキャッ!!!!
瞬きの隙にカッターを前方に飛ばす
ミシ…ミシ…
徐々に研究所に罅が入り、
ドオオオオオオオン!!
倒壊した
Dr.マオ「ふふ…アハハハハハハ!!!
これで、私は自我を持つ最強の生命体となｎっ…」
ガクッ…
突然動きを止めた
あき「?」
けいちゃ「止まった?」
…むく
再び起き上がる
???「あー…私ノ名前は…マオと言うノカ?
いや、ドウデモヨイコトカ…」
体はDr.マオだが、声と気配が格段に変わっていた。
禍々しい雰囲気に変わっていた。
ズズ…
クローンを取り込んだマオの体は
顔や姿が徐々に変わっていく
けいちゃ「あ…顔が…」
あき「これは…誰の顔だ?」
???「そうカァ…理解出来タァ…俺はァ、
マオじゃないんダァ…」
アタルフ「今どういう状況?」
スタン「あれ?気取り屋ズラ博士は?」
あき「あれ…」
あきが指を差したクローンの方を見ると、アタルフは凍りついた
アタルフ「フだ…」
スタン「え?」
アタルフ「トロモフだ」
全員「!!」
その名に4人は驚愕した。
クローントロモフ「機嫌がいいからゲームだ。
頭が飛んだらそれ持って逃げろ
ソイツは生かしてやるよ!」
バキャッ!!!!
瞬きの隙にカッターを前方に飛ばす
ミシ…ミシ…
徐々に研究所に罅が入り、
ドオオオオオオオン!!
倒壊した
紀源前EP9 波瀾万丈
スタンサファイア地区 闘技場〜
喧嘩賭博をするいわゆる娯楽場である
支配人「お…来てたのか。九楽シオン。」
シオン「…サーカス団長のおっちゃんか。」
支配人「団長ではないけどな。
ってかお前何してんだ?」
シオン「金を増やしてんのさ。」
支配人「お前が賭けに勝ってるとこ
見たことねえよ。そろそろ仕事したらどうだ?」
シオン「してるさ。今は準備中でね。」
支配人「ホントかよ…
そういえば、実験体の抹消とかいう依頼受けてたよな
アレってアレじゃねえのか?」
シオン「『アレ』じゃ分からねえよ。まあ分かるけど。
実験体はトロモフで、始末は難しいってことだろ?」
支配人「ああ。そうだ。いくらお前でも
トロモフの始末とか無理じゃね?」
シオン「俺の狙ってる実験体はそっちじゃねえ。
もう一つの。割れてないカプセルだ。」
支配人「?」
シオン「波を操る悪魔だったか。
それはそれは尋常じゃない力を持った生命体。」
支配人「どっちにしろやべえじゃん」
シオン「まあな。でも今は眠ってる。
そもそもソレは邪悪なトロモフの力を中和するべく
存在しているんだ。
眠ってる今はかろうじてトロモフの力を
弱められる程度だな。」
支配人「存在してるだけでトロモフを抑制か。
スゲえな。」
シオン「だからR勢から依頼が入ったんだろうよ。
奴らからすれば、
トロモフを抑圧するモノは邪魔でしかねえ。
逆にトロモフが完全になれば、
R勢は秒で勝てる。」
支配人「じゃあお前責任重大だろ。
なに呑気に賭博してんだよ。」
シオン「落ち着けよ。まあ正直
俺がトロモフを○しても良かったんだがな。
偶然、腕のあるアホ共が探検にきたからな
消耗。あわよくば共倒れしてもらう。」
支配人「?」
シオン「心配せずとも全て返済されるさ。
この喧嘩賭博みたいにな。」
『おーっと、○○!☆☆の顎を一発K.O.!!…』
シオン「…」
支配人(ハズしたな…)
シオン「チッ…」
支配人「お前そういうのよりも
スパイとかの方が稼げるよ。
あ、そういやあ、『弟』は元気か?」
シオン「…そんなのいたっけ?」
紀源前EP10 魂魄
大きな爆発音と共に研究所の瓦礫が崩れる
クローントロモフ「いいなぁ。
天井の隙間から垣間見える日光がたまらねえ…」
あき(これがトロモフ…
対のカッターが武器か。
クローンなら、本物よりも脆いか?
いや、問題はそこじゃねえ。)
アタルフ(状況の把握が追いつかない…
ヅラ博士がクローンを取り込み、
トロモフに変身した?自身を媒体にして…?
んな馬鹿なことが…)
けいちゃ「お前がトロモフか!!
クローンとはいえ、昔に大勢の一般市民を
手にかけたそうだな!!許さない!」
クローントロモフ「…」
一瞬の沈黙と同時に、
クローンの紫の額の血管が軋む
クローントロモフ「誰に向かって
口を聞いているんだお前は!?」
ギャリンという音と
共にカッターを振り上げ、
クローントロモフ『シューターカッター』
ドス黒く紫がかった無数の斬撃が
けいちゃに迫る
けいちゃ「いっ!?」
スタン(っ!!)
ドドオオォォン!!!!
床から大量の土壁が斬撃を防ぐ
クローントロモフ「あまいんだよなぁ…」
ギュリン…
飛び散ったヒトダマのようなものが
集まり、スタンとけいちゃを再び襲う
アタルフ「させるか…!」
ザザザザ…
傘でヒトダマを全て弾く
アタルフ(斬撃が生きてるように動く!!
ヒトダマのようなものは何だ?
スタンが防いだにも関わらず
曲がって襲いかかってきた…)
けいちゃ「ぐ…ゴフッ…」
口から血を吐く
スタン「どうした!?もしかして掠ったか…!!」
傷口は紫に染まっており、
ドンドン広がっているように見える
スタン「これは…」
クローントロモフ「ククク…ソイツはもう
長くねえだろうなァ。
毒じゃねえぜ?『魄撃 』だ。」
アタルフ「は?」
クローントロモフ「文字通り魂に
ダメージを与えるんだ。
魂は誰もが生まれつき平等に
同量与えられている。
俺の魄撃は魂のうち25%を削る。」
スタン「なんだよそれ…」
クローントロモフ「どれだけの巨躯でも
魂はみんな等しく脆い。
100%削られたらその場でお陀仏だ。」
あき「テメェの攻撃一発につき
25%の魄撃。魂はみんな等しく平等。
つまり誰であろうと4発喰らえば
アウトってワケか。」
クローントロモフ「ククク…ハンデは与えたんだ。
楽しませろよ?撲滅隊…」
ゴパッ!!
鈍い音と共にトロモフの顔半分が吹き飛ぶ
クローントロモフ「ゴフッ…(速っ…)」
あき「撲滅隊じゃねえ。滅殺隊だ。」
アタルフ「どんなに凄い攻撃でも
当たらなけりゃあ無意味だ!!」
ドドドドドドドド!!!
あきとアタルフによる
連続攻撃がトロモフを襲う
クローントロモフ(なるほど…)
ビチビチ…
顔が再生していく
あき「やっぱり再生するのかよ…」
トロモフ『シューターカッター』
再び斬撃が飛び交う
あき「頼んだぞアタルフ!」
アタルフ「何だと思ってんだよ俺を」
ドドド!
傘で斬撃を弾く
クローントロモフ(この二人が手練というわけか
魄撃について説明しただけですぐに順応。
殊にあの�逎團▲垢涼法�
拳一振りで頭蓋を砕くほどの威力…)
ヒュンッ!!
クローントロモフ「!!」
あきの手刀がトロモフの首に急接近する
クローントロモフ(喰らえば恐らく切断されるな…)
避けようと素早く首をのけぞる
あき(させるか…!)
グン…!!
手刀のリーチが伸びる
クローントロモフ「なっ…」
ガキィン!!
トロモフの首を手刀が掠る
あき「チッ…」
クローントロモフ「関節を外したか…
どちらにせよ常人に出来る芸当じゃあないな」
あき「…人の関節は全部で60超。俺はその全てを…」
ガチッガチンッ!!
関節が繋がる
あき「自由に操れる」
クローントロモフ「…」
アタルフ「あき!お前と俺でかたをつけるぞ!」
クローントロモフ「…たった二人でか?
それは傷を負った仲間を逃がすためか?」
その場にスタンとけいちゃの姿はない。
アタルフ「死なせるわけにゃあいかねえし。
何より約束してあるからな」
『危険ならすぐに逃げろ。』
アタルフ(まあ、怪物を見た時点で
逃げるべきだったが)
すると
あき「どけアタルフ」
アタルフ「…え?」
あき「こいつは俺が相手する。」
アタルフ「何言って…」
あき(お前は奥にあるカプセルを取れ。
あれは俺たち非R勢の所有物だ。)
アタルフ(!…わかったが…死ぬなよ)
あき(誰に言ってんだよ)
アタルフ(…ふっ)
クローントロモフ「…カプセルは渡さねえよ?」
アタルフ「!!」
ズアッ…!!
刹那。トロモフがアタルフに急接近し、
喉仏にカッターの刃先を突き上げようとする
アタルフ(!!…しまっ…)
グイッ…
あきがアタルフの首を掴んで奥に投げる
あき「オラアアアアアア!!」
ガキュイン!!
トロモフのカッターとあきの拳による
目にも止まらない速さで攻防が始まり、
戦いの火蓋が切られる
クローントロモフ「いいなぁ。
天井の隙間から垣間見える日光がたまらねえ…」
あき(これがトロモフ…
対のカッターが武器か。
クローンなら、本物よりも脆いか?
いや、問題はそこじゃねえ。)
アタルフ(状況の把握が追いつかない…
ヅラ博士がクローンを取り込み、
トロモフに変身した?自身を媒体にして…?
んな馬鹿なことが…)
けいちゃ「お前がトロモフか!!
クローンとはいえ、昔に大勢の一般市民を
手にかけたそうだな!!許さない!」
クローントロモフ「…」
一瞬の沈黙と同時に、
クローンの紫の額の血管が軋む
クローントロモフ「誰に向かって
口を聞いているんだお前は!?」
ギャリンという音と
共にカッターを振り上げ、
クローントロモフ『シューターカッター』
ドス黒く紫がかった無数の斬撃が
けいちゃに迫る
けいちゃ「いっ!?」
スタン(っ!!)
ドドオオォォン!!!!
床から大量の土壁が斬撃を防ぐ
クローントロモフ「あまいんだよなぁ…」
ギュリン…
飛び散ったヒトダマのようなものが
集まり、スタンとけいちゃを再び襲う
アタルフ「させるか…!」
ザザザザ…
傘でヒトダマを全て弾く
アタルフ(斬撃が生きてるように動く!!
ヒトダマのようなものは何だ?
スタンが防いだにも関わらず
曲がって襲いかかってきた…)
けいちゃ「ぐ…ゴフッ…」
口から血を吐く
スタン「どうした!?もしかして掠ったか…!!」
傷口は紫に染まっており、
ドンドン広がっているように見える
スタン「これは…」
クローントロモフ「ククク…ソイツはもう
長くねえだろうなァ。
毒じゃねえぜ?『
アタルフ「は?」
クローントロモフ「文字通り魂に
ダメージを与えるんだ。
魂は誰もが生まれつき平等に
同量与えられている。
俺の魄撃は魂のうち25%を削る。」
スタン「なんだよそれ…」
クローントロモフ「どれだけの巨躯でも
魂はみんな等しく脆い。
100%削られたらその場でお陀仏だ。」
あき「テメェの攻撃一発につき
25%の魄撃。魂はみんな等しく平等。
つまり誰であろうと4発喰らえば
アウトってワケか。」
クローントロモフ「ククク…ハンデは与えたんだ。
楽しませろよ?撲滅隊…」
ゴパッ!!
鈍い音と共にトロモフの顔半分が吹き飛ぶ
クローントロモフ「ゴフッ…(速っ…)」
あき「撲滅隊じゃねえ。滅殺隊だ。」
アタルフ「どんなに凄い攻撃でも
当たらなけりゃあ無意味だ!!」
ドドドドドドドド!!!
あきとアタルフによる
連続攻撃がトロモフを襲う
クローントロモフ(なるほど…)
ビチビチ…
顔が再生していく
あき「やっぱり再生するのかよ…」
トロモフ『シューターカッター』
再び斬撃が飛び交う
あき「頼んだぞアタルフ!」
アタルフ「何だと思ってんだよ俺を」
ドドド!
傘で斬撃を弾く
クローントロモフ(この二人が手練というわけか
魄撃について説明しただけですぐに順応。
殊にあの�逎團▲垢涼法�
拳一振りで頭蓋を砕くほどの威力…)
ヒュンッ!!
クローントロモフ「!!」
あきの手刀がトロモフの首に急接近する
クローントロモフ(喰らえば恐らく切断されるな…)
避けようと素早く首をのけぞる
あき(させるか…!)
グン…!!
手刀のリーチが伸びる
クローントロモフ「なっ…」
ガキィン!!
トロモフの首を手刀が掠る
あき「チッ…」
クローントロモフ「関節を外したか…
どちらにせよ常人に出来る芸当じゃあないな」
あき「…人の関節は全部で60超。俺はその全てを…」
ガチッガチンッ!!
関節が繋がる
あき「自由に操れる」
クローントロモフ「…」
アタルフ「あき!お前と俺でかたをつけるぞ!」
クローントロモフ「…たった二人でか?
それは傷を負った仲間を逃がすためか?」
その場にスタンとけいちゃの姿はない。
アタルフ「死なせるわけにゃあいかねえし。
何より約束してあるからな」
『危険ならすぐに逃げろ。』
アタルフ(まあ、怪物を見た時点で
逃げるべきだったが)
すると
あき「どけアタルフ」
アタルフ「…え?」
あき「こいつは俺が相手する。」
アタルフ「何言って…」
あき(お前は奥にあるカプセルを取れ。
あれは俺たち非R勢の所有物だ。)
アタルフ(!…わかったが…死ぬなよ)
あき(誰に言ってんだよ)
アタルフ(…ふっ)
クローントロモフ「…カプセルは渡さねえよ?」
アタルフ「!!」
ズアッ…!!
刹那。トロモフがアタルフに急接近し、
喉仏にカッターの刃先を突き上げようとする
アタルフ(!!…しまっ…)
グイッ…
あきがアタルフの首を掴んで奥に投げる
あき「オラアアアアアア!!」
ガキュイン!!
トロモフのカッターとあきの拳による
目にも止まらない速さで攻防が始まり、
戦いの火蓋が切られる
紀源前EP11 重傷
撲滅隊本部〜
ぱすてん「!?…けい!どうした!」
スタンがけいちゃを
連れて本部に戻る
スタン「コイツは魄撃をうけて重症だ。
…ワケあって迂闊に戦えなくなった。」
けいちゃ「馬鹿か…んな説明でわかるわけが…」
ぱすてん「わかった」
けいちゃ「えーー?」
ぱすてん「で、何割だ?」
スタン「え?何が?」
ぱすてん「魄撃のダメージの割合だよ」
スタン「あー…たしか25%って」
ぱすてん「そうか…なら何とかなるか…」
スタン「あの魄撃って…」
ぱすてん「…もっているのは極一部の
R勢だけだ。魄撃はもつ者によって
ダメージの割合が違う。
今回みたく25%の時もあれば、80%の時もある。」
スタン「80!?じゃあ2発喰らったら終わりじゃん!?」
ぱすてん「だから恐ろしいんだ。
魄撃をもっているのが分かっても、
今回みたく何%なのかは分からない。」
スタン「なんでそんな…」
ぱすてん「R勢の悪質な煽りによる精神攻撃が具現化したものだと言われてる。
まずは応急処置…」
店主「無駄だよ」
スタン「!」
ぱすてん「!!…店主か。どういうことだ?」
店主「言っていた通り、
魄撃はすなわち煽りや暴言のような
精神攻撃と同じく、傷跡は一生残る。
25%削られたのだから、
もう75%だけだ。」
ぱすてん「じゃあ…魄撃を付与する敵と遭ったら…」
店主「逃げなければならない。
じゃなければ○ぬだろう。」
ぱすてん「…!!」
スタン「ごめん…俺が怪物と遭遇したとき、
すぐに逃げていれば…」
ぱすてん「…元は俺が依頼を受けたせいだ。
とりあえず応急処置だ。
酒場から救急箱を取ってくる」
タタッ…
そう言って外に出て酒場に向かう
スタン「俺も行く!!店主さん!けいちゃを頼んだ!」
店主「え…私一人?」
ぱすてん「はぁ…早く取りに行かねえと…!」
スタン「ああ…」
トスッ…
ぱすてん「!!?」
スタン「!!!!」
何者かがぱすてんの鳩尾を刺す
ぱすてん「ゴフッ…だ…誰だお前…」
シオン「誰って…ああそういうことね。
俺は九楽シオン。撲滅隊を潰しに来た」
スタン「ざけんなテメェェェー!!!」
ズドドドドドドオン!!!
巨大な無数の土壁でシオンを閉じ込める
スタン「大丈夫かぱすてん!!」
ぱすてん「…ああなんとか。でも俺はあと
数発喰らえば終わりだな」
スタン「何言って…!」
ぱすてんの傷口が紫がかっている
スタン「まさか魄撃!?」
ぱすてん「アイツじゃなく、武器に
その効果が与えられているんだ。
そして…」
ビシッ…ビシッ…
シオンを閉じ込めた岩山に
ヒビが入り…
ドオオオオオオオン!!
砕ける
ぱすてん「スタン!お前は先に行け!
そして早くけいちゃの手当だ!」
スタン「でも…」
ぱすてん「俺はそう簡単に死なねえよ」
スタン「…わかった」
シオン「行かせるとでも思うか?」
ぱすてん「だからこうするんだよ」
ガシッ
シオンの腹部にしがみつく
シオン「おいおい何の真似だよ。
子供かお前は」
ぱすてん「行かせねえって言ってんだよ!」
シオン「チッ…」
ドギェ!!
強烈な膝蹴りを喰らわせる
ぱすてん「ぐはッ…」
シオン「いやあ脆いなぁ。お前本当に隊長か?」
ぱすてん「…ハァ…ゲホッ…」
研究所〜
クローントロモフ「お前やっぱり雰囲気が
違うな…何だ?
なんで素手でカッターを受けて傷一つない?」
あき「俺は極致能を持ってない。」
クローントロモフ「は?」
あき「スカだ。正真正銘。
傷を受けないのは鍛えたからだ。」
クローントロモフ「スカ?嘘だろ。
魄撃を無効化する能力でも持ってんだろ?」
あき「…」
嘘じゃねえ。
俺は元から極致能を与えられない身体に
なってるんだ。
だから他の仲間に負けないよう、
常人じゃあ鍛えられないくらい
鍛錬し、R勢を倒す術を身につけた。
あき「んな戯言はいらねえから。
さっさとかかってこいよ。」
クローントロモフ「…命知らずが。
じゃあ望み通りにな!!」
ビシ…ビシ…!
あき「!?」
天井から無数のヒトダマが襲いかかる!
あき(ヒトダマ…!さっきの攻防で飛び散った分を
天井裏に潜ませてたのか…!?)
ガガガッ…!
全て弾く
クローントロモフ「ヒャハッ!」
あき「!」
視界がトロモフから離れた瞬間に
あきに飛びかかる
あき「!!」
クローントロモフ「とっととくたばりやがれぇ!!」
キィン!!
カッターで3、4回と斬り込んでいく
あき「…!」
クローントロモフ『シューターカッター』
再び斬撃が飛び交う
あき「チッ」
ドドド!
斬撃を弾き
ヒトダマを殴打する
あき(速い…クローンだから本物よりも
多少は鈍いはずだ…それでもこれ程…!)
クローントロモフ「ハハハッ!どうしたどうしたァ!」
ザン!ザザン!
対のカッターを横に撫で振り、
すぐにそこから右、左と
上下に振り下ろす。
それをあきはギリギリで受け流す
ジュグジュグ…
あき「!?」
弾いた細かいヒトダマが集まり、
大型の斬撃となって後方からあきに迫る
あき(挟み撃ちか…なら…!!)
バキャッ!!
床を粉砕し、1階に飛び降りる
クローントロモフ「逃がすかよォ!!」
斬撃があきの後を追う
あき「!!」
すぐに避け、
後ろの怪物の残骸に直撃する
あき「!!…あれは…」
スタンの土壁に潰された怪物の
残骸に目をつけ、
あきは静かに笑みを浮かべた
ぱすてん「!?…けい!どうした!」
スタンがけいちゃを
連れて本部に戻る
スタン「コイツは魄撃をうけて重症だ。
…ワケあって迂闊に戦えなくなった。」
けいちゃ「馬鹿か…んな説明でわかるわけが…」
ぱすてん「わかった」
けいちゃ「えーー?」
ぱすてん「で、何割だ?」
スタン「え?何が?」
ぱすてん「魄撃のダメージの割合だよ」
スタン「あー…たしか25%って」
ぱすてん「そうか…なら何とかなるか…」
スタン「あの魄撃って…」
ぱすてん「…もっているのは極一部の
R勢だけだ。魄撃はもつ者によって
ダメージの割合が違う。
今回みたく25%の時もあれば、80%の時もある。」
スタン「80!?じゃあ2発喰らったら終わりじゃん!?」
ぱすてん「だから恐ろしいんだ。
魄撃をもっているのが分かっても、
今回みたく何%なのかは分からない。」
スタン「なんでそんな…」
ぱすてん「R勢の悪質な煽りによる精神攻撃が具現化したものだと言われてる。
まずは応急処置…」
店主「無駄だよ」
スタン「!」
ぱすてん「!!…店主か。どういうことだ?」
店主「言っていた通り、
魄撃はすなわち煽りや暴言のような
精神攻撃と同じく、傷跡は一生残る。
25%削られたのだから、
もう75%だけだ。」
ぱすてん「じゃあ…魄撃を付与する敵と遭ったら…」
店主「逃げなければならない。
じゃなければ○ぬだろう。」
ぱすてん「…!!」
スタン「ごめん…俺が怪物と遭遇したとき、
すぐに逃げていれば…」
ぱすてん「…元は俺が依頼を受けたせいだ。
とりあえず応急処置だ。
酒場から救急箱を取ってくる」
タタッ…
そう言って外に出て酒場に向かう
スタン「俺も行く!!店主さん!けいちゃを頼んだ!」
店主「え…私一人?」
ぱすてん「はぁ…早く取りに行かねえと…!」
スタン「ああ…」
トスッ…
ぱすてん「!!?」
スタン「!!!!」
何者かがぱすてんの鳩尾を刺す
ぱすてん「ゴフッ…だ…誰だお前…」
シオン「誰って…ああそういうことね。
俺は九楽シオン。撲滅隊を潰しに来た」
スタン「ざけんなテメェェェー!!!」
ズドドドドドドオン!!!
巨大な無数の土壁でシオンを閉じ込める
スタン「大丈夫かぱすてん!!」
ぱすてん「…ああなんとか。でも俺はあと
数発喰らえば終わりだな」
スタン「何言って…!」
ぱすてんの傷口が紫がかっている
スタン「まさか魄撃!?」
ぱすてん「アイツじゃなく、武器に
その効果が与えられているんだ。
そして…」
ビシッ…ビシッ…
シオンを閉じ込めた岩山に
ヒビが入り…
ドオオオオオオオン!!
砕ける
ぱすてん「スタン!お前は先に行け!
そして早くけいちゃの手当だ!」
スタン「でも…」
ぱすてん「俺はそう簡単に死なねえよ」
スタン「…わかった」
シオン「行かせるとでも思うか?」
ぱすてん「だからこうするんだよ」
ガシッ
シオンの腹部にしがみつく
シオン「おいおい何の真似だよ。
子供かお前は」
ぱすてん「行かせねえって言ってんだよ!」
シオン「チッ…」
ドギェ!!
強烈な膝蹴りを喰らわせる
ぱすてん「ぐはッ…」
シオン「いやあ脆いなぁ。お前本当に隊長か?」
ぱすてん「…ハァ…ゲホッ…」
研究所〜
クローントロモフ「お前やっぱり雰囲気が
違うな…何だ?
なんで素手でカッターを受けて傷一つない?」
あき「俺は極致能を持ってない。」
クローントロモフ「は?」
あき「スカだ。正真正銘。
傷を受けないのは鍛えたからだ。」
クローントロモフ「スカ?嘘だろ。
魄撃を無効化する能力でも持ってんだろ?」
あき「…」
嘘じゃねえ。
俺は元から極致能を与えられない身体に
なってるんだ。
だから他の仲間に負けないよう、
常人じゃあ鍛えられないくらい
鍛錬し、R勢を倒す術を身につけた。
あき「んな戯言はいらねえから。
さっさとかかってこいよ。」
クローントロモフ「…命知らずが。
じゃあ望み通りにな!!」
ビシ…ビシ…!
あき「!?」
天井から無数のヒトダマが襲いかかる!
あき(ヒトダマ…!さっきの攻防で飛び散った分を
天井裏に潜ませてたのか…!?)
ガガガッ…!
全て弾く
クローントロモフ「ヒャハッ!」
あき「!」
視界がトロモフから離れた瞬間に
あきに飛びかかる
あき「!!」
クローントロモフ「とっととくたばりやがれぇ!!」
キィン!!
カッターで3、4回と斬り込んでいく
あき「…!」
クローントロモフ『シューターカッター』
再び斬撃が飛び交う
あき「チッ」
ドドド!
斬撃を弾き
ヒトダマを殴打する
あき(速い…クローンだから本物よりも
多少は鈍いはずだ…それでもこれ程…!)
クローントロモフ「ハハハッ!どうしたどうしたァ!」
ザン!ザザン!
対のカッターを横に撫で振り、
すぐにそこから右、左と
上下に振り下ろす。
それをあきはギリギリで受け流す
ジュグジュグ…
あき「!?」
弾いた細かいヒトダマが集まり、
大型の斬撃となって後方からあきに迫る
あき(挟み撃ちか…なら…!!)
バキャッ!!
床を粉砕し、1階に飛び降りる
クローントロモフ「逃がすかよォ!!」
斬撃があきの後を追う
あき「!!」
すぐに避け、
後ろの怪物の残骸に直撃する
あき「!!…あれは…」
スタンの土壁に潰された怪物の
残骸に目をつけ、
あきは静かに笑みを浮かべた
紀源前EP12 細胞
攻防の内に日が暮れていく…
灰色の空が赤みがかっている
タンッ…
トロモフも後を追って一階に降り立つ
クローントロモフ「時間稼ぎのつもりかは
知らねえが、そんな調子じゃあ
俺はすぐに傘のガキに追いついちまうぞ」
あき「時間稼ぎ?違ぇよ。
俺がこの場でお前を倒すんだよ」
クローントロモフ「ケッ…やってみろ…」
ダンッ…
クローントロモフ「よ」
一瞬でトロモフの懐に入る
あき「遅ぇんだよ。クローン が」
ゴッ!!
後ろ回し蹴りが
トロモフのこめかみに直撃し、
吹き飛んだ反動で
二階に伸びていた土壁の柱が壊されていく
あき「おっと…」
トロモフが喉目掛けてカッターを振り上げる
ドスッ!!
クローントロモフ「…?何だと…」
そのカッターは怪物の腕を貫いていた
あき「やっぱりな」
パガガガガガ!!
トロモフの顔面に不意打ちを喰らわせる
クローントロモフ(怪物の身体も
同じくクローン!
俺と同じ人工細胞!
魄撃は無効化される!!
この男…勘が良い…
戦いの機転、応用が効く…)
あき「チャンス…!」
ドスッドスッ!
怪物の腕を使って対のカッターを
奪い取り、トロモフの胸部に突き刺す。
クローントロモフ「私に魄撃は効かな…」
あき「ウオオオオオオ!!」
ドドドオオオオオン!!!
トロモフの鳩尾を突き、
後方へと吹き飛ばし、
やがて奥の壁に勢い良くぶつかる
クローントロモフ「馬鹿力が…ぐっ…!!」
トロモフの胸部を貫いていた
カッターが壁に突き刺さっている
クローントロモフ(固定されたァ!!)
あき「けっけっけ〜どうだ?
身動きも取れねえだろ?」
怪物の残骸の山に腰掛けながら嘲笑する
クローントロモフ「ナメるな!!」
ズズッ…
両腕から小型の刃を出し…
クローントロモフ『シューターカッター』
大量の斬撃を出し、
周囲の土壁を巻き込む
あき「飽きたわソレ。」
軽々と避け、飛び散ったヒトダマを
片手で処理する。
クローントロモフ「チィッ…」
あき「さて、そろそろ撲滅隊本部に戻るか」
クローントロモフ「何?」
あき「だってもうお前○んだも同然だし」
クローントロモフ「馬鹿げたことを…
このくらいの深さのカッターなら、
すぐに引き抜いて…」
あき「違げーよ」
ズズッ…
二階の穴から無数の土壁が伸びてくる
クローントロモフ「なんだあれは…!!まさか」
あき「俺らが一階で暴れたおかげで
スゲーキレイになったよなー。
そういえば怪物と遭遇してから
スタンが凄い数の土壁を出してたよなぁ…
中には二階に伸びてるやつも
多数あったっけェ…（笑）」
クローントロモフ「しまっ…」
あき「そんな中で俺らが一階で暴れたんだ。
つまり…」
ピシッピシッ…
ドオオオオオオオン!!
二階の天井が崩落し、
一階に大量の土壁が降り注ぐ
あき「一階で支える柱がなくなり、
重さに耐えきれなくなった天井は
崩落。そしてお前はこの世から堕落。
じゃあな。ニセトロモフ」
クローントロモフ「待て!!ぎぃやああああああアアアア!!」
大量の土壁によってニセトロモフは押し潰され、
研究所諸共、崩壊する
あき「孤独に散れ」
灰色の空が赤みがかっている
タンッ…
トロモフも後を追って一階に降り立つ
クローントロモフ「時間稼ぎのつもりかは
知らねえが、そんな調子じゃあ
俺はすぐに傘のガキに追いついちまうぞ」
あき「時間稼ぎ?違ぇよ。
俺がこの場でお前を倒すんだよ」
クローントロモフ「ケッ…やってみろ…」
ダンッ…
クローントロモフ「よ」
一瞬でトロモフの懐に入る
あき「遅ぇんだよ。
ゴッ!!
後ろ回し蹴りが
トロモフのこめかみに直撃し、
吹き飛んだ反動で
二階に伸びていた土壁の柱が壊されていく
あき「おっと…」
トロモフが喉目掛けてカッターを振り上げる
ドスッ!!
クローントロモフ「…?何だと…」
そのカッターは怪物の腕を貫いていた
あき「やっぱりな」
パガガガガガ!!
トロモフの顔面に不意打ちを喰らわせる
クローントロモフ(怪物の身体も
同じくクローン!
俺と同じ人工細胞!
魄撃は無効化される!!
この男…勘が良い…
戦いの機転、応用が効く…)
あき「チャンス…!」
ドスッドスッ!
怪物の腕を使って対のカッターを
奪い取り、トロモフの胸部に突き刺す。
クローントロモフ「私に魄撃は効かな…」
あき「ウオオオオオオ!!」
ドドドオオオオオン!!!
トロモフの鳩尾を突き、
後方へと吹き飛ばし、
やがて奥の壁に勢い良くぶつかる
クローントロモフ「馬鹿力が…ぐっ…!!」
トロモフの胸部を貫いていた
カッターが壁に突き刺さっている
クローントロモフ(固定されたァ!!)
あき「けっけっけ〜どうだ?
身動きも取れねえだろ?」
怪物の残骸の山に腰掛けながら嘲笑する
クローントロモフ「ナメるな!!」
ズズッ…
両腕から小型の刃を出し…
クローントロモフ『シューターカッター』
大量の斬撃を出し、
周囲の土壁を巻き込む
あき「飽きたわソレ。」
軽々と避け、飛び散ったヒトダマを
片手で処理する。
クローントロモフ「チィッ…」
あき「さて、そろそろ撲滅隊本部に戻るか」
クローントロモフ「何?」
あき「だってもうお前○んだも同然だし」
クローントロモフ「馬鹿げたことを…
このくらいの深さのカッターなら、
すぐに引き抜いて…」
あき「違げーよ」
ズズッ…
二階の穴から無数の土壁が伸びてくる
クローントロモフ「なんだあれは…!!まさか」
あき「俺らが一階で暴れたおかげで
スゲーキレイになったよなー。
そういえば怪物と遭遇してから
スタンが凄い数の土壁を出してたよなぁ…
中には二階に伸びてるやつも
多数あったっけェ…（笑）」
クローントロモフ「しまっ…」
あき「そんな中で俺らが一階で暴れたんだ。
つまり…」
ピシッピシッ…
ドオオオオオオオン!!
二階の天井が崩落し、
一階に大量の土壁が降り注ぐ
あき「一階で支える柱がなくなり、
重さに耐えきれなくなった天井は
崩落。そしてお前はこの世から堕落。
じゃあな。ニセトロモフ」
クローントロモフ「待て!!ぎぃやああああああアアアア!!」
大量の土壁によってニセトロモフは押し潰され、
研究所諸共、崩壊する
あき「孤独に散れ」
紀源前EP13 絶望
〜酒場前〜
シオン「覚えてるか?非R勢とR勢が
ぶつかりあった戦争。お前がトロモフを
倒し、終わらせた戦争だ。」
ぱすてん「…!」
シオン「あの時、トロモフ以外のR勢は
ほとんどやられていない。
逆に可哀相なお前らの仲間は沢山逝ったがな。
R勢陣営側を仕切っていた者達は
皆、無傷で帰還した。」
ぱすてん「…赤い十字架の六番から十番…」
シオン「ああ。まあ改名したがな。
セキジュージ…?だったか。
まあこれは教えてやるよ。」
ガチン!
懐から出したヨーヨーを魄撃入りのナイフにつける
シオン「肉体よりも、精神に対する攻撃の方がダメージが大きいってことをな!!」
ズドドドドドドオォォォン!!
ぱすてん「!!」
ヨーヨーの芯についた刃が
大地を根こそぎ抉り取る
シオン「イイモン持ってるだろ?
このヨーヨーから出る糸は無限に伸びていく。
あ、糸はワイヤーだし、もちろん
魄撃効果があるからな。」
ぱすてん「どこまで人の精神を蝕む気だ…!」
シオン「さぁ?心逝くまで…命尽きるまで!!」
ギャリリリリリリリリリ!!
超スピードでぱすてんの足場を
ヨーヨーで抉り取っていく
ぱすてん(何が狙いだ?コイツ…)
ヒュッ
ヨーヨーを弧を描くように振り上げ、
やがてぱすてんの頭上になぎ倒す
ぱすてん「ぐっ…」
それをぱすてんは斜めに飛んで避ける
シオン「駄目じゃないか…
俺の前でジャンプなんて」
ドカッ!!
横腹を蹴りとばす
ぱすてん「かっ…」
戦時中〜禁制区域トパルフ地区
俺は物心ついた時から
Rのサンドバッグだった。
毎日のように
殴られては蹴られ
殴られては蹴られ
それをずっと繰り返していた。
でも人の慣れというのは恐ろしく、
痛いという感情は無くなった。
目が良い。鼻が良い。耳が良い。
己の5感は生まれつき優れていたから
腹が減ったらそれで
そこら辺の木の実や小動物
を探して食っていた
ぱすてん「…」
周囲に鮮血が広がる
シオン「少し…勘が鈍ったか。
それとも伝説は偽り。
ぱすてん。お前はもしや弱かったのかねぇ。」
撲滅隊本部〜
スタン「けいちゃ!取ってきたぞ!救急箱!」
けいちゃ「スタン…俺…」
スタン「気にするなよ!自分のことを考えろ!
もう戦わずに休め…
店主さん、一応外の様子を確認してきてくれ!」
店主「分かりました!」
そう言って外へ出ていく
けいちゃ「スタン…非R勢として戦うことは合っているのだろうか…」
スタン「は?何だよ急に…」
けいちゃ「気付いたんだ…
R勢っていうのは無限で…
一生なくならなくて…
戦うのは無意味で…
俺が…俺たちがするべきことは…
まちがっ…」
スタン「そんなの戯言だろ!!馬鹿なこと言うな!!」
胸ぐらを掴む
けいちゃ「…」
スタン「ごめん。
魄撃を喰らった影響だよな。
感情的になっちまった。あはは…」
けいちゃ「…ああ。そうだよな。そのとおり…」
ゴッ!!
けいちゃ「だ」
ヨーヨーがけいちゃの後頭部に直撃する
ドサッ…
シオン「あれ?実験体いねーじゃん。」
スタン「…なんで…お前がここにいる?」
シオン「なんでって…あ、そうか。
ぱすてん隊長は俺が斃した」
そういってニカッと笑う
スタン「そうか…じゃあ、お前を斃す」
シオン「覚えてるか?非R勢とR勢が
ぶつかりあった戦争。お前がトロモフを
倒し、終わらせた戦争だ。」
ぱすてん「…!」
シオン「あの時、トロモフ以外のR勢は
ほとんどやられていない。
逆に可哀相なお前らの仲間は沢山逝ったがな。
R勢陣営側を仕切っていた者達は
皆、無傷で帰還した。」
ぱすてん「…赤い十字架の六番から十番…」
シオン「ああ。まあ改名したがな。
セキジュージ…?だったか。
まあこれは教えてやるよ。」
ガチン!
懐から出したヨーヨーを魄撃入りのナイフにつける
シオン「肉体よりも、精神に対する攻撃の方がダメージが大きいってことをな!!」
ズドドドドドドオォォォン!!
ぱすてん「!!」
ヨーヨーの芯についた刃が
大地を根こそぎ抉り取る
シオン「イイモン持ってるだろ?
このヨーヨーから出る糸は無限に伸びていく。
あ、糸はワイヤーだし、もちろん
魄撃効果があるからな。」
ぱすてん「どこまで人の精神を蝕む気だ…!」
シオン「さぁ?心逝くまで…命尽きるまで!!」
ギャリリリリリリリリリ!!
超スピードでぱすてんの足場を
ヨーヨーで抉り取っていく
ぱすてん(何が狙いだ?コイツ…)
ヒュッ
ヨーヨーを弧を描くように振り上げ、
やがてぱすてんの頭上になぎ倒す
ぱすてん「ぐっ…」
それをぱすてんは斜めに飛んで避ける
シオン「駄目じゃないか…
俺の前でジャンプなんて」
ドカッ!!
横腹を蹴りとばす
ぱすてん「かっ…」
戦時中〜禁制区域トパルフ地区
俺は物心ついた時から
Rのサンドバッグだった。
毎日のように
殴られては蹴られ
殴られては蹴られ
それをずっと繰り返していた。
でも人の慣れというのは恐ろしく、
痛いという感情は無くなった。
目が良い。鼻が良い。耳が良い。
己の5感は生まれつき優れていたから
腹が減ったらそれで
そこら辺の木の実や小動物
を探して食っていた
ぱすてん「…」
周囲に鮮血が広がる
シオン「少し…勘が鈍ったか。
それとも伝説は偽り。
ぱすてん。お前はもしや弱かったのかねぇ。」
撲滅隊本部〜
スタン「けいちゃ!取ってきたぞ!救急箱!」
けいちゃ「スタン…俺…」
スタン「気にするなよ!自分のことを考えろ!
もう戦わずに休め…
店主さん、一応外の様子を確認してきてくれ!」
店主「分かりました!」
そう言って外へ出ていく
けいちゃ「スタン…非R勢として戦うことは合っているのだろうか…」
スタン「は?何だよ急に…」
けいちゃ「気付いたんだ…
R勢っていうのは無限で…
一生なくならなくて…
戦うのは無意味で…
俺が…俺たちがするべきことは…
まちがっ…」
スタン「そんなの戯言だろ!!馬鹿なこと言うな!!」
胸ぐらを掴む
けいちゃ「…」
スタン「ごめん。
魄撃を喰らった影響だよな。
感情的になっちまった。あはは…」
けいちゃ「…ああ。そうだよな。そのとおり…」
ゴッ!!
けいちゃ「だ」
ヨーヨーがけいちゃの後頭部に直撃する
ドサッ…
シオン「あれ?実験体いねーじゃん。」
スタン「…なんで…お前がここにいる?」
シオン「なんでって…あ、そうか。
ぱすてん隊長は俺が斃した」
そういってニカッと笑う
スタン「そうか…じゃあ、お前を斃す」
紀源前EP14 割れる
スタン(ぱすてん…!ぱすてん…!コイツ を倒して早く助けねえと!!)
シオン「やっぱりそうか。」
スタン「?」
シオン「大分削れてんなあ。
おかげで現撲滅隊の総戦力4つの内一人を
楽に処理できた。ついでに店主もな」
スタン「何の話だ」
シオン「俺がお前らをボロ研究所に入らせて
怪物と闘うように仕向けたんだよマヌケ。
狙いは実験体だが、
撲滅隊の戦力を削んのも悪くねえからな。」
スタン「お前が事の発端か…!」
シオン「まさか、仕向けたの俺だが
行かせたのはお前らの駄目隊長だろ?
研究所のデマを信じたお前らが悪いん…」
スタン「もう喋るな」
ドドオオオオオオン!!
巨大な土壁をシオンに向け放つ
シオン「焦んなって」
ギャリギャリギャリッ!!
迫る土壁をヨーヨーのワイヤーで
細切れにする
スタン「遅えよ」
シオン「っ!?」
細切れになった土壁の隙間から
シオンにパンチを喰らわせる
シオン「まぁ…幹部だもんn…」
ビシッ!
シオンの立っていた地面一帯が急上昇し、
やがて下へと方向を変え、潰そうとする
スタン「スクラップにしてやる…!」
シオン「いいなぁ…イイモン持ってるじゃん」
ドゴッ!!
上空にいたはずのシオンが
スタンの顔面に拳を炸裂させる
スタン「グッ…」
シオン「ヒャハァ!!」
バキャッ!!
トドメの踵落としがスタンに炸裂する
シオン「悲しいよなあ、
どれだけ強い能力を持ってても
所詮はこの程度なんて」
アタルフ「どの程度って?」
シオン「!?」
突如背後からアタルフが現れ、
シオンが避けようとしたところで
スタンが足を掴む
シオン「チッ…」
スタン「油断した…なぁ…」
ガゴンッ!
持っていた大型カプセルで
シオンを殴りつける
シオン(…!あれは実験体…!!)
アタルフの懐目掛けてヨーヨーを飛ばす
それをアタルフは傘でいなす
スタン「アタルフ!」
アタルフ「?」
素早くアイコンタクトを取り、
「アタルフ、シオン、スタン」の順に
一直線上になったところで
スタンが土壁で攻撃、アタルフは傘を投げつける
シオン(傘にどんな細工があるか
わからない…ここは避けるか。)
ヒュッ…
素早く躱すと
スタン『インフェルノフォール』
両手を組んで地面に押し付けると
シオンの立っていた地面に大穴が開く
シオン「何だと!?」
シオンが穴の端々を蹴って登ろうとすると
スタンがすかさずシオンを踏みつける
スタン「行けアタルフ!!」
シオン「名前を呼ぶ馬鹿がいるか!!」
と、アタルフの方を警戒するが、
そこにはいない
シオン「!?…どこだ…」
すると真上からアタルフが傘で全力で叩き落とす
スタン、アタルフ「地獄に堕ちろ」
ズゥゥゥゥン…!!
スタン「よし、俺はぱすてんと店主。
お前はけいちゃを手当てしろ!」
アタルフ「一応俺副隊長だぞ!!」
アタルフ「おい!けいちゃ!大丈夫か!!」
けいちゃ「…メ…だ…だ…めだ…」
アタルフ「?」
ゴゴゴゴゴゴ…
後ろから強大な影が滅殺隊3人に迫る…
シオン「やっぱりそうか。」
スタン「?」
シオン「大分削れてんなあ。
おかげで現撲滅隊の総戦力4つの内一人を
楽に処理できた。ついでに店主もな」
スタン「何の話だ」
シオン「俺がお前らをボロ研究所に入らせて
怪物と闘うように仕向けたんだよマヌケ。
狙いは実験体だが、
撲滅隊の戦力を削んのも悪くねえからな。」
スタン「お前が事の発端か…!」
シオン「まさか、仕向けたの俺だが
行かせたのはお前らの駄目隊長だろ?
研究所のデマを信じたお前らが悪いん…」
スタン「もう喋るな」
ドドオオオオオオン!!
巨大な土壁をシオンに向け放つ
シオン「焦んなって」
ギャリギャリギャリッ!!
迫る土壁をヨーヨーのワイヤーで
細切れにする
スタン「遅えよ」
シオン「っ!?」
細切れになった土壁の隙間から
シオンにパンチを喰らわせる
シオン「まぁ…幹部だもんn…」
ビシッ!
シオンの立っていた地面一帯が急上昇し、
やがて下へと方向を変え、潰そうとする
スタン「スクラップにしてやる…!」
シオン「いいなぁ…イイモン持ってるじゃん」
ドゴッ!!
上空にいたはずのシオンが
スタンの顔面に拳を炸裂させる
スタン「グッ…」
シオン「ヒャハァ!!」
バキャッ!!
トドメの踵落としがスタンに炸裂する
シオン「悲しいよなあ、
どれだけ強い能力を持ってても
所詮はこの程度なんて」
アタルフ「どの程度って?」
シオン「!?」
突如背後からアタルフが現れ、
シオンが避けようとしたところで
スタンが足を掴む
シオン「チッ…」
スタン「油断した…なぁ…」
ガゴンッ!
持っていた大型カプセルで
シオンを殴りつける
シオン(…!あれは実験体…!!)
アタルフの懐目掛けてヨーヨーを飛ばす
それをアタルフは傘でいなす
スタン「アタルフ!」
アタルフ「?」
素早くアイコンタクトを取り、
「アタルフ、シオン、スタン」の順に
一直線上になったところで
スタンが土壁で攻撃、アタルフは傘を投げつける
シオン(傘にどんな細工があるか
わからない…ここは避けるか。)
ヒュッ…
素早く躱すと
スタン『インフェルノフォール』
両手を組んで地面に押し付けると
シオンの立っていた地面に大穴が開く
シオン「何だと!?」
シオンが穴の端々を蹴って登ろうとすると
スタンがすかさずシオンを踏みつける
スタン「行けアタルフ!!」
シオン「名前を呼ぶ馬鹿がいるか!!」
と、アタルフの方を警戒するが、
そこにはいない
シオン「!?…どこだ…」
すると真上からアタルフが傘で全力で叩き落とす
スタン、アタルフ「地獄に堕ちろ」
ズゥゥゥゥン…!!
スタン「よし、俺はぱすてんと店主。
お前はけいちゃを手当てしろ!」
アタルフ「一応俺副隊長だぞ!!」
アタルフ「おい!けいちゃ!大丈夫か!!」
けいちゃ「…メ…だ…だ…めだ…」
アタルフ「?」
ゴゴゴゴゴゴ…
後ろから強大な影が滅殺隊3人に迫る…
紀源前EP15 覚醒
気付けば辺りは暗くなり、
アキは帰り道の森を抜けようとしていた
アキ「早く帰ろ…
アイツら…無事に着けたかな…
スタン…けいちゃ…アタルフ…」
撲滅隊本部前〜
シオン「アハハハハハハハハハ!!!!
これこそ馴れ合い!!
3対1というハンデをモノともせず負け、
仲間を言い訳に散っていくその様!!
まさしくR勢に他ならない!!
俺たちR勢の世界はすぐそこまで来ている!!」
ザッ…
アキ「なんだよ…これ…」
目の前に広がった光景は地獄絵図
意識を失ってしまった仲間達の姿が
そこにあった
シオン「お前だけは
逝ってほしくないんだぜ?黒星千秋。
能力を持たない者同士、
R勢としてなかよk…」
ドゴッ!!
20メートルはあった距離を一瞬で詰め、
シオンの顔面に拳を喰らわせる
アキ「じゃあ…俺は撲滅隊として、
お前を捻り潰してやる!!」
シオン(クックッ…馬鹿が…俺と近接戦闘をするとか
自サツ行為にもほどがある…)
ゴフッ…
吐血する
シオン「!?…」
恐る恐る自身の手を見ると
紫に変色している。
シオン(魄撃だと!!?
まさかコイツ…このタイミングで極致能を!?
非R勢が魄撃を使うのは有り得ないはずだ…
それにR勢である俺に魄撃なんて効かな…)
アキ「確かに魄撃は非R勢をR勢に寝返らせる
攻撃だ。R勢には効かない。
でも、魄撃にはもう一つ効果がある。」
シオン「まさか…」
アキ「R勢に寝返らない。寝返られない。
その代償はお前の命だ。
俺の魄撃は20%。残り80%。
あと4発でお前を倒せる。
お前の敗因は、
俺の能力発現を予期していなかったことと、
俺の仲間をいたぶったこと」
シオン「敗因?勝負はこれからだろ?」
アキ「!!」
ドオオオオオオオン
アキ目掛けてヨーヨーを振りかざす
シオン(ヤツの近接戦闘技術からして、
1秒間に10発は容易で繰り出せるか。
近付かれたらゲームオーバー。
だが遠距離攻撃は持っていない。
近付かれないように沈めりゃあいい。)
ガチッガチッ‥
ヨーヨーのワイヤーに歪なカッターを取り付ける
アキ「それは…」
シオン「これは本物のトロモフが持っていた
二つのカッターの内の一つだ。
存分に味わえ!!」
ゴウッ…
ワイヤーを振り回し、カッターをアキ目掛けて飛ばす
ギャギャギャギャギャッ!!
凄まじい速度の攻防が繰り広げられる
アキ(速い!黒いワイヤーが
夜闇にまぎれて見えない…
カッターの軌道が読めねえ…!
近づけねえ。
最強の拒絶型だ…)
シオン「遺言は考えたか!?
頭に焼き付けとけ!!
後で解剖して読んでやるからよォ!!」
ズドドドドドドオン!!
鋭いカッターの回転が地面を砕き、
アキの耳を掠り、
アキそのワイヤーを
逃がすまいと噛み付く
シオン「!?」
アキ「ふっほへ!(ぶっとべ)」
頸を大きく振り、
ワイヤーごとシオンを吹き飛ばす
ドオオオオオオオン!!
公園の柵まで吹き飛んでぶち当たる
シオン「ッチ…」
アキ「逃げられると思うなよ?」
シオン「っ」
バゴッ!!
シオンの右頬を殴り飛ばす
シオン「グハ…」
シオンが吹き飛んでいる最中に
アキがすかさず追いつき、胸ぐらを掴んで
空中にぶん投げ、
投げた方向に飛び、
頬、腹に2発打撃を
与え、地面へと蹴りとばす
ドオオオオオオオン!!
シオン「ガハッ…!!」
地面に激しく叩きつけられたにも関わらず、
すぐによろめきながらも立ち上がる
アキ「おっそ」
回し蹴りをシオンに炸裂させる
と同時に着地し、
右頬、左頬と順に
超スピードで連撃を喰らわせる。
ドドドドドドドドド!!!!
シオン(速すぎる…!激しすぎて
瞬きできねえ…!
かろうじて本能で受け流してる…!!)
バキャッ!!
トドメの一撃が顎にヒットする
当時滅殺隊の最高戦力と
称された黒星千秋。
およそ193秒間の攻防の間に
3756発もの連撃を炸裂させた。
シオン(過小評価だった…この男は
化け物だ…!これが…現撲滅隊…いや
滅殺隊の隊長…!!)
アキ「チゲぇよ」
シオン(!?)
アキ「俺は…R撲滅隊だ」
紀源前EP16 壊れた心
数十年前
弱肉強食って知ってるか?
シオン「え?知らない。なあにそれ?」
お前もいずれ分かるさ。
シオン「へぇ〜…」
古い記憶が自分の心を
害する。
自分を捨てた両親の
猫なで声が不快でたまらない。
ある日唐突に理解した。
どこへ行こうが俺にとって
光なんて最初からなかったんだ
「えーん!…えーん…!」
悲惨な遺体と化した両親の手元には
産声を上げる赤子が一匹…
それを見下ろす自分の姿が
脳裏に浮かんで…
シオン「ゴフッ…」
目が覚めると同時に激しく吐血する
アキ「しぶといな。夢見れるくらい余裕か。」
シオン(混乱させないためか…
あるいは確定魄撃ではないのか…
どちらにせよ
急所だけは避けまくったかいがあった…)
アキ(もうかなりのダメージは
入ってるだろうが…
炸裂した魄撃は体感で3発くらいか…
最初の一発と合わせて4発与えた。
確定死まで残り1発)
シオン「詰み…か。」
アキ「…?降参かよ?」
シオン「いーや?俺は卑しいR勢。
逃げることも厭わねえ。」
アキ「…逃がすとでも?」
シオン「俺は実験体をもらうだけだ。
秩序を変えるためにな」
アキ「秩序?どういうこｔ…」
ズゥゥゥゥン…!
何かが割れる音と共に
地響きがする
シオン「?」
アキ「?」
突如、
シオンの頭上に黒い影が出現する
アキ「おい!!避けろ!」
シオン「は?」
ズズズズ…
シオン「……!!」
徐々にシオンの頭に侵入し、
シオンの目が黒く染まる
アキ「…何だ?一体…」
ブワッ…
素手でアキへと接近し、殴りかかり
アキがそれを受け止める
アキ「っ…何だよお前…!」
シオン「…」
返答がない
アキ(今さっきの破裂音…
あのカプセルか?
まさかコイツが言ってた実験体が
取り憑いたとかねえよな…
とりま、軽く受け流して…)
バキャッ!!
刹那の瞬間に
アキを殴り飛ばす
アキは闘いで移動する前の
撲滅隊本部の所まで飛ばされる
アキ(今のパワー…尋常じゃねぇ
どうなって…)
考えている内にシオンがアキの前まで
飛んでくる
アキ(やっべ…)
ガキュィン!!
シオンの足を傘が崩し、
転倒する
アタルフ「おかえりアキ待ってたぜぇ…」
アキ「お前…大丈夫なのか?」
アタルフ「ああ。それに、俺だけじゃねえ。」
アキ「?」
撲滅隊から2人出てくる
けいちゃ「今んとこ活躍無しなんでね…」
スタン「撲滅隊本部に危害を加えるなら
総力戦だ。」
アキ「お前ら…!」
アタルフ「アキ。指示を」
アキ「…おう。じゃあ、
俺ら4人で、コイツを拘束する!」
スタン、けいちゃ、アタルフ「了解!!」
ダンッ!
起き上がったシオンが
地面を勢いよく蹴る
スタン『グランドブラスト』
ドドオオォォン!!
大量の土壁で逃げ場をなくさせるように
シオンに向け放つ
ドンッ!
飛び跳ねたシオンは
土壁の上に乗る
同時にアタルフとけいちゃが
同じくそれに飛び乗る
アタルフ「さっきはよくもやって
くれたなあ。」
けいちゃ「お礼参りしてやるよ」
するとシオンの目を覆っていた影が
肥大化し、頭部全体を覆う。
さらに黒くなった頭部が割れる
アタルフ、けいちゃ「へ?」
2回変形したのち、
撲滅隊本部に目掛けて
口から青黒の加粒子砲を放つ
ドオオオオオオオン!!
けいちゃ「危ねえ!」
アタルフ『レインウォール!』
ギィィィィィィ…!!
傘を回転させ、加粒子砲を弾く
けいちゃ「嘘だろ?なんだよ今の…」
アタルフ「知らない。
でもこれではっきりしたな。
あの黒い影がもつ
撲滅隊への殺意と
シオンを操っていることが。」
するとまた、
黒い影が数回の変形を経て、
ヒレのついた球体になり、
そこから赤色の目が出現する
アタルフ「来るぞ!」
けいちゃ「本部を守れ!」
キィィ…
ドオオオオオオオ!
さっきよりも
威力の大きい加粒子砲を放つ
アキ「く・た・ば・れ!」
眼球を目掛けて4発
拳を叩き込み
加粒子砲の軌道がズレた所で、
アタルフとけいちゃがすかさず
顔面に攻撃する
???「ギィアアアアアアア!!」
シオンとは到底思えない甲高い
叫び声が夜闇に響く
同時に影がシオンの胴体から離れ、
再び極大の加粒子砲を本部に向け放つ
アタルフ「ヤッバ…」
けいちゃ「間に合わねえ!」
スタン「させるか!」
と、スタンが
巨大な土壁で加粒子砲を受け止める
アタルフ「けい!」
けいちゃ「!?…」
目で信号を伝え、
アタルフは傘を影の眼球に向け放ち、
けいちゃはその傘を追って、
眼球に刺さると同時に蹴りを与える
ドゴッ…!!
けいちゃ「硬えええええ!!」
傘はドンドン破け、内側の芯が丸出しになる
アタルフ「駄目か…!」
スタン「行けぇ!」
地面から土壁が生え、釘を打ち込むように傘を叩く
アキ「いい加減にしろ下衆がァァ!」
ドゴッ!
違う方向から拳を影に喰らわせる
同時に出た魄撃が影全体にダメージを与える
ビシッ…ビシッ…
???「ギャ…」
バリィィィィン!!
眼球が割れると共に影が
勢いよく弾け、消えていった…
弱肉強食って知ってるか?
シオン「え?知らない。なあにそれ?」
お前もいずれ分かるさ。
シオン「へぇ〜…」
古い記憶が自分の心を
害する。
自分を捨てた両親の
猫なで声が不快でたまらない。
ある日唐突に理解した。
どこへ行こうが俺にとって
光なんて最初からなかったんだ
「えーん!…えーん…!」
悲惨な遺体と化した両親の手元には
産声を上げる赤子が一匹…
それを見下ろす自分の姿が
脳裏に浮かんで…
シオン「ゴフッ…」
目が覚めると同時に激しく吐血する
アキ「しぶといな。夢見れるくらい余裕か。」
シオン(混乱させないためか…
あるいは確定魄撃ではないのか…
どちらにせよ
急所だけは避けまくったかいがあった…)
アキ(もうかなりのダメージは
入ってるだろうが…
炸裂した魄撃は体感で3発くらいか…
最初の一発と合わせて4発与えた。
確定死まで残り1発)
シオン「詰み…か。」
アキ「…?降参かよ?」
シオン「いーや?俺は卑しいR勢。
逃げることも厭わねえ。」
アキ「…逃がすとでも?」
シオン「俺は実験体をもらうだけだ。
秩序を変えるためにな」
アキ「秩序?どういうこｔ…」
ズゥゥゥゥン…!
何かが割れる音と共に
地響きがする
シオン「?」
アキ「?」
突如、
シオンの頭上に黒い影が出現する
アキ「おい!!避けろ!」
シオン「は?」
ズズズズ…
シオン「……!!」
徐々にシオンの頭に侵入し、
シオンの目が黒く染まる
アキ「…何だ?一体…」
ブワッ…
素手でアキへと接近し、殴りかかり
アキがそれを受け止める
アキ「っ…何だよお前…!」
シオン「…」
返答がない
アキ(今さっきの破裂音…
あのカプセルか?
まさかコイツが言ってた実験体が
取り憑いたとかねえよな…
とりま、軽く受け流して…)
バキャッ!!
刹那の瞬間に
アキを殴り飛ばす
アキは闘いで移動する前の
撲滅隊本部の所まで飛ばされる
アキ(今のパワー…尋常じゃねぇ
どうなって…)
考えている内にシオンがアキの前まで
飛んでくる
アキ(やっべ…)
ガキュィン!!
シオンの足を傘が崩し、
転倒する
アタルフ「おかえりアキ待ってたぜぇ…」
アキ「お前…大丈夫なのか?」
アタルフ「ああ。それに、俺だけじゃねえ。」
アキ「?」
撲滅隊から2人出てくる
けいちゃ「今んとこ活躍無しなんでね…」
スタン「撲滅隊本部に危害を加えるなら
総力戦だ。」
アキ「お前ら…!」
アタルフ「アキ。指示を」
アキ「…おう。じゃあ、
俺ら4人で、コイツを拘束する!」
スタン、けいちゃ、アタルフ「了解!!」
ダンッ!
起き上がったシオンが
地面を勢いよく蹴る
スタン『グランドブラスト』
ドドオオォォン!!
大量の土壁で逃げ場をなくさせるように
シオンに向け放つ
ドンッ!
飛び跳ねたシオンは
土壁の上に乗る
同時にアタルフとけいちゃが
同じくそれに飛び乗る
アタルフ「さっきはよくもやって
くれたなあ。」
けいちゃ「お礼参りしてやるよ」
するとシオンの目を覆っていた影が
肥大化し、頭部全体を覆う。
さらに黒くなった頭部が割れる
アタルフ、けいちゃ「へ?」
2回変形したのち、
撲滅隊本部に目掛けて
口から青黒の加粒子砲を放つ
ドオオオオオオオン!!
けいちゃ「危ねえ!」
アタルフ『レインウォール!』
ギィィィィィィ…!!
傘を回転させ、加粒子砲を弾く
けいちゃ「嘘だろ?なんだよ今の…」
アタルフ「知らない。
でもこれではっきりしたな。
あの黒い影がもつ
撲滅隊への殺意と
シオンを操っていることが。」
するとまた、
黒い影が数回の変形を経て、
ヒレのついた球体になり、
そこから赤色の目が出現する
アタルフ「来るぞ!」
けいちゃ「本部を守れ!」
キィィ…
ドオオオオオオオ!
さっきよりも
威力の大きい加粒子砲を放つ
アキ「く・た・ば・れ!」
眼球を目掛けて4発
拳を叩き込み
加粒子砲の軌道がズレた所で、
アタルフとけいちゃがすかさず
顔面に攻撃する
???「ギィアアアアアアア!!」
シオンとは到底思えない甲高い
叫び声が夜闇に響く
同時に影がシオンの胴体から離れ、
再び極大の加粒子砲を本部に向け放つ
アタルフ「ヤッバ…」
けいちゃ「間に合わねえ!」
スタン「させるか!」
と、スタンが
巨大な土壁で加粒子砲を受け止める
アタルフ「けい!」
けいちゃ「!?…」
目で信号を伝え、
アタルフは傘を影の眼球に向け放ち、
けいちゃはその傘を追って、
眼球に刺さると同時に蹴りを与える
ドゴッ…!!
けいちゃ「硬えええええ!!」
傘はドンドン破け、内側の芯が丸出しになる
アタルフ「駄目か…!」
スタン「行けぇ!」
地面から土壁が生え、釘を打ち込むように傘を叩く
アキ「いい加減にしろ下衆がァァ!」
ドゴッ!
違う方向から拳を影に喰らわせる
同時に出た魄撃が影全体にダメージを与える
ビシッ…ビシッ…
???「ギャ…」
バリィィィィン!!
眼球が割れると共に影が
勢いよく弾け、消えていった…
紀源前EP17 叶わない
シオンの胴体は塵と化し、
影のなくなった頭部は
意識はあるが、消えかけていた
シオン(…自分の意志でも
ねぇのに戦いを続行させられ、
挙げ句の果に○ぬのか俺…
まあ、覚醒したヤツの前では
どっちみち同じだったか。)
ザッ…
アキがシオンの頭部を見下ろす
シオン「…てめぇかよ」
アキ「何か言いたいことあるか?」
シオン「ねえよ。んなもん…
お前と年の近い俺の弟が撲滅隊に入りたいんだとよ。
万が一ここに来たら、煮るなり焼くなりご随意に。」
アキ「するかよ。てか弟はお前と違って人の心
ちゃんと持ってんだな。」
シオン「…」
アキ「…死んだか」
シオン「…」
俺の弟
数年前〜
物心ついた時から、
俺の周りには死の影が
たむろしてた。
俺は住民のサンドバッグ。
生きる価値なんてそれくらい
しか見い出せなかった…
俺の人生が変わったのは
弟の澪が生まれてからだった。
九楽 澪。俺にとって唯一の弟であり家族。
家族なんて実感はなかったが、
ある日
弟も俺と同じようにサンドバッグにされた…
俺は消えかけていた「怒り」
という感情がこみ上げた
ただでさえ多いR勢の地区。
ソイツらが喧嘩している所を
見て、喧嘩の仕方を覚えた。
大抵のことは見るだけで出来た。
サンドバッグにしていたR勢達を
指一本触れさせずに倒した。
自分の体が生まれつき
特別強靭であることをここで始めて気付いた
弟「俺も兄ちゃんみたいになりたい!」
そういうのよりも弟を見て
俺は笑った。
俺は自力で
トパルフ地方にいたR勢を倒すことを
胸に誓い、いつか弟とこの地区を抜け出すと
心に決めた。
4割弱のR勢を倒した頃
俺は周囲から恐れられた。
だれも俺ら兄弟に
危害をくわえなくなった時、
平穏が崩れ去った。
そのカッターは弟の
片目を貫いていた
シオン「誰だお前!」
トロモフ「悪いけどね。処理させてもらうよ。
君らは私の世界に不要だ。」
ドスッ!!
魄撃を伴うカッターが俺の鳩尾を引き裂いた
恵まれない環境で必死に
生きようとするのが
そんなにいけないことなのか?許されないのか?
俺は何か間違ったことをしたか?
人○し?R勢でも人間だから尊重しろとでも?
いや…そんな馬鹿な話はない。
幸い出血の少なかった弟を
俺は海に捨てた。
トロモフ「ほう…自分の大事な弟を捨てるか」
ドシュッ…!!
カッターで頭部を切り裂く
シオン「邪魔…だったから…。
俺はR勢になり…ます…」
トロモフ「愚かなり。気に入った」
シオン「…」
魄撃は俺の楽しかった記憶も
R勢に対する憎悪を消した。
残ったのは世の中に対する憎悪だ。
些細な夢も叶えられない世界を皮肉り、
俺は暗殺者になった。
生きるため。ただ生きるため。
ゴォォォ…
激しく火が燃え盛る。
シオン「これで依頼達成か。
〇〇一家暗殺。」
?「お兄…ちゃん…」
シオン「!?」
どこかで聞いたことのある声だった。
シオン「み…澪?」
弟「兄ちゃ…ん。」
愛してた弟を
俺は半殺しにしてしまった。
(僕も兄みたいになりたい!)
シオン「はは…あはは…ハハハハハハハハハハ!!!!」
弟は泣いた。でもどこか笑っているようにも
見えた。
でも俺は笑った。しぬほど笑った。
守るものを全部失い、
しがらみから解放された俺は笑い転げた。
生きれば生きるほど
自分が何をしたいのか
何になりたいの
何が欲しいのか
分からなくなる。
そうして出会った滅殺隊…
俺の体がこの世に残らないほど
粉々にした…
そうか…俺はこうなりたかったのか…
笑みを浮かべた顔がやがて崩れ去る
紀源前EP18 烈波
撲滅隊本部〜
研究所への偵察から始まった闘い
が終わって一週間経ち、
アキの怪我が完治していた
アキ「あー…やっと動けるぜ」
スタン「一週間経つとなんかあれだな…
久しぶりだな。シンミリ…」
涙ぐむ
アキ「どこが…?()」
アタルフ「お前完治したばっかだから
動くなよ?見回りとか俺らがやっとくから。」
アキ「ちぇ」
アタルフ「あ、そうだ。
いろいろあるけどまずアイツだ。」
アキ「ん?アイツ?」
アタルフの指差す先には
ダンボールが積み上げられており、
その頂上には、
銀色の髪で透き通る青目の少年が
寝っ転がっている。
アキ「誰?」
アタルフ「アイツは…」
アタルフが喋り出した途端、
起き上がり、アキの目の前まで
降りてくる
アキ「?…なに」
少年「俺様の顔を拝めるだけでも
有難く思え三下!!」
アキ「…え?は?」
突然の豪速球に茫然とする
少年「見たところ何の能力も
持ってないじゃないか。
それで撲滅隊の総戦力?笑わせるな!」
アキ「んだとチビ…!!」
ゴキーン!
少年がキン○マを蹴る
アキ「行脚ァアアアアア!!」
悶絶する
スタン「嫌われてるね」
アタルフ「コイツはシオンを
操った影と一緒にカプセルに
入ってたやつだ。」
アキ「ゼェ…ゼェ…ハァ…本体?」
スタン「そのガキは現環境にいる
R勢の力を抑制する力を持ってる。
このガキがいないと今頃俺らは○んでる」
アキ「そんなスゴイのか。」
少年「その通り!だから感謝しろよ
雑魚共!」
アキ「んな言い方すんなって。
仲良くしよーz…」
ゴチーン!!
再び例の箇所を蹴る
アキ「行脚アアアアーー!!」
再び悶絶する
少年「触るなって言ってるだろが!」
スタン「そういやぁ名前決めてないな〜。
君、なんて名前?」
少年「?…そ…そんなものは知らない!」
アキ「へーじゃあつけるか。」
少年「だから喋るな!」
再び蹴ろうとした足を掴む
アキ「っと…お前は今日からマスターな」
少年「何だと?」
スタン「なんでぇ?太郎が一番だろ。」
アタルフ「お前子育て向いてねえわ…()」
アキ「なんか全部悟ってそうな目してるし
…ってことでよろしくな!マスター!」
少年「…」
ゴキッ!
止めていた蹴りが急加速し、
アキの顔面に直撃する
アキ「イッテェ!!」
スタン「やっぱコイツ強くね?ちょい強の
R勢集団一人で倒せそうだけど」
アタルフ「…まだそういうのは
しない方がいいだろ。」
ガチャ…
本部の扉が開く
店主「皆さん。そろそろ…」
店主が何か深刻そうな
顔をしてアキの方を見る
スタン「ああ…」
アタルフ「…」
アキ「?」
研究所への偵察から始まった闘い
が終わって一週間経ち、
アキの怪我が完治していた
アキ「あー…やっと動けるぜ」
スタン「一週間経つとなんかあれだな…
久しぶりだな。シンミリ…」
涙ぐむ
アキ「どこが…?()」
アタルフ「お前完治したばっかだから
動くなよ?見回りとか俺らがやっとくから。」
アキ「ちぇ」
アタルフ「あ、そうだ。
いろいろあるけどまずアイツだ。」
アキ「ん?アイツ?」
アタルフの指差す先には
ダンボールが積み上げられており、
その頂上には、
銀色の髪で透き通る青目の少年が
寝っ転がっている。
アキ「誰?」
アタルフ「アイツは…」
アタルフが喋り出した途端、
起き上がり、アキの目の前まで
降りてくる
アキ「?…なに」
少年「俺様の顔を拝めるだけでも
有難く思え三下!!」
アキ「…え?は?」
突然の豪速球に茫然とする
少年「見たところ何の能力も
持ってないじゃないか。
それで撲滅隊の総戦力?笑わせるな!」
アキ「んだとチビ…!!」
ゴキーン!
少年がキン○マを蹴る
アキ「行脚ァアアアアア!!」
悶絶する
スタン「嫌われてるね」
アタルフ「コイツはシオンを
操った影と一緒にカプセルに
入ってたやつだ。」
アキ「ゼェ…ゼェ…ハァ…本体?」
スタン「そのガキは現環境にいる
R勢の力を抑制する力を持ってる。
このガキがいないと今頃俺らは○んでる」
アキ「そんなスゴイのか。」
少年「その通り!だから感謝しろよ
雑魚共!」
アキ「んな言い方すんなって。
仲良くしよーz…」
ゴチーン!!
再び例の箇所を蹴る
アキ「行脚アアアアーー!!」
再び悶絶する
少年「触るなって言ってるだろが!」
スタン「そういやぁ名前決めてないな〜。
君、なんて名前?」
少年「?…そ…そんなものは知らない!」
アキ「へーじゃあつけるか。」
少年「だから喋るな!」
再び蹴ろうとした足を掴む
アキ「っと…お前は今日からマスターな」
少年「何だと?」
スタン「なんでぇ?太郎が一番だろ。」
アタルフ「お前子育て向いてねえわ…()」
アキ「なんか全部悟ってそうな目してるし
…ってことでよろしくな!マスター!」
少年「…」
ゴキッ!
止めていた蹴りが急加速し、
アキの顔面に直撃する
アキ「イッテェ!!」
スタン「やっぱコイツ強くね?ちょい強の
R勢集団一人で倒せそうだけど」
アタルフ「…まだそういうのは
しない方がいいだろ。」
ガチャ…
本部の扉が開く
店主「皆さん。そろそろ…」
店主が何か深刻そうな
顔をしてアキの方を見る
スタン「ああ…」
アタルフ「…」
アキ「?」
紀元前EP19 父子の別離
酒場 診療室〜
アキ「は?」
目の前には、ベッドに伏していた
隊長の姿があった
アキ「…これ…夢…?ぱすてん?」
店主「応急処置はしましたが…
ここに運び出した時には既に…」
アタルフ「魄撃を受けた回数が
多かったらしい。
元から病気を患ってたから
進行が早まったのかも」
スタン「弱いクセに単身で突っ込んで
行くから…」
アキ「嘘だ…ついこの前は…
元気で俺たちのこと起こしたり…
育ててくれてたじゃん…」
ぱすてん「あ……き…?」
目を薄っすら開ける
アキ「ぱすてん!?」
ぱすてん「起きたのか…
良かった…大丈夫か?」
アキ「俺は大丈夫だ!
ぱすてんは!!?」
ぱすてん「…俺はもう…
ダメらしい。ごめんなぁ…」
アキ「!!!!」
バキッ!!
ぱすてんを殴りつける
アタルフ「!?」
スタン「おい…!」
アキ「何で…?何で○ぬ間際の人間は
全員謝るんだよ!!何か俺にしたか?
何か謝ることしたか!?」
ぱすてん「…」
アタルフ「やめろよアキ…!
ったく何でだよ…おかしいだろ!?
この前だってけいちゃが
出て行ったばかりなのに…」
アキ「は?」
スタン「怪我が治ったと思ったら
いきなり飛び出していったんだ。」
アキ「…ぱすてん。今夜公園に来い」
アタルフ「は?」
スタン「何言ってんだアキ!
いくらなんでもそんなの」
アキ「うるせえ」
スタン「…!」
途轍もない威圧が皆の口を制する
アタルフ「…もうそっとしておこうスタン」
スタン「ああ。」
はじまりの公園 夜〜
灰色の空は開け、
公園の真上にだけ星の光が見える
ぱすてん「懐かしいな…
綺麗な星…君を見つけたときも、
こんな夜だっけ…」
アキ「…」
ぱすてん「初めて君が撲滅隊に
来たときをよーく覚えてるよ。
真っ黒な目が輝いて見えた。
ああ、俺はコイツと一緒に
灰色の空を祓っていけるんだ
って嬉しくなったのを覚えてる。」
アキ「…」
ぱすてん「そうそう!
ご飯をがっついて食べてるとこも
すごくかわい…」
アキ「あのさ」
ぱすてん「?」
アキ「なんで思い出話ばっかり
俺にするんだよ?」
ぱすてん「…もうすぐ消えゆくこの命。
使うのなら、楽しいことに使いたい。
俺が生きてる間に…
いなくなっても悲しくないように
心を照らしてあげたいんだ。」
アキ「…」
アキの脳裏にぱすてんと
出会った時からの記憶が
溢れ出してくる
顔や仕草、会話の内容まで
鮮明に
アキ「…アァァ…グッ…」
大粒の涙が溢れ落ちる
アキ「うああああああああ!!!!」
拳を握り、ぱすてんに殴りかかる
バキィィィ!!
夜闇で打撃の音が響き渡る
アキ「なんでだよ!!ぱすてん!!
なんで昔のことを語る!!?
何ですぐにでも助けを求めなかった!?」
ぱすてん「…ああ。黙っていた。
助けを求めなかった…
確かにその分辛かったけどね…」
そう言って起き上がる
アキ「だったら何で…!」
ぱすてん「でも…
そんなことはどうでもいいだろ?」
アキ「どうでもいいだと!?
大事なことじゃないのかよ!!」
ぱすてん「何でだよアキ…
大事なのは俺じゃない。
『灰色じゃない空が見える世界、
R勢のいない世界を創りたい。』
二人でそう話してたじゃないか。
そのために
今まで一緒に撲滅隊をデッカくして
命を賭けてR勢と闘ってきたんだろ?
その方が大事なんじゃないのか」
アキ「うるせええええええええ!!!!!!」
ぱすてん「…!」
アキ「そんなのは俺にとっては
どうでも良かった…」
ぱすてん「え…?」
アキ「灰色の空なんていらない…
R勢のいない世界なんていらない…
俺はアンタを死なせないために
アタルフ達を死なせないために…
今までRと戦ってきたんだ…
死ぬ覚悟で…なのに…」
ぱすてん「アキ…」
アキ「アンタに分かるか?ぱすてん…」
ぱすてん「…」
アキ「一人だった俺に
与えられた最高の幸せが…
ある日唐突に
崩れ去っていく気持ちが…」
ぱすてん「…」
アキ「…何で俺の前に現れた?
何で俺に手を差し伸べた?
何で俺を撲滅隊に入れた?
何で俺を幸せにした?
ずっと不幸なら耐えられたのに…!!」
ガシッ…
アキを精一杯抱きしめる
その手は酷く弱々しかった
ぱすてん「本当にすまなかった…アキ…」
アキ「…」
3日後〜
R撲滅隊を創設し、
強大な戦力を築き上げた男は
この世を去った…
(ぱすてんさんすみませんぱすてんさんすみませんぱすてんさんすみません…)
撲滅隊本部〜
マスター「おい。腹が減ったぞ!何か喰わせろ!!」
スタン「はいはい。さつじんきー!
飯作っといてー!」
さつじんき「え?俺がですか?」(入隊2日目)
スタン「おめえだよ!!」
さつじんき「はいぃぃ…!」
アタルフ「なあスタン。お前アキ知らね?」
スタン「はー?見てないけど。
多分いつもんとこじゃね?」
アタルフ「そうか…」
スタン「せっかくだし後で二人で
見に行くか。さつじんきー。
マスターの面倒見といてー。」
さつじんき「はい。何でおればっか…」
スタン「あ?」
さつじんき「何でもないです…」
おわりの霊園〜
主にR勢によって
やられた人達を埋葬するための
慰霊の草原地帯
アキ「…」
隊長の慰霊碑を見下ろす
スタン「あっ…やっぱここにいたのかアキ」
アタルフ「さがしたぞ…」
スタン「墓参り?俺らもいのり帰るか」
ガッ…!!
慰霊碑を蹴りつける
スタン「!?」
アタルフ「!?」
ギシ…ギシ…
慰霊碑を踏みにじる
アキ「…」
アタルフ「おい…お前。何してんだ…?」
スタン「ちょっ…それは、ぱすてんの…」
アキ「…なあ。」
アタルフ「!」
スタン「!」
アキ「お前らは…もう平気か?
立ち直れたのか?」
アタルフ「あ、まぁ…立ち直れてはねぇが
いつまでも悲しんでたら隊長に
申し訳ないと思ってな」
アキ「そうか…でも俺は立ち直れない。」
ガッ!!
慰霊碑を蹴る
アキ「いつまで経っても
体がこの世界を受け付けない。
受け入れたくても受け入れられない。」
ガッ!!
慰霊碑をまたしても蹴る
アキ「でも俺は思ったんだ…」
スッ…
足を振り上げる
アタルフ「やめろ!!」
バキィィィィ!!
慰霊碑が砕け散る
アキ「受け入れられないなら」
ガッ…
慰霊碑の中にあった棺桶から
遺骨の頭部を取り出し…
バキバキッ!!
アキ「壊しちゃえばいいんだ」
その瞬間、ニヤケ顔に変わる
アタルフ「テメェェエエ!!」
アキに飛びかかる
ゴッ…
アキの回し蹴りが頭に炸裂し、
ドザアアアアァァァ…
蹴り飛ばされる
アタルフ「ゲホッ…!」
スタン「おいアキ!」
バキャッ!!
アキの拳がスタンに炸裂し、
殴り倒される
スタン「……!」
この瞬間、始めて二人に恐怖が走る
アキ「…やっぱ…お前らにこんなこと
をしたのに…何も感じねぇわ…」
スタン「!?…何言って…」
アキ「俺はもうここには戻らない。
決めたよ、俺の人生をどう使うか。
止めたければ俺を倒せ。
まあ、俺より強ければだけど。」
そう言い残し、霊園から去っていった…
アキ「は?」
目の前には、ベッドに伏していた
隊長の姿があった
アキ「…これ…夢…?ぱすてん?」
店主「応急処置はしましたが…
ここに運び出した時には既に…」
アタルフ「魄撃を受けた回数が
多かったらしい。
元から病気を患ってたから
進行が早まったのかも」
スタン「弱いクセに単身で突っ込んで
行くから…」
アキ「嘘だ…ついこの前は…
元気で俺たちのこと起こしたり…
育ててくれてたじゃん…」
ぱすてん「あ……き…?」
目を薄っすら開ける
アキ「ぱすてん!?」
ぱすてん「起きたのか…
良かった…大丈夫か?」
アキ「俺は大丈夫だ!
ぱすてんは!!?」
ぱすてん「…俺はもう…
ダメらしい。ごめんなぁ…」
アキ「!!!!」
バキッ!!
ぱすてんを殴りつける
アタルフ「!?」
スタン「おい…!」
アキ「何で…?何で○ぬ間際の人間は
全員謝るんだよ!!何か俺にしたか?
何か謝ることしたか!?」
ぱすてん「…」
アタルフ「やめろよアキ…!
ったく何でだよ…おかしいだろ!?
この前だってけいちゃが
出て行ったばかりなのに…」
アキ「は?」
スタン「怪我が治ったと思ったら
いきなり飛び出していったんだ。」
アキ「…ぱすてん。今夜公園に来い」
アタルフ「は?」
スタン「何言ってんだアキ!
いくらなんでもそんなの」
アキ「うるせえ」
スタン「…!」
途轍もない威圧が皆の口を制する
アタルフ「…もうそっとしておこうスタン」
スタン「ああ。」
はじまりの公園 夜〜
灰色の空は開け、
公園の真上にだけ星の光が見える
ぱすてん「懐かしいな…
綺麗な星…君を見つけたときも、
こんな夜だっけ…」
アキ「…」
ぱすてん「初めて君が撲滅隊に
来たときをよーく覚えてるよ。
真っ黒な目が輝いて見えた。
ああ、俺はコイツと一緒に
灰色の空を祓っていけるんだ
って嬉しくなったのを覚えてる。」
アキ「…」
ぱすてん「そうそう!
ご飯をがっついて食べてるとこも
すごくかわい…」
アキ「あのさ」
ぱすてん「?」
アキ「なんで思い出話ばっかり
俺にするんだよ?」
ぱすてん「…もうすぐ消えゆくこの命。
使うのなら、楽しいことに使いたい。
俺が生きてる間に…
いなくなっても悲しくないように
心を照らしてあげたいんだ。」
アキ「…」
アキの脳裏にぱすてんと
出会った時からの記憶が
溢れ出してくる
顔や仕草、会話の内容まで
鮮明に
アキ「…アァァ…グッ…」
大粒の涙が溢れ落ちる
アキ「うああああああああ!!!!」
拳を握り、ぱすてんに殴りかかる
バキィィィ!!
夜闇で打撃の音が響き渡る
アキ「なんでだよ!!ぱすてん!!
なんで昔のことを語る!!?
何ですぐにでも助けを求めなかった!?」
ぱすてん「…ああ。黙っていた。
助けを求めなかった…
確かにその分辛かったけどね…」
そう言って起き上がる
アキ「だったら何で…!」
ぱすてん「でも…
そんなことはどうでもいいだろ?」
アキ「どうでもいいだと!?
大事なことじゃないのかよ!!」
ぱすてん「何でだよアキ…
大事なのは俺じゃない。
『灰色じゃない空が見える世界、
R勢のいない世界を創りたい。』
二人でそう話してたじゃないか。
そのために
今まで一緒に撲滅隊をデッカくして
命を賭けてR勢と闘ってきたんだろ?
その方が大事なんじゃないのか」
アキ「うるせええええええええ!!!!!!」
ぱすてん「…!」
アキ「そんなのは俺にとっては
どうでも良かった…」
ぱすてん「え…?」
アキ「灰色の空なんていらない…
R勢のいない世界なんていらない…
俺はアンタを死なせないために
アタルフ達を死なせないために…
今までRと戦ってきたんだ…
死ぬ覚悟で…なのに…」
ぱすてん「アキ…」
アキ「アンタに分かるか?ぱすてん…」
ぱすてん「…」
アキ「一人だった俺に
与えられた最高の幸せが…
ある日唐突に
崩れ去っていく気持ちが…」
ぱすてん「…」
アキ「…何で俺の前に現れた?
何で俺に手を差し伸べた?
何で俺を撲滅隊に入れた?
何で俺を幸せにした?
ずっと不幸なら耐えられたのに…!!」
ガシッ…
アキを精一杯抱きしめる
その手は酷く弱々しかった
ぱすてん「本当にすまなかった…アキ…」
アキ「…」
3日後〜
R撲滅隊を創設し、
強大な戦力を築き上げた男は
この世を去った…
(ぱすてんさんすみませんぱすてんさんすみませんぱすてんさんすみません…)
撲滅隊本部〜
マスター「おい。腹が減ったぞ!何か喰わせろ!!」
スタン「はいはい。さつじんきー!
飯作っといてー!」
さつじんき「え?俺がですか?」(入隊2日目)
スタン「おめえだよ!!」
さつじんき「はいぃぃ…!」
アタルフ「なあスタン。お前アキ知らね?」
スタン「はー?見てないけど。
多分いつもんとこじゃね?」
アタルフ「そうか…」
スタン「せっかくだし後で二人で
見に行くか。さつじんきー。
マスターの面倒見といてー。」
さつじんき「はい。何でおればっか…」
スタン「あ?」
さつじんき「何でもないです…」
おわりの霊園〜
主にR勢によって
やられた人達を埋葬するための
慰霊の草原地帯
アキ「…」
隊長の慰霊碑を見下ろす
スタン「あっ…やっぱここにいたのかアキ」
アタルフ「さがしたぞ…」
スタン「墓参り?俺らもいのり帰るか」
ガッ…!!
慰霊碑を蹴りつける
スタン「!?」
アタルフ「!?」
ギシ…ギシ…
慰霊碑を踏みにじる
アキ「…」
アタルフ「おい…お前。何してんだ…?」
スタン「ちょっ…それは、ぱすてんの…」
アキ「…なあ。」
アタルフ「!」
スタン「!」
アキ「お前らは…もう平気か?
立ち直れたのか?」
アタルフ「あ、まぁ…立ち直れてはねぇが
いつまでも悲しんでたら隊長に
申し訳ないと思ってな」
アキ「そうか…でも俺は立ち直れない。」
ガッ!!
慰霊碑を蹴る
アキ「いつまで経っても
体がこの世界を受け付けない。
受け入れたくても受け入れられない。」
ガッ!!
慰霊碑をまたしても蹴る
アキ「でも俺は思ったんだ…」
スッ…
足を振り上げる
アタルフ「やめろ!!」
バキィィィィ!!
慰霊碑が砕け散る
アキ「受け入れられないなら」
ガッ…
慰霊碑の中にあった棺桶から
遺骨の頭部を取り出し…
バキバキッ!!
アキ「壊しちゃえばいいんだ」
その瞬間、ニヤケ顔に変わる
アタルフ「テメェェエエ!!」
アキに飛びかかる
ゴッ…
アキの回し蹴りが頭に炸裂し、
ドザアアアアァァァ…
蹴り飛ばされる
アタルフ「ゲホッ…!」
スタン「おいアキ!」
バキャッ!!
アキの拳がスタンに炸裂し、
殴り倒される
スタン「……!」
この瞬間、始めて二人に恐怖が走る
アキ「…やっぱ…お前らにこんなこと
をしたのに…何も感じねぇわ…」
スタン「!?…何言って…」
アキ「俺はもうここには戻らない。
決めたよ、俺の人生をどう使うか。
止めたければ俺を倒せ。
まあ、俺より強ければだけど。」
そう言い残し、霊園から去っていった…
紀元前EP20 新たな隊長
酒場〜
スタン「どうすんだよ!!ぱすてん、けいちゃ、更にはアキまでいなくなるなんて!!」
アタルフ「まずは隊長がいないことが
重大な問題だ。どうしようか…」
マスター「俺だ!」
背伸びをして自分に指差す
スタン「…」
アタルフ「…」
マスター「…?」
スタン「やっぱ人員の問題もあるよな…」
アタルフ「ああ。隊長決めてもこの人数じゃ…」
マスター「俺がいなってやるよ」
スタン「…」
アタルフ「…」
マスター「…?」
スタン「最近R勢の対処が追いついてないからな」
アタルフ「あぁ。マズいな」
さつじんき「あのー…マスターくんが手を挙げてますが…」
アタルフ「あのなぁ、遊びじゃないんだよ」
スタン「重大な会議してんだよ!」
さつじんき「二人で…?」
マスター「俺がやる!やりたいやりたい
隊長やりたーい!」
駄々をこねる
アタルフ「…いいけどお前、朝起きれんの?」
マスター「へ?」
アタルフ「隊長は忙しいんだ。
依頼受けたり、朝早く起きて仕事したり
隊員をまとめる統率力も必要。」
スタン「そうだぞ!朝は自分で起きなきゃ!」
アタルフ「オメェが言うな」
マスター「起きれる!」
スタン、アタルフ「え?」
マスター「皆まとめるし、朝起きれる!
R勢ぶっ倒す!だから隊長やる!」
スタン「…」
アタルフ「わかった。じゃ、お前隊長な。」
マスター「やったー!!」
スタン「おいおい…大丈夫かよ…!」
アタルフ「いいだろ別に、子育ても
兼ねて」
スタン「はぁ…わかったよ…
よろしくなマスター隊長。」
マスター「隊長‥‥!」
そういって目を輝かせた
数年後〜
アタルフ「おい。マスター。起きろ。」
マスター「んあ?」
アタルフ「お前会議中に寝やがって…」
スタン「隊長が会議中に寝るとか何年振りだっけ?」
面白そうに笑う
クラーレ「え?マスターさん会議中に寝たことあんの!?」
アタルフ「もちろんあんぞ」
コハル「会議中に寝るとか馬鹿じゃん」
アタルフ「テメェが言うな」
スタン「んで?どんな夢見てたんだ?」
マスター「…んー。ナイショ」
クラーレ「えー!教えて下さいよ!」
ガヤガヤ…
店主「随分と栄えたじゃあないですか
初代隊長さん。」
そう言って額内の写真内の
ぱすてんに語りかけた。
ぱすてん隊長の顔が
嬉しそうに微笑んでいるように見えた
Season1 ~波~
EP1 First times
空が青いって誰が唱えたのだろう
バキッ…!!
今では灰の空だ。
「お前みたいにRの波に乗れないゴミが一番ムカつくんだよ!!剣術の練習なんかしちゃってよ!ｗ」
ドゴッ!!バキャ!
もしこの世界に、コイツらがいなければ
ドサッ…
この素晴らしい世界が色褪せることもなかったのに
極悪の象徴「R」
10年前、原初のRと謳われる本名不明の男「トロモフ」が創設した称号、派閥といったところだ。
裏切り、馴れ合い、虐め、暴力、人殺し。
Rになれば、それらの悪行が全て許される。
最初は戦争を止める「和平の象徴」として創られたものだった。
それを発案者であるはずのトロモフが「極悪の象徴」へと豹変させてしまったのだ。
今や人口の約9割がR勢だ。
そんなRをする者達「R勢」に殺された「非R勢」の人々は数知れず。
でも俺にはまだ希望があった。
それは「R撲滅隊」に入ること。
Rが創られてから約半年後に結成された対R勢の組織だ。
創設者は「原初の非R」と呼ばれる「羽水天元」こと「ぱすてん隊長」
2年ほど前に亡くなられて今は代替わりしているけど。
他にも非R勢の組織は存在していたけど、ほとんどがR勢によって潰された。
そんな中、約10年もの間潰されずにR勢を叩きのめし続けているのがR撲滅隊だ。
俺はそこに入ってRをぶっ飛ばしたい
っていうのを殴られながら妄想していた俺。
「九楽 澪 」15歳である。
ドサッ!
九楽 澪「ガフッ…」
R勢「今度ここで剣の練習とかしてたらマジで殺すかんなァ!!」
ギャハハハハ!!
九楽 澪「クソ…」
パチパチパチパチ…
拍手する音が響く。驚いて見ると黒曜石のような目をした黒髪の少年が立っている。
その後ろには紫目白髪ポニーテールの長身の男がいた。
???「へえ〜あんだけ殴られて意識保ってるなんてすげーじゃん」
手前の黒曜石のガキが口を開く
九楽 澪「…誰?お前ら」
???「俺が誰かどうかより自分の心配をすべきじゃない?」
九楽 澪「ッチ…お前らには関係ねえだろ!」
???「…ふーん。まあいいや。でもああいうのを相手にするには勢いが大事なんだよ」
九楽 澪「うるせえ」
???「ま…この世にまだ憂さがあんなら晴らしちまえ」
九楽 澪「!!…は…はい…?」
その眼差しは、何故か覇気を放っていた。
「はい」なんて言葉を使ったのはこれが初めてだ…
???「マスター、そろそろ時間だぞ」
後ろの白髪が諭してる…
どういう関係なんだ?
っていうか「マスター」ってコイツら何者だ?
???「おっそうだね。んじゃっお前も暗くならないうちに帰りなよ〜少年〜」
九楽 澪「…」
「少年」だって?
お前みたいなチビに言われたくねーよ
俺がたこ殴りにあった公園から家に帰る道中、10年前は華やかだった町が今や廃町。
スプレーで落書きされていたり、家や建物が半壊している。
九楽 澪「暗くならないうちに帰れ…か。」
かつて俺の家だった…半壊した建物の前に着いた。
その瞬間ポロポロと涙が出てきた。
そう、今の俺には帰る家もなければ、出迎えてくれる家族もいない。
「お前は俺の希望だ」
2年前、俺の父がR増殖隊という組織の長に致命傷を負わされ、死に際に残した言葉だ。
九楽 澪「無理だ父さん…俺は…俺は父さんの希望にはなれない…」
『憂さがあんなら晴らしちまえ』
九楽 澪「!!」
たわいもない会話だったのに、何故かその言葉が俺の闘志を爆発させた
九楽 澪「行ってくるよ。もう引かねえ。」
バキッ…!!
今では灰の空だ。
「お前みたいにRの波に乗れないゴミが一番ムカつくんだよ!!剣術の練習なんかしちゃってよ!ｗ」
ドゴッ!!バキャ!
もしこの世界に、コイツらがいなければ
ドサッ…
この素晴らしい世界が色褪せることもなかったのに
極悪の象徴「R」
10年前、原初のRと謳われる本名不明の男「トロモフ」が創設した称号、派閥といったところだ。
裏切り、馴れ合い、虐め、暴力、人殺し。
Rになれば、それらの悪行が全て許される。
最初は戦争を止める「和平の象徴」として創られたものだった。
それを発案者であるはずのトロモフが「極悪の象徴」へと豹変させてしまったのだ。
今や人口の約9割がR勢だ。
そんなRをする者達「R勢」に殺された「非R勢」の人々は数知れず。
でも俺にはまだ希望があった。
それは「R撲滅隊」に入ること。
Rが創られてから約半年後に結成された対R勢の組織だ。
創設者は「原初の非R」と呼ばれる「羽水天元」こと「ぱすてん隊長」
2年ほど前に亡くなられて今は代替わりしているけど。
他にも非R勢の組織は存在していたけど、ほとんどがR勢によって潰された。
そんな中、約10年もの間潰されずにR勢を叩きのめし続けているのがR撲滅隊だ。
俺はそこに入ってRをぶっ飛ばしたい
っていうのを殴られながら妄想していた俺。
「
ドサッ!
九楽 澪「ガフッ…」
R勢「今度ここで剣の練習とかしてたらマジで殺すかんなァ!!」
ギャハハハハ!!
九楽 澪「クソ…」
パチパチパチパチ…
拍手する音が響く。驚いて見ると黒曜石のような目をした黒髪の少年が立っている。
その後ろには紫目白髪ポニーテールの長身の男がいた。
???「へえ〜あんだけ殴られて意識保ってるなんてすげーじゃん」
手前の黒曜石のガキが口を開く
九楽 澪「…誰?お前ら」
???「俺が誰かどうかより自分の心配をすべきじゃない?」
九楽 澪「ッチ…お前らには関係ねえだろ!」
???「…ふーん。まあいいや。でもああいうのを相手にするには勢いが大事なんだよ」
九楽 澪「うるせえ」
???「ま…この世にまだ憂さがあんなら晴らしちまえ」
九楽 澪「!!…は…はい…?」
その眼差しは、何故か覇気を放っていた。
「はい」なんて言葉を使ったのはこれが初めてだ…
???「マスター、そろそろ時間だぞ」
後ろの白髪が諭してる…
どういう関係なんだ?
っていうか「マスター」ってコイツら何者だ?
???「おっそうだね。んじゃっお前も暗くならないうちに帰りなよ〜少年〜」
九楽 澪「…」
「少年」だって?
お前みたいなチビに言われたくねーよ
俺がたこ殴りにあった公園から家に帰る道中、10年前は華やかだった町が今や廃町。
スプレーで落書きされていたり、家や建物が半壊している。
九楽 澪「暗くならないうちに帰れ…か。」
かつて俺の家だった…半壊した建物の前に着いた。
その瞬間ポロポロと涙が出てきた。
そう、今の俺には帰る家もなければ、出迎えてくれる家族もいない。
「お前は俺の希望だ」
2年前、俺の父がR増殖隊という組織の長に致命傷を負わされ、死に際に残した言葉だ。
九楽 澪「無理だ父さん…俺は…俺は父さんの希望にはなれない…」
『憂さがあんなら晴らしちまえ』
九楽 澪「!!」
たわいもない会話だったのに、何故かその言葉が俺の闘志を爆発させた
九楽 澪「行ってくるよ。もう引かねえ。」
EP2 Departure
R勢A「さっきの剣術馬鹿弱かったな〜!ww」
R勢B「次はどいつを襲う?ww」
R勢A「マスターとかどう?」
R勢B「マスター?」
R勢A「最近有名な非R勢でさー、R勢を一人で100人も沈めたらしいぜ」
R勢B「はっ…強え奴なんて噂だけだろ。」
R勢A「っつーわけで、俺達でそのマスターをぶっ飛ばしにいこってわけ!」
九楽 澪「その前に相手にする奴がいんじゃねーの?」
・・・
謎の沈黙
R勢B「!?…お前、いつからそこに!?」
R勢A「また、ぶっとばされにきたのk…」
バキャッ!!
俺は勢いよく竹刀を頭にぶつけた。
R勢は一瞬で地面に倒れた
R勢B「へ…?」
九楽 澪「次。」
R勢C「て、テメェ!!武器使うなんて卑怯だぞ!」
九楽 澪「卑怯?…どの口が言ってんだ?一人に多数で挑むテメェらR勢の方が１億倍卑怯なんだよ!!」
R勢B「…なんだと!?」
九楽 澪「いいから全員かかってこいって。まさかそんな多人数でも怖いってのかよ?」
R勢B,C「カチン…」
R勢C「上等だコラァァァ!!」
バキャッ!!バキャッバキッ!!
次々かかってくるR勢を全員竹刀で叩きのめした
R勢「ぐふっ…げふっ」
九楽 澪「フゥ…フゥ…」
パチパチパチパチ…
聞き覚えのある拍手が響く
マスター「いいねいいね!!俺が見込んだ通り!」
九楽 澪「!…お前さっきの…『マスター』だっけ?…」
いつの間に…
マスター「またタメ口?一応君の1コ上、16なんだけど」
九楽 澪「え…なんで俺の年齢知ってんの?」
マスター「っというかそんなことよりさぁ、俺コイツらのボスなんだよねー」
指を転がったR勢に差す
九楽 澪「ボスって…まさかお前らもR勢?」
???「イナミぃ。こんな野郎をどうする気だぁ?」
九楽 澪「!?」
さっきの白髪ノッポ…いつの間に俺の後ろに
マスター「見てなって。っつーわけで、お暇潰しに相手してくれよ」
九楽 澪「…相手ぇ?いいぜやってやるyっ…」
スパァアンッ!
俺との距離は少なくとも8メートルはあったはずなのに、「マスター」は一瞬で俺の間合いに入り、拳2発と蹴り4発を頭部に叩き込んだ。
当然俺は…
マスター「『ツミ』だ」
九楽 澪「…」
失神した
〜30分後〜
マスター「おーい」
九楽 澪「…」
誰かが呼んでる?ってかここはどこだ?
灰色の空…じゃない。屋内だ。
会社のオフィス?跡地?
確か俺はマスターって奴に失神させられて…
バチイィィン!!
九楽 澪「痛てえええええ!!」
何かに殴られた。この感触は…傘だ!!
アタルフ「起きろよー。寝坊助。」
九楽 澪「お前は!!白髪ノッポ!」
アタルフ「殺すぞテメェ」
マスター「盛り上がってんなー!意外と馴染みやすいタイプ?」
よっ…と言わんばかりの態度で出てきやがった。さっきの拳蹴り6発喰らわせたガキが…
クラーレ「あっ…テメエさっきはよくも」
マスター「悪かったって。謝ったからいいだろ?俺達仲間だしよ」
クラーレ「仲間!?俺が!?」
マスター「そうそう、R勢の仲間入りなんだから。
やられた奴はやった側に下るもんだろ?」
クラーレ「…」
アタルフ「?…どうした?」
クラーレ「俺はR勢には…ならない」
アタルフ「あ??」
マスター「…」
クラーレ「お前らR勢、人の気も省みずに私腹を肥やすゴミにはついていけねえ。」
アタルフ「おいおい。誰がゴミだって?」
クラーレ「俺は!『希望』になるために…R勢を倒す!!」
アタルフ「希望?」
???「へえ、面白ぇ冗談だな」
クラーレ「!?」
何者かが積み上げられたダンボールに鎮座している
アタルフ「降りろヒナタ。落ちたら危ない」
優し…
ヒナタ「トップ2が揃いも揃って何か運んできたと思ったら、ただのヒヨコかよ。」
アタルフ「あ?」
クラーレ「ヒヨコ?」
ヒナタ「え?」(ヒヨコみたいな初心者で可愛いってつもりで言ったんだけど)
マスター「あーあ仲間が増えたと思ったのに残念だ。」
ゾワッ…
クラーレ「あ…」
威圧感だ…初めてあった時と同じ…
マスター「顔と金的。どっちがいい?」
クラーレ「一つ教えろ。なんでRなんてしてんだ?」
マスター「じゃあ顔面な」
クラーレ「え…ちょっ…」
ギュアッ…
蹴りが俺の頭部に炸裂する…と思った所ですんどめした
マスター「うん…合格だ」
クラーレ「?え??え??」
マスター「アタルフー。コイツに撲滅隊の設備もろもろ教えといてー。」
アタルフ「…わかったわかった」
クラーレ「え…どういうこと…」
アタルフ「どういうって…俺らはR勢じゃねえ。今のはテスト」
クラーレ「え」
ヒナタ「お前が撲滅隊に足りうる信念を持ってるのか確かめたんだよ。ヒヨコちゃん」
オレンジ髪がニコニコ笑う
クラーレ「ええ」
マスター「そう…何を隠そう俺達はR撲滅隊だからな!」
クラーレ「えええええええええええ!?」
マスター「そして俺が隊長!」
クラーレ「えええええええええええ!?」
アタルフ「俺は万年の副隊長。」
クラーレ「…」
アタルフ「そこは驚かねーのか」
クラーレ「あ…じゃあ。」
つまり、これは撲滅隊に入る好機!
クラーレ「俺、あなた達に会いたかったんです!どうか俺も撲滅隊に…」
マスター「いーよ。というかもう名簿に追加してあるし。個人情報とかも調べといたし」
クラーレ「え。本当に?」
ヒナタ「いやー。隊長がマスターになってから人手が減ってさー、撲滅隊の幹部が俺ら3人と、ここにはいないけどあともう7人だけなんだよね。」
クラーレ「ええ…」
アタルフ「だから設備もろもろ教えとけって言ったんだろ」
ヒナタ「ついてこいよニューフレ。案内してやる」
クラーレ「ニューフレ?」
ヒナタ「新しい仲間だ」
山のように積まれたダンボールの山登りながら言う
アタルフ「という名の雑用係だろ」
ゲシッ…とダンボール箱を蹴る
マスター「言っとくけど、正式に入隊できたわけじゃないから」
クラーレ「はい?」
アタルフ「…まあ、いくら隊長が認めても、他幹部からも批判あるだろうしな」
クラーレ「じゃ…じゃあどうすれば…」
アタルフ「今度、近くの酒場で行われる撲滅隊内会議があるから。そこで決める。」
クラーレ「怖…」
ヒナタ「はっははー、まあそん時はそん時よ。
そういや名前聞いてなかったなー。
なんて名前?」
クラーレ「あ、九楽澪」
ヒナタ「ふーん。じゃあお前は『クラーレ』だ。」
クラーレ「は?いや…」
マスター「いーじゃん。よろしく。
『クラーレ』」
クラーレ「ええ…(んな強引な)」
こうして俺は撲滅隊に入り、新たな生活が始まった。
~ハラペコの酒場~
男幹部「なあ、聞いたか?撲滅隊に新人が入ったらしいぜ。」
黒髪ロングの男が煙草を吸いながら喋る
女幹部「ふわぁあ…だれ?」
白髪の女が枕をくるくる回す
男幹部「名前は…くら…なんとか。」
女幹部「ふーん…え。待って?ってことは担当地区減るの?やったー!!
これで思う存分寝られる〜!」
男幹部「アホ寝るな。」
女幹部「でも正式に入隊するには会議で決めなきゃでしょ。」
男幹部「ふん。ま、新人だろうと、どんな奴かは一目瞭然だろう」
女幹部「どうでもいいけど、半年前みたいなことにはならないで欲しいね…」
男幹部「…ああ」
EP3 Convenience
『R撲滅隊』
総勢100人
隊長、副隊長を含め、
10人の幹部と、その部下で構成されている。
およそ10年前に創立され、
数多くの対R勢組織が潰された中
10年もの間、R勢を撲滅し続けている。
『R勢』
総勢約6000人
悪質な馴れ合いをし、
あらゆる犯罪に手を染め、
今日も死者が絶えない。
非R勢が総勢600人(R撲滅隊含む)程度の中、
その10倍以上の数を誇り、
ほとんどの非R勢が数で押され
死んでいる。
どこから派生したかは不明。
誰が仕切っているのかも不明。
圧倒的数の差に対抗するべく、
この世界に存在する『極致』に入り、
肉体に刻まれた能力を使う非R勢も存在し、
今日も一般人を守るために撲滅隊は戦う。
ヒナタ「…てこと。何か質問ある?」
クラーレ「うーん…知ってることばかりだけど、『極致』って何?
えーと、アマナイさん。」
ヒナタ「ヒナタでいーよ。まあー…いわゆる人に外在するスキルってとこかな。
簡単に言えば特殊能力よ」
クラーレ「俺の剣術みたいな?」
ヒナタ「そんなもんじゃねーよ。
お前みたく剣術の類の人もいるし、氷や炎みたいな遠距離攻撃を習得した人もいる。
マスターは、『ファイター』だね。」
クラーレ「え?どういうこと?」
ヒナタ「んー…俺にも詳細はわかってないんだよな…
一説によると、遠い昔に存在したとされる
『ピンクの英雄』と関係してるとか。
それに『極致』に着ける時は人によるし。
死ぬ間際だったり、夢ん中だったり…」
クラーレ「ピンチの時が多い感じすか…」
ヒナタ「まあ、そうだね。いずれにしても
撲滅隊の幹部9人は全員『極致』に行き着いてるよ。」
クラーレ「え!?じゃあ皆…」
ヒナタ「そう。全員特殊能力持ち」
クラーレ「へー!じゃあヒナタは何の特殊能力使えんの!?」
ヒナタ「んー秘密。」
クラーレ「えー!」
ヒナタ「会議んときに教えてやるよ」
クラーレ「わかった!…って何で会議?」
ヒナタ「…さぁ?」
クラーレ「えー…。あ、そういえばさっき『幹部9人』って言ってたけど、
10人じゃなかったけ?」
ヒナタ「…ああ、あれね。
元は10人だったけど。一人抜けたんだ。」
クラーレ「あ、なんかすいません」
ヒナタ「いーよ。おっ着いたぞー。ここが
今日の仕事場だ!!」
クラーレ「近所の公園じゃないですか…」
俺がマスターと初めて会った公園
撲滅隊本部からこの公園って
結構近かったんだな…
ヒナタ「え?ここが?」
クラーレ「ああ、よく剣術の訓練してて」
ヒナタ「ほーん…ブランコに、砂場に、
ジャングルジム。
訓練するには、確かに丁度いいな。」
クラーレ「そう…なんかね」
ヒナタ「この辺りR勢の縄張りだから
訓練に丁度いいよな〜」
え?縄張り?
ヒナタ「この公園の近くのコンビニに
小規模な『R勢組織』があるから潰す。
本部の近くを根城にされちゃあ、
こちらとしても困るしよ。」
クラーレ「アナタさっき『設備もろもろ
案内してやるから付いて来い』って
言ってたよね?」
ヒナタ「んなこと言ったっけ?
どちらにせよ、まずは『腹ごしらえ』だ!!」
そういって腕をゴキゴキ鳴らす
駄目だこの人…というか撲滅隊の幹部…
もはやR勢をいたぶるのは日常茶飯事。
『腹ごしらえ』程度にしか思ってないのだ…!
ヒナタ「さてコンビニは〜あそこか!」
公園の塀の奥にコンビニが見える
クラーレ「へー結構、監視ザルだな。
まあ、油断は禁物。
気付かれないように裏から入ろ…って
あれ?ヒナタ?」
気付けばヒナタは横におらず、
コンビニへ突っ走っていた
クラーレ「え!?ちょ、ヒナタァ!?」
ヒナタ「オオォォラァアアァ!!!」
バリイィィン!
ガラスに拳をぶち込み、
爽快に砕け散る。
クラーレ(オイイイィィ!!)
R勢「なっ…なんだお前は!?出ていk…」
ドカッ!ゴッ!ゴッ!バキャ!ゴキィ!バリィン!!
目では分からないけど
R勢の悲鳴とヒナタの怒号が聞こえてくる
~15分後~
ヒナタ「ふぃ〜片付いた♪」
割れたコンビニの窓や壁の至る所に
横たわるR勢は虫の息…いやミジンコの息だ
クラーレ「あはは…腹ごしらえ出来た?」
ヒナタ「は?何言ってんだ?これからだろ?」
そういってレジ袋の中をあさる
ヒナタ「ほいっ…」
何か投げてきた
クラーレ「?…え?これ…」
コンビニ弁当…
ヒナタ「いや〜根城がコンビニで
丁度良かったぜ。あ、飲み物どうする?」
クラーレ「あ、ああ…じゃあ麦茶で」
『腹ごしらえ』ってそういうことか
公園のベンチでヒナタと座って昼飯を食った
そういえば、誰かと飯を食ったのは
いつぶりだろう…
ヒナタ「さてさて〜♪スイーツスイーツ♪」
クラーレ「…」
先刻の暴れっぷりとは
裏腹のスイーツ好きだった
ヒナタ「あー食った食った〜。」
クラーレ「あんだけ食べてよく歩けるね…」
ヒナタ「はは、大丈夫大丈夫。
次に動くのはお前だから」
クラーレ「…え?俺?」
ヒナタ「お前には今からR勢組織を
1コ潰してもらう」
総勢100人
隊長、副隊長を含め、
10人の幹部と、その部下で構成されている。
およそ10年前に創立され、
数多くの対R勢組織が潰された中
10年もの間、R勢を撲滅し続けている。
『R勢』
総勢約6000人
悪質な馴れ合いをし、
あらゆる犯罪に手を染め、
今日も死者が絶えない。
非R勢が総勢600人(R撲滅隊含む)程度の中、
その10倍以上の数を誇り、
ほとんどの非R勢が数で押され
死んでいる。
どこから派生したかは不明。
誰が仕切っているのかも不明。
圧倒的数の差に対抗するべく、
この世界に存在する『極致』に入り、
肉体に刻まれた能力を使う非R勢も存在し、
今日も一般人を守るために撲滅隊は戦う。
ヒナタ「…てこと。何か質問ある?」
クラーレ「うーん…知ってることばかりだけど、『極致』って何?
えーと、アマナイさん。」
ヒナタ「ヒナタでいーよ。まあー…いわゆる人に外在するスキルってとこかな。
簡単に言えば特殊能力よ」
クラーレ「俺の剣術みたいな?」
ヒナタ「そんなもんじゃねーよ。
お前みたく剣術の類の人もいるし、氷や炎みたいな遠距離攻撃を習得した人もいる。
マスターは、『ファイター』だね。」
クラーレ「え?どういうこと?」
ヒナタ「んー…俺にも詳細はわかってないんだよな…
一説によると、遠い昔に存在したとされる
『ピンクの英雄』と関係してるとか。
それに『極致』に着ける時は人によるし。
死ぬ間際だったり、夢ん中だったり…」
クラーレ「ピンチの時が多い感じすか…」
ヒナタ「まあ、そうだね。いずれにしても
撲滅隊の幹部9人は全員『極致』に行き着いてるよ。」
クラーレ「え!?じゃあ皆…」
ヒナタ「そう。全員特殊能力持ち」
クラーレ「へー!じゃあヒナタは何の特殊能力使えんの!?」
ヒナタ「んー秘密。」
クラーレ「えー!」
ヒナタ「会議んときに教えてやるよ」
クラーレ「わかった!…って何で会議?」
ヒナタ「…さぁ?」
クラーレ「えー…。あ、そういえばさっき『幹部9人』って言ってたけど、
10人じゃなかったけ?」
ヒナタ「…ああ、あれね。
元は10人だったけど。一人抜けたんだ。」
クラーレ「あ、なんかすいません」
ヒナタ「いーよ。おっ着いたぞー。ここが
今日の仕事場だ!!」
クラーレ「近所の公園じゃないですか…」
俺がマスターと初めて会った公園
撲滅隊本部からこの公園って
結構近かったんだな…
ヒナタ「え?ここが?」
クラーレ「ああ、よく剣術の訓練してて」
ヒナタ「ほーん…ブランコに、砂場に、
ジャングルジム。
訓練するには、確かに丁度いいな。」
クラーレ「そう…なんかね」
ヒナタ「この辺りR勢の縄張りだから
訓練に丁度いいよな〜」
え?縄張り?
ヒナタ「この公園の近くのコンビニに
小規模な『R勢組織』があるから潰す。
本部の近くを根城にされちゃあ、
こちらとしても困るしよ。」
クラーレ「アナタさっき『設備もろもろ
案内してやるから付いて来い』って
言ってたよね?」
ヒナタ「んなこと言ったっけ?
どちらにせよ、まずは『腹ごしらえ』だ!!」
そういって腕をゴキゴキ鳴らす
駄目だこの人…というか撲滅隊の幹部…
もはやR勢をいたぶるのは日常茶飯事。
『腹ごしらえ』程度にしか思ってないのだ…!
ヒナタ「さてコンビニは〜あそこか!」
公園の塀の奥にコンビニが見える
クラーレ「へー結構、監視ザルだな。
まあ、油断は禁物。
気付かれないように裏から入ろ…って
あれ?ヒナタ?」
気付けばヒナタは横におらず、
コンビニへ突っ走っていた
クラーレ「え!?ちょ、ヒナタァ!?」
ヒナタ「オオォォラァアアァ!!!」
バリイィィン!
ガラスに拳をぶち込み、
爽快に砕け散る。
クラーレ(オイイイィィ!!)
R勢「なっ…なんだお前は!?出ていk…」
ドカッ!ゴッ!ゴッ!バキャ!ゴキィ!バリィン!!
目では分からないけど
R勢の悲鳴とヒナタの怒号が聞こえてくる
~15分後~
ヒナタ「ふぃ〜片付いた♪」
割れたコンビニの窓や壁の至る所に
横たわるR勢は虫の息…いやミジンコの息だ
クラーレ「あはは…腹ごしらえ出来た?」
ヒナタ「は?何言ってんだ?これからだろ?」
そういってレジ袋の中をあさる
ヒナタ「ほいっ…」
何か投げてきた
クラーレ「?…え?これ…」
コンビニ弁当…
ヒナタ「いや〜根城がコンビニで
丁度良かったぜ。あ、飲み物どうする?」
クラーレ「あ、ああ…じゃあ麦茶で」
『腹ごしらえ』ってそういうことか
公園のベンチでヒナタと座って昼飯を食った
そういえば、誰かと飯を食ったのは
いつぶりだろう…
ヒナタ「さてさて〜♪スイーツスイーツ♪」
クラーレ「…」
先刻の暴れっぷりとは
裏腹のスイーツ好きだった
ヒナタ「あー食った食った〜。」
クラーレ「あんだけ食べてよく歩けるね…」
ヒナタ「はは、大丈夫大丈夫。
次に動くのはお前だから」
クラーレ「…え?俺?」
ヒナタ「お前には今からR勢組織を
1コ潰してもらう」
EP4 Blue sky
ヒナタ「お前には今からR勢組織を一個潰してもらう」
クラーレ「…待って?俺に出来るの?」
ヒナタ「そりゃあお前次第よ。
不本意だけど武器は使ってよし。」
クラーレ「まだ心の準備が…」
ヒナタ「もう後ろにいるよ」
クラーレ「!?」
振り向くと、ボロボロのR勢たちがこちら
を睨んでいた。
クラーレ「これって…」
ヒナタ「うん。さっき俺がコンビニで
ボコしたR勢。仕返しに来るよう仕向けた。
それをお前が倒すんだ。」
メチャクチャだ…!この人!
何!?いきなり俺になすりつける!?
尋常じゃねえ！
ヒナタ「じゃ俺あの辺の屋根で見てるから」
そういって建物の屋根まで飛ぶ
クラーレ「は!?」
ヒナタ「半殺しにされたら助けてやるよ」
R勢a「なんだこいつ?」
R勢b「知らねえがさっきのオレンジ髪の
ガキをボコす前のウォーミングアップに
丁度いいぜ!!」
クラーレ「はー…全く…ヒナタってやつは…『半殺し?』」
首を鳴らし、軽く柔軟をする
クラーレ「『半殺し』じゃあ済まさねけど!」
R勢a,b「…!」
ヒナタ「へぇ。なかなか…」
(ONとOFFの切り替えが早い!)
クラーレ「いくぞぉぉ!!R勢!!」
俺は木刀をR勢にぶつけまくった
フゥー…フゥー…
ヒナタ「お見事ー!!
流石ボスが見込んだだけはある。」
クラーレ「は…疲れた。」
ヒナタ「初めてならそんなもんだ。
R勢を相手にするなら多対一は日常茶飯事
さぁて、仕事も終わったしコンビニにおやつ買いにいこーぜ!!」
クラーレ「もうコンビニはコリゴリ…だ…」
ドサッ…
失神
〜撲滅隊 ダンボール置き場〜
灰色の空…
目を開ければいつもそうだった。
いつもの公園で横たわって見る青空が
つい最近のことのように思う。
幸せなことや大切な人は
漠然と永遠に続いていると思い込んでしまう
それは、確実であると約束されたものでも
何でもないのに…
もう一度見たい青く澄み切った空…
父さんの顔…母さんの顔…
見たい…
クラーレ「…umm」
ヒナタ「起きたか。大丈夫か?」
相変わらずダンボールに鎮座している
クラーレ「あれ、夢…か?ヒナタ…」
ヒナタ「泣いてんのか?大丈夫か?
昨日も失神したし」
クラーレ「全然大丈夫。ていうかここは?
っていうか『昨日』?」
ヒナタ「手当てはアタルフがした。お前
一晩中寝てたんだぞ?
いくら唐突な多対一戦闘とはいえ寝過ぎ。」
クラーレ「えーそうかな。
ってか急いでる?今日なんかあった?」
ヒナタ「今日は会議だぞ。忘れたのか?
お前が正式に入隊するかを討論する。」
クラーレ「あ…やっべえええ!!
なんで起こしてくれなかったんだ!!」
ヒナタ「アホか。
母親に言うみたいなノリで言うなよ。
まあ時間的には問題ねぇから行こーぜ♪」
クラーレ「あ、そっか」
アタルフさんによると、
会議は『酒場』で行われるらしい。
会議は主に新規メンバー加入時や、
位の昇降格時、R勢との対戦決算などの時に行われる。
だから今回は俺が加入したことについての会議なのだ。
そして俺はヒナタに酒場へ案内してもらっている。
クラーレ「なー、なんで酒場でやるの?」
ヒナタ「…この地区は酒場くらいしか会議のできる場所がないんだよ。本部は何かと忙しいし。」
クラーレ「この地区?」
ヒナタ「そそ。ポヨヨモンド地区。
てお前まさか地区の名前も知らない感じ?」
クラーレ「あ、うん」
ヒナタ「とんだ世間知らずだなおい。
まず今俺達がいるのが、
大都市『バットデールシティ」だ。
それを6つに分割した地区のうち一つが
ここ『ポヨヨモンド地区』」
クラーレ「へぇー…」
ヒナタ「まあ言うて無事な建物と
人口が最も多いこの地区が一番安全。
酷い地区なら死体と物騒な薄暗い工場地帯の
オンパレードさ。
R勢の強さとか数が尋常じゃねぇ。」
クラーレ「うわ…やべー。あ、でもなんで他の地区は大丈夫なんだ?」
ヒナタ「撲滅隊と財団が見回りしてるからに決まってるだろ。俺らがいなかったら、
今頃全地区ごと逝ってるよ」
クラーレ「マジか…ていうか『財団』?」
ヒナタ「それはまた追々。着いたぞー」
クラーレ「ここが…」
目の前にあったのはいかにも酒場らしい、
古びてはいるが大きさは結構ある。
ヒナタ「ここが撲滅隊御用達の
『ハラペコの酒場』だ!」
クラーレ(ネーミングセンス壊滅的だな…)
EP5 Introduce
ガチャ…
そっとドアを開けると、
中央には円形の大型テーブルがあり、奥にはカウンターと店長らしき人が上品に飲み物を入れている。右端には樽が山ずみ。
暗くもなく明るくもなく…
なんつーか落ち着く酒場って雰囲気。
ヒナタ「ごめーんマスター、遅れたー」
マスター「まだ全員揃ってないしいーよ」
テーブルの奥の席に座ったマスターが手をヒラヒラと振る
ヒナタ「だと思った〜」
軽薄…!
マスター「クラーレも席に座れよ。邪魔になるよ」
クラーレ「ああ、はい」
集まる人は10人のうち、今の所来ているのは俺入れて4人か…俺とヒナタとマスター、そしてアタルフさん
ガチャ…
???「うーっす」
扉が開くと、緑頭のポニテの男が入ってきた。縄を持ってるから恐らくウィップだ。
マスター「お!!きよはる!元気してたー!?」
きよはる「いやいや昨日ぶりだろ。
寝ぼけてる?」
そういって抱きついたマスターを引き剥がす。
『北条 清波流。撲滅隊幹部で元警官。
主に他地区の雑魚R勢の処理をする役割。』
入る前にヒナタから名簿をもらったし
これを気に名前とか覚えとこ
アタルフやヒナタもだけど見た目が濃い…
???「ふわああぁぁぁあ…」
クラーレ「!?…あくび?」
入ってきたのは白髪の女の子だ。
青目赤目のオッドアイ。多分スリープ。
会議にも関わらず枕を持ってきているのが
それを語ってる。
???「あ、久しぶり〜アタルフちゃん。
今日も髪型可愛いね〜」
アタルフ「喧嘩売ってんのか百鬼。」
ナキリ「あはは、どーせ私が勝つの
分かってるのに売るわけないでしょ〜♪」
アタルフ「上等だ寝坊助ェ…(怒)」
関節をゴキゴキ鳴らす
凄いな…自分より一回り高身長なアタルフ
に怯みもせずに煽るなんて…
百鬼 心桜(ナキリ コハル)。撲滅隊幹部。古参のスリープ使い。文字通り枕を使う。
『眠る百鬼夜行』の異名をもつ。料理担当。
???「おい。」
クラーレ「!?…はい!?」
いつの間にか後ろに…
???「おまえ九楽 澪?」
クラーレ「あ…そうです。」
スタン「菅原 炭彦だ。
まあ『スタン』とでも呼べ。よろしくな」
クラーレ「…はい」
マスター「うーっし、じゃあ全員そろったし、今から…」
ヒナタ「ん?ちょいちょい、
あと2人来てないのがいるだろ〜。」
マスター「ああ…アイツはいいよ」
ヒナタ「おいおい、それじゃあ…」
アタルフ「マスターがそういうんだ。
いいから始めんぞ。」
マスター「まずは、クラーレ。自己紹介。」
いきなりかい
クラーレ「えーと九楽 澪です。
剣使います。撲滅隊に入隊したく思い、
ここに来ました。」
・ ・ ・
沈黙…
ナキリ「ｽﾋﾟｰ…ｽﾋﾟｰ…zzz…」
ヒナタ「昨日のパトロールでコイツR勢組織を一人で潰してたし、強さは申し分ない。
殺る時のONとOFFの切り替えも出来るようだし。俺は同意だよ」
ニカニカ笑う
きよはる「へぇ〜いいじゃん。」
アタルフ「小型組織とはいえ一人で多数を
相手出来る奴は少ない。重宝すべきだ」
スタン「…」
ヒナタ「だろ〜?」
???「そんなことよりもその阿呆の
言ったことをもう一度復唱してなよ。」
クラーレ「!?」
何者かが樽の上にふんぞり返っている
アタルフ「降りろ虎。落ちたら危ない。」
だから優しいんよ
あっくん「コイツの入隊は正式ではない。
なれば俺は死に物狂いで反対するよ。」
虎川 周(トラカワ アマネ)
上級のR勢を50人相手に殲滅した天才。
マスター「その理由は?」
あっくん「復唱しろと言ったはずだよ。
その人は自己紹介の時にR勢に
会ったらどうするのかすら述べなかった。
そんな無真意な人をウチには入れたくない」
クラーレ「!!…あ」
あっくん「何とか言ったらどうなのかな。
ヒナタ。それでもこの人を信用する?
信頼する?入隊を勧める?」
ヒナタ「うーん…」
クラーレ「ええ…」
やばい…この子の乱入で一気に賛成側が劣勢だ…
???「なんだなんだァ?
面白ぇ奴が入ってきたなぁ…おい」
マスター「…さつじんき」
黒髪ロングの赤目の男だ
神楽坂 殺人。
最古参のメンバーで、
一人で100人を一掃できる強さを持つ
クラーレ「あの…!一旦落ち着きまs」
バキィィィ!!
右頬を殴りつける
クラーレ「ごふっ…」
ヒナタ「てめぇ…クラーレに何しやがる」
さつじんき「ハハッ
ここで喧嘩おっぱじめるか?」
EP6 Treason
さつじんき「ここで喧嘩おっぱじめるか!?」
クラーレ「…ってえ。」
この人生で何度も殴られた中で一番強い威力
だ
さつじんき「入隊時の挨拶も出来ねえ腰抜けは俺が捻切ってやるぜ!!」
チャキッ
携えていた袋竹刀を振り、俺の額に直撃する
と思ったとき、
その竹刀を細い縄が捕らえた。
きよはる「やめろ。さつじんきぃ…」
さつじんき「…」
きよはる「お前何しにここに来たんだ?
会議か?乱闘か?」
さつじんき「さぁ？」
両者とも武器を下ろす。
さつじんき「今この場にいる幹部共!
耳の穴がっぽじってよく聞け!!」
竹刀を腰に戻す
さつじんき「俺は増殖隊に入る」
クラーレ「!?」
酒場がざわめく
増殖隊は今現在最も勢力を伸ばしている
R勢組織の一つだ。
すたん「貴様裏切るのか…?」
ヒナタ「てめぇ〜。また問題事起こすつもりかよ?」
さつじんき「こんな有象無象がチンタラ戦う撲滅隊で馴れ合っていくつもりはねぇ。
じゃあな〜。」
そう言い残すと酒場の扉から出て行く
マスター「さつじんき!!…」
アタルフ「行っちまったな…」
すたん「全く…アイツは何がしてぇのかまるでわかんねぇな」
きよはる「撲滅隊最古参の一人だし、
皆をまとめる立場にあるってのに…」
クラーレ「!!」
さつじんきくんが撲滅隊の古参!?
あの人が…
ヒナタ「んで…どうする?会議続けるか?賛否両論で結論が出てねぇけど…」
あっくん「鼓膜でも爆発したの?
この状況・会話から判断して新人の参加が
どうこうなんて考えられるワケがないよね」
ヒナタ「あーはいはい。わかったわかった」
ヒナタが悪口混じりに口説くあっくんを遮る
マスター「仕方ない。今日は解散だ!!皆それぞれ自分の担当地区に戻るように!!」
幹部達「了解。」
ナキリ「zzz…んがっ!?え、なに!?
なんかあったの!?」
アタルフ「お前もう一生寝とけ。(怒)」
マスター「クラーレ、屋上に来てくれ。」
クラーレ「え?なんで」
マスター「話がしたい」
クラーレ「あ。ああ…はい」
〜酒場の屋上〜
クラーレ（なんだろう話って…)
灰色の空の中で首を傾げる。
マスターは屋上の奥で寂れた街の景色を
見渡していた。
マスター「来たか。クラーレ。」
クラーレ「はい。それで話とは…」
マスター「まあ、座れよ。立って話すのも忍びない。」
クラーレ「あ、それじゃあ失礼します。」
俺はマスターさんと並んで腰を下ろした。
マスター「ごめんなさっきは。とんだウチの恥を晒しちまったな」
クラーレ「そんな。とんでもない…」
マスター「さっき酒場から出て行った奴いるだろ?」
クラーレ「『さつじんきさん』ですか…」
マスター「アイツは俺と一緒に撲滅隊に入ったんだ」
クラーレ「え!?撲滅隊を作ったのはマスターさんじゃ…」
マスター「違うよ。俺は二代目。初代撲滅隊隊長は、俺の兄さん。『羽水 天元』」
クラーレ「!!…もしかしてそれって…伝説の『ぱすてん隊長』!?」
マスター「知ってるのか。そう。兄さんは、ぱすてんは、今在る撲滅隊を築き上げた
張本人。」
クラーレ「まさか…マスターさんが、
あのぱすてん隊長の弟だったなんて…」
マスター「そう、で俺はその時副隊長で…
さつじんきは、幹部達をまとめる大将みたいなもんだったんだ。
俺と同い年、8歳だったのに凄いだろ?」
クラーレ「え…8?」
なんと俺が15で撲滅隊に入るか否かの話をしている中、この人達は僅か8歳で
撲滅隊幹部だったそうだ。
マスター「さつじんきは副隊長の仕事に慣れていない俺を8年も支えてくれたんだ。
だから…」
クラーレ「R勢になるのは認めません。」
マスター「?」
クラーレ「マスターさんの大事な人がR勢になるなんて、俺は認めませんよ」
マスター「お前…」
クラーレ「絶対にR増殖隊を倒しましょう!!」
マスター「ははっ。ありがとうクラーレ」
撲滅隊に入隊する話は中断だ。
まずはさつじんきさんを取り返すのが先…
クラーレ(これが俺の最初の出陣だ!!)
EP7 R of Enemy
〜R増殖隊アジト〜
???「撲滅隊は100人…そして幹部が一人抜けた…」
したっぱ「はい」
???「今や増殖隊の人数は900を超えている。もはやR勢の主導権は俺の手中。
そんな勝利の渦中に現れたのが
お前、神楽坂 殺人。か」
さつじんき「よお増殖隊首領。いや、
煽動皇帝 『六波羅 煽童』。通称ROA」
ROA「その通りだ。
俺が増殖隊の二代目首領。
で?撲滅隊の幹部が何でここに?
なんでも隊長の座を奪ったマスターへの
復讐とか。」
さつじんき「弱い仲間にウンザリしたのさ」
ROA「なるほどな。弱きは助けず壊す。
お前もぶっ壊れてるよなぁ。」
LIN「おい。認める気か?」
ROA「頭のイカれた奴はウェルカム。
裏切り者はぶち壊す。袋叩きじゃあ済まさねぇけどなあ!?」
LIN「…」
さつじんき「殺られる謂われはないな。
何故なら俺は裏切らない。強者にはな」
ROA「ははっ。こりゃあひでぇ故障だ。」
〜ヒナタの家〜
俺は今ここにいてもいいのだろうか…
場違いではないか?
俺が友達の家に上がるというニュアンスが
おかしいのでは…
ヒナタ「?…なにボーっとしてんだお前。」
クラーレ「はっ…いやあなにも…」
ヒナタ「悪いな。今日は突然。」
クラーレ「いや。俺も友達の家に
上がれるなんて嬉しくて」
ヒナタの家は酒場と本部の中間地点にある
喫茶店の廃墟のような所だった。
ヒナタ「はははっ(笑)
お前普通にいい奴なのにダチいなかったのか?」
クラーレ「余計なお世話。」
ヒナタ「俺の母親が経営してた喫茶店。
廃墟になったけどな。料理は普通だったが、
いつも客でごった返して賑やかだった。」
クラーレ「へえ…!凄いな!」
ヒナタ「母親は死んで、喫茶店も潰されて
、今ではこの有り様さ。」
クラーレ「…そうか…」
ヒナタ「悔しいのはお前だけじゃねえ
ってことだ。」
クラーレ「!!」
ヒナタ「一緒にRを無くそうぜ」
クラーレ「…ああ。ありがと」
ヒナタ「今日お前を呼んだのは他でもない。
さつじんきの救出作戦だ。」
クラーレ「…!!」
さつじんき…!!
ヒナタ「さつじんきはマスターの腹心。
アイツがいなけりゃあ、撲滅隊は危うい。」
クラーレ「ですよね…あんな昔から…」
ヒナタ「そう。で、今アイツがいるのは
大型R勢勢力『R増殖隊』。
倒すべきはそこの首領。『六波羅 煽童』。
アイツを倒さねえ限りさつじんきは戻らない。」
クラーレ「ええ…というか六波羅って?」
ヒナタ「通称ROA。それも撲滅隊の幹部並みの
強さを持つ。大抵のR勢は一人一人は弱く、
群れているが、
強いのにRをしているのもいる。
そのR勢がROAだ。」
クラーレ「とりま俺ら幹部じゃあキツい。
だから…」
チリンチリン…♪
ドアが開いた。古びたベルが客を迎える。
マスター「やあ」
アタルフ「あ?クラーレもいたのか」
クラーレ「マスターさんとアタルフさん!?」
ヒナタ「おーマスター。よく来たな。
どうした?俺の料理でも食いたくなった?」
マスター「そうだなー。じゃあタピオk…」
アタルフ「あーほ。頼むな。大事な用事が…あ、俺はコーヒーで。」
ヒナタ「お前も頼むんじゃん。」
クラーレ「廃墟になっても料理とか
飲み物作れるんですね…」
ヒナタ「当然。お前にも作ろうか?」
クラーレ「じゃあジンジャーエールで」
EP8 Suddenly
俺達はマスターさんと話をするため、
再び本部に向かった。
マスター「増殖隊はポヨヨモンド地区の隣にある『エメ・D・ラルド地区』にある。」
ヒナタ「まじかよ…寄りによって…」
クラーレ「まずいのか?」
アタルフ「エメ・D・ラルド地区には
森があって、唯一R勢に破壊されていない自然地帯だ。」
マスター「ああ、何よりそこにはレヴェリー財団がある。」
クラーレ「財団って…一般市民をR勢から保護してるとこだっけ?」
ヒナタ「ああ、だから危ないんだよ。
森林も財団に保護されているし財団が潰れたら終わりだ…
一刻も早くEDR地区担当の幹部に連絡を…」
ガチャ…
扉が開く
???「これはこれは…撲滅隊の隊長と
その一派がお揃いで何より」
クラーレ「!」
大柄の白髪頭の男が
立っている。
ヒナタ「お前は…」
アタルフ「六波羅!?何しにきた!?」
ROA「増殖隊をRから撲滅すると聞いてな。
古くから滞在する増殖隊を壊す…
それは環境破壊よりも重い罪だ。」
クラーレ「さつじんきを返せ!この犯罪者!」
ROA「誰に向かって口をきいてんだテメェはァ!?」
クラーレ「!」
ボギャッ!!
クラーレを殴りつける
ボオオオォォン!!
クラーレ「爆ぜた!?…これは…」
ヒナタ「能力持ちかよ」
ROA。極致能力：ボム+ファイター
ROA「こんな雑魚がチンタラ戦う撲滅隊。
俺一人で破壊できるぜ。」
マスター「…」
ヒナタ「クラーレ下がってろ。
相手しろROA。丁度腹ごしらえしたかったんだ」
クラーレ「ヒナタ…」
ROA「おいおいおい!!冗談だよなあ!?コイツ一人で何が出来るん…」
バゴッ!!
ROAの鳩尾を殴りつける
ヒナタ「どーした?破壊可能なんだろ?」
ROA「ボム同士だなァ!いいねヒナタァア!!」
BOM!!
ヒナタ「っ!!」
ROA「どうだ俺の拳の威力は!?あの方に貰った能力、存分に味わえ!」
クラーレ(え…貰った?極致能力って確か…)
ヒナタ「クソ不味い拳だな…全然効いてねえよ。」
ROA「へえ、ホント『楽しー』じゃねえか。
でもよーヒナタ」
ヒナタ「!」
ガシッ…
ヒナタの拳を掴む
ROA「不良品は俺に壊される運命なんだよ!!」
ゴガアァァン!!
拳が命中するとともに爆発する
ヒナタ「…っ」
辛うじて拳を受ける
ROA「流石幹部。瞬殺される戦犯は避けたか」
ヒナタ「ゲホッ…」
ROA「見たろ?マスター。格好つけて多数を相手にしてきた撲滅隊でも、
結局一人じゃ何もできねえんだよ。
増殖隊がこの灰色の世界を支配する」
クラーレ「…!」
(あのヒナタが2、3発で…
このままだと皆が死…)
マスター「なあ。六波羅だったっけ？」
ROA「俺のことはROAとよb…」
マスター「お前のくだらない愚行で撲滅隊の真珠にくだらない埃がついた。」
ROA「埃だ?ふざけたこと言ってるとお前もぶっ壊すぞ!?」
チラッ
マスターが倒れたヒナタの方を見る
ヒナタ「マスター…悪いな…今日は腹が減って全力出せなかった…」
クラーレ(お前さんざん食ってただろ!!)
マスター「ははっ。それじゃあ仕方ねえな」
ニコっと笑う
ROA「…俺は興醒めしたぜマスター。
増殖隊と長年戦ってきた撲滅隊の長が、
こんなチビになっちまうなんてよ。」
ヒナタ「…終わったな。」
クラーレ「ちょっ…ちょっと待って。
マスター…あの爆発じゃあすぐに吹っ飛んで終わりだよ…」
マスター「…まあ仇討ちってワケでもねえけどさ、相手してくれよ。」
ROA「煙たいボヤは!!火元から消してやr…!!」
ゴッ…
ROA「る…」
マスターはROAの爆発を軽々とかわすと
凄まじい後ろ蹴りを右頬に喰らわせた。
青い閃光が飛び散る
ズザアアアァァ!!
ROA「…」
クラーレ「え…」
何が起こった?
ヒナタ「お見事〜…ゲホッ」
アタルフ「マスターやり過ぎ。多分顔面陥没してるぞ」
クラーレ(終わったって言ってたのはROAの方だったのか…)
マスター「さーて」
ROAに近付く
マスター「チビって言った落とし前付けてもらおうか!?」
クラーレ「そこ!?」
マスター「覚えとけ。綺麗な真珠には常にデカい殻に守られていることをな!!」
アタルフ「気絶してるって言ったろ。
さて、あとはアジトに行ってさつじんきを連れ戻せば終わりだな。行くぞクラーレ」
クラーレ「あ、はい…」
ROA「待てテメエラアアアアァァ!!!」
アタルフ「?」
マスター「んだよ、まだ死んでねぇのか」
ROA「俺は負けてねえェゾオオオオ!!」
怪我をしたヒナタに飛びかかる
ROA「ウオオオオォォォ!!」
パギャッ!!…
ROA「っ!…あが…」
クラーレの木刀がROAの顎に命中する
クラーレ「俺の居場所を傷つけるな!!」
マスター「へえ、やるな〜。クラーレ」
ROA「ｹﾞﾌｯ」
アタルフ「お前さぁ。撲滅隊と戦うんなら
一人で来るなよ。」
ROA「?」
アタルフ「R勢は一人じゃ何も出来ないんだからよ」
ヒナタ、クラーレ「…」
マスター「今から撲滅隊を呼んで、
増殖隊のあるエメDラルドに行く。
クラーレお前も来い。」
クラーレ「あ、はい」
???「あーあ…殺られちったか…」
黒いシャツの青年と白い袴を纏った少年が
屋根の上で傍観する
白袴「お前の用意した起爆剤はあれか?
随分とまあ威勢の良い雑魚だったようだが」
黒シャツ「あはは。あれでも隊長だ。
しょうがないよ。マスターがどれだけの強さかを見極めたかっただけだし。」
白袴「それが結果能力も使われずに殲滅か。
増殖隊隊長がやられる。Rにとって重大な損害」
黒シャツ「まあ落ち着けって。
起爆剤はROAじゃない。次で出すよ。
仲間を殺す起爆剤を用意する。ねぇ…」
ザッ…
黒シャツ「さつじんき」
さつじんき「…ああ」
再び本部に向かった。
マスター「増殖隊はポヨヨモンド地区の隣にある『エメ・D・ラルド地区』にある。」
ヒナタ「まじかよ…寄りによって…」
クラーレ「まずいのか?」
アタルフ「エメ・D・ラルド地区には
森があって、唯一R勢に破壊されていない自然地帯だ。」
マスター「ああ、何よりそこにはレヴェリー財団がある。」
クラーレ「財団って…一般市民をR勢から保護してるとこだっけ?」
ヒナタ「ああ、だから危ないんだよ。
森林も財団に保護されているし財団が潰れたら終わりだ…
一刻も早くEDR地区担当の幹部に連絡を…」
ガチャ…
扉が開く
???「これはこれは…撲滅隊の隊長と
その一派がお揃いで何より」
クラーレ「!」
大柄の白髪頭の男が
立っている。
ヒナタ「お前は…」
アタルフ「六波羅!?何しにきた!?」
ROA「増殖隊をRから撲滅すると聞いてな。
古くから滞在する増殖隊を壊す…
それは環境破壊よりも重い罪だ。」
クラーレ「さつじんきを返せ!この犯罪者!」
ROA「誰に向かって口をきいてんだテメェはァ!?」
クラーレ「!」
ボギャッ!!
クラーレを殴りつける
ボオオオォォン!!
クラーレ「爆ぜた!?…これは…」
ヒナタ「能力持ちかよ」
ROA。極致能力：ボム+ファイター
ROA「こんな雑魚がチンタラ戦う撲滅隊。
俺一人で破壊できるぜ。」
マスター「…」
ヒナタ「クラーレ下がってろ。
相手しろROA。丁度腹ごしらえしたかったんだ」
クラーレ「ヒナタ…」
ROA「おいおいおい!!冗談だよなあ!?コイツ一人で何が出来るん…」
バゴッ!!
ROAの鳩尾を殴りつける
ヒナタ「どーした?破壊可能なんだろ?」
ROA「ボム同士だなァ!いいねヒナタァア!!」
BOM!!
ヒナタ「っ!!」
ROA「どうだ俺の拳の威力は!?あの方に貰った能力、存分に味わえ!」
クラーレ(え…貰った?極致能力って確か…)
ヒナタ「クソ不味い拳だな…全然効いてねえよ。」
ROA「へえ、ホント『楽しー』じゃねえか。
でもよーヒナタ」
ヒナタ「!」
ガシッ…
ヒナタの拳を掴む
ROA「不良品は俺に壊される運命なんだよ!!」
ゴガアァァン!!
拳が命中するとともに爆発する
ヒナタ「…っ」
辛うじて拳を受ける
ROA「流石幹部。瞬殺される戦犯は避けたか」
ヒナタ「ゲホッ…」
ROA「見たろ?マスター。格好つけて多数を相手にしてきた撲滅隊でも、
結局一人じゃ何もできねえんだよ。
増殖隊がこの灰色の世界を支配する」
クラーレ「…!」
(あのヒナタが2、3発で…
このままだと皆が死…)
マスター「なあ。六波羅だったっけ？」
ROA「俺のことはROAとよb…」
マスター「お前のくだらない愚行で撲滅隊の真珠にくだらない埃がついた。」
ROA「埃だ?ふざけたこと言ってるとお前もぶっ壊すぞ!?」
チラッ
マスターが倒れたヒナタの方を見る
ヒナタ「マスター…悪いな…今日は腹が減って全力出せなかった…」
クラーレ(お前さんざん食ってただろ!!)
マスター「ははっ。それじゃあ仕方ねえな」
ニコっと笑う
ROA「…俺は興醒めしたぜマスター。
増殖隊と長年戦ってきた撲滅隊の長が、
こんなチビになっちまうなんてよ。」
ヒナタ「…終わったな。」
クラーレ「ちょっ…ちょっと待って。
マスター…あの爆発じゃあすぐに吹っ飛んで終わりだよ…」
マスター「…まあ仇討ちってワケでもねえけどさ、相手してくれよ。」
ROA「煙たいボヤは!!火元から消してやr…!!」
ゴッ…
ROA「る…」
マスターはROAの爆発を軽々とかわすと
凄まじい後ろ蹴りを右頬に喰らわせた。
青い閃光が飛び散る
ズザアアアァァ!!
ROA「…」
クラーレ「え…」
何が起こった?
ヒナタ「お見事〜…ゲホッ」
アタルフ「マスターやり過ぎ。多分顔面陥没してるぞ」
クラーレ(終わったって言ってたのはROAの方だったのか…)
マスター「さーて」
ROAに近付く
マスター「チビって言った落とし前付けてもらおうか!?」
クラーレ「そこ!?」
マスター「覚えとけ。綺麗な真珠には常にデカい殻に守られていることをな!!」
アタルフ「気絶してるって言ったろ。
さて、あとはアジトに行ってさつじんきを連れ戻せば終わりだな。行くぞクラーレ」
クラーレ「あ、はい…」
ROA「待てテメエラアアアアァァ!!!」
アタルフ「?」
マスター「んだよ、まだ死んでねぇのか」
ROA「俺は負けてねえェゾオオオオ!!」
怪我をしたヒナタに飛びかかる
ROA「ウオオオオォォォ!!」
パギャッ!!…
ROA「っ!…あが…」
クラーレの木刀がROAの顎に命中する
クラーレ「俺の居場所を傷つけるな!!」
マスター「へえ、やるな〜。クラーレ」
ROA「ｹﾞﾌｯ」
アタルフ「お前さぁ。撲滅隊と戦うんなら
一人で来るなよ。」
ROA「?」
アタルフ「R勢は一人じゃ何も出来ないんだからよ」
ヒナタ、クラーレ「…」
マスター「今から撲滅隊を呼んで、
増殖隊のあるエメDラルドに行く。
クラーレお前も来い。」
クラーレ「あ、はい」
???「あーあ…殺られちったか…」
黒いシャツの青年と白い袴を纏った少年が
屋根の上で傍観する
白袴「お前の用意した起爆剤はあれか?
随分とまあ威勢の良い雑魚だったようだが」
黒シャツ「あはは。あれでも隊長だ。
しょうがないよ。マスターがどれだけの強さかを見極めたかっただけだし。」
白袴「それが結果能力も使われずに殲滅か。
増殖隊隊長がやられる。Rにとって重大な損害」
黒シャツ「まあ落ち着けって。
起爆剤はROAじゃない。次で出すよ。
仲間を殺す起爆剤を用意する。ねぇ…」
ザッ…
黒シャツ「さつじんき」
さつじんき「…ああ」
EP9 BOSS I
エメ・D・ラルド地区~
通称EDR地区。
その名の通り緑色の森に覆われた平和な場所
R勢から一般人や森を守る財団の存在もあり
R勢に敵対視されている。
クラーレ｢ここがEDR地区…｣
マスター｢あれ?お前来るの初めて?｣
アタルフ｢無理もない。基本的に非R勢は
地区から地区を行き来することは出来ない
R勢に襲われるからな。｣
クラーレ｢なるほど。そういえば撲滅隊の皆
を呼んでましたけど連れていかないのか？｣
俺とマスターとアタルフだけだ
アタルフ｢留守番。万が一のためだ。｣
マスター｢はは。大半サボってるだろうけどな｣
アタルフ｢んだと?あいつら…税金泥棒が…
(税金とかねえけど)｣
コハル｢はいUNOォォ！｣
ヒナタ｢はっや!まじかよ〜…
きよはる〜出すカードねぇならもう１回押せよ〜｣
きよはる｢うわ…俺うんわる。
出ませんように出ませんように…｣
ポチッ
ドババババ!
きよはる｢ギャアアアアアアアア！｣
あっくん｢乙｣
きよはる｢えーもう止めようぜ…？
俺の負けでいいから。
負けと分かってて続けんのは流石に…｣
ヒナタ｢はァ•́ω•̀)?そこが面白さだろ?｣
コハル｢ウンウン｣
きよはる｢お前ら相当ヤバいこと言ってるぞ()｣
クラーレ｢意外と現実味がある…｣
マスター｢よし着いたぞ｣
クラーレ｢!!｣
アタルフ｢ここが増殖隊のアジトだ。｣
土管や鉄骨の散らばった工場跡のような
場所だ…
さつじんき｢来たか。撲滅隊。｣
クラーレ｢さつじんき!!｣
積み上げられた土管の上に一人で立っている
アタルフ｢来てやったぜ。さつじんき。｣
マスター｢ROAは俺が片付けた。
あとはお前さえ心を開いてくれれば終わりだ。｣
さつじんき｢?｣
マスター｢俺はお前と戦いに来たわけじゃない。話をしに来た。向き合いに来た！｣
クラーレ｢マスターさん…｣
さつじんき｢…俺もアンタに用がある｣
スッ…トン
クラーレ(…え?)
瞬きの瞬間にさつじんきはアタルフに近付き、横腹を斬り裂いた
さつじんき｢これが限界か…｣
アタルフ｢ｺﾞﾌｯ…｣
クラーレ｢アタルフ!｣
マスター｢…テメェ｣
さつじんき｢悪いなマスター、アタルフ。
これは全て、俺の兄のためだ…｣
マスター｢!｣
アタルフ｢!｣
クラーレ｢兄の…ため?｣
ざわざわ…
アジトの奥から数多の増殖隊隊員が出てくる
さつじんき｢詰みだ。撲滅隊。｣
通称EDR地区。
その名の通り緑色の森に覆われた平和な場所
R勢から一般人や森を守る財団の存在もあり
R勢に敵対視されている。
クラーレ｢ここがEDR地区…｣
マスター｢あれ?お前来るの初めて?｣
アタルフ｢無理もない。基本的に非R勢は
地区から地区を行き来することは出来ない
R勢に襲われるからな。｣
クラーレ｢なるほど。そういえば撲滅隊の皆
を呼んでましたけど連れていかないのか？｣
俺とマスターとアタルフだけだ
アタルフ｢留守番。万が一のためだ。｣
マスター｢はは。大半サボってるだろうけどな｣
アタルフ｢んだと?あいつら…税金泥棒が…
(税金とかねえけど)｣
コハル｢はいUNOォォ！｣
ヒナタ｢はっや!まじかよ〜…
きよはる〜出すカードねぇならもう１回押せよ〜｣
きよはる｢うわ…俺うんわる。
出ませんように出ませんように…｣
ポチッ
ドババババ!
きよはる｢ギャアアアアアアアア！｣
あっくん｢乙｣
きよはる｢えーもう止めようぜ…？
俺の負けでいいから。
負けと分かってて続けんのは流石に…｣
ヒナタ｢はァ•́ω•̀)?そこが面白さだろ?｣
コハル｢ウンウン｣
きよはる｢お前ら相当ヤバいこと言ってるぞ()｣
クラーレ｢意外と現実味がある…｣
マスター｢よし着いたぞ｣
クラーレ｢!!｣
アタルフ｢ここが増殖隊のアジトだ。｣
土管や鉄骨の散らばった工場跡のような
場所だ…
さつじんき｢来たか。撲滅隊。｣
クラーレ｢さつじんき!!｣
積み上げられた土管の上に一人で立っている
アタルフ｢来てやったぜ。さつじんき。｣
マスター｢ROAは俺が片付けた。
あとはお前さえ心を開いてくれれば終わりだ。｣
さつじんき｢?｣
マスター｢俺はお前と戦いに来たわけじゃない。話をしに来た。向き合いに来た！｣
クラーレ｢マスターさん…｣
さつじんき｢…俺もアンタに用がある｣
スッ…トン
クラーレ(…え?)
瞬きの瞬間にさつじんきはアタルフに近付き、横腹を斬り裂いた
さつじんき｢これが限界か…｣
アタルフ｢ｺﾞﾌｯ…｣
クラーレ｢アタルフ!｣
マスター｢…テメェ｣
さつじんき｢悪いなマスター、アタルフ。
これは全て、俺の兄のためだ…｣
マスター｢!｣
アタルフ｢!｣
クラーレ｢兄の…ため?｣
ざわざわ…
アジトの奥から数多の増殖隊隊員が出てくる
さつじんき｢詰みだ。撲滅隊。｣
EP10 New enemy
さつじんき｢じゃあな。マスター。｣
そういってアジトから姿を消す。
増殖隊隊員｢煽り潰してやるぜヒャッハー☆｣
クラーレ｢…｣
最悪だ。
アジトに行く話だったのに
撲滅隊本部を守るために仲間を置いていく
よく考えれば泥沼だ…
増殖隊全員 対 3人。内一人が負傷。
いくら強いマスターと一緒でもこれは…
マスター｢…休んでてくれアタルフ。｣
アタルフ｢寝てられるか…マスター…俺も…｣
マスター｢全員まとめて…俺が⚫してやる｣
ゾクッ…
クラーレ｢!!｣
重厚な威圧感がアジトを包む
ｻﾞｯｻﾞｯ…
男｢へぇ…ROAを倒した撲滅隊。
さぞやアタマは強いんだろうと思ってきたけど。意外とちっちゃいんだな。｣
増殖隊の中から二人の人が現れる
方や小柄の男。方や鞭を持ったメイド女。
クラーレ｢?!｣
男｢チビだとお互い大変だな。マスタァ。｣
女｢可愛いねぇ…束縛してあげたくなる可愛さだねぇ…｣
マスター｢…誰だよ?｣
男｢死ぬ間際に聞くかそれ｣
女｢三途の川を渡るのにこれ以上覚えることなどいらないと思うけど代表の命令でね。ROAの代理で増殖隊を指揮している
『ムマタゆうめコン』。
私は姉の霧叉 夢芽。コッチは弟のソウル。｣
クラーレ(ムマタゆうめコン…!)
昔バトロイでカンストを果たしたR勢姉弟だ…
マスター｢なるほど。お前らがさつじんきを
誑かして寝返らせた張本人か。｣
ユウメ｢…んー。だとしたらどうすr…｣
マスター｢こうする｣
パギャッ!!
ユウメに放った青い閃光が
ソウルにガードされる
マスター｢!!｣
ソウル｢姉貴の話を聞けよ｣
クラーレ｢え…｣
ユウメ｢ｯﾁ…汚いね…｣
アタルフ｢波動を耐えた…?｣
ソウル｢そんなに本気にならなくとも、
君ら撲滅隊の獲物は大量にあるぜ。
なぁ姉貴。｣
ユウメ｢私達の狙いは撲滅隊の崩御。
だから起爆剤としてさつじんきを用意し、
幹部暗殺でヒビを入れるはずだった。｣
クラーレ｢そんなことでさつじんきを…!｣
ソウル｢でもさつじんきは失敗した。｣
ユウメ｢ふ…ふふ…まァ楽しみが増えたねぇ…アタルフもマスターも…
可愛がってあげられるんだからねえ!!♡｣
ゾクッ…
気味の悪さに凄まじい悪寒が走る
アタルフ｢…｣
ユウメ｢アンタら増殖隊もねぇ!!
ROAの時みたいに傍観はいけないよ。
やられたら凍らして砕いて森林の肥料。｣
増殖隊隊員｢は…はい!!｣
ユウメ｢撲滅隊全員纏めて調教してあげる♡｣
クラーレ｢…あ…｣
ただでさえ多い数に加えて
ムマタゆうめコン…
勝てるのか俺達は…それとも本当に終わ…
?｢多対一。クラーレの得意分野だよな〜^^*｣
クラーレ｢え?｣
笑みを含んだ声。
クラーレ｢ヒナタ!?なんでここに…｣
ヒナタ｢悪いな。留守番が面倒でなぁ。｣
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ…
ヒナタ｢皆連れてきちまった｣
アタルフ｢!｣
きよはる｢あれ?さつじんきいないじゃん。
縄救助してやろうと思ってたのに。｣
あっくん｢すごい量の虫だな。
何匹いるんだろう…えーっと…｣
コハル｢おお〜丁度良いゴミ盛り!
今日は思いっきり眠れる!｣
スタン｢…アタルフの安全の確保は任せろ。｣
マスター｢ヒナタ…! 皆…!｣
ヒナタ｢さぁ!初めてのR勢組織対決。
2回目だし無傷で殺ろうぜ!クラーレ!｣
クラーレ｢もちろんだ!｣
ユウメ｢良い威勢…｣
ソウル｢気怠いな｣
そういってアジトから姿を消す。
増殖隊隊員｢煽り潰してやるぜヒャッハー☆｣
クラーレ｢…｣
最悪だ。
アジトに行く話だったのに
撲滅隊本部を守るために仲間を置いていく
よく考えれば泥沼だ…
増殖隊全員 対 3人。内一人が負傷。
いくら強いマスターと一緒でもこれは…
マスター｢…休んでてくれアタルフ。｣
アタルフ｢寝てられるか…マスター…俺も…｣
マスター｢全員まとめて…俺が⚫してやる｣
ゾクッ…
クラーレ｢!!｣
重厚な威圧感がアジトを包む
ｻﾞｯｻﾞｯ…
男｢へぇ…ROAを倒した撲滅隊。
さぞやアタマは強いんだろうと思ってきたけど。意外とちっちゃいんだな。｣
増殖隊の中から二人の人が現れる
方や小柄の男。方や鞭を持ったメイド女。
クラーレ｢?!｣
男｢チビだとお互い大変だな。マスタァ。｣
女｢可愛いねぇ…束縛してあげたくなる可愛さだねぇ…｣
マスター｢…誰だよ?｣
男｢死ぬ間際に聞くかそれ｣
女｢三途の川を渡るのにこれ以上覚えることなどいらないと思うけど代表の命令でね。ROAの代理で増殖隊を指揮している
『ムマタゆうめコン』。
私は姉の霧叉 夢芽。コッチは弟のソウル。｣
クラーレ(ムマタゆうめコン…!)
昔バトロイでカンストを果たしたR勢姉弟だ…
マスター｢なるほど。お前らがさつじんきを
誑かして寝返らせた張本人か。｣
ユウメ｢…んー。だとしたらどうすr…｣
マスター｢こうする｣
パギャッ!!
ユウメに放った青い閃光が
ソウルにガードされる
マスター｢!!｣
ソウル｢姉貴の話を聞けよ｣
クラーレ｢え…｣
ユウメ｢ｯﾁ…汚いね…｣
アタルフ｢波動を耐えた…?｣
ソウル｢そんなに本気にならなくとも、
君ら撲滅隊の獲物は大量にあるぜ。
なぁ姉貴。｣
ユウメ｢私達の狙いは撲滅隊の崩御。
だから起爆剤としてさつじんきを用意し、
幹部暗殺でヒビを入れるはずだった。｣
クラーレ｢そんなことでさつじんきを…!｣
ソウル｢でもさつじんきは失敗した。｣
ユウメ｢ふ…ふふ…まァ楽しみが増えたねぇ…アタルフもマスターも…
可愛がってあげられるんだからねえ!!♡｣
ゾクッ…
気味の悪さに凄まじい悪寒が走る
アタルフ｢…｣
ユウメ｢アンタら増殖隊もねぇ!!
ROAの時みたいに傍観はいけないよ。
やられたら凍らして砕いて森林の肥料。｣
増殖隊隊員｢は…はい!!｣
ユウメ｢撲滅隊全員纏めて調教してあげる♡｣
クラーレ｢…あ…｣
ただでさえ多い数に加えて
ムマタゆうめコン…
勝てるのか俺達は…それとも本当に終わ…
?｢多対一。クラーレの得意分野だよな〜^^*｣
クラーレ｢え?｣
笑みを含んだ声。
クラーレ｢ヒナタ!?なんでここに…｣
ヒナタ｢悪いな。留守番が面倒でなぁ。｣
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ…
ヒナタ｢皆連れてきちまった｣
アタルフ｢!｣
きよはる｢あれ?さつじんきいないじゃん。
縄救助してやろうと思ってたのに。｣
あっくん｢すごい量の虫だな。
何匹いるんだろう…えーっと…｣
コハル｢おお〜丁度良いゴミ盛り!
今日は思いっきり眠れる!｣
スタン｢…アタルフの安全の確保は任せろ。｣
マスター｢ヒナタ…! 皆…!｣
ヒナタ｢さぁ!初めてのR勢組織対決。
2回目だし無傷で殺ろうぜ!クラーレ!｣
クラーレ｢もちろんだ!｣
ユウメ｢良い威勢…｣
ソウル｢気怠いな｣
EP11 This is the dirty fighter
マスター｢雑魚共はお前らに任せたぞ!撲滅隊!｣
スタン｢了解!｣
ｽﾞｽﾞｯ…ドオオォォ!
クラーレ｢地盤沈下!?｣
R勢達を地下に落とし、
アタルフを土で安置に遠ざける
菅原 炭彦
極致能:グランドオぺ
きよはる｢オラアアア!｣
ピシャン!ピシャン!
細い縄がR勢をぶんぶん振り回す
北条 清波流
極致能:ウィップ
R勢｢うおおおぉぉ!｣
あっくん｢…｣
ゴオオオォォォ!
凄まじい竜巻がR勢を襲う!
R勢｢ぎゃああぁ…!｣
あっくん｢あっけな…｣
虎川 周
極致能:トルネード
R勢1｢なんなんだコイツら!?変な技使うぞ!?｣
R勢2｢ん?コイツこんなとこで寝てやがんぞ｣
コハル｢くー…かー…zzz｣
R勢｢もらったあァァァ!｣
ドギェッ!
コハルを狙ったR勢がマクラで吹き飛ぶ
R勢｢コイツ寝ながら戦ってやがる!｣
コハル｢ぐぅ…｣
百鬼 心桜
極致能:スリープ
ドゴオオォォオン!
爆弾で雑魚達が吹き飛ぶ
ヒナタ｢クラーレ!二人でマスターを援護だ!｣
クラーレ｢おう!!｣
天内 日向
極致能:ボム
ソウル｢ヒャハハハハ!｣
マスターに殴りかかる
マスター｢邪魔だ｣
ガシッ…
拳を掴む
ソウル｢やば!｣
ピシャン!
マスター｢!?｣
マスターの腕を鞭が捕らえる
ユウメ｢こっちへおいでぇ。マスターちゃ…｣
ドゴッ
青い閃光が再びソウルにガードされる
ソウル｢おやすみ｣
ガッ…
ナイトキャップを被せる
マスター(クソッまた眠気が…)
ソウルの睡魔攻撃!
ピシャン!
マスター｢グッ…｣
ユウメの鞭打ち!
ユウメ｢いい音♡｣
ソウル｢ゾクゾクすんなぁ｣
マスター｢お前ら2対1が卑怯だとは思わないのかよ｣
ユウメ｢私達はR勢だよ?｣
ソウル｢卑怯な手を使ってでも勝つ。
それが俺らR勢だからよぉ。｣
マスター｢…｣
ユウメ｢さぁ!まだまだこれからだよぉ?マスタァ｣
スタン｢了解!｣
ｽﾞｽﾞｯ…ドオオォォ!
クラーレ｢地盤沈下!?｣
R勢達を地下に落とし、
アタルフを土で安置に遠ざける
菅原 炭彦
極致能:グランドオぺ
きよはる｢オラアアア!｣
ピシャン!ピシャン!
細い縄がR勢をぶんぶん振り回す
北条 清波流
極致能:ウィップ
R勢｢うおおおぉぉ!｣
あっくん｢…｣
ゴオオオォォォ!
凄まじい竜巻がR勢を襲う!
R勢｢ぎゃああぁ…!｣
あっくん｢あっけな…｣
虎川 周
極致能:トルネード
R勢1｢なんなんだコイツら!?変な技使うぞ!?｣
R勢2｢ん?コイツこんなとこで寝てやがんぞ｣
コハル｢くー…かー…zzz｣
R勢｢もらったあァァァ!｣
ドギェッ!
コハルを狙ったR勢がマクラで吹き飛ぶ
R勢｢コイツ寝ながら戦ってやがる!｣
コハル｢ぐぅ…｣
百鬼 心桜
極致能:スリープ
ドゴオオォォオン!
爆弾で雑魚達が吹き飛ぶ
ヒナタ｢クラーレ!二人でマスターを援護だ!｣
クラーレ｢おう!!｣
天内 日向
極致能:ボム
ソウル｢ヒャハハハハ!｣
マスターに殴りかかる
マスター｢邪魔だ｣
ガシッ…
拳を掴む
ソウル｢やば!｣
ピシャン!
マスター｢!?｣
マスターの腕を鞭が捕らえる
ユウメ｢こっちへおいでぇ。マスターちゃ…｣
ドゴッ
青い閃光が再びソウルにガードされる
ソウル｢おやすみ｣
ガッ…
ナイトキャップを被せる
マスター(クソッまた眠気が…)
ソウルの睡魔攻撃!
ピシャン!
マスター｢グッ…｣
ユウメの鞭打ち!
ユウメ｢いい音♡｣
ソウル｢ゾクゾクすんなぁ｣
マスター｢お前ら2対1が卑怯だとは思わないのかよ｣
ユウメ｢私達はR勢だよ?｣
ソウル｢卑怯な手を使ってでも勝つ。
それが俺らR勢だからよぉ。｣
マスター｢…｣
ユウメ｢さぁ!まだまだこれからだよぉ?マスタァ｣
EP12 Flight
ユウメ｢まだまだこれからだよマスター!｣
マスター｢何言ってんだ?お前ら…｣
ソウル｢だからよぉ。卑怯な手を使って勝つのがR勢だっt…｣
マスター｢ちげーよ。｣
ソウル｢は?｣
マスター｢なんでお前ら如きが俺を相手に
まだ生きてられると思ってんだ}｣
ゾクッ!!!!
緊張感が走る
ソウル｢あ…あ…｣
ユウメ｢!!｣
ブワッ…
マスターの拳がソウルの顔前まで来る
ピシャン!
再び鞭が腕に巻き付く
ユウメ(よし…あとは引き寄せて縛れば)
グイ…グイ…
ユウメ｢!!?…動かない??｣
ソウル｢コイツ…｣
スパァァン!!!!
上半身を下げ、
マスターの踵がソウルの顔に直撃する
ドサッ…
ソウル｢………｣
ユウメ｢ソウル!｣
グイッ!!
鞭を引っ張る
ユウメ｢!?｣
マスタ｢お前らにやる時間なんて1秒もない｣
ゴッ!!!
拳がユウメの顔面に直撃する
ユウメ｢かっ…｣
閃光がユウメの頭に命中する
マスター｢意外と姉貴の方が頑丈な感じか?
まぁどちらにせよ、これで公平だよなぁ?｣
ユウメ｢ﾋﾞｷｯ…怒｣
後方〜
あっくん｢『とっぷうおろし!!』｣
ガガガガガガッ!!
R勢共｢ぎゃあああ!｣
あっくん｢どうせ負けるんだから
せめて静かに逝けよ…｣
きよはる｢これで7割くらいか。弱ぇな。｣
コハル｢グゥ…｣
スタン｢!!…いない｣
きよはる｢何が?｣
スタン｢土で遠ざけといたアタルフがいねぇ!!｣
土の壁はもぬけの殻
あっくん、きよはる｢えぇ!?｣
ヒナタ｢いねーなぁ。どこだよマスターは…｣
クラーレ｢!!｣
工場の隙間から人影が三つあるのが見える
ヒナタ｢どうした?クラーレ｣
クラーレ｢いや…ちょっと外見てくる!!｣
ヒナタ｢え?ちょっ、おい待てよ!!｣
アジト裏~
アタルフ｢んﾞんﾞー!!｣
白服の男｢うるせぇな。大人しくしろ!!｣
黒シャツ｢はやくしなよ~。拉致しろとの
命令だからね。｣
白服の男｢こんな化け物捕らえるだけでも
無理難題なのに拉致とか冗談じゃねぇっての!｣
黒シャツ｢僕も顔を隠してるとはいえ、
撲滅隊の幹部に顔を見られるワケには
いかないし、帰らせてもらおうかな。｣
クラーレ｢何してんだ!!｣
白服の男｢!!｣
黒シャツ｢?｣
ヒナタ｢アタルフ!?お前ら…
アタルフをどうするつもりだ!!｣
白服の男｢ｯﾁ…もう見つかったか…｣
黒シャツ｢連れていく。拉致ってとこかな。｣
クラーレ｢なんだと!?｣
ヒナタ｢!…白い服に十字架…
お前ら赤十邇だな!?｣
クラーレ｢赤十邇!?｣
ヒナタ｢一番最初に創られた、首領+幹部10人。計11人のR勢からなる軍だ。
ぱすてん隊長が潰したはずなのに…｣
黒シャツ｢はは。Rなんて何度でも蘇るさ。
バトルで気絶しても地面から這い上がれるようにね。｣
白服の男｢赤十邇は幹部のROAが抜けて
そのまま逝ったからもう10人だけどな。｣
クラーレ(ROA…!!アイツが…)
白服の男｢もう逃げようぜ!｣
黒シャツ｢いや。逃げるのはまだだよ。
オモチャが揃ったし。｣
白服の男｢ハァ!?何言って…｣
ドオオオォォン!!
顔面が爆破する
白服の男｢ｹﾞﾌｯ…｣
ヒナタ｢さっきからオモチャだかなんだかうるせぇけどなァ…
俺ら撲滅隊はお前らみたいな偽の友情でできた『群れ』じゃない。
決して失うことのない覚悟でできた
『仲間』だ!!｣
クラーレ｢そうだ!アタルフは絶対取り返す｣
黒シャツ｢…返してあげたいけど生憎、
僕らも簡単にはアタルフを手放したくない
だからこうしよう。
今から君らにとあるR勢と戦ってもらう。
1対1で勝てたら返すよ。
それが撲滅隊のポリシーでもあるしね?｣
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ…
???｢死体の処理は済んだかァ?撲滅隊｣
クラーレ、ヒナタ｢!!｣
聞き覚えのある声。邪気を放っている
ヒナタ｢R勢の死体なんて触りたくもねぇからな。ROA｣
ROA｢そこの黒シャツが俺を生き返らせた。
追加された人生を破壊に尽くせってなあ。
さあ、二人まとめて壊してやるよ。｣
クラーレ｢六波羅…煽人｣
EP13 Nemesis
ROA｢二人まとめて壊してやる｣
ヒナタ｢1対1か…いいぜ。やってやるよ。
多対一をなんなくやってのけんのが
俺ら撲滅隊だからな。｣
クラーレ｢駄目だヒナタ!タダでだえ前苦戦した相手なのに、今回はもっと強く…｣
ヒナタ｢黙ってなクラーレ。お前は見てろ。｣
クラーレ｢!!｣
ROA｢苦戦だぁ?それどころかお前はやられてただろうがよ｣
ヒナタ｢お前こそ、そんなに強いんなら
R勢なんてやめて、『正々堂々』を知るべきだろ…｣
ドオオオォォン!!
爆発がヒナタに直撃する
ROA｢どうしたよヒナタ…
『撲滅隊は覚悟でできた仲間だろ?』
俺らみたいに群れなくても勝てるよなぁ!?｣
ヒナタ｢…｣
クラーレ｢そんな…｣
パワーが上がってる …1度死んだはずなのに…
ROA｢俺は強くなるために全て捨ててきた。
仲間も、正々堂々戦うことも、
人であることも捨てた。なにもかもなァ。
その結晶を今更テメエら撲滅隊なんざに
壊されてたまるかああああぁ!!!｣
ドゴオオォォオン!
クラーレ｢ヒナタ!!｣
ググ…
ROA｢へえ、止めたか。やるじゃねえか｣
ヒナタ｢こちとら爆発しなれてんだよ。それより｣
ROA｢!?｣
ドドォオオオン!!
ROAの背中が爆発する!
ヒナタ『置きボム』
クラーレ｢え!?｣
ヒナタ｢パンチで爆破すると思ったろ?
本当はパンチと同時に爆弾を爆破させてたんだ｣
ポンっと手のひらから爆弾が出てくる
ヒナタ｢こんな風にな!!｣
ボオオォォン!!
ROA｢っ…｣
ヒナタ｢!!｣
喰らった爆弾を吸収する
ROA｢裏極『灼』｣
ゴオオオォォォン!
クラーレ(今までで一番強い威力!!ヒナタは…!?)
ヒナタ｢ｶﾊｯ…化け物が…｣
クラーレ｢ヒナタ!!｣
ヒナタ｢わりぃなクラーレ…カッコつけといてやられちまった…｣
ROA｢種が分かればあっけねぇよ。
正々堂々とかいって負けるとは。
あとはお前だけだなクラーレ。｣
クラーレ｢負けてない…｣
ROA｢ああ?｣
クラーレ｢ヒナタは負けてない
たとえ負けても、
一人で多数に立ち向かえるやつは皆強い!!｣
ROA｢ほざけぇぇぇぇぇぇ!!｣
ドオオオォォン!
ROA｢!!?｣
木刀で爆発を受け止める
クラーレ｢だから俺は、
そんな撲滅隊の皆に憧れたんだ…｣
ずっと一人だった…
『仲間』という存在がいないのは辛かった
クラーレ｢ROA…強くなりたいのに
R勢になってどーすんだよ…!｣
ROA｢は?｣
ボギャッ…
木刀を振り上げ、ROAの顎を打つ
ROA｢かっ…｣
強くなるのに必要なのは群れじゃない。
必要なのは…
クラーレ｢仲間だ。戦って、立ち向かって、
傷でいっぱいの顔を見て笑い合える仲間だ｣
ROA｢うるせえ!｣
バゴッ!!
肘鉄を喰らわせる
ROA｢ちょっと喋らしとけば綺麗事述べやがって…俺は煽って自身を高める卑しいR勢。
それでいいんだよ!!｣
クラーレ｢お前は全てを捨てたんじゃなく、
奪われたんだろ?｣
ROA｢ああ!?｣
クラーレ｢非R勢だと、R勢から奪われる。
それが怖くてR勢になるしかなかった。
そうじゃないのか？｣
ROA｢…｣
3年前~
当時、非R勢だった俺は戦いで
R勢を倒す日々を送っていた。
まんざらでもない、戦ってR勢から寝返った非R勢仲間と過ごし、戦う。
この日々が続けば良かったのに。
ある日、仲間がR勢に殺された。
俺もR勢数人に負けて煽りちらかされ、
人格を傷つけられた。
そこであるR勢に出会った
撲滅隊の二代目隊長が付けていた白星の
ピアスと似た黒いピアスを付けた、
紫眼の男だ。
黒いピアス｢可哀想になぁROA…
人格潰されて、仲間を殺され、奪われ。
お前は多人数を相手に戦っていただけなのによォ。｣
ROA｢…｣
黒いピアス｢R勢がなんで非R勢を袋叩きにしてチーミングして煽り、奪うのか分かるか?｣
ROA｢わからねえ…｣
黒いピアス｢知ってるからだよ。｣
ROA｢え?｣
黒いピアス｢非R勢が孤独として戦い、
練り上げてきた強さ、努力の結晶。
それを知ってて壊すのがたまらないんだよ｣
ROA｢壊す…のが｣
黒いピアス｢どーだ?お前もR勢になって、
『破壊』しねーか?｣
増殖隊を継ぐのを条件に、新たな人格を構成した。
『破壊』の人格を…
ROA｢『九楽 澪』…とか言ったか?｣
クラーレ｢そうだ。｣
ROA｢俺は六波羅 煽人。今からお前を、
一人の戦士としてお前をぶっ飛ばす。｣
クラーレ｢望むところだ。｣
ヒナタ｢1対1か…いいぜ。やってやるよ。
多対一をなんなくやってのけんのが
俺ら撲滅隊だからな。｣
クラーレ｢駄目だヒナタ!タダでだえ前苦戦した相手なのに、今回はもっと強く…｣
ヒナタ｢黙ってなクラーレ。お前は見てろ。｣
クラーレ｢!!｣
ROA｢苦戦だぁ?それどころかお前はやられてただろうがよ｣
ヒナタ｢お前こそ、そんなに強いんなら
R勢なんてやめて、『正々堂々』を知るべきだろ…｣
ドオオオォォン!!
爆発がヒナタに直撃する
ROA｢どうしたよヒナタ…
『撲滅隊は覚悟でできた仲間だろ?』
俺らみたいに群れなくても勝てるよなぁ!?｣
ヒナタ｢…｣
クラーレ｢そんな…｣
パワーが上がってる …1度死んだはずなのに…
ROA｢俺は強くなるために全て捨ててきた。
仲間も、正々堂々戦うことも、
人であることも捨てた。なにもかもなァ。
その結晶を今更テメエら撲滅隊なんざに
壊されてたまるかああああぁ!!!｣
ドゴオオォォオン!
クラーレ｢ヒナタ!!｣
ググ…
ROA｢へえ、止めたか。やるじゃねえか｣
ヒナタ｢こちとら爆発しなれてんだよ。それより｣
ROA｢!?｣
ドドォオオオン!!
ROAの背中が爆発する!
ヒナタ『置きボム』
クラーレ｢え!?｣
ヒナタ｢パンチで爆破すると思ったろ?
本当はパンチと同時に爆弾を爆破させてたんだ｣
ポンっと手のひらから爆弾が出てくる
ヒナタ｢こんな風にな!!｣
ボオオォォン!!
ROA｢っ…｣
ヒナタ｢!!｣
喰らった爆弾を吸収する
ROA｢裏極『灼』｣
ゴオオオォォォン!
クラーレ(今までで一番強い威力!!ヒナタは…!?)
ヒナタ｢ｶﾊｯ…化け物が…｣
クラーレ｢ヒナタ!!｣
ヒナタ｢わりぃなクラーレ…カッコつけといてやられちまった…｣
ROA｢種が分かればあっけねぇよ。
正々堂々とかいって負けるとは。
あとはお前だけだなクラーレ。｣
クラーレ｢負けてない…｣
ROA｢ああ?｣
クラーレ｢ヒナタは負けてない
たとえ負けても、
一人で多数に立ち向かえるやつは皆強い!!｣
ROA｢ほざけぇぇぇぇぇぇ!!｣
ドオオオォォン!
ROA｢!!?｣
木刀で爆発を受け止める
クラーレ｢だから俺は、
そんな撲滅隊の皆に憧れたんだ…｣
ずっと一人だった…
『仲間』という存在がいないのは辛かった
クラーレ｢ROA…強くなりたいのに
R勢になってどーすんだよ…!｣
ROA｢は?｣
ボギャッ…
木刀を振り上げ、ROAの顎を打つ
ROA｢かっ…｣
強くなるのに必要なのは群れじゃない。
必要なのは…
クラーレ｢仲間だ。戦って、立ち向かって、
傷でいっぱいの顔を見て笑い合える仲間だ｣
ROA｢うるせえ!｣
バゴッ!!
肘鉄を喰らわせる
ROA｢ちょっと喋らしとけば綺麗事述べやがって…俺は煽って自身を高める卑しいR勢。
それでいいんだよ!!｣
クラーレ｢お前は全てを捨てたんじゃなく、
奪われたんだろ?｣
ROA｢ああ!?｣
クラーレ｢非R勢だと、R勢から奪われる。
それが怖くてR勢になるしかなかった。
そうじゃないのか？｣
ROA｢…｣
3年前~
当時、非R勢だった俺は戦いで
R勢を倒す日々を送っていた。
まんざらでもない、戦ってR勢から寝返った非R勢仲間と過ごし、戦う。
この日々が続けば良かったのに。
ある日、仲間がR勢に殺された。
俺もR勢数人に負けて煽りちらかされ、
人格を傷つけられた。
そこであるR勢に出会った
撲滅隊の二代目隊長が付けていた白星の
ピアスと似た黒いピアスを付けた、
紫眼の男だ。
黒いピアス｢可哀想になぁROA…
人格潰されて、仲間を殺され、奪われ。
お前は多人数を相手に戦っていただけなのによォ。｣
ROA｢…｣
黒いピアス｢R勢がなんで非R勢を袋叩きにしてチーミングして煽り、奪うのか分かるか?｣
ROA｢わからねえ…｣
黒いピアス｢知ってるからだよ。｣
ROA｢え?｣
黒いピアス｢非R勢が孤独として戦い、
練り上げてきた強さ、努力の結晶。
それを知ってて壊すのがたまらないんだよ｣
ROA｢壊す…のが｣
黒いピアス｢どーだ?お前もR勢になって、
『破壊』しねーか?｣
増殖隊を継ぐのを条件に、新たな人格を構成した。
『破壊』の人格を…
ROA｢『九楽 澪』…とか言ったか?｣
クラーレ｢そうだ。｣
ROA｢俺は六波羅 煽人。今からお前を、
一人の戦士としてお前をぶっ飛ばす。｣
クラーレ｢望むところだ。｣
EP14 Broken
ROA｢裏極…｣
ﾊﾟﾁｯ…ﾊﾟﾁｯ…
クラーレ(!!ヒナタに使った『裏極』を出す気だ…とんでもない質量の爆風が飛んでくる…それをなんとか掻い潜って斬る!!)
ROA｢『灼!!』｣
ゴオオオオオォォォ!!!
クラーレ｢くっ…ぐあああ!!｣
途轍もない爆風が吹き荒れる
ジジ…
クラーレ(!!…刀が焼けてきた…!当然だ!
そもそもR勢は殺さずに気絶させるのが目的だから刀も木製!!)
ヒナタ｢クラーレええぇぇぇ!!｣
クラーレ｢やばい…死…｣
ﾌﾟﾂﾝ
クラーレ『ここは…?俺死んだのか?』
???『死んでないよ。ここは極致。』
振り返るとそこには、ピンク色のボールに短い手足がはえたような生き物がいた…
クラーレ『え。きも。誰?』
???『失礼な!!僕はR勢が出る前の一番最初の大会で優勝した星のk…』
グゥゥゥゥ…
???『腹減った…』
ズコッ
クラーレ(なんだコイツ…というか最初の優勝者ってまさか…)
バリボリバリボリ…
煎餅を齧る音が響く
???『ここは極致。』
クラーレ『へ?』
???『へ?じゃないよ。
君は今大ピンチでしょ?
だからここに来たんだよ。
今から極致能を与えるに相応しいか試練。』
クラーレ『ゴクリ…』
???『問題に答えられたら!』
クラーレ『へ?問題?』
???『どうして昔は強い人と弱い人の差が
無かったのに、今は差が大きいのかな?』
クラーレ『Rがあるから?』
???『うーん惜しい!…3点!』
なんだコイツ
クラーレ『えーっと…やっぱ能力の違い?』
???『違うね。ヒント!R勢の方が得意!』
クラーレ『ええ〜?』
???『正解はビジョンだ!』
クラーレ『ビジョン?目標ってことか?』
???『人間にはそういう傾向がある。
自分の考えを持っているのに、
何故か多い方の意見に流される。
R勢も大半そういう理由でなった人が多い』
クラーレ『…』
???『昔は戦闘における動きのビジョンを
自分で考えずに、人のを見て猿真似をする人がいたから、あまり差がつかなかった。
一人を除いてね。』
クラーレ『一人?』
???『君も聞いたことあるでしょ?
トロモフ。史上最悪のカッター使いのR勢。
動きが異次元過ぎて攻撃を受けたこともないし、逆に外したこともなかったらしい。』
クラーレ『!!』
???『まあ彼も結局の所、
ビジョンがなくてR勢になったんだろうけど。今!!!君らの世代は違う!!
撲滅隊は非R勢であり、さらに一人一人が強い!!ビジョンがあるから!!』
クラーレ｢ああ。｣
???『そんな撲滅隊の中で君が、
皆と肩を並べられるようにするには
どうすればいいと思う?』
クラーレ『自己流の戦略を瞬時に構築する』
???『その通り!!これで心配いらないね!!
僕直伝のこの極致能。
今なら使いこなせるはずだよ』
ﾌﾟﾂﾝ…
※この間約0,037564秒
ゴオオオオオォォォ!
クラーレ(なんだこれ!?)
木刀が赤くなる
クラーレ(今なら出来る気がする…)
ドドォオオオン!!
木刀で斬った所が爆発する
ROA｢何!?｣
クラーレ｢うおおおおおお!!!｣
ﾊﾞﾁﾁﾁﾁﾁﾁ!!
爆風を焼切る
ヒナタ｢まじか…!｣
クラーレ｢きり抜けたあああ!｣
黒から元の色に戻る
ROA｢くっ…｣
クラーレ『イミテーションソード!!』
ザンッ！
縦に真っ二つにする
ROA｢良い…剣だ｣
そう言うとROAの体が崩れ消える
ヒナタ｢お前まさか…極致に?｣
クラーレ｢えっと…多分｣
九楽 澪
極致能:ミミックソード
ﾊﾟﾁｯ…ﾊﾟﾁｯ…
クラーレ(!!ヒナタに使った『裏極』を出す気だ…とんでもない質量の爆風が飛んでくる…それをなんとか掻い潜って斬る!!)
ROA｢『灼!!』｣
ゴオオオオオォォォ!!!
クラーレ｢くっ…ぐあああ!!｣
途轍もない爆風が吹き荒れる
ジジ…
クラーレ(!!…刀が焼けてきた…!当然だ!
そもそもR勢は殺さずに気絶させるのが目的だから刀も木製!!)
ヒナタ｢クラーレええぇぇぇ!!｣
クラーレ｢やばい…死…｣
ﾌﾟﾂﾝ
クラーレ『ここは…?俺死んだのか?』
???『死んでないよ。ここは極致。』
振り返るとそこには、ピンク色のボールに短い手足がはえたような生き物がいた…
クラーレ『え。きも。誰?』
???『失礼な!!僕はR勢が出る前の一番最初の大会で優勝した星のk…』
グゥゥゥゥ…
???『腹減った…』
ズコッ
クラーレ(なんだコイツ…というか最初の優勝者ってまさか…)
バリボリバリボリ…
煎餅を齧る音が響く
???『ここは極致。』
クラーレ『へ?』
???『へ?じゃないよ。
君は今大ピンチでしょ?
だからここに来たんだよ。
今から極致能を与えるに相応しいか試練。』
クラーレ『ゴクリ…』
???『問題に答えられたら!』
クラーレ『へ?問題?』
???『どうして昔は強い人と弱い人の差が
無かったのに、今は差が大きいのかな?』
クラーレ『Rがあるから?』
???『うーん惜しい!…3点!』
なんだコイツ
クラーレ『えーっと…やっぱ能力の違い?』
???『違うね。ヒント!R勢の方が得意!』
クラーレ『ええ〜?』
???『正解はビジョンだ!』
クラーレ『ビジョン?目標ってことか?』
???『人間にはそういう傾向がある。
自分の考えを持っているのに、
何故か多い方の意見に流される。
R勢も大半そういう理由でなった人が多い』
クラーレ『…』
???『昔は戦闘における動きのビジョンを
自分で考えずに、人のを見て猿真似をする人がいたから、あまり差がつかなかった。
一人を除いてね。』
クラーレ『一人?』
???『君も聞いたことあるでしょ?
トロモフ。史上最悪のカッター使いのR勢。
動きが異次元過ぎて攻撃を受けたこともないし、逆に外したこともなかったらしい。』
クラーレ『!!』
???『まあ彼も結局の所、
ビジョンがなくてR勢になったんだろうけど。今!!!君らの世代は違う!!
撲滅隊は非R勢であり、さらに一人一人が強い!!ビジョンがあるから!!』
クラーレ｢ああ。｣
???『そんな撲滅隊の中で君が、
皆と肩を並べられるようにするには
どうすればいいと思う?』
クラーレ『自己流の戦略を瞬時に構築する』
???『その通り!!これで心配いらないね!!
僕直伝のこの極致能。
今なら使いこなせるはずだよ』
ﾌﾟﾂﾝ…
※この間約0,037564秒
ゴオオオオオォォォ!
クラーレ(なんだこれ!?)
木刀が赤くなる
クラーレ(今なら出来る気がする…)
ドドォオオオン!!
木刀で斬った所が爆発する
ROA｢何!?｣
クラーレ｢うおおおおおお!!!｣
ﾊﾞﾁﾁﾁﾁﾁﾁ!!
爆風を焼切る
ヒナタ｢まじか…!｣
クラーレ｢きり抜けたあああ!｣
黒から元の色に戻る
ROA｢くっ…｣
クラーレ『イミテーションソード!!』
ザンッ！
縦に真っ二つにする
ROA｢良い…剣だ｣
そう言うとROAの体が崩れ消える
ヒナタ｢お前まさか…極致に?｣
クラーレ｢えっと…多分｣
九楽 澪
極致能:ミミックソード
EP15 Victory
黒シャツ｢あ〜あ。結局こうなったか…
赤十邇の一人を殺され、さらに撲滅隊の幹部
を強化させてしまった…｣
ヒナタ｢さぁ、アタルフを返しt…｣
あっくん｢あれ、君たち何してるの?｣
クラーレ｢あっくん!!今コイツがアタルフを!!｣
あっくん｢は?アタルフなら包帯ぐるぐる巻きで工場で暴れてるけど…｣
クラーレ｢え、もう?｣
ヒナタ｢逃げんのはや…｣
アタルフ｢おらああああ!!!｣
傘を振り回す
R勢｢ぎゃあああ!!｣
アタルフ｢あと2割だ!!撲滅すんぞぉおおお!!｣
きよはる｢いやお前は休んでろよ!｣
スタン｢ええ!?｣
ドサッ…
マスター｢どうした?『まだまだこれから』
だろ?｣
ユウメ｢…ふ…ふふ。もう私の負け。思えば
もともと勝てるワケ無かったってことね…｣
マスター｢まあな。俺は最強だからな｣
ユウメ｢自分で言うか笑｣
マスター｢…でもお前らは強かったよ。
R勢として置いておくには惜しい人材だ。
どうだ?お前らも俺達と一緒に…｣
ユウメ｢無理だね。
私達には成すべきことがあるからね。｣
マスター｢成すべきこと…｣
ユウメ｢撲滅隊の幹部達も耳の穴がっぽ
じってよく聞きなさい!!｣
クラーレ｢!?｣
ヒナタ｢!?｣
あっくん｢!?｣
アタルフ｢!?｣
きよはる｢!?｣
スタン｢!?｣
コハル｢ｽﾋﾟー…｣
ユウメ｢増殖隊は負け!君たち撲滅隊の勝ち。
でもこれだけは覚えときな?
撲滅隊は私らR勢が必ず潰しにかかるから!!｣
ピシャン!!
ソウルを縄で掴む
ユウメ｢マスター!!ソウルに踵蹴りをした
代償は高くつくよ!｣
マスター｢…｣
クラーレ｢ムマタ…ゆうめコン｣
ユウメ｢また会いましょう稲海ちゃん。
次こそ可愛がってあげる!!｣
フッ…
ソウルを連れて消える。
アタルフ｢はぁ…やっと終わった…｣
スタン｢フラフラですよ。アタルフさん。｣
きよはる｢数百人相手によく8人で勝てたな｣
あっくん｢8人?さつじんきは抜けたでしょ?｣
ヒナタ｢ちげーよ、あっくん。
新しく入った今日のMVPがいるだろ?｣
あっくん｢?｣
アタルフ｢…そうだな。よく俺を
助けてくれたもんだ。｣
マスター｢アイツはもう立派な撲滅隊だ。
九楽 澪。クラーレ。｣
クラーレ｢あれ?皆揃ってどったの?｣
ヒナタ｢なんでもねーよバディ。｣
コハル｢んがッ!!?…ええ、何かあったの?｣
アタルフ｢んだよ…寝坊助が…｣
コハル｢ハアアァァァ!?｣
マスター｢ﾊﾊﾊ…帰ろっか。疲れた…｣
あっくん(…)
赤十邇の一人を殺され、さらに撲滅隊の幹部
を強化させてしまった…｣
ヒナタ｢さぁ、アタルフを返しt…｣
あっくん｢あれ、君たち何してるの?｣
クラーレ｢あっくん!!今コイツがアタルフを!!｣
あっくん｢は?アタルフなら包帯ぐるぐる巻きで工場で暴れてるけど…｣
クラーレ｢え、もう?｣
ヒナタ｢逃げんのはや…｣
アタルフ｢おらああああ!!!｣
傘を振り回す
R勢｢ぎゃあああ!!｣
アタルフ｢あと2割だ!!撲滅すんぞぉおおお!!｣
きよはる｢いやお前は休んでろよ!｣
スタン｢ええ!?｣
ドサッ…
マスター｢どうした?『まだまだこれから』
だろ?｣
ユウメ｢…ふ…ふふ。もう私の負け。思えば
もともと勝てるワケ無かったってことね…｣
マスター｢まあな。俺は最強だからな｣
ユウメ｢自分で言うか笑｣
マスター｢…でもお前らは強かったよ。
R勢として置いておくには惜しい人材だ。
どうだ?お前らも俺達と一緒に…｣
ユウメ｢無理だね。
私達には成すべきことがあるからね。｣
マスター｢成すべきこと…｣
ユウメ｢撲滅隊の幹部達も耳の穴がっぽ
じってよく聞きなさい!!｣
クラーレ｢!?｣
ヒナタ｢!?｣
あっくん｢!?｣
アタルフ｢!?｣
きよはる｢!?｣
スタン｢!?｣
コハル｢ｽﾋﾟー…｣
ユウメ｢増殖隊は負け!君たち撲滅隊の勝ち。
でもこれだけは覚えときな?
撲滅隊は私らR勢が必ず潰しにかかるから!!｣
ピシャン!!
ソウルを縄で掴む
ユウメ｢マスター!!ソウルに踵蹴りをした
代償は高くつくよ!｣
マスター｢…｣
クラーレ｢ムマタ…ゆうめコン｣
ユウメ｢また会いましょう稲海ちゃん。
次こそ可愛がってあげる!!｣
フッ…
ソウルを連れて消える。
アタルフ｢はぁ…やっと終わった…｣
スタン｢フラフラですよ。アタルフさん。｣
きよはる｢数百人相手によく8人で勝てたな｣
あっくん｢8人?さつじんきは抜けたでしょ?｣
ヒナタ｢ちげーよ、あっくん。
新しく入った今日のMVPがいるだろ?｣
あっくん｢?｣
アタルフ｢…そうだな。よく俺を
助けてくれたもんだ。｣
マスター｢アイツはもう立派な撲滅隊だ。
九楽 澪。クラーレ。｣
クラーレ｢あれ?皆揃ってどったの?｣
ヒナタ｢なんでもねーよバディ。｣
コハル｢んがッ!!?…ええ、何かあったの?｣
アタルフ｢んだよ…寝坊助が…｣
コハル｢ハアアァァァ!?｣
マスター｢ﾊﾊﾊ…帰ろっか。疲れた…｣
あっくん(…)
Season2 ~裏極~
EP16 始末
~森の中~
ｻﾞｯｻﾞｯ…
黒シャツ｢ヒュー｣
口笛をふく
白袴｢例の新人は倒したか?
ROAの死体を使ってアタルフの拉致、
九楽の頚を持ってくるはずだろう?｣
黒シャツ｢あっはは〜ごめんごめん。
逃しちゃった〜。てか逃げてきた。
爆発小憎は倒せてたんだけど、新入りの方が極致能を発現しちゃってさ。｣
白袴｢で?｣
黒シャツ｢そんな怒んなくても、
これからも君のRの増殖に力を貸すさ。｣
白袴｢…よく言えたものだ。
たかが新入りの撲滅隊員一人の始末に
そこまで時間がかかるとは…｣
黒シャツ｢はは…君こそ勘違いすんなよ?｣
笑みを浮かべながら言う
黒シャツ｢君は『あの方』の再復興を手伝う
ためにR勢になった撲滅隊の裏切り者。
たかが撲滅隊一人の始末…
それじゃあ今度は君がやってみなよ。
そうだな…制限時間は1週間。できるだろ?｣
白袴｢…｣
黒シャツ｢『赤十邇
けい｢いいだろう｣
~3日後酒場~
増殖隊との対戦後、R勢の被害が少々減り、
俺らは少しの間休暇を過ごしている。
きよはる｢アタちゃんの看病キッツ。｣
アタルフ｢その呼び方やめろ。あー痛てぇ…｣
クラーレ｢安静にしとかなきゃ駄目だって｣
アタルフ｢大丈夫だ。
マスターの面倒は俺が見ねぇと …
アイツすぐに他のR勢相手にちょっかい出しにいくからな…｣
ピシャン
鞭の音が響く
アタルフ｢いってええええ!!｣
きよはる｢だから安静にしとけって。｣
ヒナタ｢はは。安心しろって。
マスターの面倒は俺が見てやるから。｣
アタルフ｢…じゃあ。マスターはどこにいんだ。｣
全員｢あ。いねえ｣
アタルフ｢はあ!?あーもー!!テメエら探してこい!!｣
クラ、ヒナ、きよ｢はいいいいい!!｣
アタルフ｢…クラーレも馴染んできたな…｣
(敬語使わなくなってるし)
公園~
ヒナタ｢あーじゃあ俺コンビニ探すから
お前ら二人は本部見に行ってて〜｣
クラーレ、きよはる(絶対飯食う気だろ…)
きよはると二人でマスターを探す。
クラーレ｢え、待って。マスター …さんって
こんなに手間かかるもんなの?｣
きよはる｢はは。稲海はまだ幼いからな。
(頭が)｣
クラーレ｢え、でもお兄さんがいたんじゃ…｣
きよはる｢アイツの兄は死んだ。幼い時にな。｣
クラーレ｢ああ、知ってる｣
きよはる｢撲滅隊を創った稲海の兄さん。
ぱすてんはトロモフにやられて、
特別強く産まれてきた稲海を、
アタルフ達に託した。｣
クラーレ｢え、アタルフってそんなに昔からいたの!?｣
きよはる｢アタルフは
ぱすてんに拾って育ててもらったらしい。
信頼も一番厚かったそうだ。
稲海は産まれた時から能力を発現してた。｣
クラーレ｢マジか…｣
きよはる｢ああ。あれは紛れもない天才だ。
3歳でR勢10人を一人でボコボコにしたり、
産まれて始めて放った言葉知ってるか?｣
マスター※0歳『俺様の顔を拝めるだけでも有難く思え』
きよはる｢って｣
クラーレ｢図々しい坊主だわぁ…｣
きよはる｢さ、本部探そうぜ。｣
クラーレ｢ああ、おう。｣
???｢うわあああああああああ!!!!!｣
きよはる｢?…なんだ?｣
クラーレ｢俺ちょっと見に行ってくる!!｣
きよはる｢あ、おい!｣
公園~
クラーレ｢公園!?さっきの…｣
砂場の近くで揉めている二人がいる
一人は一般人、もう一人は小柄な緑頭
クラーレ(!?…一人はR勢じゃない…
一般人…非R勢だ。もう一人は…!!)
撲滅隊幹部…虎川 周!!
非R勢｢こ、こっち来るな!｣
クラーレ｢!?｣
あっくん｢…｣
グイッ…
倒れている非R勢の胸倉を掴む
クラーレ｢ええ!?ちょ、ちょっと待って待って!!喧嘩はだめだって!｣
あっくん｢違うよ｣
クラーレ｢え?｣
あっくん｢立てるか心配だったから｣
やり方!!
クラーレ｢そうだとしても胸倉掴むのは…｣.
あっくん｢蹴りの練習してたから教えてあげようと思ってこの子の体に教えてあげたんだよ｣
お前かい!!そして教え方!!
クラーレ｢いやいや教え方ってモンが…｣
あっくん｢さっきから五月蝿いな。大声出さないでくれる?
クラーレ｢構わねーよ。それより手を離しt…｣
あっくん｢ﾁｯ…｣
ガシッ…
クラーレの首を掴んで持ち上げる
あっくん｢相手と戦う時は口出す前に
手を出さないと。こんなふうにね。｣
クラーレ｢!!…｣
ギシギシ…
クラーレ(なんて馬鹿力…コイツこんな小柄なのに!
いくつだよ!?)
非R勢｢うわあああああああああ!!｣
一目散に逃げていく
あっくん｢…どーする?君も逃げる?
まあ逃げるような腰抜けなら
幹部はおろか、撲滅隊からも
追放するように僕がマスターに話すけど。｣
クラーレ｢ぐっ…がっ…｣
あっくん｢あ、そうか。君は新入りだっけ。
増殖隊のMVPだった。あの程度の数、強さのR勢に
ボロボロ。それで撲滅隊やっていけるとでも思ってるの?｣
クラーレ｢…俺は…｣
あっくん｢お前なんかがさつじんきの代わりとか、
ありえないから…｣
クラーレ｢!!｣
ビキビキ!!
木刀が緑色に染まる
あっくん｢!!｣
ドサッ!!
地面に放り投げる
クラーレ｢ゲホッ…ゲホッ!!｣
あっくん｢本当に殺しちゃうとこだった｣
クラーレ｢…｣
あっくん｢次一人の時に君と会ったら本当に殺るから。｣
本部~
ガチャッ…
きよはる｢あ、クラーレ。マスター見つかったぞ~ってどうしたその痣…｣
マスター｢ほぉ〜さてはあっくんにやられたな?｣
クラーレ｢なんで?｣
マスター｢アイツ大人しい見た目だけど
アグレッシブでさ。よく他の幹部に危害加えてては
首に痣つくらせて…｣
きよはる｢さつじんきがいた時は毒舌だけで収まってたんだけどな…｣
クラーレ｢さつじんき…!｣
きよはる｢最近特に荒っぽいし…
まあ、根は優しいんだ。｣
クラーレ｢あっくんってさつじんきと関係あるの!?｣
きよはる｢え?まあ…一番馬が合ってたかな…
まあ詳しいことは…｣
ガチャ…
扉が開く
きよはる｢アタルフが知ってるぜ。｣
アタルフ｢こんなトコにいたのかマスター。｣
全員｢アタルフ!?｣
きよはる｢あーも…寝とけって言ったのに｣
クラーレ｢アタルフ、さつじんきとあっくんの関係について教えて!!｣
アタルフ｢は?｣
EP17 雑談
クラーレ｢さつじんきとの繋がりを教えてくれ!｣
きよはる｢なんだ藪から棒に…｣
アタルフ｢…その話をするなら、
まずはさつじんきの兄貴の話だ。｣
クラーレ｢さつじんきの兄…｣
アタルフ｢さつじんきの兄の名前は
『神楽坂 慧』。
撲滅隊ができた頃、俺と『けい』と
そしてスタンは撲滅隊の精鋭『滅殺隊』だった。｣
きよはる｢ほ〜…そりゃ初耳だ。滅殺隊とか
聞いたことねえ。｣
マスター｢へえ〜。知らなかった〜。｣
アタルフ｢いやお前は知ってるだろ｣
クラーレ｢スタンさんもか!すげえ、
3人でそんな昔から精鋭にいたなんて｣
アタルフ｢…ああ。｣
ヒナタ｢でもなんでなくなったんだ?｣
明太子おにぎりを食べながら喋る
クラーレ｢お前いたのかよ…｣
アタルフ｢虐殺が酷すぎてなくなった。
ぱすてんがいなくなった途端すぐに…
それと、俺らには野暮用ができたからな。｣
ヒナタ｢野暮用?｣
アタルフ｢マスター。お前だよ!!｣
マスター｢ほえ?｣
アタルフ｢幼いお前を育てるように言われて
滅殺隊を潰すことになったんだ。｣
マスター｢あはは〜俺ってそんなに幼い?｣
全員｢幼い｣
マスター｢ひでぇ…｣
アタルフ｢まあ、だから代わりに
撲滅してくれる奴らを探したら、
お前らと出会えたってワケだ。｣
クラーレ｢でもそれじゃ、あっくんに
繋がらない｣
アタルフ｢…けいが寝返ったんだよ。R勢に｣
クラーレ｢え!!?｣
アタルフ｢お前も知ってるだろ。『赤十邇』
神楽坂 慧は赤十邇の首領だ。｣
ヒナタ｢!!…マジか…｣
きよはる｢寝耳に水だ…｣
アタルフ｢だからさつじんきは兄を
追いかけてR勢に寝返った。
そう…幼い頃、あっくんはさつじんきと出会い、実の家族のように育てられた。｣
クラーレ｢さつじんきに!?｣
アタルフ｢そうだ。｣
そりゃあ、あんな性格になるわ…
アタルフ｢まあ大方、さつじんきが寝返ったからグレてるってとこだな。今は。｣
クラーレ｢そうだったのか…｣
アタルフ｢あとこの前、工場の裏で白服の男と会ったろ?｣
クラーレ｢ああ…｣
アタルフ｢あれが赤十邇の制服だ。｣
クラーレ｢!!まさか!?｣
アタルフ｢おそらくムマタゆうめコンは、
赤十邇と関係している。｣
ヒナタ｢じゃあ、あの黒シャツについても
同じことが言えるな。｣
マスター｢…とにかく今の目標は、
事の根源の赤十邇を倒し、
さつじんきを取り返す!!
赤十邇を倒せばR撲滅に大幅に近づくぞ!!｣
全員｢おう!!｣
きよはる｢なんだ藪から棒に…｣
アタルフ｢…その話をするなら、
まずはさつじんきの兄貴の話だ。｣
クラーレ｢さつじんきの兄…｣
アタルフ｢さつじんきの兄の名前は
『神楽坂 慧』。
撲滅隊ができた頃、俺と『けい』と
そしてスタンは撲滅隊の精鋭『滅殺隊』だった。｣
きよはる｢ほ〜…そりゃ初耳だ。滅殺隊とか
聞いたことねえ。｣
マスター｢へえ〜。知らなかった〜。｣
アタルフ｢いやお前は知ってるだろ｣
クラーレ｢スタンさんもか!すげえ、
3人でそんな昔から精鋭にいたなんて｣
アタルフ｢…ああ。｣
ヒナタ｢でもなんでなくなったんだ?｣
明太子おにぎりを食べながら喋る
クラーレ｢お前いたのかよ…｣
アタルフ｢虐殺が酷すぎてなくなった。
ぱすてんがいなくなった途端すぐに…
それと、俺らには野暮用ができたからな。｣
ヒナタ｢野暮用?｣
アタルフ｢マスター。お前だよ!!｣
マスター｢ほえ?｣
アタルフ｢幼いお前を育てるように言われて
滅殺隊を潰すことになったんだ。｣
マスター｢あはは〜俺ってそんなに幼い?｣
全員｢幼い｣
マスター｢ひでぇ…｣
アタルフ｢まあ、だから代わりに
撲滅してくれる奴らを探したら、
お前らと出会えたってワケだ。｣
クラーレ｢でもそれじゃ、あっくんに
繋がらない｣
アタルフ｢…けいが寝返ったんだよ。R勢に｣
クラーレ｢え!!?｣
アタルフ｢お前も知ってるだろ。『赤十邇』
神楽坂 慧は赤十邇の首領だ。｣
ヒナタ｢!!…マジか…｣
きよはる｢寝耳に水だ…｣
アタルフ｢だからさつじんきは兄を
追いかけてR勢に寝返った。
そう…幼い頃、あっくんはさつじんきと出会い、実の家族のように育てられた。｣
クラーレ｢さつじんきに!?｣
アタルフ｢そうだ。｣
そりゃあ、あんな性格になるわ…
アタルフ｢まあ大方、さつじんきが寝返ったからグレてるってとこだな。今は。｣
クラーレ｢そうだったのか…｣
アタルフ｢あとこの前、工場の裏で白服の男と会ったろ?｣
クラーレ｢ああ…｣
アタルフ｢あれが赤十邇の制服だ。｣
クラーレ｢!!まさか!?｣
アタルフ｢おそらくムマタゆうめコンは、
赤十邇と関係している。｣
ヒナタ｢じゃあ、あの黒シャツについても
同じことが言えるな。｣
マスター｢…とにかく今の目標は、
事の根源の赤十邇を倒し、
さつじんきを取り返す!!
赤十邇を倒せばR撲滅に大幅に近づくぞ!!｣
全員｢おう!!｣
EP18 火花
その夜 〜ギガルビー地区 赤十邇廃病院〜
ギガルビー地区。
平和なポヨヨモンド地区、森林のEDR地区
に並ぶ火山の地帯。
そんな難攻不落な土地に建っているのが
赤十邇のアジトである『赤十邇廃病院』。
???｢ROAが死んだァァァ!?｣
暗い廃病院に罵声が響く
第二邇 宇崎 犬千夜 通称:『うざイヌ』
ウザイヌ｢ROAが死ぬはずねえ!!アイツは
俺が見込んだ男だ!!｣
???｢うっせぇぞウザイヌ。｣
ウザイヌ｢!?｣
第三邇 不動 運 通称:うごはこ
うごはこ｢ただでさえ暑苦しい火山の近く
だってのに余計熱くなる。｣
ウザイヌ｢俺がうざいのは生まれつきだぞ!
なめるなよ!?｣
うごはこ｢うるせーってのに｣
ソウル｢黙れアホ共。会議だ。｣
ウザイヌ｢!!｣
うごはこ｢!!｣
第五邇 霧叉 魂
ユウメ｢おやおや、集まったようだねぇ。｣
ソウル｢今日集めたのは、
第一邇であるROAが死んだこと、
そして新入りの紹介だ。｣
ウザイヌ｢ほぅ。隣の席ならいいなぁ…｣
うごはこ｢転校生じゃねえ。ふざけんな｣
ユウメ｢神楽坂 殺人くんでーす!!｣
さつじんき｢…｣
ウザイヌ｢さつじんき…!?｣
うごはこ｢よりによってボスの弟とは…｣
ウザイヌ｢その前にコイツ非R勢だろ!?
危険だ!!つまみだせ!!｣
ソウル｢安心しろ!コイツなあ、アタルフの
腹を真剣でかっ捌いたんだぜ?｣
うごはこ｢アタルフ…!?｣
ユウメ｢もう戻れないよね〜?
さ・つ・じ・ん・き。｣
さつじんき｢ああ。俺はR勢だ。戻らねえ。｣
ソウル｢よく言った!!それじゃあさつじんきが第四邇として生まれ変わったことを祝しt｣
あっくん｢待って!!!!｣
ソウル｢あ?｣
ウザイヌ｢え?｣
ユウメ｢おやおやぁ…誰かと思えば
『戦闘の天才』じゃないかい…｣
さつじんき｢お前…なんでこんなとこに｣
あっくん｢さつじんき…今の話本当!?｣
ウザイヌ｢おいおい!俺らの仲間に手をdts…｣
スパアアアン!!
後ろ回し蹴りでウザイヌを蹴り倒す
あっくん｢引っ込んでろよ。ハイエナ共｣
ウザイヌ｢あ…あが…?｣
うごはこ｢まじか()｣
ソウル｢てめえ…｣
ユウメ｢黙りな。一生懸命話してるガキを
邪魔するんじゃないよ。｣
さつじんき｢…聞いてたんだろ?俺はR勢だ。｣
あっくん｢なんで?言ってたじゃん!!
1度決めたことは絶対に曲げないって!!｣
さつじんき｢…撲滅隊の皆に伝えろ。
俺はもう戻らねえって。｣
あっくん｢ねえ…なんでも話してよ!心を閉ざさないで!｣
さつじんき｢お前こそな。｣
あっくん｢!｣
さつじんき｢お前は俺がいても結局、
心を閉ざしたままだったじゃねえかよ。
他の奴らと腹割って話したことあるか?
ねえだろ!あるのは罵詈雑言のみだ!!｣
あっくん｢それは…｣
さつじんき｢帰れアマネ。ここはお前のいるトコじゃねえ。｣
あっくん｢さつじんき!!｣
ソウル｢話は終わりな?戦ってもいいが、
他の奴らがどうなっても知らねえぜ?｣
ユウメ｢帰りな小僧。｣
あっくん｢くっ…｣
ギガルビー地区。
平和なポヨヨモンド地区、森林のEDR地区
に並ぶ火山の地帯。
そんな難攻不落な土地に建っているのが
赤十邇のアジトである『赤十邇廃病院』。
???｢ROAが死んだァァァ!?｣
暗い廃病院に罵声が響く
第二邇 宇崎 犬千夜 通称:『うざイヌ』
ウザイヌ｢ROAが死ぬはずねえ!!アイツは
俺が見込んだ男だ!!｣
???｢うっせぇぞウザイヌ。｣
ウザイヌ｢!?｣
第三邇 不動 運 通称:うごはこ
うごはこ｢ただでさえ暑苦しい火山の近く
だってのに余計熱くなる。｣
ウザイヌ｢俺がうざいのは生まれつきだぞ!
なめるなよ!?｣
うごはこ｢うるせーってのに｣
ソウル｢黙れアホ共。会議だ。｣
ウザイヌ｢!!｣
うごはこ｢!!｣
第五邇 霧叉 魂
ユウメ｢おやおや、集まったようだねぇ。｣
ソウル｢今日集めたのは、
第一邇であるROAが死んだこと、
そして新入りの紹介だ。｣
ウザイヌ｢ほぅ。隣の席ならいいなぁ…｣
うごはこ｢転校生じゃねえ。ふざけんな｣
ユウメ｢神楽坂 殺人くんでーす!!｣
さつじんき｢…｣
ウザイヌ｢さつじんき…!?｣
うごはこ｢よりによってボスの弟とは…｣
ウザイヌ｢その前にコイツ非R勢だろ!?
危険だ!!つまみだせ!!｣
ソウル｢安心しろ!コイツなあ、アタルフの
腹を真剣でかっ捌いたんだぜ?｣
うごはこ｢アタルフ…!?｣
ユウメ｢もう戻れないよね〜?
さ・つ・じ・ん・き。｣
さつじんき｢ああ。俺はR勢だ。戻らねえ。｣
ソウル｢よく言った!!それじゃあさつじんきが第四邇として生まれ変わったことを祝しt｣
あっくん｢待って!!!!｣
ソウル｢あ?｣
ウザイヌ｢え?｣
ユウメ｢おやおやぁ…誰かと思えば
『戦闘の天才』じゃないかい…｣
さつじんき｢お前…なんでこんなとこに｣
あっくん｢さつじんき…今の話本当!?｣
ウザイヌ｢おいおい!俺らの仲間に手をdts…｣
スパアアアン!!
後ろ回し蹴りでウザイヌを蹴り倒す
あっくん｢引っ込んでろよ。ハイエナ共｣
ウザイヌ｢あ…あが…?｣
うごはこ｢まじか()｣
ソウル｢てめえ…｣
ユウメ｢黙りな。一生懸命話してるガキを
邪魔するんじゃないよ。｣
さつじんき｢…聞いてたんだろ?俺はR勢だ。｣
あっくん｢なんで?言ってたじゃん!!
1度決めたことは絶対に曲げないって!!｣
さつじんき｢…撲滅隊の皆に伝えろ。
俺はもう戻らねえって。｣
あっくん｢ねえ…なんでも話してよ!心を閉ざさないで!｣
さつじんき｢お前こそな。｣
あっくん｢!｣
さつじんき｢お前は俺がいても結局、
心を閉ざしたままだったじゃねえかよ。
他の奴らと腹割って話したことあるか?
ねえだろ!あるのは罵詈雑言のみだ!!｣
あっくん｢それは…｣
さつじんき｢帰れアマネ。ここはお前のいるトコじゃねえ。｣
あっくん｢さつじんき!!｣
ソウル｢話は終わりな?戦ってもいいが、
他の奴らがどうなっても知らねえぜ?｣
ユウメ｢帰りな小僧。｣
あっくん｢くっ…｣
EP19 急襲
翌朝~
静かな時間帯。
受験生なら恰好のチャンスといってもよい。
そんな中、歩く人影が三つ。
クラーレ｢眠い…なんでこんな朝っぱらから｣
ヒナタ｢俺ら当番だろ?周辺の見回り。｣
クラーレ｢俺らじゃなくてお前のだろ!
なんで俺らが起きなきゃなんねえんだ。
しかも一人寝ながら歩いてるし｣
コハル｢ｽﾋﾟ-ｽﾋﾟ-…｣
ヒナタ｢寝てんならいいだろ!!
幽霊出たら怖えーだろ!!｣
真面目な顔で言うな
ガヤ…
物音がする
クラーレ｢!?…何今の｣
ヒナタ｢え?まさか…｣
コハル｢ｽﾋﾟ-…｣
幽霊…
ヒナタ｢いや、コンビニが荒らされてる音だ｣
クラーレ｢そっちか。流石常連。｣
っていうかよく荒らされんな。あのコンビニ
ヒナタ｢よし軽く倒して買いm…!!隠れろ！｣
クラーレ｢え?｣
コンビニ付近で戯れる白い人影。
クラーレ｢まさか…｣
ヒナタ｢赤十邇だ…4人いる…｣
クラーレ｢ひとまず本部に連絡…｣
ピシャン!
クラ、ヒナ｢!!!!!｣
ユウメ｢これは一体どういうことだい?
気張って出てきて見りゃあ、
この前の小僧達じゃないか…｣
ソウル｢何二人で覗き見してんだあ?｣
クラーレ｢…ムマタゆうめコン。｣
ウザイヌ｢なんだこの前のガキじゃねえのか｣
うごはこ｢…｣
ユウメ｢一人寝てるようだし、3人程度。
撲滅隊本部に頸三つでも置いて帰ろうか。｣
うごはこ｢俺一人で十分だな…｣
ヒナタ｢まずいな…｣
コハル｢…｣
ﾕﾗﾕﾗ…
うごはこ｢?…何近づいてんだコイツ｣
コハル｢ｽﾋﾟ-……｣
メキョ……
コハルの枕がうごはこの顔にめり込む
パアアン!!
うごはこ｢かはっ!!｣
ドサッ…
コハル｢あー起きた。え?何この状況。｣
クラーレ｢何やってんだお前ぇ!!｣
コハル｢なんか…ごめんねぇ?｣
ウザイヌ｢大丈夫か?｣
うごはこ｢舐めやがって…てめぇら3人狩り殺してやる｣
ゾッ…
クラーレ｢…｣
コハル｢まあまあ落ち着きなって…
その『狩り』が終わったらお姉さんが
ゆっくり話を聞いてあげるから。｣
うごはこ｢…ﾋﾞｷﾋﾞｷ｣
ヒナタ｢火に油注いでいくスタイルいいね☆｣
クラーレ｢んなこと言ってる場合か!!｣
ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ…タンッ…
クラーレ｢!?｣
何か小さな人影が猛スピードで近づき、
ジャンプする
ドゴン!!!!
クラーレ｢がハッ!!?｣
かかと落とし!
ドサッ…
ヒナタ｢クラーレ!!!｣
???｢弱き群れを撲滅させまんとする鬼畜…｣
クラーレ(体が動かない…蹴り一発で…!)
ソウル｢おかえりなさいませ首領。｣
コハル｢首領!?｣
ヒナタ｢ってことはコイツが…｣
赤十邇首領 赤十邇 慧!!
EP20 黒白
コハル｢で、こんな朝っぱらから私らに
何の用?｣
慧｢…何用とは、あんまりだな。
お前達が血湧き肉躍る知らせを伝えに来た
というのに｣
コハル｢?｣
慧｢宣戦布告だ｣
ヒナタ｢なっ…｣
ソウル｢そう!!俺ら赤十邇はお前ら撲滅隊を
なぶり○しに…｣
ズドオオオオォォ!!!
コハルの拳がソウルの頭頂を殴り落とす
ソウル｢かっ…｣
コハル｢そこのカッコつけに枕叩きを
喰らわせただけでは足りなかった?｣
ソウル｢てめえ…｣
コハル｢言っとくけどねー。私ら撲滅隊は
強い。少なくとも一人で多数を相手に出来る強者揃い。宣戦布告?来るなら黙って来な!｣
慧｢…大したものだ。
だが宣戦布告とは些か違う。取引だ。｣
ヒナタ｢取引?｣
慧｢今夜、ギガルビー地区の廃病院に来い。｣
コハル｢そんなの誰が…｣
慧｢もし、廃病院の屋上に来て、我々を倒すことが出来れば、赤十邇を解散し、
さつじんきを返してやろう。｣
ヒナタ｢舐めやがって!もちろん行ってや…｣
コハル｢いや、挑発に乗っちゃ…｣
慧｢来るも来ないもお前らの自由だ。
だが、来ないのならさつじんきは永遠に
R勢のままだと思え。｣
クラーレ｢なんでだよ…｣
慧｢?｣
クラーレ｢返してやる?まるで物じゃねえか
お前はさつじんきの兄、
模範になるべきだろ?それなのにR勢になんて寝返ってどーすんだよ…｣
慧｢私は1度決めたら絶対に曲げない男だ。｣
コハル｢絶対に…｣
慧｢兄とは弟の模範となるべき…その通りだ
だから私は常に正しい判断をする必要があるのだ。｣
クラーレ｢それが正しい判断だと!?お前…｣
慧｢話は終わりだ。今夜、赤十邇廃病院で｣
そう言い残し、去って行く。
ヒナタ｢やめとけクラーレ。
3人じゃ勝てっこない。｣
コハル｢ふわぁ〜あ…とりあえずマスターに報告しよぉ。｣
クラーレ｢…｣
EP21 数
酒場~
マスター｢そうか…宣戦布告か…｣
アタルフ｢けいは何考えてんだか…｣
ヒナタ｢あっくんの話に寄ればさつじんきも戻る気ないみたいだしなあ。｣
きよはる｢赤十邇7人とは言っても相当強いぞ…｣
クラーレ｢え?7人?赤十邇って首領1人と
幹部10人の11人制じゃあ…?｣
きよはる｢…赤十邇の首領を除く幹部は
第一邇から第十邇まである。
一番弱いのが第一邇のROA。
一番強いのが第十邇だ。｣
コハル｢ｽﾋﾟー…ｽﾋﾟー…｣
きよはる｢特に後半、第六邇から第十邇は
別格の強さだ。
表には顔を出さず、裏で首領を支えてる。｣
クラーレ｢へ、へえ…｣
ヒナタ｢ぶっちゃけ7人だろ?どうにかなる気もするが…｣
アタルフ｢数に頼る戦術は個々の思考を
おろそかにする。だからR勢は弱いんだ。
少数人をあまく見ない方がいい。｣
ヒナタ｢確かに…｣
コハル｢徹底抗戦しかないでしょ｣
ヒナタ｢起きてんのかよ｣
クラーレ｢!!…｣
そういえば…
クラーレ｢あー俺ちょっと外見に行ってくる｣
アタルフ｢すぐ戻れよ〜。今夜だからな。｣
ガチャ…
酒場 裏~
クラーレ｢あっくーーーん!!｣
あっくん｢何?｣
クラーレ｢あ、ここにいたのか｣
樽の上に座っている
あっくん｢何の用?｣
クラーレ｢あ、いや別に…落ち込んでるの?｣
あっくん｢…君に聞かれる筋合いはないから…｣
クラーレ｢そっか…｣
20分後~
あっくん｢…｣
ボギェッ!
頭に白いバットをぶつけられる。
あっくん｢何してるの?何それ。ｲﾀｲ｣
クラーレ｢大根。いや、目を覚まさせようと思って、殴るもの探してたんだ。はい。｣
割れた大根を渡す
あっくん｢。。殺人鬼も僕によく殴ってきたっけ…大根で。｣
クラーレ｢ええ〜。奇遇。｣
あの人がコイツに大根振り下ろしてるの
想像するとシュール…
あっくん｢僕は小さい頃、孤独で死にかけてた。そんな時に殺人鬼が俺を拾った。｣
さつじんき｢首の傷すげえな。月みたいだ。｣
あっくん｢…｣
クラーレ｢へえ…その首の傷って刺青?｣
あっくん｢自分で彫った。R勢への
脅しのつもりで。弱かった僕には
これしかできなかったから。
そこで戦い方を教わった。さつじんきに｣
クラーレ｢…兄みたいな存在だったんだな…｣
あっくん｢うん。だから恩返しがしたかった
撲滅隊に引き戻そうとしたけど
結局だめだった…｣
クラーレ｢…俺も同じようなもんだ。
R勢数人ぽっちにボコボコにされて…
そこで出会ったマスターが俺を勝てるように
促してくれたんだ。
初対面でタコ殴りにされたけどな!｣
あっくん｢…はは。ぶっ飛んでるからね。
あの人。｣
クラーレ｢…よし決めた!!｣
ざっ
勢いよく立ち上がる
あっくん｢なにを?｣
クラーレ｢お前がさつじんきを取り返すの
全面的に手伝ってやる!!｣
あっくん｢…何?いきなり｣
クラーレ｢もう決めたから取り消さないぜ。
俺は1度決めたら曲げない主義だからな。｣
あっくん｢!!｣
刹那、クラーレが殺人鬼と像が一致する
あっくん｢誰かと腹割って話すのって
心地いいね。知らなかったよフラーレ。｣
クラーレ｢え?あ、いや俺クラーレ。｣
あっくん｢…おかげで気が変わった｣
バッ!!
クラーレ｢!!?｣
クラーレに土下座をする
あっくん｢お願い、さつじんきを取り返すのを手伝って!｣
クラーレ｢いやいやそこまでしなくても…｣
あっくん｢何?理想のために頭をさげることに何か不満でも?｣
クラーレ｢わかった…顔を上げてよ。
俺がさつじんきを取り返す!!｣
あっくん｢…ありがとうクラーレ｣
笑みを零す
酒場〜
クラーレ｢とは言ったものの…なんか策ねえかな…｣
ヒナタ｢考えずに任せろって言ったのか…
まあ俺はお前のそういう所好きだけどな。｣
ﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬとたこ焼きを頬張る
クラーレ｢。。なあ。廃病院、オレたちだけで乗り込むのは…｣
ヒナタ｢…は?｣
マスター｢そうか…宣戦布告か…｣
アタルフ｢けいは何考えてんだか…｣
ヒナタ｢あっくんの話に寄ればさつじんきも戻る気ないみたいだしなあ。｣
きよはる｢赤十邇7人とは言っても相当強いぞ…｣
クラーレ｢え?7人?赤十邇って首領1人と
幹部10人の11人制じゃあ…?｣
きよはる｢…赤十邇の首領を除く幹部は
第一邇から第十邇まである。
一番弱いのが第一邇のROA。
一番強いのが第十邇だ。｣
コハル｢ｽﾋﾟー…ｽﾋﾟー…｣
きよはる｢特に後半、第六邇から第十邇は
別格の強さだ。
表には顔を出さず、裏で首領を支えてる。｣
クラーレ｢へ、へえ…｣
ヒナタ｢ぶっちゃけ7人だろ?どうにかなる気もするが…｣
アタルフ｢数に頼る戦術は個々の思考を
おろそかにする。だからR勢は弱いんだ。
少数人をあまく見ない方がいい。｣
ヒナタ｢確かに…｣
コハル｢徹底抗戦しかないでしょ｣
ヒナタ｢起きてんのかよ｣
クラーレ｢!!…｣
そういえば…
クラーレ｢あー俺ちょっと外見に行ってくる｣
アタルフ｢すぐ戻れよ〜。今夜だからな。｣
ガチャ…
酒場 裏~
クラーレ｢あっくーーーん!!｣
あっくん｢何?｣
クラーレ｢あ、ここにいたのか｣
樽の上に座っている
あっくん｢何の用?｣
クラーレ｢あ、いや別に…落ち込んでるの?｣
あっくん｢…君に聞かれる筋合いはないから…｣
クラーレ｢そっか…｣
20分後~
あっくん｢…｣
ボギェッ!
頭に白いバットをぶつけられる。
あっくん｢何してるの?何それ。ｲﾀｲ｣
クラーレ｢大根。いや、目を覚まさせようと思って、殴るもの探してたんだ。はい。｣
割れた大根を渡す
あっくん｢。。殺人鬼も僕によく殴ってきたっけ…大根で。｣
クラーレ｢ええ〜。奇遇。｣
あの人がコイツに大根振り下ろしてるの
想像するとシュール…
あっくん｢僕は小さい頃、孤独で死にかけてた。そんな時に殺人鬼が俺を拾った。｣
さつじんき｢首の傷すげえな。月みたいだ。｣
あっくん｢…｣
クラーレ｢へえ…その首の傷って刺青?｣
あっくん｢自分で彫った。R勢への
脅しのつもりで。弱かった僕には
これしかできなかったから。
そこで戦い方を教わった。さつじんきに｣
クラーレ｢…兄みたいな存在だったんだな…｣
あっくん｢うん。だから恩返しがしたかった
撲滅隊に引き戻そうとしたけど
結局だめだった…｣
クラーレ｢…俺も同じようなもんだ。
R勢数人ぽっちにボコボコにされて…
そこで出会ったマスターが俺を勝てるように
促してくれたんだ。
初対面でタコ殴りにされたけどな!｣
あっくん｢…はは。ぶっ飛んでるからね。
あの人。｣
クラーレ｢…よし決めた!!｣
ざっ
勢いよく立ち上がる
あっくん｢なにを?｣
クラーレ｢お前がさつじんきを取り返すの
全面的に手伝ってやる!!｣
あっくん｢…何?いきなり｣
クラーレ｢もう決めたから取り消さないぜ。
俺は1度決めたら曲げない主義だからな。｣
あっくん｢!!｣
刹那、クラーレが殺人鬼と像が一致する
あっくん｢誰かと腹割って話すのって
心地いいね。知らなかったよフラーレ。｣
クラーレ｢え?あ、いや俺クラーレ。｣
あっくん｢…おかげで気が変わった｣
バッ!!
クラーレ｢!!?｣
クラーレに土下座をする
あっくん｢お願い、さつじんきを取り返すのを手伝って!｣
クラーレ｢いやいやそこまでしなくても…｣
あっくん｢何?理想のために頭をさげることに何か不満でも?｣
クラーレ｢わかった…顔を上げてよ。
俺がさつじんきを取り返す!!｣
あっくん｢…ありがとうクラーレ｣
笑みを零す
酒場〜
クラーレ｢とは言ったものの…なんか策ねえかな…｣
ヒナタ｢考えずに任せろって言ったのか…
まあ俺はお前のそういう所好きだけどな。｣
ﾓｯﾁｬﾓｯﾁｬとたこ焼きを頬張る
クラーレ｢。。なあ。廃病院、オレたちだけで乗り込むのは…｣
ヒナタ｢…は?｣
EP22 心中
ヒナタ｢俺らだけで行く…?何人?誰?｣
クラーレ｢俺とヒナタ、コハルとあっくんで｣
ヒナタ｢お前馬鹿?正気か?｣
クラーレ｢正気じゃない。血迷ってる｣
ヒナタ｢…百歩譲って赤十邇のモブ幹部
二人は良しとしよう。
でも相手には首領、ムマタゆうめコン、
更には寝返ったさつじんきもいるぞ?
取り返すにしても、一応アイツも敵だ。｣
クラーレ｢分かってる!!でもことの発端は
俺ら3人が赤十邇の取引を勝手に受けたからだろ…｣
ヒナタ｢それもそうだが、いくらなんでも、マスター達に黙っておくのは流石に…!｣
クラーレ｢巻き込みたくねえんだよ!!｣
ヒナタ｢…は?｣
クラーレ｢俺はマスターとアタルフ…
撲滅隊がなければ今頃、満足にR勢と
戦うことすらできなかったはずだ…
だから、駆け出しを手伝ってくれた二人に
恩返しがしたいんだ。｣
ヒナタ｢…｣
クラーレ｢だから手伝ってくれ!!頼む!!｣
コハル｢そこまで言われちゃあ
しょうがないよねえ…
まあ元は私らが撒いた種だし｣
クラーレ｢コハル!?｣
あっくん｢さつじんきの問題は僕の問題。
4人だろうが関係ないよ。｣
クラーレ｢あっくん!｣
ザッ
いつの間にか4人揃っていた
ヒナタ｢恩返しか…俺も一応撲滅隊だけどな｣
クラーレ｢…ごめん。｣
ヒナタ｢いいよ。だって親友だろ?｣
クラーレ｢親友!?｣
コハル｢へえ〜いつの間にそんな関係
だったんだ?ビックリだわ〜。｣
ヒナタ｢ってかそもそも俺の当番でお前らに付いてきてもらったのが原因だしな。｣
クラーレ｢4人ともありがとう｣
ヒナタ｢…結局ダメ元な人数。
ははっ。4人で心中ってことだな｣
あっくん｢どーゆー意味?｣
ヒナタ｢さぁな。仲良くお陀仏ってとこか｣
面倒くさそうに答える
コハル｢多vs少をなんなくこなせるのが
私ら撲滅隊でしょ。｣
と笑う
あっくん｢…｣
ヒナタ｢それで?いつ行くんだ?クラーレ。｣
クラーレ｢日没だ｣
EP23 灰の夜
赤十邇廃病院 屋上~
四人の人影が赤い灰の雲に照らされる
慧｢今宵この院内にて、世界が変わる。
そのために撲滅隊を呼び寄せた。
この暗い病院の中、彼らを不意打ち
で仕留めてもらう。｣
ソウル｢…いーねぇ。｣
ユウメ｢絶景かな絶景かな。
少数vs少数。姑息とはいえ数の差はない。
卑怯だなんて言わせやしないさ。｣
と、自身の首に縄を軽く絡ませる
ﾄﾞﾝ…
慧｢…｣
ソウル｢R勢に寝返る選択は
間違っていなかったと思うぜ?さつじんき。｣
さつじんき｢…｣
慧｢…ムマタゆうめコン。
そろそろお前達も持ち場につけ。｣
ユウメ、ソウル｢了解ボス。｣
慧｢…人の世には情と強弱では
上手くいかないことがある。
最善かどうかが全てを事付ける
人生にとって最善の選択が出来るか否か。
兄にはそれが出来る。
『弟は兄の言う通り』。
それが幸せの近道だ。わかるな?アヤト。｣
さつじんき｢…ああ。今晩、撲滅隊を滅ぼす｣
慧｢…それでいい｣
と、空を見上げる
慧｢その方が彼らも高揚することだろう｣
さつじんき｢?｣
慧｢来るぞ｣
ザァァァッ…
月の光に何かが照らされる
クラーレ｢オオラアアアアアア!!!｣
ドオオオオオォォン!!
凄まじい素振りで砂塵が吹き荒れる
クラーレ｢なっ…｣
慧｢やはりそうか…｣
全力で放った木刀を止められた…!?
あっくん｢さつじんき!!｣
さつじんき｢お前!!なんでここに…!?まだ夜になったばっかだぞ?｣
慧｢なるほど、先刻の爆発音。
屋上への飛び台として用意した爆弾か｣
クラーレ｢…!!｣
慧｢となるとお前は、
そうだな…15…いや20分か…私を相手に
時間稼ぎをしなければならないというわけか…｣
クラーレ｢くっ…｣
読まれている
クラーレ｢日没だ。日没に攻めに行く。｣
ヒナタ｢は?日没?｣
コハル｢今すぐじゃないの?｣
クラーレ｢いや日没だ。灰雲とはいえ、
夕陽で多少視界が遮られている時間に奇襲する。｣
あっくん｢それってテキトーじゃあ…｣
クラーレ｢いや、アイツらは病院の
玄関周辺で見回りをしているだろう。
そこをヒナタとコハルで攻める。｣
ヒナタ｢クラーレとあっくんは?｣
クラーレ｢上から攻める｣
コハル｢へ?どーして?｣
クラーレ｢挟み撃ちにするんだ。
ヒナタの爆発を使って俺達が屋上へ登る。
上には首領がいるだろうから、時間稼ぎ。｣
あっくん｢なるほど…｣
クラーレ｢罠の上下から狙い撃ちだ｣
慧｢…模倣の剣とトルネイドか｣
あっくん、クラーレ｢!!???｣
慧｢一度目が合った相手の能力はお見通しだ｣
クラーレ｢嘘だろ…?｣
慧｢私は戦争経験者だ。
見た者の能力を判別し、その愚策ごと敵を
捻り潰す力を身につけた。｣
クラーレ｢!!｣
そうだ…コイツはアタルフと同じ、
元滅殺隊だった男だ
慧｢時間稼ぎか。なんなら静かに
待っていてあげようか?『クラーレ』｣
クラーレ｢…必要ねぇ｣
赤十邇 慧 vs 九楽 澪
ヒナタ｢おーい。いるんだろ?幹部共。
出てこいよ。｣
ユウメ｢意外といい仕事じゃないか…｣
ソウル｢活きのいい爆発小僧だ｣
ヒナタ｢ムマタゆうめコン…
やりがいありそうだなぁ｣
天内 日向 vs 霧叉 夢芽&霧叉 魂
コハル｢君達、二邇と三邇ぃ?｣
うごはこ｢てめぇは…!!｣
ウザイヌ｢頭叩いてきたやつ!!｣
コハル｢君らの脳味噌元気してる〜?｣
うごはこ&ウザイヌ｢ｲﾗｯ…怒｣
百鬼 心桜 vs うごはこ&ウザイヌ
さつじんき｢…死にたくねえなら帰れ。あまね｣
あっくん｢…!!｣
神楽坂 殺人vs虎川 周
四人の人影が赤い灰の雲に照らされる
慧｢今宵この院内にて、世界が変わる。
そのために撲滅隊を呼び寄せた。
この暗い病院の中、彼らを不意打ち
で仕留めてもらう。｣
ソウル｢…いーねぇ。｣
ユウメ｢絶景かな絶景かな。
少数vs少数。姑息とはいえ数の差はない。
卑怯だなんて言わせやしないさ。｣
と、自身の首に縄を軽く絡ませる
ﾄﾞﾝ…
慧｢…｣
ソウル｢R勢に寝返る選択は
間違っていなかったと思うぜ?さつじんき。｣
さつじんき｢…｣
慧｢…ムマタゆうめコン。
そろそろお前達も持ち場につけ。｣
ユウメ、ソウル｢了解ボス。｣
慧｢…人の世には情と強弱では
上手くいかないことがある。
最善かどうかが全てを事付ける
人生にとって最善の選択が出来るか否か。
兄にはそれが出来る。
『弟は兄の言う通り』。
それが幸せの近道だ。わかるな?アヤト。｣
さつじんき｢…ああ。今晩、撲滅隊を滅ぼす｣
慧｢…それでいい｣
と、空を見上げる
慧｢その方が彼らも高揚することだろう｣
さつじんき｢?｣
慧｢来るぞ｣
ザァァァッ…
月の光に何かが照らされる
クラーレ｢オオラアアアアアア!!!｣
ドオオオオオォォン!!
凄まじい素振りで砂塵が吹き荒れる
クラーレ｢なっ…｣
慧｢やはりそうか…｣
全力で放った木刀を止められた…!?
あっくん｢さつじんき!!｣
さつじんき｢お前!!なんでここに…!?まだ夜になったばっかだぞ?｣
慧｢なるほど、先刻の爆発音。
屋上への飛び台として用意した爆弾か｣
クラーレ｢…!!｣
慧｢となるとお前は、
そうだな…15…いや20分か…私を相手に
時間稼ぎをしなければならないというわけか…｣
クラーレ｢くっ…｣
読まれている
クラーレ｢日没だ。日没に攻めに行く。｣
ヒナタ｢は?日没?｣
コハル｢今すぐじゃないの?｣
クラーレ｢いや日没だ。灰雲とはいえ、
夕陽で多少視界が遮られている時間に奇襲する。｣
あっくん｢それってテキトーじゃあ…｣
クラーレ｢いや、アイツらは病院の
玄関周辺で見回りをしているだろう。
そこをヒナタとコハルで攻める。｣
ヒナタ｢クラーレとあっくんは?｣
クラーレ｢上から攻める｣
コハル｢へ?どーして?｣
クラーレ｢挟み撃ちにするんだ。
ヒナタの爆発を使って俺達が屋上へ登る。
上には首領がいるだろうから、時間稼ぎ。｣
あっくん｢なるほど…｣
クラーレ｢罠の上下から狙い撃ちだ｣
慧｢…模倣の剣とトルネイドか｣
あっくん、クラーレ｢!!???｣
慧｢一度目が合った相手の能力はお見通しだ｣
クラーレ｢嘘だろ…?｣
慧｢私は戦争経験者だ。
見た者の能力を判別し、その愚策ごと敵を
捻り潰す力を身につけた。｣
クラーレ｢!!｣
そうだ…コイツはアタルフと同じ、
元滅殺隊だった男だ
慧｢時間稼ぎか。なんなら静かに
待っていてあげようか?『クラーレ』｣
クラーレ｢…必要ねぇ｣
赤十邇 慧 vs 九楽 澪
ヒナタ｢おーい。いるんだろ?幹部共。
出てこいよ。｣
ユウメ｢意外といい仕事じゃないか…｣
ソウル｢活きのいい爆発小僧だ｣
ヒナタ｢ムマタゆうめコン…
やりがいありそうだなぁ｣
天内 日向 vs 霧叉 夢芽&霧叉 魂
コハル｢君達、二邇と三邇ぃ?｣
うごはこ｢てめぇは…!!｣
ウザイヌ｢頭叩いてきたやつ!!｣
コハル｢君らの脳味噌元気してる〜?｣
うごはこ&ウザイヌ｢ｲﾗｯ…怒｣
百鬼 心桜 vs うごはこ&ウザイヌ
さつじんき｢…死にたくねえなら帰れ。あまね｣
あっくん｢…!!｣
神楽坂 殺人vs虎川 周
EP24 リミッター
3年前~
R勢の王、トロモフがまだ生きていた頃。
空は灰色。大地は歩けば歩くほど赤褐色の
禍々しい。親も仲間もいない。
どう死のうかとも考えていた。
そこで話しかけてきたのが…
さつじんき「その首の模様生まれつきか?
月みたいだな。」
あっくん「誰?」
さつじんき「俺は神楽坂 殺人」
あっくん「…変な名前」
ボギャッ!!
あっくん「ゲホッ…」
さつじんき「まるで歯応えが無いな…
あまね。」
あっくん「…ｸｿｯ」
さつじんき「幼かったお前を鍛錬し、
能力を与えられるまで面倒みたのは俺だ。
お前が考える戦術は全て…」
ギャリリリリリ…
さつじんき「!!…」
あっくん『砂塵蹴り』
跳んで開脚しながらの回転蹴り
さつじんき「お見通しだ」
ガシッ
足を掴む
さつじんき『居合い・黒霧』
ズドッッ…
あっくん「ぐっ」
強い
さつじんき「…終わりか?」
能力でいえば僕の方が強い。だけど…
あっくん「まだまだ!!」
跳び足蹴りを繰り出す
さつじんき「だからよぉ…」
ゴッ…
腕で受け止める
さつじんき「お見通しだって言ったろ!?」
パギャッ…
木刀を振り下ろす
戦争を経験したさつじんきの方が、
素の戦略練りや力は上だ
さつじんき「全てが能力頼りだ…」
あっくん「ゲホッゲホッ…」
さつじんき「そろそろ終わりにしy…」
ブオンッ
再びハイキックを繰り出す
さつじんき「…」
刀で受ける
あっくん「能力なんかに頼ってないよ」
ガッ…
両足でさつじんきの首を絞める
さつじんき(三角絞め…!)
ドゴッ…!!
態勢を崩して二人とも倒れる
あっくん『突風おろし!!』
さつじんき『居合い・灰神楽!!』
二つの技がぶつかる
ピシッ…
木刀に皹が入る
さつじんき「っ…!」
あっくん「全部あなたに教えてもらった技だ。お見通しなのは同じことだ…!!」
さつじんき「これはまた、疼くなァ…」
~院内~
ゴッ…
枕の鈍い殴打音が響く
ウザイヌ「グハッ!!」
うごはこ「ウザイヌ!!」
コハル「へぇ、可哀想な名前」
ウザイヌ「うるせー!!俺は宇崎犬千y…ゴフッ!!」
吐血する
ウザイヌ(枕で叩かれただけでこの威力…!)
コハル「赤十邇って並べて称されてるけど
結局、多対一でも勝てないんだ?」
うごはこ「俺が相手だ」
ガシッ
胸ぐらと腕を掴む
コハル「!?」
うごはこ『背負い投げ!!』
不動 運 極致能:スロー
ドッ!
勢いよく投げつける
コハル「ゴフッ…なるほど、スローか」
うごはこ「もう一回行くぞ!!」
コハル「よっ」
うごはこ「?」
枕を上に投げる
バキャッ!
顔面に右ストレートをお見舞いする
うごはこ「っ…」
ドッ…
枕を手に取る
コハル「本物の極致能力を教えてあげる」
うごはこ「!?」
ウザイヌ「!?」
コハル『スピン枕ダイブ!!』
枕と身体を縦に回転させる
うごはこ、ウザイヌ「カッ」
スピン枕ダイブ･･･身体の回転から繰り出される枕の反動で受けた対象を確実に
気絶させる。しかし威力は少ない。
コハル「Rばかりで睡眠不足なんじゃない?しばらくそこで寝てなさいよ。」
うごはこ、ウザイヌ「…」
ヒナタ「おおっ、今の音。
コハルが早速やりやがったか。
俺が最初に勝ち星上げたかったのになぁ」
ソウル「おいおいおい。ナメられちゃ困るぜ?」
ユウメ「もしかしてまぁだ勝つつもり
なのかねえ?天内 日向。」
ヒナタ「最近良いところ見せてないからな。
勝たせてもらうぜ。」
ダンッ!!
地面を勢いよく蹴る
ヒナタ「『ローリングボム!!』」
ドオオォォン!!
ソウル「爆弾だと!?
コイツは爆発する拳のはず…!」
ユウメ「焦るんじゃないよソウル。
これはギミックだろうよ」
ピシャンッ…
ヒナタの腕を鞭が捕らえる
ヒナタ「っ…」
ギュルッ!!
鞭を引いてヒナタを引き寄せる
ユウメ「爆発を手のひらから出せる
『ボム』でしょう」
ヒナタ「バレたか…」
天内 日向 極致能：ボム
ユウメ「拳を命中させる直前に爆弾を
出して爆発させたように見せた。」
ソウル「へえ?余裕だなあ。種がわかればあっけねえ。」
ヒナタ「…俺は卑怯な手が嫌いだ。」
ソウル「あ?」
ヒナタ「ローリングボム!!」
ドオオォォン!!
ソウル「ぐっ!!」
ヒナタ「だから拳でやってたんだが…」
ソウル「テメエエエエ!!」
ユウメ「ソウル!!無防備に近づくな!」
ﾋﾟﾝｯ…
ソウル「!!」
ドゴオオオオオン!!
天井の壁が抜ける
ユウメ「手榴弾!!」
ヒナタ「今の音はリミッターを外した音だ
覚悟しろムマタゆうめコン。」
ソウル「…」
ユウメ「ｶｯﾁｰﾝ」
EP25 分断
ﾌﾞﾝｯ…
小型爆弾を周囲に投げる
ユウメ「!」
ドドオォォン!!
瞬時にかわす
ソウル「ぐあっ…」
ヒナタ「フン!」
ドゴッ!!
ソウルの鳩尾を突く
ヒナタ(あとはユウメの方を)
ピシャン!
鞭に引き寄せられる
ヒナタ「!」
ドゴッ
ユウメに鳩尾を突かれる
ヒナタ「ぐあっ!!」
ユウメ「ソウル〜。眠り帽子。」
ソウル「あいよぉ!!」
パガッ…
ヒナタ「か……」
眠気に襲われる
ユウメ「隙あり☆」
ピシャンッ!
鞭に打たれる
ヒナタ(クソッ…ユウメが邪魔だ…
攻撃も悉く避けやがる…)
ユウメ「この室内じゃ私の鞭は射程内。
どこに避けようが関係ないねぇ」
ソウル「そんで動きが鈍ればお前は
おねんねだ」
ヒナタ「そうかよ、そういうことなら!」
特大ボムを出す
ヒナタ「やりやすい!!」
ユウメ「!?…まさか」
ドオオオオオオオン!!
床が抜けてユウメが落ちる
ソウル「姉貴ィィ!!」
ドギェッ…!!
下に降りようとした所を殴る
ソウル「グホッ…」
ヒナタ「させねえよ。
合流する隙があれば殴るから!!」
ユウメ(しくじった…!!
上の階には鞭が届かない。
同時に私らの連携を断つ…
今はとりあえず…)
ピシャン!!
下の階の手術台を積んで登る
ユウメ(これで合流できr…)
ゴシャッ…!!
何者かの枕が命中する
ユウメ「ぐっ…枕？」
ソウル「は!?」
ヒナタ「来たか」
コハル「いいねー。女vs女、男vs男。
フェアな青春だねホント。ねー?ヒナタ」
ソウル「嘘だろ?
まじでやられたのかあの二人…」
コハル「さて、相手しなさいよ阿婆擦れ」
ユウメ「よくも私の御尊顔を…!」
百鬼心桜 vs 霧叉 夢芽
ヒナタ「はっ。味わいたくもないな。
んじゃ、こっちは俺が相手すりゃあ言いワケだ。」
ソウル「チッ気持ちワルいぜ。フェアとか」
天内日向 vs 霧叉 魂
EP26 合流
バキャッ‼︎
小さい拳がクラーレに炸裂する
慧｢その強さでよく撲滅隊に入れたな」
クラーレ(こんなに小さい体でどっからこれほどの力が…)
ブンッ‼︎
木刀を振るう
慧｢…」
バキィィ‼︎
木刀が真っ二つに折られる
クラーレ(素手で木刀を握り折った⁉︎)
慧｢さらば｣
ドッ…
慧｢…?｣
拳が鳩尾を突こうとした所をクラーレが両手で止める
クラーレ「けほっ…」
慧｢まだ余力があるのか…｣
クラーレ｢言ったろ…時間は自分で稼ぐって…」
ドサッ…
片手でクラーレを放り投げる
クラーレ｢ぐっ…｣
慧｢お前の仲間は現れていないなようだがな。｣
クラーレ｢くっ…ははは…｣
慧｢何を笑っている?｣
クラーレ｢でもお前の仲間も誰一人現れていないぞ｣
慧｢…そうくるか。｣
クラーレ｢言っとくがこの策。挟み撃ちじゃねえぜ?｣
慧｢?｣
クラーレ｢お前らの仲間を倒す時間を作ってたんだ｣
慧｢…同じことだろう。それに赤十邇は童に倒されるような輩ではな…｣
ドサドサドサドサッ…
慧｢⁉︎｣
あっくん｢⁉︎｣
さつじんき｢⁉︎｣
ヒナタ｢待たせたなあ｣
コハル｢ねっむ…｣
あっくん｢ヒナタとコハル⁉︎｣
クラーレ｢遅えよ二人とも…｣
そっと笑みを浮かべる
その両腕には失神した赤十邇4人が
さつじんき(ウザイヌ、うごはこ達はともかくムマタゆうめコンが…)
コハル｢かなり優勢だねえ。4対2。｣
クラーレ｢これが本当の仲間の力だ‼︎さあ、降伏しろ赤十z…｣
ゴッ‼
クラーレ｢かっ…｣
後ろ回し蹴りをモロに喰らう
ズザアアアアアア‼︎
クラーレ｢…｣
あっくん｢く、クラーレ?｣
ヒナタ｢まじか…｣
慧｢どいていろアヤト｣
さつじんき｢…｣
慧「全員纏めて私が始末してやる｣
ゾゾッ‼︎
凄まじい殺気が3人を襲う
ヒナタ(この…圧迫感。マスターとはまた違う…濁った殺気…‼︎)
コハル「はは…こりゃあヤバいね｣
あっくん「…」
ムク…
慧｢‼︎?｣
クラーレ｢けっほ…なんだよ赤十邇慧…この程度かよ…｣
ヒナタ｢おい、もうお前は休んでろ。死ぬぞ｣
クラーレ｢こんな蹴り…マスターの波動やアタルフの傘に比べれば、
赤子の蹴りみたいなもんだ。｣
慧｢いいのか?クラーレ。本気でいくぞ?｣
クラーレ｢いいさ。俺にはこれがあるから｣
取り出したのはさっき折られた木刀の刃先だ
ヒナタ「は?｣
慧｢笑わせるな‼︎｣
スパアアアン‼︎
再び蹴りを喰らわせる
慧「…‼︎｣
クラーレ「ゲット⭐︎｣
木刀で蹴りを止める
慧(しまった…‼︎)
クラーレのコピー‼︎
ヒナタ「そうか!クラーレには触れた相手の能力を木刀にコピーできるんだ!｣
木刀の色が次第に変わる
クラーレ｢なんだ…これ｣
慧(しまった‼︎能力を知られれば負けは確実…知られる前に仕留め…)
ゴッ…‼︎
ズザアアアアアア‼︎
木刀の一撃で慧が吹き飛ぶ
慧｢っ…｣
コハル｢は…｣
ヒナタ｢はや…‼︎｣
速い‼︎
クラーレ｢…｣
木刀の刃先が…俺に話しかけてきた。
敵の能力を。子供みたいに。
学校であった出来事を伝えるように
あのピンクのボールが思い浮かんだ
クラーレ｢お前の能力は…三視覚?｣
慧｢‼︎｣
赤十邇 慧。極致能：三視覚
一般的な人に備わった五感とは別の3つの感覚を追加できる
独覚：自分が見られていない時に、移動速度と威力の両方が上昇。
錯覚：身体を見られている時、自分の移動速度が上昇。
凝覚：目を見られている時、自分の打撃の威力が上昇。
コハル｢ええと、なんの能力か説明できる?｣
クラーレ｢…多分無理。夜明けるわ。ここは俺がやる｣
EP27 変貌
極致能は通常、命の危機に達した者が獲得できるものだ。
人を多人数で痛ぶることで至福を得るR勢が獲得できるはずがない。
クラーレ｢どうやってそれを手に入れた?｣
慧｢…｣
クラーレ｢戦争か?｣
ドゴッ‼︎
腹を突く
クラーレ「あがっ」
慧｢生きる資格は奪わなければ得られない。
力は強者を踏み潰すことでしか得られない。｣
ゴッゴッゴッ‼︎
凄まじい速さで拳を連発させる
クラーレ｢くっ…｣
慧｢戦争はこんなものではなかった。
積み上げてきた友情、居場所、あらゆる大切なもの
それが全て壊される。
そんな地獄をお前らに分かってたまるものか｣
ヒナタ｢へえ〜そんな酷いことされたのにR勢組織の首領やってるんだ〜。
負け犬根性極まれりだねぇ。｣
慧｢なんだと…｣
ヒナタ｢その通りだ‼︎間違っていると分かっていて正しい人を見捨てるなんて間違ってるぞ‼︎｣
クラーレ｢…赤十邇…いや神楽坂 慧。撲滅隊になって俺達と一緒に来ないか?｣
ピク…
慧から殺気とは別の何かが感じられる
さつじんき｢‼︎｣
バキッ‼︎
クラーレの頬を殴る
クラーレ｢くっ…｣
慧｢調子に乗るな…神楽坂だと?私は赤十邇ダアアア‼︎｣
肘打ちを顔面目掛けて振るう
クラーレ｢!…やべ…｣
バキイイイイ‼︎
あっくん「‼︎」
コハル「‼︎」
クラーレ｢‼︎｣
肘打ちをさつじんきが受け止める
慧｢アヤト…テメエ…何しやがる?｣
さつじんき「兄貴。もういいだろ。間違ってる」
クラーレ｢さつじんきさん…」
さつじんき「すまないクラーレ。」
クラーレ「へ?」
さつじんき「俺は迷っている。兄貴を信じるか、自分にとっての正しさを信じるか。
今も正直血迷ってる。でもはっきりしたことが一つ。｣
クラーレ｢?｣
さつじんき「これは…間違ってる。兄貴の意思じゃない。他人の意思で動く兄貴は間違ってる‼︎｣
慧｢は?｣
さつじんき｢争いは至福を肥やすためにするものじゃない。
自分の正しさを分かってもらうためにするものだ。
今の兄貴は自分の意思じゃねえ。｣
慧｢…っ」
さつじんき｢俺は兄貴の本心が知りたい。抱えてるものを全部さらけ出してほしい。
なあ兄貴…アンタは何を抱えてるんだ?｣
⁇?「そんなの知ったこっちゃないよねえ。」
全員｢⁉︎｣
屋上のガスタンクの上に黒いシャツを着た男が座っている
クラーレ｢黒シャツ‼︎｣
黒シャツ「R勢になれば苦しい思いをしなくていい。何も失わない。
だから赤十邇をやってるのさ。彼は。ねえ?慧ちゃん。｣
慧｢…｣
クラーレ｢それで苦しむ奴がいても放っておけとでも言うのか?｣
黒シャツ｢僕の望む世界はね。平和な世界さ。99%の幸せ者と1%の不幸者。
多少の犠牲を知らしめて恐怖心を煽り、R勢を誘って全体の99%を占める。
最終的には君ら撲滅隊が不幸者の1%になればいいなぁって。
それが僕の理想さ。｣
ヒナタ｢狂ってる…｣
黒シャツ｢そんな御託をごちゃごちゃと混濁させても変わらないし、君らも遊ぼうよ｣
メキメキ…
見えない糸のようなものを慧に繋げる…
慧「かっ…」
さつじんき｢⁉︎…兄貴?｣
ドオオオオオオン‼︎
全員｢‼︎‼︎｣
屋上の足場が抜け、全員が室内に叩き込む落とされる
コハル「そういう感じね…」
あっくん「操り人形⁉︎」
慧「あ…ああ…ア…」
黒シャツ「さぁて、気高いマリオネットの踊り。存分に堪能してよ｣
人を多人数で痛ぶることで至福を得るR勢が獲得できるはずがない。
クラーレ｢どうやってそれを手に入れた?｣
慧｢…｣
クラーレ｢戦争か?｣
ドゴッ‼︎
腹を突く
クラーレ「あがっ」
慧｢生きる資格は奪わなければ得られない。
力は強者を踏み潰すことでしか得られない。｣
ゴッゴッゴッ‼︎
凄まじい速さで拳を連発させる
クラーレ｢くっ…｣
慧｢戦争はこんなものではなかった。
積み上げてきた友情、居場所、あらゆる大切なもの
それが全て壊される。
そんな地獄をお前らに分かってたまるものか｣
ヒナタ｢へえ〜そんな酷いことされたのにR勢組織の首領やってるんだ〜。
負け犬根性極まれりだねぇ。｣
慧｢なんだと…｣
ヒナタ｢その通りだ‼︎間違っていると分かっていて正しい人を見捨てるなんて間違ってるぞ‼︎｣
クラーレ｢…赤十邇…いや神楽坂 慧。撲滅隊になって俺達と一緒に来ないか?｣
ピク…
慧から殺気とは別の何かが感じられる
さつじんき｢‼︎｣
バキッ‼︎
クラーレの頬を殴る
クラーレ｢くっ…｣
慧｢調子に乗るな…神楽坂だと?私は赤十邇ダアアア‼︎｣
肘打ちを顔面目掛けて振るう
クラーレ｢!…やべ…｣
バキイイイイ‼︎
あっくん「‼︎」
コハル「‼︎」
クラーレ｢‼︎｣
肘打ちをさつじんきが受け止める
慧｢アヤト…テメエ…何しやがる?｣
さつじんき「兄貴。もういいだろ。間違ってる」
クラーレ｢さつじんきさん…」
さつじんき「すまないクラーレ。」
クラーレ「へ?」
さつじんき「俺は迷っている。兄貴を信じるか、自分にとっての正しさを信じるか。
今も正直血迷ってる。でもはっきりしたことが一つ。｣
クラーレ｢?｣
さつじんき「これは…間違ってる。兄貴の意思じゃない。他人の意思で動く兄貴は間違ってる‼︎｣
慧｢は?｣
さつじんき｢争いは至福を肥やすためにするものじゃない。
自分の正しさを分かってもらうためにするものだ。
今の兄貴は自分の意思じゃねえ。｣
慧｢…っ」
さつじんき｢俺は兄貴の本心が知りたい。抱えてるものを全部さらけ出してほしい。
なあ兄貴…アンタは何を抱えてるんだ?｣
⁇?「そんなの知ったこっちゃないよねえ。」
全員｢⁉︎｣
屋上のガスタンクの上に黒いシャツを着た男が座っている
クラーレ｢黒シャツ‼︎｣
黒シャツ「R勢になれば苦しい思いをしなくていい。何も失わない。
だから赤十邇をやってるのさ。彼は。ねえ?慧ちゃん。｣
慧｢…｣
クラーレ｢それで苦しむ奴がいても放っておけとでも言うのか?｣
黒シャツ｢僕の望む世界はね。平和な世界さ。99%の幸せ者と1%の不幸者。
多少の犠牲を知らしめて恐怖心を煽り、R勢を誘って全体の99%を占める。
最終的には君ら撲滅隊が不幸者の1%になればいいなぁって。
それが僕の理想さ。｣
ヒナタ｢狂ってる…｣
黒シャツ｢そんな御託をごちゃごちゃと混濁させても変わらないし、君らも遊ぼうよ｣
メキメキ…
見えない糸のようなものを慧に繋げる…
慧「かっ…」
さつじんき｢⁉︎…兄貴?｣
ドオオオオオオン‼︎
全員｢‼︎‼︎｣
屋上の足場が抜け、全員が室内に叩き込む落とされる
コハル「そういう感じね…」
あっくん「操り人形⁉︎」
慧「あ…ああ…ア…」
黒シャツ「さぁて、気高いマリオネットの踊り。存分に堪能してよ｣
EP28 助ける
10年前〜
けい「アヤト｣
アヤト「何?兄ちゃん」
けい「もし俺が『殺人鬼』になっちゃったらどうする?」
アヤト「人殺し?」
けい「…今、この戦争を起こしてる悪者、R勢を倒す仕事をしたくてな。
そんな奴らでも人は人だ。人殺しには成らざるを得なくなる…｣
アヤト「兄ちゃんが殺人鬼かぁ…んー…｣
あっくん｢さつじんき‼︎｣
さつじんき｢!｣
ドゴッ‼︎
慧の攻撃がさつじんきに炸裂
さつじんき｢くっ…｣
慧「ｶﾞｧｱｱｱｱ…」
黒シャツ「さすが兄弟だね。攻撃も見切れてる。｣
コハル「汚い真似を…‼︎」
黒シャツに向かって飛ぶ
黒シャツ「おっと…」
コハル『スピン枕…』
ギャリッ…‼︎
操り糸で弾く
コハル「っ…」
黒シャツ「僕に攻撃したら糸私使って自害するように仕向けるからね〜｣
コハル「グッ…」
あっくん「カハっ…」
ヒナタ「ゴフッ…」
一方的に慧の攻撃を何度も受ける
ヒナタ「卑怯者が…｣
黒シャツ「仲間はね。多ければ多いほど弱点が多くなるんだよ｣
あっくん「弱点だと?｣
黒シャツ「どれだけ強い人でも仲間が足を引っ張れば守ることで隙を突かれる。
孤独な人ほど強くなるんだよ。｣
クラーレ「だから偽物の仲間を作るためにR勢で占領しようとでもいいたいのか?
ふざけるのも大概にしろ‼︎｣
黒シャツ「クラーレ…そういえば君も潰しておかないとね。｣
クラーレ「潰せるものなら潰してみろ
黒シャツ「ふーん。じゃ、殺れ。慧。｣
慧「か…か…」
ドゴッ‼︎
光の速さで突っ込む
ヒナタ「うわ…モロに…‼︎」
ぎしぎし…
慧「‼︎」
クラーレ「だんだん…読めてきた｣
黒シャツ「止めたか。これは予想外」
クラーレ「慧、お前のクセだ。攻撃する瞬間に拳を自身の身体で隠し、見えなくする。
それで隠した拳だけを加速させてるんだろ?」
慧「‼︎｣
さつじんき(知らなかったァアアア‼︎)※兄弟
クラーレ「それにお前の攻撃は何度も受けたし、今も死ぬほど痛いけどな…」
黒シャツ「…じゃあ、しょうがないね。もう一度〜｣
ドッ‼︎
木刀の刃先で再び受ける
クラーレ「くっ…」
黒シャツ「次」
ドゴッ‼︎
火花が散る
黒シャツ「次｣
バキッ‼︎
また火花が散る
黒シャツ「次｣
ドッ‼︎
黒シャツの無気力さに悪意が入り混じった掛け声で
慧の凄まじく速い攻撃が炸裂する
ヒナタ「おい、もうやめとけ…｣
クラーレ「がはっ…」
上のガスタンクにぶつかる
ドオオオオオオン‼︎
爆発する
あっくん(まずい‼︎火事だ…このままじゃ全員焼け死ぬ!)
クラーレ「慧の力と操り糸の力が合わさって更に強力になってるな…｣
黒シャツ「トドメだ。慧。」
全員の視界から外れ、3つの感覚を開いた状態での不意打ち
クラーレ(いける…さっきだってちゃんと見切れたんだ…急所は避けて…)
スッ…
クラーレの目に拳が接近する
ドスッ…‼︎
全員「⁉︎」
慧「⁉︎」
黒シャツ「これは…傘?｣
拳が傘によって弾かれる
クラーレ「…やっと来たか。」
ガラ…
瓦礫からは傘が飛んできたであろう大穴が開いている
アタルフ「馬鹿クラーレぇ。そんな無茶してまで合図するんじゃねえよ。
集合まで時間あったのによぉ｣
コハル「アタルフ‼︎」
あっくん「なんで…まだ来る時間じゃないはず…」
黒シャツ「…‼︎まさか…」
アタルフ「慧に殴り飛ばされるフリしてガスタンクからガスを出し、
火花を使って爆破させて煙で合図をする。そういうとこだろ?｣
クラーレ「あはは…お見通しってことですか。」
アタルフ「…さて、黒シャツ。俺達の仲間に随分酷い仕打ちをしてくれたようだな。
この前の落とし前もしっかりつけてもらうぜ｣
ザザン‼︎ザン‼︎
糸を切断する
黒シャツ(…はやい!)
再び糸を繋げようとする
ドゴッ‼︎
傘が黒シャツに炸裂する
黒シャツ「ぐっ…」
アタルフ「させねえよ。お前の相手は俺だぜ。せいせい堂々一対一。」
慧「⁉︎…黒シャツ!｣
さつじんき「兄貴…」
ヒナタ「慧はどうするんだよ…｣
コハル「というかどうやってこんな短時間でここに来れたの?」
アタルフ「あー。それはもちろん」
瓦礫からもう一人現れる
クラーレ「え…」
慧「…」
さつじんき「大将…｣
マスター「やあ、みんな｣
けい「アヤト｣
アヤト「何?兄ちゃん」
けい「もし俺が『殺人鬼』になっちゃったらどうする?」
アヤト「人殺し?」
けい「…今、この戦争を起こしてる悪者、R勢を倒す仕事をしたくてな。
そんな奴らでも人は人だ。人殺しには成らざるを得なくなる…｣
アヤト「兄ちゃんが殺人鬼かぁ…んー…｣
あっくん｢さつじんき‼︎｣
さつじんき｢!｣
ドゴッ‼︎
慧の攻撃がさつじんきに炸裂
さつじんき｢くっ…｣
慧「ｶﾞｧｱｱｱｱ…」
黒シャツ「さすが兄弟だね。攻撃も見切れてる。｣
コハル「汚い真似を…‼︎」
黒シャツに向かって飛ぶ
黒シャツ「おっと…」
コハル『スピン枕…』
ギャリッ…‼︎
操り糸で弾く
コハル「っ…」
黒シャツ「僕に攻撃したら糸私使って自害するように仕向けるからね〜｣
コハル「グッ…」
あっくん「カハっ…」
ヒナタ「ゴフッ…」
一方的に慧の攻撃を何度も受ける
ヒナタ「卑怯者が…｣
黒シャツ「仲間はね。多ければ多いほど弱点が多くなるんだよ｣
あっくん「弱点だと?｣
黒シャツ「どれだけ強い人でも仲間が足を引っ張れば守ることで隙を突かれる。
孤独な人ほど強くなるんだよ。｣
クラーレ「だから偽物の仲間を作るためにR勢で占領しようとでもいいたいのか?
ふざけるのも大概にしろ‼︎｣
黒シャツ「クラーレ…そういえば君も潰しておかないとね。｣
クラーレ「潰せるものなら潰してみろ
黒シャツ「ふーん。じゃ、殺れ。慧。｣
慧「か…か…」
ドゴッ‼︎
光の速さで突っ込む
ヒナタ「うわ…モロに…‼︎」
ぎしぎし…
慧「‼︎」
クラーレ「だんだん…読めてきた｣
黒シャツ「止めたか。これは予想外」
クラーレ「慧、お前のクセだ。攻撃する瞬間に拳を自身の身体で隠し、見えなくする。
それで隠した拳だけを加速させてるんだろ?」
慧「‼︎｣
さつじんき(知らなかったァアアア‼︎)※兄弟
クラーレ「それにお前の攻撃は何度も受けたし、今も死ぬほど痛いけどな…」
黒シャツ「…じゃあ、しょうがないね。もう一度〜｣
ドッ‼︎
木刀の刃先で再び受ける
クラーレ「くっ…」
黒シャツ「次」
ドゴッ‼︎
火花が散る
黒シャツ「次｣
バキッ‼︎
また火花が散る
黒シャツ「次｣
ドッ‼︎
黒シャツの無気力さに悪意が入り混じった掛け声で
慧の凄まじく速い攻撃が炸裂する
ヒナタ「おい、もうやめとけ…｣
クラーレ「がはっ…」
上のガスタンクにぶつかる
ドオオオオオオン‼︎
爆発する
あっくん(まずい‼︎火事だ…このままじゃ全員焼け死ぬ!)
クラーレ「慧の力と操り糸の力が合わさって更に強力になってるな…｣
黒シャツ「トドメだ。慧。」
裏極『光陰』
全員の視界から外れ、3つの感覚を開いた状態での不意打ち
クラーレ(いける…さっきだってちゃんと見切れたんだ…急所は避けて…)
スッ…
クラーレの目に拳が接近する
ドスッ…‼︎
全員「⁉︎」
慧「⁉︎」
黒シャツ「これは…傘?｣
拳が傘によって弾かれる
クラーレ「…やっと来たか。」
ガラ…
瓦礫からは傘が飛んできたであろう大穴が開いている
アタルフ「馬鹿クラーレぇ。そんな無茶してまで合図するんじゃねえよ。
集合まで時間あったのによぉ｣
コハル「アタルフ‼︎」
あっくん「なんで…まだ来る時間じゃないはず…」
黒シャツ「…‼︎まさか…」
アタルフ「慧に殴り飛ばされるフリしてガスタンクからガスを出し、
火花を使って爆破させて煙で合図をする。そういうとこだろ?｣
クラーレ「あはは…お見通しってことですか。」
アタルフ「…さて、黒シャツ。俺達の仲間に随分酷い仕打ちをしてくれたようだな。
この前の落とし前もしっかりつけてもらうぜ｣
ザザン‼︎ザン‼︎
糸を切断する
黒シャツ(…はやい!)
再び糸を繋げようとする
ドゴッ‼︎
傘が黒シャツに炸裂する
黒シャツ「ぐっ…」
アタルフ「させねえよ。お前の相手は俺だぜ。せいせい堂々一対一。」
慧「⁉︎…黒シャツ!｣
さつじんき「兄貴…」
ヒナタ「慧はどうするんだよ…｣
コハル「というかどうやってこんな短時間でここに来れたの?」
アタルフ「あー。それはもちろん」
瓦礫からもう一人現れる
クラーレ「え…」
慧「…」
さつじんき「大将…｣
マスター「やあ、みんな｣
EP29 偽り
ヒナタ「マスター…｣
クラーレ「きてたんですか…」
マスター「…」
スパパパパァン‼︎
コハル「‼︎」
ヒナタ「‼︎」
あっくん「‼︎」
クラーレ「‼︎」
頬を引っ叩かれた…4人とも。凄い速さで
マスター「お前ら…他の撲滅隊の奴らに内緒で何やってんだ…」
コハル「…ごめん」
クラーレ「俺が言い出したんだ…さつじんきを連れ戻すために3人を…」
がし…
4人の肩を組む
マスター「ごめんな4人とも…お前らがそんなに抱えてるのに俺は気付いてやれなかった。体を張らせてすまなかった。」
クラーレ「マスター…」
マスター「…さて、俺が相手すんのはお前だ。赤十邇 慧。」
慧「…」
マスター「あっくん、俺達は仲間か?｣
あっくん「え?」
マスター「そんなに頼りづらいか?抱えてるものを隠さなきゃならないくらい、
俺達は頼りないか?」
あっくん「そんな…こと…」
マスター「…まあいい。その件は後で話そう。今はとにかく、赤十邇を倒す。｣
磨廃 稲海vs赤十邇 慧
マスター「お前の本心が聞きたい。」
慧「‼︎」
マスター「元々はぱすてんやアタルフと一緒にいたお前が何でそんなんになったか」
慧「五月蝿い…お前に話すギリは存在しない‼︎」
マスター「いいよ。拳で聞くから」
慧「裏極…『光陰』‼︎」
クラーレ(やばい‼︎またあの攻撃が来る‼︎さっきは傘で軌道がズレたから
良かったけど今回ばかりは…)
マスター「…」
スッ…
マスターの人差し指が慧の額に触れる
慧(え…)
出そうとした技が止まる
マスター「終わりだ」
慧(か…体が動かない⁉︎何をされた?何を…)
マスター「『波止め』｣
慧「????」
マスター「俺は手足頭、あらゆる所に波動、波を生み出せる。
誰しも技を出すには脳から体に信号を送らなければならない。
俺はその時に発する波さえも自由に妨害できる｣
慧「ま…さか…」
マスター「お前はしばらく動けない｣
慧「こ…の…」
マスター「時間が経てば治るが、その前にお前は焼け死ぬだろうな」
慧「!｣
さつじんき「…」
ドクン…ドクン…
心拍が上がる
マスター「人が死の危機に達した時に見える走馬灯。モノを言わないお前の脳裏には一体何が映ってるんだろうな…
慧「…」
10年前〜
アヤト「待ってよお兄ちゃん!」
けい「はは、遅えな。そんなんじゃ生きていけないぞ。｣
両親はアヤトが産まれてまもない頃に亡くなった。
戦争勃発で明日の命の有無もわからない。
両親の死から、私はアヤトを絶対に守ると誓った。
アヤト「はぁ、はぁ…着いた?」
けい「ここがR撲滅隊の本部だ。」
アヤト「前にあんなことを聞いたのはここに入りたいから?」
けい「R勢を倒すためだ。本物の平和な世界を作るための」
アヤト「ふーん」
けい「また綺麗な青空みたいだろ?」
アヤト「うん‼︎」
けい「それじゃあ、開けるぞ…」
ギィイイイイイイイ
ぱすてん「やあ。よく来たね。」
扉の開け、撲滅隊に入る時、俺はまだ知らなかった。
平和には、匿名の犠牲が付き物。
その名を選択することはできない。
時にそれを選択することは酷く残酷な選択であることを
燃え盛る本部で…
ドスっ…
ぱすてん「ぐっ…｣
鳩尾に歪なカッターが貫通する
けい「ぱすてん‼︎」
トロモフ『惨たらしい…人の命を天秤にかける恐ろしさを。
仲間の死に直面した時の悲しさを。偽りの仲間を貪るR勢共に、
どうして分かってくれようか。なあ?神楽坂 慧』
あの瞬間、私にとっての正しさが二つに分かれた
犠牲を惜しみながら命懸けで平和を作るか
危険を冒さず、『偽の平和』を作るか
黒シャツ「素晴らしい。君は世界を変える力を持ってる。
R勢になれば大事な人を失うこともない。何も失わない。
愛しい弟のためにもR勢になったらどうだ?君は選ぶ権利がある。
お前を置いてあの世に逃げた愚かな隊長とは違う」
生き方は決めた。犠牲は許さない。
俺は絶対に、弟には「1%の不幸者｣になる道は選ばせない。
俺たち二人は兄弟幸せに生きていける。
はずだったというのに
撲滅隊も、R勢も、勧誘者も、弟さえも私の元から去っていき、
そして目の前には、10年間ずっと恐れていた『死』だけが残った
マスター「どーする?まだやるか?」
慧「…」
マスター「まだ気持ちが変わらないのなら、俺達みんな全力でこっから退散させてもらうけど」
ビリ…
光が拳に集まっていく
マスター「⁉︎…なっ…」
ドオオオオオオン‼︎
裏極を放つ
慧「はぁ…」
マスター「なんで動ける…?」
アタルフ「出しかけの裏極を暴発させて脳波を無理矢理動かしたのか」
黒シャツ「余所見するなよアタルフ〜」
ゴッ‼︎
アタルフ「っ…」
傘でガードする
マスター「もう一回止めりゃあいいだけ…」
ドッ‼︎
大きめの瓦礫を飛ばし、マスターを下敷にする
マスター「くっ…」
クラーレ「マスター‼︎」
コハル「ぼーっとしないで瓦礫をどかそう‼︎」
ヒナタ「お、おう‼︎」
慧「○す…‼︎○す‼︎ああああああああ‼︎」
アタルフ「目が逝ってる…!｣
ドン‼︎
あっくんの方へ飛ぶ
あっくん「…っ!」
慧「お前さえいなくなればアヤトを引きこめる‼︎」
ドッ‼︎
あっくんの腹に直撃する
あっくん「がはっ…」
慧「シネエエエェェェ‼︎‼︎」
クラーレ(速い‼︎やべえ…間に合わねえ‼︎)
ドスッ‼︎
鈍い音が響き渡る
コハル「!」
クラーレ｢‼︎」
ヒナタ「‼︎」
慧「…!?」
その場にいた全員が目を見開く
あっくん「あ…あ…嘘…?」
さつじんき「ゴフッ…」
慧の腕がさつじんきの鳩尾に貫通している
ドドッ!
瓦礫が綿のように吹き飛ぶ
マスター「ふざけんなああああ‼︎」
ドゴッ‼︎
凄まじい波動を纏った蹴りが慧の腹部に炸裂する
ドサッ…
慧「…」
気絶する
ドサッ…
同時にさつじんきとあっくんが倒れる
さつじんき「ったくあれぐらい避けろよな…散々特訓したじゃねえかよ…
本当に最後まで手のかかる弟だぜ…」
あっくん「…さつじんき?な、なんで?あれだけ赤十邇に…」
さつじんき「すまねえなアマネ…俺にとっての家族は慧ちゃんとお前だけだから…」
苦しそうな笑顔を浮かべた
クラーレ「きてたんですか…」
マスター「…」
スパパパパァン‼︎
コハル「‼︎」
ヒナタ「‼︎」
あっくん「‼︎」
クラーレ「‼︎」
頬を引っ叩かれた…4人とも。凄い速さで
マスター「お前ら…他の撲滅隊の奴らに内緒で何やってんだ…」
コハル「…ごめん」
クラーレ「俺が言い出したんだ…さつじんきを連れ戻すために3人を…」
がし…
4人の肩を組む
マスター「ごめんな4人とも…お前らがそんなに抱えてるのに俺は気付いてやれなかった。体を張らせてすまなかった。」
クラーレ「マスター…」
マスター「…さて、俺が相手すんのはお前だ。赤十邇 慧。」
慧「…」
マスター「あっくん、俺達は仲間か?｣
あっくん「え?」
マスター「そんなに頼りづらいか?抱えてるものを隠さなきゃならないくらい、
俺達は頼りないか?」
あっくん「そんな…こと…」
マスター「…まあいい。その件は後で話そう。今はとにかく、赤十邇を倒す。｣
磨廃 稲海vs赤十邇 慧
マスター「お前の本心が聞きたい。」
慧「‼︎」
マスター「元々はぱすてんやアタルフと一緒にいたお前が何でそんなんになったか」
慧「五月蝿い…お前に話すギリは存在しない‼︎」
マスター「いいよ。拳で聞くから」
慧「裏極…『光陰』‼︎」
クラーレ(やばい‼︎またあの攻撃が来る‼︎さっきは傘で軌道がズレたから
良かったけど今回ばかりは…)
マスター「…」
スッ…
マスターの人差し指が慧の額に触れる
慧(え…)
出そうとした技が止まる
マスター「終わりだ」
慧(か…体が動かない⁉︎何をされた?何を…)
マスター「『波止め』｣
慧「????」
マスター「俺は手足頭、あらゆる所に波動、波を生み出せる。
誰しも技を出すには脳から体に信号を送らなければならない。
俺はその時に発する波さえも自由に妨害できる｣
慧「ま…さか…」
マスター「お前はしばらく動けない｣
慧「こ…の…」
マスター「時間が経てば治るが、その前にお前は焼け死ぬだろうな」
慧「!｣
さつじんき「…」
ドクン…ドクン…
心拍が上がる
マスター「人が死の危機に達した時に見える走馬灯。モノを言わないお前の脳裏には一体何が映ってるんだろうな…
慧「…」
10年前〜
アヤト「待ってよお兄ちゃん!」
けい「はは、遅えな。そんなんじゃ生きていけないぞ。｣
両親はアヤトが産まれてまもない頃に亡くなった。
戦争勃発で明日の命の有無もわからない。
両親の死から、私はアヤトを絶対に守ると誓った。
アヤト「はぁ、はぁ…着いた?」
けい「ここがR撲滅隊の本部だ。」
アヤト「前にあんなことを聞いたのはここに入りたいから?」
けい「R勢を倒すためだ。本物の平和な世界を作るための」
アヤト「ふーん」
けい「また綺麗な青空みたいだろ?」
アヤト「うん‼︎」
けい「それじゃあ、開けるぞ…」
ギィイイイイイイイ
ぱすてん「やあ。よく来たね。」
扉の開け、撲滅隊に入る時、俺はまだ知らなかった。
平和には、匿名の犠牲が付き物。
その名を選択することはできない。
時にそれを選択することは酷く残酷な選択であることを
燃え盛る本部で…
ドスっ…
ぱすてん「ぐっ…｣
鳩尾に歪なカッターが貫通する
けい「ぱすてん‼︎」
トロモフ『惨たらしい…人の命を天秤にかける恐ろしさを。
仲間の死に直面した時の悲しさを。偽りの仲間を貪るR勢共に、
どうして分かってくれようか。なあ?神楽坂 慧』
あの瞬間、私にとっての正しさが二つに分かれた
犠牲を惜しみながら命懸けで平和を作るか
危険を冒さず、『偽の平和』を作るか
黒シャツ「素晴らしい。君は世界を変える力を持ってる。
R勢になれば大事な人を失うこともない。何も失わない。
愛しい弟のためにもR勢になったらどうだ?君は選ぶ権利がある。
お前を置いてあの世に逃げた愚かな隊長とは違う」
生き方は決めた。犠牲は許さない。
俺は絶対に、弟には「1%の不幸者｣になる道は選ばせない。
俺たち二人は兄弟幸せに生きていける。
はずだったというのに
撲滅隊も、R勢も、勧誘者も、弟さえも私の元から去っていき、
そして目の前には、10年間ずっと恐れていた『死』だけが残った
マスター「どーする?まだやるか?」
慧「…」
マスター「まだ気持ちが変わらないのなら、俺達みんな全力でこっから退散させてもらうけど」
ビリ…
光が拳に集まっていく
マスター「⁉︎…なっ…」
ドオオオオオオン‼︎
裏極を放つ
慧「はぁ…」
マスター「なんで動ける…?」
アタルフ「出しかけの裏極を暴発させて脳波を無理矢理動かしたのか」
黒シャツ「余所見するなよアタルフ〜」
ゴッ‼︎
アタルフ「っ…」
傘でガードする
マスター「もう一回止めりゃあいいだけ…」
ドッ‼︎
大きめの瓦礫を飛ばし、マスターを下敷にする
マスター「くっ…」
クラーレ「マスター‼︎」
コハル「ぼーっとしないで瓦礫をどかそう‼︎」
ヒナタ「お、おう‼︎」
慧「○す…‼︎○す‼︎ああああああああ‼︎」
アタルフ「目が逝ってる…!｣
ドン‼︎
あっくんの方へ飛ぶ
あっくん「…っ!」
慧「お前さえいなくなればアヤトを引きこめる‼︎」
ドッ‼︎
あっくんの腹に直撃する
あっくん「がはっ…」
慧「シネエエエェェェ‼︎‼︎」
クラーレ(速い‼︎やべえ…間に合わねえ‼︎)
ドスッ‼︎
鈍い音が響き渡る
コハル「!」
クラーレ｢‼︎」
ヒナタ「‼︎」
慧「…!?」
その場にいた全員が目を見開く
あっくん「あ…あ…嘘…?」
さつじんき「ゴフッ…」
慧の腕がさつじんきの鳩尾に貫通している
ドドッ!
瓦礫が綿のように吹き飛ぶ
マスター「ふざけんなああああ‼︎」
ドゴッ‼︎
凄まじい波動を纏った蹴りが慧の腹部に炸裂する
ドサッ…
慧「…」
気絶する
ドサッ…
同時にさつじんきとあっくんが倒れる
さつじんき「ったくあれぐらい避けろよな…散々特訓したじゃねえかよ…
本当に最後まで手のかかる弟だぜ…」
あっくん「…さつじんき?な、なんで?あれだけ赤十邇に…」
さつじんき「すまねえなアマネ…俺にとっての家族は慧ちゃんとお前だけだから…」
苦しそうな笑顔を浮かべた
EP30 勝ち旗の灰雨
炎が燃え盛る廃病院の中、
愛する兄弟を守ったその体からは、
命の灯が消えかけていた。
ヒナタ「救急車を呼べ‼」
コハル「来るわけないでしょ!?」
ゴフッ…
吐血する
さつじんき「慧を…兄貴を…俺の…傍に…」
アタルフ「…ああ、わかった」
気絶した慧をさつじんきの横に寝かせる
さつじんき「良かった…兄貴…生きてる」
アタルフ(鳩尾に大穴が開いているにも関わらず…そうまでして兄のことを?)
傷口からは血が流れ出ている
さつじんき「マスター…お前は俺を…連れ戻そうとしたのか?」
マスター「当然だ。仲間なら。同じ撲滅隊ならな。
もう喋るな。傷が開くぞ。」
さつじんき「どっちにしろ死ぬ…この傷で生きれたらもはや奇跡だ…」
クラーレ「!!」
撲滅隊としてR勢と戦う上で、俺は一つの心構えが足りていなくとも
紛れもなく、ここは『戦場』なんだ。
人は死ぬんだ。どれだけ弱くとも、強くとも、どれだけ大切な人であっても…
撲滅隊はあくまでRを無くすための組織。R勢を殺すことじゃない。
理不尽に一般人の命を奪うR勢に対して、生きたまま更生させなければならない。
さつじんき「ある日…俺の中に悪魔が囁いた」
~一か月前~
黒ピアス「やぁ。さつじんき」
白髪の黒い星のピアス、マスターとは別の…
さつじんき「!?…あなたは…『あきstar』!?」
黒星 千秋。ぱすてんの唯一の腹心で、
かつてR滅殺隊の隊長をしていた男
アキ「久しぶりだねえ。撲滅隊らしい雰囲気だ」
さつじんき「何しにきた!?」
アキ「会った途端にそんな慄然とした態度とられるとはね…
まあいいや。今日はお土産を持ってきたんだ。」
そういうと、ドサドサッ…と遺体を5、6体放り投げる。
さつじんき「!!これは…?」
アキ「昨日俺と遊んでくれた非R勢。いやぁ、愉快極まりないよ。
この弱肉強食のR勢の世界。強いやつが勝ち、生きる権利を得る。
人殺しはそういう自然の摂理を実感させてくれるよ」
さつじんき「ふざけんな…何が弱肉強食だ…
こいつらがお前に命を償わなければならない程のことをしたのkっ」
アキ「俺さぁ、常々迷ってるんだよね…」
さつじんき「!?」
瞬きの間にさつじんきの背後をとる
アキ「撲滅隊はR勢が群れたりして冷酷非道なことをするから
戦って倒そうとするでしょ?
でも戦う相手が強ければ協力して倒さなきゃ…。
そもそも『隊』って括りなんだから。R勢とやってること変わらないんだよね。
矛盾してると思わない?」
さつじんき「…」
アキ「あっ!そうだ!」
手をパンと叩く
アキ「さつじんきもR勢入りすればいいよ!
そうだそれがいい!慧も赤十邇でとっくに撲滅隊を裏切ってるし。」
さつじんき「…誰がそんなこと…」
アキ「そうすれば渇きが潤う。迷いが消え、一度決めたら曲げない兄の慧とずっと一緒だぜ?
『あっくん』のためにも考えてやれよ」
さつじんき「!!」
バキッ!!
黒い刀がアキに直撃する
さつじんき「甘い誘惑に思わずふらついた…だから殴ったんだ…」
アキ「そりゃあご苦労なこった…」
黒刀を軽々といなす
アキ「選択させるつもりだったけど、撲滅隊って執念深いの忘れてた。
やっぱやるなら強制的にだな」
さつじんき「あ?」
アキ「NOと言えば、『慧』も『あっくん』ともこの世から泣き別れな?」
不敵な笑みを浮かべる
さつじんき「なんだと?」
アキ「たまらないよなぁ、お前の宝物の生き死には俺らR勢が握ってる。
慧はR勢だから生死は上層部が自由に決めれる。あっくんは顔を覚えてるし俺が殺すか」
さつじんき「…」
アキ「決めろ。まあ一択だろうがな。お前らに選ぶ権利なんて与えない。
何もかも徹底的に奪いつくして、絶望のどん底になった屍のお前ら撲滅隊を纏めて鏖だ。」
コハル「そ、それって…」
さつじんき「俺は自ら撲滅隊を敵に回すことを選んだんだ。」
ヒナタ「…」
さつじんき「それがこのザマだ…なあマスター、俺を…引き戻せるか?」
マスター「…」
さつじんき「どうしようもねえ。だろ?」
涙が零れる
あっくん「…」
クラーレ「違うよ」
さつじんき「?」
拳を握りしめる
クラーレ「引き戻せるよ…救えるよ…俺ら撲滅隊…」
マスター「クラーレ…」
クラーレ「なんで言わなかったんだよ…俺らは仲間だろ!?
そんなに頼りないかよ!?抱えてる物をさらけ出すことも許されないほど俺達は軟弱者か!?」
さつじんき「…」
クラーレ「信じて欲しかった…」
火花が散る音が不思議と小さく聞こえる
さつじんき「…
ああ…
俺には見えていなかったのか…
こいつらの底なしの絆が…
さつじんき「みんなごめん…本当にごめん…」
クラーレ「…」
クラーレの顔をまじまじと見つめる
黒刀を取り落とす
さつじんき「クラーレ…って言ったか…お前は…ぱすてん隊長と似ている」
クラーレ「え?」
さつじんき「未練がましいことを言ってしまうが…アマネを…皆を頼む…
そ…して…トロ…モを…っせたら…めだ…」
クラーレ「な。なに?さつじんき!!」
さつじんき「…な…あま…ね…」
あっくん「?…さつじんき?」
さつじんき「…」
あっくん「!!…ねえ!返事してよ!さつじんき!ねえ!!ねえ!!」
クラーレ「あっくん…」
あっくん「兄ちゃん!!」
廃病院に大声が響く
あっくん「はぁ…はぁ…ぐっ…」
さつじんきに覆いかぶさる
あっくん「一人にはさせない…絶対離れないよ…今そっちに…行くから…」
火が強くなっていく
クラーレ「…」
マスター「…ここは危険だ。炎も燃え広がって今倒壊してもおかしくない。
ここから離れるぞ!」
アタルフ「…ああ」
ポツン…
あっくん「?」
ザァアアアアアアァァァァ…
雨が降り始め、
大穴の開いた病院内に雨が降り注ぐ
あっくん「雨…雨…」
夜空から降ってくる雨に当たり、
目を閉じる
愛する兄弟を守ったその体からは、
命の灯が消えかけていた。
ヒナタ「救急車を呼べ‼」
コハル「来るわけないでしょ!?」
ゴフッ…
吐血する
さつじんき「慧を…兄貴を…俺の…傍に…」
アタルフ「…ああ、わかった」
気絶した慧をさつじんきの横に寝かせる
さつじんき「良かった…兄貴…生きてる」
アタルフ(鳩尾に大穴が開いているにも関わらず…そうまでして兄のことを?)
傷口からは血が流れ出ている
さつじんき「マスター…お前は俺を…連れ戻そうとしたのか?」
マスター「当然だ。仲間なら。同じ撲滅隊ならな。
もう喋るな。傷が開くぞ。」
さつじんき「どっちにしろ死ぬ…この傷で生きれたらもはや奇跡だ…」
クラーレ「!!」
撲滅隊としてR勢と戦う上で、俺は一つの心構えが足りていなくとも
紛れもなく、ここは『戦場』なんだ。
人は死ぬんだ。どれだけ弱くとも、強くとも、どれだけ大切な人であっても…
撲滅隊はあくまでRを無くすための組織。R勢を殺すことじゃない。
理不尽に一般人の命を奪うR勢に対して、生きたまま更生させなければならない。
さつじんき「ある日…俺の中に悪魔が囁いた」
~一か月前~
黒ピアス「やぁ。さつじんき」
白髪の黒い星のピアス、マスターとは別の…
さつじんき「!?…あなたは…『あきstar』!?」
黒星 千秋。ぱすてんの唯一の腹心で、
かつてR滅殺隊の隊長をしていた男
アキ「久しぶりだねえ。撲滅隊らしい雰囲気だ」
さつじんき「何しにきた!?」
アキ「会った途端にそんな慄然とした態度とられるとはね…
まあいいや。今日はお土産を持ってきたんだ。」
そういうと、ドサドサッ…と遺体を5、6体放り投げる。
さつじんき「!!これは…?」
アキ「昨日俺と遊んでくれた非R勢。いやぁ、愉快極まりないよ。
この弱肉強食のR勢の世界。強いやつが勝ち、生きる権利を得る。
人殺しはそういう自然の摂理を実感させてくれるよ」
さつじんき「ふざけんな…何が弱肉強食だ…
こいつらがお前に命を償わなければならない程のことをしたのkっ」
アキ「俺さぁ、常々迷ってるんだよね…」
さつじんき「!?」
瞬きの間にさつじんきの背後をとる
アキ「撲滅隊はR勢が群れたりして冷酷非道なことをするから
戦って倒そうとするでしょ?
でも戦う相手が強ければ協力して倒さなきゃ…。
そもそも『隊』って括りなんだから。R勢とやってること変わらないんだよね。
矛盾してると思わない?」
さつじんき「…」
アキ「あっ!そうだ!」
手をパンと叩く
アキ「さつじんきもR勢入りすればいいよ!
そうだそれがいい!慧も赤十邇でとっくに撲滅隊を裏切ってるし。」
さつじんき「…誰がそんなこと…」
アキ「そうすれば渇きが潤う。迷いが消え、一度決めたら曲げない兄の慧とずっと一緒だぜ?
『あっくん』のためにも考えてやれよ」
さつじんき「!!」
バキッ!!
黒い刀がアキに直撃する
さつじんき「甘い誘惑に思わずふらついた…だから殴ったんだ…」
アキ「そりゃあご苦労なこった…」
黒刀を軽々といなす
アキ「選択させるつもりだったけど、撲滅隊って執念深いの忘れてた。
やっぱやるなら強制的にだな」
さつじんき「あ?」
アキ「NOと言えば、『慧』も『あっくん』ともこの世から泣き別れな?」
不敵な笑みを浮かべる
さつじんき「なんだと?」
アキ「たまらないよなぁ、お前の宝物の生き死には俺らR勢が握ってる。
慧はR勢だから生死は上層部が自由に決めれる。あっくんは顔を覚えてるし俺が殺すか」
さつじんき「…」
アキ「決めろ。まあ一択だろうがな。お前らに選ぶ権利なんて与えない。
何もかも徹底的に奪いつくして、絶望のどん底になった屍のお前ら撲滅隊を纏めて鏖だ。」
コハル「そ、それって…」
さつじんき「俺は自ら撲滅隊を敵に回すことを選んだんだ。」
ヒナタ「…」
さつじんき「それがこのザマだ…なあマスター、俺を…引き戻せるか?」
マスター「…」
さつじんき「どうしようもねえ。だろ?」
涙が零れる
あっくん「…」
クラーレ「違うよ」
さつじんき「?」
拳を握りしめる
クラーレ「引き戻せるよ…救えるよ…俺ら撲滅隊…」
マスター「クラーレ…」
クラーレ「なんで言わなかったんだよ…俺らは仲間だろ!?
そんなに頼りないかよ!?抱えてる物をさらけ出すことも許されないほど俺達は軟弱者か!?」
さつじんき「…」
クラーレ「信じて欲しかった…」
火花が散る音が不思議と小さく聞こえる
さつじんき「…
ああ…
俺には見えていなかったのか…
こいつらの底なしの絆が…
さつじんき「みんなごめん…本当にごめん…」
クラーレ「…」
クラーレの顔をまじまじと見つめる
黒刀を取り落とす
さつじんき「クラーレ…って言ったか…お前は…ぱすてん隊長と似ている」
クラーレ「え?」
さつじんき「未練がましいことを言ってしまうが…アマネを…皆を頼む…
そ…して…トロ…モを…っせたら…めだ…」
クラーレ「な。なに?さつじんき!!」
さつじんき「…な…あま…ね…」
あっくん「?…さつじんき?」
さつじんき「…」
あっくん「!!…ねえ!返事してよ!さつじんき!ねえ!!ねえ!!」
クラーレ「あっくん…」
あっくん「兄ちゃん!!」
廃病院に大声が響く
あっくん「はぁ…はぁ…ぐっ…」
さつじんきに覆いかぶさる
あっくん「一人にはさせない…絶対離れないよ…今そっちに…行くから…」
火が強くなっていく
クラーレ「…」
マスター「…ここは危険だ。炎も燃え広がって今倒壊してもおかしくない。
ここから離れるぞ!」
アタルフ「…ああ」
ポツン…
あっくん「?」
ザァアアアアアアァァァァ…
雨が降り始め、
大穴の開いた病院内に雨が降り注ぐ
あっくん「雨…雨…」
夜空から降ってくる雨に当たり、
目を閉じる
EP31 見えない
〜数年前 禁制区域 トパーズ〜
R勢に完全に占領された工場地帯だった地区。
入った者は二度と出てこられないと恐れられている
中でも最小人数かつ最恐の戦隊と恐れられているのが、
赤十邇の六から十を従える「黒い暗殺者」こと『ブラックアサシン』。
秘密の麻薬を巡って起こった戦争の数は数知れず…
僕はそんな過酷な辺境に捨てられた。
あっくん「…」
ザッ…
???「すげえボロボロだなお前…」
あっくん「うるさい…」
???「その首の月模様？かっこいいな」
あっくん「うるさい…」
???「…お前名前は?」
あっくん「うるせえうるせえうるせえ…静かにしないとぶっ殺すぞ!!」
…
沈黙する
あっくん「…行ったか…」
ガシッ!
顎をつかまれる
あっくん「!?」
首筋と顔を凝視する
???「…へえ、随分荒い口聞くと思ったら、お前…そうかそうか…」
あっくん「なんだよ…」
???「いーや?それにしてもよくできてるなぁ、その月の刺青…誰が彫った?」
あっくん「自分で…これ見せたら僕を襲おうとした奴もおびえて逃げるかなって…」
???「ははっ…全っ然怖くねえんだけど!?ハハハハハ!!!」
あっくん「うるせええええ!!ってか誰だよお前は!!」
パッ!
手を放す
さつじんき「俺は殺人鬼だ!!」
あっくん「…はいはいそうですかそうですかついに死神の鎌が俺の首に近づいてきたと。いいさいいさ僕はもう生きてる価値はもちろんそんな気すらないんだからどうぞ殺してくださいご自由にできれば痛くないやり方で…」
さつじんき「は?さつじんきって俺の名前な?何勘違いしてんだ?」
あっくん「え?…」
顔が真っ赤になる
さつじんき「さっ。俺が名前教えたんだ。お前も教えろよ。」
あっくん「虎川 アマネ…
さつじんき「へぇ、いい名前だな」
あっくん「もうほっといてよ」
フードを被る
あっくん「僕と話してるとお前も狙われるよ?」
さつじんき「…」
バキャッ!!
頭を軽く小突く
あっくん「いって…」
さつじんき「そんな見掛け倒しにもなんねえ月は捨てろ。」
あっくん「!!」
さつじんき「わかるか?その月はお前を守ってはくれない。ひどい目にあっても慰めてくれない。
だから俺がお前を守ってやる。」
あっくん「?」
さつじんき「俺がお前を守る『太陽』になってやるよ。」
あっくん「…え？」
さつじんき「ニシシ…勘違いすんなよ？俺は一人ぼっちが嫌なだけだ。同じような境遇に惹かれただけだ。」
そういって『殺人鬼』はニコリと笑った。
『さつじんき』はずっと僕の太陽だった。
ザァアアア…
さつじんき、あっくん「雨だ!!」
バシャバシャ!!…
二人の子供が雨の中水たまりを駆け回る。
あっくん「ちょっとさつじんき!!水溜りで飛ばないでよ!!ビショビショじゃん!」
さつじんき「お日様にも休日が必要なのさ!!」
あっくん「何それ意味わからない!もう僕一人で遊ぶ!!」
さつじんき「まぁまぁ、んなことより水溜りにダイブしようぜ?」
あっくん「だから濡れるのはイヤだって…っておい!!」
バッシャーーーン!
服を引っ掴んで一緒にダイブする
あっくん「もー!!」
さつじんき「悪い悪い…」
あっくん「…ぷっ、あははははは!!」
さつじんき「はははははは!!」
二人の笑い声が雨音をかき消す
さつじんき「…俺ら、月と太陽だろ?」
あっくん「え?うん。」
さつじんき「俺考えてたんだ。俺がお前を守ってやるダイショー。」
あっくん「えー見返り求めるの?」
さつじんき「あたりめえよ!んじゃあ…太陽は月を照らして、月はそれで輝くだろ?」
あっくん「うん」
さつじんき「俺がお前を守ってやる代わりに、お前は俺とR勢を倒すんだ!いい考えだろ?」
あっくん「それで僕も輝ける?」
さつじんき「もちろんさ!!俺らでこの灰色の雲を全部はらってやろうぜ?」
あっくん「うん!!」
バシャ!!
二人で水溜まりの上に寝っ転がる
あっくん「月と太陽かぁ…
さつじんき「いつかきっと…この灰の空を照らせるぜ。二人なら…」
〜赤十邇病院 屋上〜
ザァアアア…
静かに降り注ぐ雨は病院内の炎をかき消していく
あっくん「…」
さつじんき「…
クラーレ「あっくん、さつじんき…!」
アタルフ「…」
ヒナタ「…」
マスター「…これ以上の流血はもうごめんだ。お前らもR勢もこの院内から出ろ!!
火は消えたが、いつ倒壊してもおかしくない!!」
うごはこ「待て。マスター。」
マスター「?」
うごはこ「赤十邇の後処理は俺と…」
ウザイヌ「ああ。俺らで片づける。」
マスター「いいのか?」
うごはこ「罪滅ぼしも兼ねてな…俺らは撲滅隊への入隊申請を出す。」
マスター「わかった。無事にこっちに来いよ」
うごはこ、ウザイヌ「了解。」
ザッ…ザッ…
コハル「…」
さつじんきとあっくんの前に立つ。
コハル「なんだかんだいってたけど、私はアンタらのこと尊敬してたからねぇ…」
二人の手を握る
コハル「せめてもの救い。安らかに眠りなよ。あとは私たちに任せてね。」
マスター「…また逃げたか…」
ムマタゆうめコン
〜廃病院 入口〜
クラーレ「なあ、ヒナタ」
ヒナタ「なんだ?相棒。」
クラーレ「俺、アイツらの力になれたかな?
ヒナタ「どーだろーな。でも少なくとも悪いものではなかったんじゃないか?」
クラーレ「…もしそうなら良かった。そう、もう俺は次にすることが決まっただけでも、嬉しいけどな。」
ヒナタ「なんだソレ」
クラーレ「悪魔を祓うんだ」
さつじんきを苦しめた男。黒シャツと黒ピアスを!
R勢に完全に占領された工場地帯だった地区。
入った者は二度と出てこられないと恐れられている
中でも最小人数かつ最恐の戦隊と恐れられているのが、
赤十邇の六から十を従える「黒い暗殺者」こと『ブラックアサシン』。
秘密の麻薬を巡って起こった戦争の数は数知れず…
僕はそんな過酷な辺境に捨てられた。
あっくん「…」
ザッ…
???「すげえボロボロだなお前…」
あっくん「うるさい…」
???「その首の月模様？かっこいいな」
あっくん「うるさい…」
???「…お前名前は?」
あっくん「うるせえうるせえうるせえ…静かにしないとぶっ殺すぞ!!」
…
沈黙する
あっくん「…行ったか…」
ガシッ!
顎をつかまれる
あっくん「!?」
首筋と顔を凝視する
???「…へえ、随分荒い口聞くと思ったら、お前…そうかそうか…」
あっくん「なんだよ…」
???「いーや?それにしてもよくできてるなぁ、その月の刺青…誰が彫った?」
あっくん「自分で…これ見せたら僕を襲おうとした奴もおびえて逃げるかなって…」
???「ははっ…全っ然怖くねえんだけど!?ハハハハハ!!!」
あっくん「うるせええええ!!ってか誰だよお前は!!」
パッ!
手を放す
さつじんき「俺は殺人鬼だ!!」
あっくん「…はいはいそうですかそうですかついに死神の鎌が俺の首に近づいてきたと。いいさいいさ僕はもう生きてる価値はもちろんそんな気すらないんだからどうぞ殺してくださいご自由にできれば痛くないやり方で…」
さつじんき「は?さつじんきって俺の名前な?何勘違いしてんだ?」
あっくん「え?…」
顔が真っ赤になる
さつじんき「さっ。俺が名前教えたんだ。お前も教えろよ。」
あっくん「虎川 アマネ…
さつじんき「へぇ、いい名前だな」
あっくん「もうほっといてよ」
フードを被る
あっくん「僕と話してるとお前も狙われるよ?」
さつじんき「…」
バキャッ!!
頭を軽く小突く
あっくん「いって…」
さつじんき「そんな見掛け倒しにもなんねえ月は捨てろ。」
あっくん「!!」
さつじんき「わかるか?その月はお前を守ってはくれない。ひどい目にあっても慰めてくれない。
だから俺がお前を守ってやる。」
あっくん「?」
さつじんき「俺がお前を守る『太陽』になってやるよ。」
あっくん「…え？」
さつじんき「ニシシ…勘違いすんなよ？俺は一人ぼっちが嫌なだけだ。同じような境遇に惹かれただけだ。」
そういって『殺人鬼』はニコリと笑った。
『さつじんき』はずっと僕の太陽だった。
ザァアアア…
さつじんき、あっくん「雨だ!!」
バシャバシャ!!…
二人の子供が雨の中水たまりを駆け回る。
あっくん「ちょっとさつじんき!!水溜りで飛ばないでよ!!ビショビショじゃん!」
さつじんき「お日様にも休日が必要なのさ!!」
あっくん「何それ意味わからない!もう僕一人で遊ぶ!!」
さつじんき「まぁまぁ、んなことより水溜りにダイブしようぜ?」
あっくん「だから濡れるのはイヤだって…っておい!!」
バッシャーーーン!
服を引っ掴んで一緒にダイブする
あっくん「もー!!」
さつじんき「悪い悪い…」
あっくん「…ぷっ、あははははは!!」
さつじんき「はははははは!!」
二人の笑い声が雨音をかき消す
さつじんき「…俺ら、月と太陽だろ?」
あっくん「え?うん。」
さつじんき「俺考えてたんだ。俺がお前を守ってやるダイショー。」
あっくん「えー見返り求めるの?」
さつじんき「あたりめえよ!んじゃあ…太陽は月を照らして、月はそれで輝くだろ?」
あっくん「うん」
さつじんき「俺がお前を守ってやる代わりに、お前は俺とR勢を倒すんだ!いい考えだろ?」
あっくん「それで僕も輝ける?」
さつじんき「もちろんさ!!俺らでこの灰色の雲を全部はらってやろうぜ?」
あっくん「うん!!」
バシャ!!
二人で水溜まりの上に寝っ転がる
あっくん「月と太陽かぁ…
さつじんき「いつかきっと…この灰の空を照らせるぜ。二人なら…」
〜赤十邇病院 屋上〜
ザァアアア…
静かに降り注ぐ雨は病院内の炎をかき消していく
あっくん「…」
さつじんき「…
クラーレ「あっくん、さつじんき…!」
アタルフ「…」
ヒナタ「…」
マスター「…これ以上の流血はもうごめんだ。お前らもR勢もこの院内から出ろ!!
火は消えたが、いつ倒壊してもおかしくない!!」
うごはこ「待て。マスター。」
マスター「?」
うごはこ「赤十邇の後処理は俺と…」
ウザイヌ「ああ。俺らで片づける。」
マスター「いいのか?」
うごはこ「罪滅ぼしも兼ねてな…俺らは撲滅隊への入隊申請を出す。」
マスター「わかった。無事にこっちに来いよ」
うごはこ、ウザイヌ「了解。」
ザッ…ザッ…
コハル「…」
さつじんきとあっくんの前に立つ。
コハル「なんだかんだいってたけど、私はアンタらのこと尊敬してたからねぇ…」
二人の手を握る
コハル「せめてもの救い。安らかに眠りなよ。あとは私たちに任せてね。」
マスター「…また逃げたか…」
ムマタゆうめコン
〜廃病院 入口〜
クラーレ「なあ、ヒナタ」
ヒナタ「なんだ?相棒。」
クラーレ「俺、アイツらの力になれたかな?
ヒナタ「どーだろーな。でも少なくとも悪いものではなかったんじゃないか?」
クラーレ「…もしそうなら良かった。そう、もう俺は次にすることが決まっただけでも、嬉しいけどな。」
ヒナタ「なんだソレ」
クラーレ「悪魔を祓うんだ」
さつじんきを苦しめた男。黒シャツと黒ピアスを!
EP32 新たな覇道
あの夜の戦いのあと、俺達３人（ヒナタ、コハルさん、クラーレ）は
治療を受け、3日間安静にした後で
酒場に集められ、幹部から尋問を受けた。
〜ポヨヨモンド地区 酒場〜
マスター「見聞きしたのはこれだけか…」
クラーレ、ヒナタ、コハル「…」
三人とも沈黙が入る。内一人は寝ているだけだが…
コハル「くぅ…かぁ…くぅ…」
スタン「一体全体どういうつもりなのか…お前たちの勝手のおかげで
大事な戦力が欠けた。どう責任をとるつもりだ?」
アタルフ「…」
ヒナタ「ごめん。」
クラーレ「ヒナタは謝らなくてもいいよ。言い出しっぺは俺だし。」
スタン「責任を自分で被るやつは、それがどういうことなのかを理解していない。」
ブンッ!
拳がクラーレの目の前で静止する
クラーレ「!!」
止まった!?
きよはる「恥ずかしいよ?スタンさん。撲滅隊トップクラスの腕前のお前がそんなに短気なんじゃあ。」
鎖でできた縄がスタンの腕に巻き付いている
スタン「…」
きよはる「それにしても大変だったねー。3人…いや2人共。」
爆睡するコハルを横目に告げる
クラーレ「…」
淡い黄緑色の頭髪に真っ黒な光のない目。元警官のきよはるは元軍人のスタンとは相性悪目だ。
きよはる「ムマタゆうめコン。今回も逃げたのか。なんというか卑怯だな…」
アタルフ「ああ。何より首領の赤十邇 慧も姿を消している。」
幹部全員が首をひねる
マスター「…3人とも、今日はもういい。帰って休め。」
ヒナタ、クラーレ「はい。」
マスター「コハルは残れ。」
コハル「ハァ☆」
〜撲滅隊屋上〜
クラーレ「はぁ…」
会議が終わった後、俺は一人で撲滅隊の屋上に向かった。
理由はない。
ただ一人になりたかったんだ。
クラーレ(俺が撲滅隊に入ったのも、この屋上だったな…)
???「何を黄昏ている?」
クラーレ「!?」
屋上のタンクの上に見慣れた十字架の袴を着た男が立っている
だが、その十字架にはバツ印が上から塗られていた。
クラーレ「赤十邇 慧!?どうしてこんな所に?」
慧「…」
かっかっ…
クラーレの目の前まで迫る
クラーレ「?」
バキャッ!!
右ストレートを繰り出す
クラーレ「痛って!!」
慧「俺はもう赤十邇じゃない。神楽坂 慧。さつじんきの兄だ。」
クラーレ「!!」
慧「…お前は俺を殺さないのか?」
クラーレ「え?なんで?
慧「お前の大切な『仲間』を殺したのだぞ?」
クラーレ「…あはは、俺には無理だよ。それに、俺はアンタには生きていてほしいんだ。」
慧「!?…なんだと」
クラーレ「撲滅隊だったさつじんきさんを覚えていられるのは、兄であるアンタだけだから。」
慧「…」
目を見開いてうつむく
クラーレ「俺はアンタが自殺したんじゃないかって心配だったんだ。生きていてよかった。」
慧「…俺はお前達とは敵でも味方でもない。二度と顔は…」
あまりの罪悪さに言葉に詰まる
慧「情報をやる」
クラーレ「へ?」
慧「増殖隊と戦ったアジトがあるだろう?強くなりたければそこに来い。
手合わせをして、一本取れたら、有力な敵の情報を教えてやる。」
クラーレ「いいんですか!?」
慧「勘違いするな。言っただろう。俺は味方ではない。これは単なる取引。
お前に情報を教える代わりに、
お前が俺と手合わせをするんだ。」
クラーレ「ありがとうございます!」
慧「…邪魔したな。それではまたな。」
フッ…
瞬きのうちに消える
クラーレ「…」
なんか…相手が悪かっただけであの人は間違いなく強いよな…
ガチャ
扉が開く
マスター「?…あれ?誰かいた?」
クラーレ「マスターさん?いや、誰もいませんよ?」
マスター「ふーん、そうそう、今夜、お前に合わせたい人がいるんだ。」
クラーレ「合わせたい人?」
マスター「夜に公園にこい。そんだけ。」
フッ…
消える
クラーレ（…）
今日は目の前から人がよく消えるな…
- ｰｰｰ
〜その夜 はじまりの公園〜
俺がマスターと出会った公園。
クラーレ「ええと、何ですか？なんでここに…」
マスター「いいからいいから。」
クラーレ（まさかまた殴られるんじゃ…）
ふと公園の奥のジャングルジムの天辺に人が座っている。
クラーレ「人？こんな夜中に…マスターさん?」
気づくとマスターは消えていた。どっかに隠れたのか?
クラーレ「というか、あの人影どっかで…」
ヒュオン…
突如激しい風が公園を襲う
クラーレ「!?…なんっだ!?」
ヒュゴゴゴゴゴ…
しばらくして風が止む
すると、目の前に白いワンピースを着た少女が立っていた
クラーレ「え…え?誰?っていうか何だったんだろう、あの風…」
???「久しぶり」
その少女は穏やかに告げた
クラーレ「!!
聞き覚えのある声だった。
クラーレ「あっくん!!?」
あっくん「いや、久しぶりっていう程でもないか」
クラーレ「え…生きてたのか!?お前…なんで、というか女の子だったのか!!?」
あっくん「は?男だって言った?っていうか夜中なんだし大声出さないでくれる?」
クラーレ「あ、悪い。
毒舌は変わってねえんだな…
あっくん「あのあと『けいちゃ』が僕を手当てしてくれたんだ。」
クラーレ「え？けいちゃ？」
あっくん「赤十邇慧だよ。もしかして忘れたの？」
クラーレ「あーはいはい。けいちゃね。」
あの性格で『けいちゃ』は無理があるだろ…
あっくん「そのあと、アタルフとマスターが手当てされて撲滅隊本部の前に置かれてた僕を保護したんだよ」
クラーレ「そうか…そうか…」
あっくん「?…どしたの？」
ガシッ!!
あっくんを抱きしめる
あっくん「ちょっ…おい!!」
クラーレ「うわあああああぁぁぁ!!よかった!本当に良かった!!生きててくれてよかった!!」
夜の静けさをかき消すような叫び声が響き渡る
あっくん「…ありがとうクラーレ。それに、皆も。」
公園の入り口には、撲滅隊の仲間たちが立っていた。
クラーレ「良かった…」
- ｰｰｰ
その頃 撲滅隊本部では…
ジャラジャラ…
鎖の鳴る音が響く
コハル「あれ?もう行くの?今公園でみんなで集まってるのに。」
きよはる「ん?あぁコハルか。こればかりはな、撲滅隊である限り戦闘は付き物ってわけ。
楽しんでばかりはいられないしねぇ。」
コハル「アンタが楽しんでるの見たことないわ。まぁ、無茶せずほどほどにね。
きよはる「のんびりはしねぇさ。新人の野郎も頑張ったようだし、適度に暴れはするがな。」
コハル「ふーん。警官ってよくわからないわ。で？どこで仕事するの?」
きよはる「なぁに、ちぃとばかし荒れた地区にある教会と娯楽の調査。」
コハル「?」
きよはる「『十字架のサーカス』だよ」
バトデラ好戦 赤十邇 〜裏極〜 完
Season3~十字架のサーカス~
EP33 最恐の地区
数ある地区の中で
最もR勢が多いとされる最恐の地区。
『トパルフ地区』。
そんなだけあって、
R勢組織の数も数え切れない
ほど存在するが、
中でも無敗と恐れられる組織が
はずれの埠頭に存在している。
トパルフ第三埠頭 ブラックアサシン本部〜
ザァァァ…
濁った雨が埠頭に積まれた
コンテナに降り注ぐ
ユウメ「お゛ッえ゛ー…帰りに酸性雨とか
ありえないんですけど…」
ソウル「言うほど濃くないだろ。
希塩酸程度じゃね?姉貴」
ユウメ「それ濃淡どうこう依然に○ぬんだわ」
軽くツッコミを入れて愚痴を並べ、
数多のコンテナが積まれた埠頭の奥に
「黒殺」と書かれた表札が
貼ってある広場へ入っていく
ユウメ「ただいま戻った」
???「お?帰ってきたんかいな。
ユウメはん。」
顔にヒビの入った男が失笑する
ユウメ「悪いが。けいちゃは奪われたぞ。」
???「…ホンマか?そりゃあマズイんとちゃうか?
R勢を支える柱が一本なくなってもうたやないか?
かー…ペッ」
プロテインの容器に入ったガソリン
(ハイオク)を飲み干し、
ユウメのとなりにいたソウルに吹きかける。
ソウル「きったね!何するんすか!」
???「お前こそ何ちゃっかり入っとんや。
ここはセキジュージの六〜十番しか
入ったらアカン神聖な場やねんで?」
ユウメ「やめろシーバ。私達は兄弟だ。
私が六番ならコイツも六番だ。」
裏赤十爾 第七爾 シーバ
シーバ「ええ…ごめんなぁユウメはん。
お前がええならええけど…」
??「五月蝿い。聞くに耐えない会話だ。
暫く黙っとけシーバ」
コンテナの影の隅で寝そべる
裏赤十爾 第八爾 マクレン
シーバ「これは交友やって!堅苦しいなマーさんは!」
マクレン「そういう態度が鼻につくんだ…
軽薄は冷静とはまた違う。早死するぞ。」
シーバ「いやいや、俺もその気になれば
マーさんでも倒せる自信はあるけん!」
マクレン「ほー」
軽く受け流す
ユウメ「…あの。首領は。」
シーバ「おー!!首領はまだいないみたいやなぁ!
それよりユウメ!久しく会ったんやから
手合わせしようや」
マクレン「黙れってのに…あーダル…寝よ」
ユウメ「あの私は…」
ビビビッ!!!
ユウメ「カッ…」
ソウル「カッ…」
シーバ「カッ…」
マクレン「…」
極小の針がツボを突き、
4人の身動きを封じる
マクレン「…来たか。九番…」
???「皆揃うなんて珍しいなぁ。
とても嬉しいよ…今日も
素晴らしい能力をもった
素晴らしい君達による
素晴らしいたち振る舞いを見られて…
僕は幸せだよ…」
裏赤十爾 第九爾 るあ
ソウル「そう思うんならこの針外してくださいよ…」
るあ「残念だけどそれは出来ないんだ…
ほら、あれだよ。ボスがお出ましだからさぁ」
ソウル「!!」
ユウメ「!!」
シーバ「!!」
マクレン「!!」
全員が高々と積まれたコンテナ
の上を見る
?「…はぁ。今日は気分が重いなぁ…
酸性濃度がいつもより高いからかなあ。
こういう日は何か起きるって
思ってたトコで…
お前らが訪問してきたんだ…
言いたい事わかる?」
バッ…
ユウメとソウルを指差す
?「乱気流が来た」
裏赤十爾 第十爾 黒星千秋 通称:アキ
ユウメ「…」
アキ「で?神楽坂慧は?クラーレは手に入れたか?」
ユウメ「いや…全て中途でマスターによって台無しです」
アキ「…そっか」
ニイッと笑みを浮かべる
るあ「どうするんだい?」
アキ「…俺らはいずれ撲滅隊を潰す。
そしてマスターを壊す。
そのためには削りを入れる。
そう…まずは十字架のサーカスにて」
最もR勢が多いとされる最恐の地区。
『トパルフ地区』。
そんなだけあって、
R勢組織の数も数え切れない
ほど存在するが、
中でも無敗と恐れられる組織が
はずれの埠頭に存在している。
トパルフ第三埠頭 ブラックアサシン本部〜
ザァァァ…
濁った雨が埠頭に積まれた
コンテナに降り注ぐ
ユウメ「お゛ッえ゛ー…帰りに酸性雨とか
ありえないんですけど…」
ソウル「言うほど濃くないだろ。
希塩酸程度じゃね?姉貴」
ユウメ「それ濃淡どうこう依然に○ぬんだわ」
軽くツッコミを入れて愚痴を並べ、
数多のコンテナが積まれた埠頭の奥に
「黒殺」と書かれた表札が
貼ってある広場へ入っていく
ユウメ「ただいま戻った」
???「お?帰ってきたんかいな。
ユウメはん。」
顔にヒビの入った男が失笑する
ユウメ「悪いが。けいちゃは奪われたぞ。」
???「…ホンマか?そりゃあマズイんとちゃうか?
R勢を支える柱が一本なくなってもうたやないか?
かー…ペッ」
プロテインの容器に入ったガソリン
(ハイオク)を飲み干し、
ユウメのとなりにいたソウルに吹きかける。
ソウル「きったね!何するんすか!」
???「お前こそ何ちゃっかり入っとんや。
ここはセキジュージの六〜十番しか
入ったらアカン神聖な場やねんで?」
ユウメ「やめろシーバ。私達は兄弟だ。
私が六番ならコイツも六番だ。」
裏赤十爾 第七爾 シーバ
シーバ「ええ…ごめんなぁユウメはん。
お前がええならええけど…」
??「五月蝿い。聞くに耐えない会話だ。
暫く黙っとけシーバ」
コンテナの影の隅で寝そべる
裏赤十爾 第八爾 マクレン
シーバ「これは交友やって!堅苦しいなマーさんは!」
マクレン「そういう態度が鼻につくんだ…
軽薄は冷静とはまた違う。早死するぞ。」
シーバ「いやいや、俺もその気になれば
マーさんでも倒せる自信はあるけん!」
マクレン「ほー」
軽く受け流す
ユウメ「…あの。首領は。」
シーバ「おー!!首領はまだいないみたいやなぁ!
それよりユウメ!久しく会ったんやから
手合わせしようや」
マクレン「黙れってのに…あーダル…寝よ」
ユウメ「あの私は…」
ビビビッ!!!
ユウメ「カッ…」
ソウル「カッ…」
シーバ「カッ…」
マクレン「…」
極小の針がツボを突き、
4人の身動きを封じる
マクレン「…来たか。九番…」
???「皆揃うなんて珍しいなぁ。
とても嬉しいよ…今日も
素晴らしい能力をもった
素晴らしい君達による
素晴らしいたち振る舞いを見られて…
僕は幸せだよ…」
裏赤十爾 第九爾 るあ
ソウル「そう思うんならこの針外してくださいよ…」
るあ「残念だけどそれは出来ないんだ…
ほら、あれだよ。ボスがお出ましだからさぁ」
ソウル「!!」
ユウメ「!!」
シーバ「!!」
マクレン「!!」
全員が高々と積まれたコンテナ
の上を見る
?「…はぁ。今日は気分が重いなぁ…
酸性濃度がいつもより高いからかなあ。
こういう日は何か起きるって
思ってたトコで…
お前らが訪問してきたんだ…
言いたい事わかる?」
バッ…
ユウメとソウルを指差す
?「乱気流が来た」
裏赤十爾 第十爾 黒星千秋 通称:アキ
ユウメ「…」
アキ「で?神楽坂慧は?クラーレは手に入れたか?」
ユウメ「いや…全て中途でマスターによって台無しです」
アキ「…そっか」
ニイッと笑みを浮かべる
るあ「どうするんだい?」
アキ「…俺らはいずれ撲滅隊を潰す。
そしてマスターを壊す。
そのためには削りを入れる。
そう…まずは十字架のサーカスにて」
EP34 柵
数週間前 廃病院〜
クラーレ「ヒナタ…やるべきことが見つかった。」
ヒナタ「…ああ」
クラーレ「さつじんきの心を壊した
黒シャツ野郎と黒星千秋を倒す!!」
ヒナタ「…俺も同じ気持ちだ」
酒場〜
廃病院での戦いから数週間経ち、
撲滅隊は…
何気ない日々を取り戻していた…
ヒナタ「なぁ…本当に行くのかよ…?」
クラーレを引き留める
クラーレ「じっとなんてしてられない。
一秒でも早くRを撲滅するんだ!」
ヒナタ「いくら目的が見つかったからって
早まりすぎだ!!」
クラーレ「今から行くんだよ!絶対にぃ…!」
ヒナタ「だからやめろってぇ!!」
ギギギ…
クラーレを必死に引き止めるヒナタ
そこへ焦げ茶色の髪をした男が
その場に近づく
スタン「何してんだお前ら」
クラーレ「す…菅原炭彦!!」
スタン「呼び捨てかよ」
ヒナタ「クラーレがR勢倒しに行くって聞かないんだ」
クラーレ「何とか言ってやってください!」
ヒナタ「いやお前にだよ!!」
スタン「…何でもいいけどよぉ。
今日、撲滅隊の会議だぞ?」
クラーレ、ヒナタ「へ?」
二人して茫然とする
スタン「んだよお前ら。
知らずに来てたのかよ。
ま、どちらにせよここが会議場だしな。
遅刻せずに済んだじゃねえか。」
クラーレ「そんなの言ってました?」
ヒナタ「いや聞いてない」
スタン「は?おかしいな…あ、そうか
お前ら怪我で寝てたんだっけ。
じゃあ、しゃーないわな。」
あっくん「そうだよ」
スタンの背後の席にちょこんと座っている
スタン「うんうん。そうだよな〜…って…ええ?
虎川…お前いつからそこに…」
あっくん「3人が来る前だよ」
スタン「あー鳥肌立った…」
クラーレ「体調良くなったのか…!
良かった…」
ヒナタ「おい俺の心配は?」
クラーレ「へ?ああ、もちろん心配して…」
ヒナタ「軽症だからって仲間の
安否!!態度を変えるとは!!けしからん!けしからんアイボォォォォォ!!!」
クラーレ「ヒナタは鞭とかのかすり傷で
済んで良かったじゃないか」
ヒナタ「ふん!!どうせ俺は心配してもらえないんだ!!
ふん!!」
チラッ…
クラーレ「さっ…あっくん。会議始まるし席どうぞ」
あっくん「ありがと」
ヒナタ「バディィィィィィ!!??」
アタルフ「うるせえ!」
ズビシッ!!
首をぶったたく
ヒナタ「おごえッ!!」
ドサ…
アタルフ「ったく…」
マスター「ん?…何してんだヒナタのヤツ」
アタルフ「完治したからテンションが
上がってんじゃねーの?それより会議だ。
みんな席つけー。」
そういってヒナタを持ち上げて椅子上に乗せる
そうしていつもの撲滅隊が始まった
50分後〜
スタン、コハル「グゥー…」
マスター「ふわあぁぁぁあ…zZ」
アタルフ「じゃあ、見回りの配置は
さっき説明したとおりにな。では解散。
クラーレとヒナタ、あっくんは残れよ」
3人「はい」
酒場〜
ヒナタ「何の用ですか?」
アタルフ「ああ。実はお前ら3人に
行ってきて欲しいかトコがある」
あっくん「…?」
クラーレ「行ってきて欲しい所?」
アタルフ「財団だ」
ヒナタ、あっくん(!…財団!)
クラーレ「なあ…俺財団とかイマイチ
わからないんだけど」
ヒナタ、あっくん「…」
アタルフ「財団ってのは一般市民を
R勢から守るのに創られた保護団体。
撲滅隊が倒したR勢の処理とかも
請け負ってる。武力は用いずに
撲滅隊を長いこと支援してきた組織だ。」
クラーレ「なるほど」
アタルフ「んで、さっきの話だが
見に行ってほしいというか…
ある意味確認だ。
先日、最悪の地区であるトパルフ地区
の周囲を覆うバリケードにヒビが入った
との情報があってな。
一応財団に聞いて確認してきてほしい。」
ヒナタ「トパルフ地区ってR勢の溜まり場じゃん。
そんな大事なバリケードの点検なんて
重要な役目を何で俺らが?」
アタルフ「他にまともな奴がいないからな。
唯一正常なキヨハルは依頼中。
お前らに頼んだんだ。
それに新人として経験を積んでほしいからな。
頼んだぞ3人共。」
3人「了解」
財団〜
巨大な研究所のような施設が
海上に佇む。
職員「代表。撲滅隊本部からお電話です」
代表「あ。本当かい。
すまないねえ。よいしょっと…」
書類から目を離す
代表「もしもし…?ああ、お客様3人ですね。
了解致しました。
早速お出迎えの準備をさせていただくよ。」
EP35 いざ
バトデラ財団
この世界、
バトデラシティは
5つの地区に分けられる。
ポヨヨモンド地区
エメ・D・ラルド地区
スタンサファイア地区
ギガルビー地区
トパルフ地区
バトデラ財団は5つの地区の内のどれかに
あるが、その場所は殆どの人が知らない。
知っているのはごく僅かの関係者のみ。
構成員はおよそ200人
代表、副代表がそれぞれ1人ずつ。
そしてその他財団職員で構成されている。
R勢、非R勢のいずれにも属さない保護団体こと財団。
日々、両派閥の戦いによって出た
被害者達の旱天慈雨に徹する
ヒナタ「とにかく財団に何か遭ったらマズい。
徹底的に調べねえと・・」
あっくん「君そんなに真面目なこと言う人だっけ。
能力と発言の合致しない爆発小僧」
ヒナタ「あぁん？」
あっくん「おぉ？」
バチバチバチ・・・
クラーレ「二人ともやめろって・・・」
俺の名前は九楽 澪。
名前の漢字の読みの頭文字をとって
「クラーレ」と呼ばれている。
新人幹部の撲滅隊員だ。
財団へ向かうためにヘリに乗ってるところだ。
財団の位置は知られてはならないため、
スタンさん以外の3人は目隠しをしている。
スタン「ただでさえ狭いヘリなんだから暴れんなガキ共()」
クラーレ「あの、財団がなくなったら具体的に何がマズいんですか？」
スタン「いい加減寝させてくれねぇかなぁ・・・
昨日は仕事とかマスターの面倒でろくに寝れてないんだが・・・」
多分仕事１：マスター９くらいの比率だろう
クラーレ「すみません・・・」
スタン「撲滅隊はな、あくまでR勢の更生が目的だ。
二度と悪質な被害を出さないようにな。」
クラーレ「はい」
スタン「でもな、更生の余地が見られず、
R勢として醜い業を突き通すハエ共もいる。」
クラーレ「…」
増殖隊や赤十邇…
スタン「ソイツらは人じゃねぇ。
血の一滴も残らないように叩き潰す。」
突然の殺気にビリビリと鳥肌が立つ。
クラーレ「・・・」
スタン「そしてその処理は財団がやってる。」
クラーレ「アタルフさんも言ってたな…」
スタン「いくらR勢とはいえ、
俺らがR勢にする仕打ちは一般人にとっては惨いことこの上ない。
一般区民に屍を晒すわけにはいかないからな」
ヒナタ「アマネのアはアホのア〜！！」
あっくん「日向のヒは貧弱のヒ〜！！」
スタン「黙れってのに。ガキか…
まぁR勢よりよっぽどマシだが」
そういって煙草に火をつけようとする
操縦士「スタンさん煙草やめてくださいよ。
機内ですので」
スタン「あ、悪い。」
クラーレ「…」
18歳とは裏腹の…ダンディ
操縦士「着きました。バトデラ財団です。」
スタン「もうか・・・あ〜寝れなかった・・・」
寝癖だらけな焦げ茶色の頭を掻く
クラーレ（なんか申し訳ない・・・）
〜財団施設
操縦士「スタンさん御一行を連れてまいりました。」
???「うむ。」
モダンな建物の入り口に
大柄のスーツの男が立っている
スタン「おーアブさん。久しぶり。」
???「お久しぶりですスタンさん。あと『ヤブ』です」
クラーレ「あの…誰ですか?」
ヨシヒロ「申し遅れました。
私は財団副代表を務めております。
『藪 ヨシヒロ』と申します。
親しみを持って接してほしいので
ヨシヒロとでも呼んでください。」
クラーレ「あ、クラーレです。よろしくお願いします…
藪さん。」
ヨシヒロ「下の名前でって…まぁいいでしょう。」
ヒナタ「その見た目で親しみとか無理でしょ…」
ヨシヒロ「…」
ゴッ!
すかさずスタンの鉄拳が降ろされる。
スタン「すんませんね。内の馬鹿が。」
ヒナタ「グォォ…いてぇ…」
ヒナタがのたうち回る
ヨシヒロ「そ…それでは中にお入りください。
案内いたします」
スタン「あぁ。よろしく頼む。」
そういってタバコを取り出すが・・・
ヨシヒロ「施設内は禁煙です。
これで44度目の訪問で43回目の注意ですよ?」
スタン「…！！」
軽くショックを受ける
っていうかどんだけタバコ好きなんだよ
〜施設内〜
財団の入り口から入ってすぐのところには、
保護区があった。
動植物やR勢の被害者、更生者
を保護し、復帰できるようにしているのだ。
あっくん「いい空気…」
ヨシヒロ「はい。財団内では保護区だけでなく、
全ての屋内外で清潔な空気を保っています。
それはすべてエメ・D・ラルド地区の森林の
おかげです。」
スタン「へぇへぇ〜」
訪れる度に言われているからか
スタンさんが軽くあしらう
エメⅮラルド地区。
森林の多い、平和な地区の一つだ。
クラーレ「…」
俺はヨシヒロから目が離れなかった
ヨシヒロ「どうかしました？」
クラーレ「あ、いや何も」
デカい。とにかくデカい。
190cmはあるぞ…
見た目だけならアタルフさんと
互角かと思う程のガタイの良さ。
スタン「カブ。今日来たのは
電話で打ち合わせした通り、
トパルフ地区のバリケードの確認および修繕だ。」
ヨシヒロ「ああ、存じております。
その前に、代表の許可を取りたいので
一度挨拶に行きますので。
あと、ヤブです。藪。もう覚えてくださいよ。」
スタン「できれば覚えとくわ」
絶対覚える気ないだろ
そしてコンコンコン
と、ヨシヒロさんが代表室をノックし
ヨシヒロ「代表。客人たちが訪問です。」
代表「どうぞ」
がちゃ…
ゆっくりとドアを開ける。
白い部屋が露わになる
代表「やぁ。わざわざ出向いてきてくれてありがとう。」
黒髪黒目の普通の青年が
丁寧に言葉を並べる
スタン「…ああ」
スタンが歯切れの悪い返答を返す
代表「あれ?そこの子たちは…」
スタン「あぁ、こいつらは撲滅隊の新人だ。」
あっくん、クラーレ、ヒナタ「はじめまして」
代表「僕はバトデラ財団代表の『宇梶 ユウキ』
ユウキでいいよ。」
優しい口調で話す
ユウキ「えーと…なんだっけ…」
ヨシヒロ「トパルフ地区のバリケード修復
及び財団設備点検です。」
ユウキ「そうだったそうだった…
じゃあ、とりあえずバリケードに案内するよ。
ついてきてくれ。」
〜保護区〜
猫「にゃ〜ん」
あっくん、ヒナタ「か・わ・い・い…！！」
二人が子猫を取り合いする
ユウキ「そうだろ〜？
この子は保護区の動物の中で一番可愛いんだ」
スタン「仲良いのか悪いのか分からないな」
クラーレ「あの…バリケードってどこに…」
ヨシヒロ「…申し訳ないですが、バリケードの
場所を知る者は、財団の中では代表だけです。
そしてバリケードにいけるのは
R撲滅隊の中でスタン、アタルフ様のみです。」
スタン「なんでアザミだけ様付けすんだよ。
というか、クラーレ。
お前バリケードがどれだけ重要か
分かってないだろ。」
クラーレに言う
スタン「お前らが赤十邇と戦った『ギガルビー地区』。
増殖隊と戦った『エメ・Ⅾ・ラルド地区』。
キヨハルが偵察に行ってる『スタンサファイア地区』。
その中のどの地区とも比べ物にならない。
それがトパルフ地区。最も危険な地区だ。」
そういったことは
撲滅隊の誰もが口にしていた
ユウキ「R勢と非R勢の戦争時、
R勢は一人では戦えず、必ず複数人で固まって
戦っていたんだ。
まぁ、それでもR勢の多くは勝てなかったけどね。」
ヒナタ「はっ！！当然だな！！」
スタン「黙って聞いとけ」
ユウキ「そんな中、
単独で非R勢と互角、いや
中にはそれ以上に渡り合うR勢がいた。
それがトパルフ地区のR勢だ。」
スタン「R勢はその統率力によって統制され、
最恐の地区、トパルフ地区が誕生し、
当時の非R勢は壊滅した。
バリケードは、トパルフ地区の戦力が
他地区に拡大しないようにするためだ。」
クラーレ「・・・トロモフも
そこにいるんですか」
ユウキ「!?」
その場にいた全員も振り返る
スタン「あぁ、いるだろうな。
何せ、地区名の由来が奴だからな。」
クラーレ「俺は九楽澪。トロモフを倒して
Rを全滅させるために
青空を取り戻すために来ました。」
見えないはずの片目はしっかりと
生きる道筋を捉えていた。
ユウキ「正気じゃないね」
スタン「…まぁ、そうだろうとは思ってたが。」
クラーレ「え？」
スタン「入隊するときの顔を見れば
何が目的か大体わかる。」
そういってタバコを取り、
クラーレの失明していない方の片目を指差す。
スタン「特にお前みたいに、
黒く濁った目をしてる奴は
皆同じ。トロモフ狙いだ。」
クラーレ「そうなんですか…」
満更でもなさそうに相槌を打つ
スタン「っつーわけだ。代表。
バリケードをコイツにも見せてやれ。」
ヨシヒロ「駄目ですよ代表！
ベテランならまだしも新人なんて…」
ユウキ「いいよ。」
ヨシヒロ「え？」
ユウキ「トロモフをやれる人を、
俺は一人でも重宝するよ。
ヨシヒロ、あっくん、ヒナタは待機ね。」
あっくん、ヒナタ「えぇ…」
ヨシヒロ「…」
ユウキ「じゃ、スタンとクラーレご案内」
EP36 壁と残穢
錆びたドアの前に3人が立つ。
スタン「この先は地獄だ。
覚悟はできてるか？」
クラーレ「！！」
この先が…
バリケード…
トパルフ地区を塞ぐための…
クラーレ「はい！！」
スタン「じゃあ、開けてくれ」
ユウキ「堅苦しいなぁ。
別にただの壁と変わらないし」
スタン「その壁がないと
人口の7割が一瞬でお陀仏なんだよ」
ギィ…
錆びた扉を開けると、
高くて分厚い、
巨大なバリケードの上に
3人は立っており、
見下ろせばトパルフ地区の赤黒い地面が
眼前に広がる
ドスッ！！
スタンの顔面にナイフが飛んでくる
クラーレ「!⁉…スタンさん！！」
スタン「ほらな」
なんとナイフが飛んでくるのを
読んで目の前に土壁を入れていた。
スタン「R勢は狂人だ。
まともな神経じゃあこういったことはできない。」
そういって壁に刺さったナイフを抜く
スタン「毒を以て毒を制す」
グサッ！！
ナイフを下にいるR勢に投擲し、
見事に突き刺さる
スタン「悪いな。想定内。」
クラーレ「あ…あ…」
ユウキ「クラーレも気をつけるんだよ
アイツら頻繁に攻撃してくるから」
R勢「おいコラ財団！！
出しやがれ！！我らR勢を敬え！！」
何十人ものR勢がバリケードに群がる
スタン「フゥ…」
タバコの煙をトパルフ地区内に
向かって吐く。
ユウキ「外出て早々に吸うんだ？」
スタン「・・・空が晴れるならタバコでも
何でもやめるんだがなぁ」
そういって火のついたタバコを
群がるR勢に投げ捨てる
R勢「アヅイイィィィィ！！」
悲鳴が聞こえてくる
スタン「悪い。消し忘れた。」
そういうと、
ドオォォォン！！
巨大な土壁が
群がっていたR勢を
押し潰す
スタン「火消したぞ。
これで文句はないな。」
ユウキ「ああ、ないよ。」
クラーレ「…強すぎる」
極致能：グランドオペレート
土を自由自在に操れる
スタン「バリケードには問題なさそうだな」
ユウキ「点検は毎日やってるからね・・ん？」
見下ろすと、潰されたR勢たちのほかに
もう一人R勢がいる
怯えている。
R勢「ひぃ！！」
スタン「クラーレ」
クラーレ「？」
ズシッ…
大きめの土塊を
クラーレに渡す。
クラーレ「…え？」
スタン「それをR勢の頭上に落とせ」
クラーレ「！！」
スタン「ここに踏み入ったからには
静観は許さない。さぁ、やれ」
クラーレ「あ……わ、わかり…ました…
ユウキ「…」
受け取った土塊は
ズシリと重かった。
そしてそれを
R勢に落とす
グシャッ
鈍い音が響く
重さから解放された
手の平には潰されたR勢の
残穢が感じ取られた
スタン「さぁここにいたら忽ち
攻撃が飛ぶ。出るぞ。」
クラーレ「・・・はい」
〜保護区
あっくん「あ、クラーレ達が」
ヒナタ「おー遅いぞお前ら」
ヒナタが手を振る
クラーレ「ああ。悪かったな」
あっくん「顔色悪くない?どうかした？」
クラーレ「いや、なんともないよ」
スタン「ヤブは？」
ヒナタ「用事があるからって
どっかいった。(ヨシヒロ…)」
スタン「代表。話がある。
ちょっと時間くれ。」
ユウキ「？」
スタン「新人共は先に帰れー。
R勢を倒し続ければ、
いずれトロモフにたどり着ける。」
あっくん、ヒナタ、クラーレ「はい！！」
こうして俺達は財団を後にした
EP37 教鞭
財団保護区〜
ユウキ「あの3人。かなり期待できそうだね。
話を聞く限りでもかなり強い。」
スタン「…俺は正直言って嫌いだ」
ユウキ「?」
スタン「人手不足で無理やり
幹部に入れられたようにしか見えないね。」
ユウキ「そうかい？有望に見えたけど」
スタン「アイツ、R勢を潰すのに
躊躇いを見せた。
子どもは軽々しく『〇す』『〇ね』なんて
言うが、本気で実行する奴はいない。
それを、幼子と変わらねぇ
10代半ばのガキに背負わせるんだ。」
枯れた葉を摘み取る
スタン「若芽が摘み取られるのを
俺はこの5年間で何百と見てきた。
それに伴って新人にも自然とシビアになる。」
ユウキ「まぁ、それが渡世ですから」
スタン「それでお前はどこに焦点を向けてる？
財団での活動。それは何を目的としている？」
ユウキ「一般市民や子供たちが
二度と犠牲にならないような社会を作りたい。
それが俺の願いだよ」
スタン「R増殖隊が森林や財団を狙っていたのを
お前らは察知していたはずだ。
職員とか戦力は十分あるだろ。
助けてもらうにせよ、
悪足掻きはしろよ。」
ユウキ「…か弱い財団が
抵抗できるとでも？
それに悪足掻きをすれば
君達の出番はなくなる」
二ヤケ顔を見せる
スタンはクシャっと葉を握り潰す
スタン「戦力を蓄えるにせよ
財団が中立勢であるうちは
手を出さないでおいてやるよ。」
ユウキ「子供達を救おうとしているのが
そんなにいけないこと？」
スタン「子供も一般市民も同じだ」
ユウキ「・・・子供は大人の言う通り。
それが幸せの近道だよ。」
枯れ葉の断片を振りはらい、
スタン「気持ち悪い」
指を差してそういった。
〜撲滅隊本部〜
あっくん「クラーレ、バリケードで何かあった？」
クラーレ「いや、何も」
ヒナタ「本当か？随分元気なさそうだけど」
クラーレ「ただ、R勢も人なんだなって」
ヒナタ「…初めて会ったときに、
君にはR勢をぶっ飛ばすだけで、
殺めることは実践させていない。」
あっくん「あぁ、子供だね」
その身長で言われたくねぇ
あっくん「R勢を殺めたことがないのは
多分僕らの中でクラーレだけじゃない？」
ヒナタ「おぉ！じゃあ精神を保つ特訓を
しなきゃだなぁ！！」
クラーレ「えぇ…え？」
ヒナタ「んじゃ、今から公園で特訓だn・・！！」
ドゴッ！！
突然本部の扉が勢いよく開き、
ヒナタに直撃し、吹き飛ぶ
ヒナタ「ゴフェ！！」
あっくん「ダサ」
クラーレ「大丈夫か？」
きよはる「おー悪い悪い」
スーツにベスト。
そして黒い柄に長めの鎖で
構成された鞭を持っている。
あっくん「きよはるさん！？」
クラーレ「！！」
北条きよはる!!
ヒナタ「きよ…はる…さん…ドア内開きに
変えませんか??ゴフッ」
きよはる「おぉ、頭いいねぇ…ん?」
クラーレを見下ろす
というのも、きよはるは
ヒナタやコハルと同い年。
だが、その常識人さから
最も重宝されている。
あっくん「今からR勢討伐ですか？」
きよはる「あぁ、スタンサファイア地区でね…
いや待てよ？」
無意識の過保護心(この子達三人は新人。
連れて行けばいい経験になる。
これ以上、撲滅隊で狂人を作りたくない…)
きよはる「よし。君達一緒に来い。」
ヒナタ「はぁ!!?いくら先輩でもやっていいことと悪いことがゲフッ!!」
あっくん「ぐっ！！」
クラーレ「がはっ！」
3人とも鎖の鞭で縛られる
きよはる「よーし行くぞぉ!!R狩りだよぉ!!」
満面の笑みで縛った3人を担ぎ、
凄まじい速さでスタンサファイア地区でダッシュした
ユウキ「あの3人。かなり期待できそうだね。
話を聞く限りでもかなり強い。」
スタン「…俺は正直言って嫌いだ」
ユウキ「?」
スタン「人手不足で無理やり
幹部に入れられたようにしか見えないね。」
ユウキ「そうかい？有望に見えたけど」
スタン「アイツ、R勢を潰すのに
躊躇いを見せた。
子どもは軽々しく『〇す』『〇ね』なんて
言うが、本気で実行する奴はいない。
それを、幼子と変わらねぇ
10代半ばのガキに背負わせるんだ。」
枯れた葉を摘み取る
スタン「若芽が摘み取られるのを
俺はこの5年間で何百と見てきた。
それに伴って新人にも自然とシビアになる。」
ユウキ「まぁ、それが渡世ですから」
スタン「それでお前はどこに焦点を向けてる？
財団での活動。それは何を目的としている？」
ユウキ「一般市民や子供たちが
二度と犠牲にならないような社会を作りたい。
それが俺の願いだよ」
スタン「R増殖隊が森林や財団を狙っていたのを
お前らは察知していたはずだ。
職員とか戦力は十分あるだろ。
助けてもらうにせよ、
悪足掻きはしろよ。」
ユウキ「…か弱い財団が
抵抗できるとでも？
それに悪足掻きをすれば
君達の出番はなくなる」
二ヤケ顔を見せる
スタンはクシャっと葉を握り潰す
スタン「戦力を蓄えるにせよ
財団が中立勢であるうちは
手を出さないでおいてやるよ。」
ユウキ「子供達を救おうとしているのが
そんなにいけないこと？」
スタン「子供も一般市民も同じだ」
ユウキ「・・・子供は大人の言う通り。
それが幸せの近道だよ。」
枯れ葉の断片を振りはらい、
スタン「気持ち悪い」
指を差してそういった。
〜撲滅隊本部〜
あっくん「クラーレ、バリケードで何かあった？」
クラーレ「いや、何も」
ヒナタ「本当か？随分元気なさそうだけど」
クラーレ「ただ、R勢も人なんだなって」
ヒナタ「…初めて会ったときに、
君にはR勢をぶっ飛ばすだけで、
殺めることは実践させていない。」
あっくん「あぁ、子供だね」
その身長で言われたくねぇ
あっくん「R勢を殺めたことがないのは
多分僕らの中でクラーレだけじゃない？」
ヒナタ「おぉ！じゃあ精神を保つ特訓を
しなきゃだなぁ！！」
クラーレ「えぇ…え？」
ヒナタ「んじゃ、今から公園で特訓だn・・！！」
ドゴッ！！
突然本部の扉が勢いよく開き、
ヒナタに直撃し、吹き飛ぶ
ヒナタ「ゴフェ！！」
あっくん「ダサ」
クラーレ「大丈夫か？」
きよはる「おー悪い悪い」
スーツにベスト。
そして黒い柄に長めの鎖で
構成された鞭を持っている。
あっくん「きよはるさん！？」
クラーレ「！！」
北条きよはる!!
ヒナタ「きよ…はる…さん…ドア内開きに
変えませんか??ゴフッ」
きよはる「おぉ、頭いいねぇ…ん?」
クラーレを見下ろす
というのも、きよはるは
ヒナタやコハルと同い年。
だが、その常識人さから
最も重宝されている。
あっくん「今からR勢討伐ですか？」
きよはる「あぁ、スタンサファイア地区でね…
いや待てよ？」
無意識の過保護心(この子達三人は新人。
連れて行けばいい経験になる。
これ以上、撲滅隊で狂人を作りたくない…)
きよはる「よし。君達一緒に来い。」
ヒナタ「はぁ!!?いくら先輩でもやっていいことと悪いことがゲフッ!!」
あっくん「ぐっ！！」
クラーレ「がはっ！」
3人とも鎖の鞭で縛られる
きよはる「よーし行くぞぉ!!R狩りだよぉ!!」
満面の笑みで縛った3人を担ぎ、
凄まじい速さでスタンサファイア地区でダッシュした
EP38 パンとサーカス
〜スタンサファイア地区〜
サファイアという名前の通り、
青い海が一面に広がる海辺の地区。
というのは半分。
その漁村は治安が悪い。
漁業にウンザリしてきた村人たちは
サーカスや格闘技などに夢中になる。
ドサドサドサッ!!
鎖から解放された3人が
地面に落とされる
クラーレ「ゲホッ！ゲホッ！」
ヒナタ「苦しかったぁ…」
あっくん「乱暴が過ぎる…!」
きよはる「かけ湯だよ。かけ湯。」
ヒナタ「はぁ？」
ジャラジャラと鎖を振る
きよはる「私たちは今から
死ぬほど攻撃されて痛みを受ける。
これくらいの痛みは
前もって感じとかないと、
いざ実践になったときに発狂するぞぉ？」
ヒナタ「ああ！？意味わかんね」
きよはる「その内わかるよ」
二ィと笑う
クラーレ「それでここはどこなんですか？」
きよはる「あぁ、行き先教えてなかったっけ。
ここはスタンサファイア地区の中心。」
あっくん「スタンサファイア地区ってことは
漁村が近くにあるはずですけど、
海辺じゃないし、ひょっとして内部の…」
きよはる「会話にストレスがなくて助かるわ〜。
そう、問題があるのは漁村じゃなくて内部。
サーカスが立ち並ぶ所だ。」
ヒナタ「うわっ…俺ピエロ嫌い…」
きよはる「サーカスってもただの賭け事。
ピエロなんていないし、
お前ら3人には、そのサーカスに潜入してもらうだけだ。」
ヒナタ「もっと嫌だ…」
きよはる「撲滅隊員に何度か潜ってもらったけど全員
返却された。（遺体として）
普通のR勢は束になっても撲滅隊には勝てない。
だから隊員が大勢陀仏った今回は異常とされたんだ。」
俺達も捨て駒かと内心思った
あっくん「それで俺らは何をすれば…」
きよはる「既に怪しいテントは3つに絞ってある。
ヒナタは『アクションシアター』
あっくんは『スマッシュホッケー』
クラーレは『ロボボボンカース』だね。」
クラーレ「あの…具体的にどうすれば…」
きよはる「そりゃまあルールに沿って
競技に参加してもらうだけよ。」
ヒナタ「アンタは?」
きよはる「俺は全てのテントに張った網の回収だ。
痕跡が残ってりゃあ、そのR勢を倒すだけで済む。
とにかく頼んだよ。新人共。」
サファイアという名前の通り、
青い海が一面に広がる海辺の地区。
というのは半分。
その漁村は治安が悪い。
漁業にウンザリしてきた村人たちは
サーカスや格闘技などに夢中になる。
ドサドサドサッ!!
鎖から解放された3人が
地面に落とされる
クラーレ「ゲホッ！ゲホッ！」
ヒナタ「苦しかったぁ…」
あっくん「乱暴が過ぎる…!」
きよはる「かけ湯だよ。かけ湯。」
ヒナタ「はぁ？」
ジャラジャラと鎖を振る
きよはる「私たちは今から
死ぬほど攻撃されて痛みを受ける。
これくらいの痛みは
前もって感じとかないと、
いざ実践になったときに発狂するぞぉ？」
ヒナタ「ああ！？意味わかんね」
きよはる「その内わかるよ」
二ィと笑う
クラーレ「それでここはどこなんですか？」
きよはる「あぁ、行き先教えてなかったっけ。
ここはスタンサファイア地区の中心。」
あっくん「スタンサファイア地区ってことは
漁村が近くにあるはずですけど、
海辺じゃないし、ひょっとして内部の…」
きよはる「会話にストレスがなくて助かるわ〜。
そう、問題があるのは漁村じゃなくて内部。
サーカスが立ち並ぶ所だ。」
ヒナタ「うわっ…俺ピエロ嫌い…」
きよはる「サーカスってもただの賭け事。
ピエロなんていないし、
お前ら3人には、そのサーカスに潜入してもらうだけだ。」
ヒナタ「もっと嫌だ…」
きよはる「撲滅隊員に何度か潜ってもらったけど全員
返却された。（遺体として）
普通のR勢は束になっても撲滅隊には勝てない。
だから隊員が大勢陀仏った今回は異常とされたんだ。」
俺達も捨て駒かと内心思った
あっくん「それで俺らは何をすれば…」
きよはる「既に怪しいテントは3つに絞ってある。
ヒナタは『アクションシアター』
あっくんは『スマッシュホッケー』
クラーレは『ロボボボンカース』だね。」
クラーレ「あの…具体的にどうすれば…」
きよはる「そりゃまあルールに沿って
競技に参加してもらうだけよ。」
ヒナタ「アンタは?」
きよはる「俺は全てのテントに張った網の回収だ。
痕跡が残ってりゃあ、そのR勢を倒すだけで済む。
とにかく頼んだよ。新人共。」
EP39 問い
〜バトデラシアター〜
お題を見て答えろ！
※ただし、ライバルを蹴落としても
構わない
ヒナタ「なんだこれは」
訳のわからない看板に
唖然とする
ウィップA「うーわ。シアターでウィップ使わないとか…」
ウィップB「アホ過ぎ笑」
ウィップC「クスクス」
『では問題！』
アナウンスが響く
『1+1＝を解け』
ヒナタ(楽勝！答えは2だ!）
そう思い、2と書かれたパネルに
移動すると
ピシャン!!
3つの鞭がヒナタを捕らえる
ヒナタ「グエ!!てめぇら妨害とか卑怯だぞ！！」
ウィップB「アンタボムだね?格好の的よ!」
しかし
グィ…
3人揃ってヒナタを掴んだため、
縄が動かず、
ピンポーン♪
『正解!!ヒナタ選手一人勝ちです!!』
ウィップA「ハァ!?」
ウィップB「ハァ!?」
ウィップC「ハァ!?」
『次です。18782×2＝?』
ヒナタ「妨害してもいいんだよな?
お返しに37564だ」
ドオオオオオオオン！！
強烈な爆破音が響く
『おっと!ウィップは全員瀕死!!これでこたえられるのは
ヒナタ選手だけです！』
ヒナタ「やりぃ♪」
ウィップABC「覚え…てろ」
〜デンジャラスアリーナ〜
選手「グゥアアアアアア！！」
ドドドドドドドドド！！
次々にディスクによって吹き飛ばされる
あっくん「張り合いないな」
ディスクと竜巻、どちらに吹き飛ばされたかは
不問とする
カッター「お前スマッシュで3点だ！！喰らえぇ！！」
大型のカッターが飛ぶ
あっくん「やべ」
防ごうとすると…
ゴチャッ！！
???「ハンマーカンマー！！お前ピザ生地よりぺしゃんこ!!」
グチャ!!
カッターと本体をぺしゃんこに叩き潰す
あっくん「わぁ…」
???「怪我ねぇか?嬢ちゃん」
あっくん「ないけど誰?R勢?っていうか嬢っ…⁉」
ゼオス「俺は非R勢。煽り撲滅隊の隊長『ゼオス』だ。
熟練だからな。性別くらいわかる。」
あっくん「へぇ…」
ゼオス「首の刺青…お前もしや虎川アマネか」
あっくん「よくご存じで」
ゼオス「がははは！！なるほどなぁ！！R撲滅隊なら話は早い
後で話そうや！」
〜休憩室〜
ゼオス「いやー負けた負けた！！
みんな1桁なのにお前さんだけ21とはな！！」
炭酸水を飲みながら大笑い。
あっくん「それで話って何？」
ゼオス「打てど響かずな性格だな…
まぁいい。お前、何人でこの地区に来た？」
あっくん「4人」
ゼオス「やっぱりな」
ため息をつく
ゼオス「お前きよはるの子分だろ」
あっくん「!!…いや、子分というか」
ゼオス「同じようなもんだ。
最近4人でこのサーカスに潜入して3人が
行方知れずになるって騒動が増えてんだ。
行方不明になってない1人はきよはるだ。
学ばねぇかなぁ、あのアマさんは…」
あっくん「…」
僕ももう行方知れずになるのか
あっくん「というかその言い方だと
このサーカスに何が潜んでいるか
知ってるんだね。」
ゼオス「それを話しに呼んだんだ。
何が潜んでいるか、もちろん…知らん。」
あっくん(ズコッ!!)
ゼオス「少なくとも高レベルなR勢が
潜んでるのは間違いない。
だからお前に提案だ。」
あっくん「何?」
ゼオス「裏に潜る」
あっくん「スマッシュホッケーとかを
開催してる側、運営にですか。」
ゼオス「まぁな、調査するとこは限られてるが。
屋根裏部屋か、もしくは地下に秘密がありそうだ。」
あっくん「本会場にはないの？」
ゼオス「ない。100パーない。
断言するが、本会場では
収まらない大きさだと俺は思う」
あっくん「大きい？」
ゼオス「山勘だがな」
あっくん「チッ…」
ゼオス「すまん(コワ…)」
あっくん「じゃあ僕らはどうすれば」
ゼオス「俺は天井を探ってくる。
お前は地下を探れ。」
あっくん「…了解。騙されたと思ってやるわ」
ゼオス「ソッチが言うか…」
〜路地裏〜
ジャリジャリ…
鎖がR勢の首を絞める
きよはる「アンタ何か知ってるでしょ?
私がサーカスに目立つように置いていた監視カメラ、
君が触ったの見たよ?
サーカスについて知ってること、
知られたくないことを吐け」
R勢「ジ…ジリマゼン…」
きよはる「…」
お題を見て答えろ！
※ただし、ライバルを蹴落としても
構わない
ヒナタ「なんだこれは」
訳のわからない看板に
唖然とする
ウィップA「うーわ。シアターでウィップ使わないとか…」
ウィップB「アホ過ぎ笑」
ウィップC「クスクス」
『では問題！』
アナウンスが響く
『1+1＝を解け』
ヒナタ(楽勝！答えは2だ!）
そう思い、2と書かれたパネルに
移動すると
ピシャン!!
3つの鞭がヒナタを捕らえる
ヒナタ「グエ!!てめぇら妨害とか卑怯だぞ！！」
ウィップB「アンタボムだね?格好の的よ!」
しかし
グィ…
3人揃ってヒナタを掴んだため、
縄が動かず、
ピンポーン♪
『正解!!ヒナタ選手一人勝ちです!!』
ウィップA「ハァ!?」
ウィップB「ハァ!?」
ウィップC「ハァ!?」
『次です。18782×2＝?』
ヒナタ「妨害してもいいんだよな?
お返しに37564だ」
ドオオオオオオオン！！
強烈な爆破音が響く
『おっと!ウィップは全員瀕死!!これでこたえられるのは
ヒナタ選手だけです！』
ヒナタ「やりぃ♪」
ウィップABC「覚え…てろ」
〜デンジャラスアリーナ〜
選手「グゥアアアアアア！！」
ドドドドドドドドド！！
次々にディスクによって吹き飛ばされる
あっくん「張り合いないな」
ディスクと竜巻、どちらに吹き飛ばされたかは
不問とする
カッター「お前スマッシュで3点だ！！喰らえぇ！！」
大型のカッターが飛ぶ
あっくん「やべ」
防ごうとすると…
ゴチャッ！！
???「ハンマーカンマー！！お前ピザ生地よりぺしゃんこ!!」
グチャ!!
カッターと本体をぺしゃんこに叩き潰す
あっくん「わぁ…」
???「怪我ねぇか?嬢ちゃん」
あっくん「ないけど誰?R勢?っていうか嬢っ…⁉」
ゼオス「俺は非R勢。煽り撲滅隊の隊長『ゼオス』だ。
熟練だからな。性別くらいわかる。」
あっくん「へぇ…」
ゼオス「首の刺青…お前もしや虎川アマネか」
あっくん「よくご存じで」
ゼオス「がははは！！なるほどなぁ！！R撲滅隊なら話は早い
後で話そうや！」
〜休憩室〜
ゼオス「いやー負けた負けた！！
みんな1桁なのにお前さんだけ21とはな！！」
炭酸水を飲みながら大笑い。
あっくん「それで話って何？」
ゼオス「打てど響かずな性格だな…
まぁいい。お前、何人でこの地区に来た？」
あっくん「4人」
ゼオス「やっぱりな」
ため息をつく
ゼオス「お前きよはるの子分だろ」
あっくん「!!…いや、子分というか」
ゼオス「同じようなもんだ。
最近4人でこのサーカスに潜入して3人が
行方知れずになるって騒動が増えてんだ。
行方不明になってない1人はきよはるだ。
学ばねぇかなぁ、あのアマさんは…」
あっくん「…」
僕ももう行方知れずになるのか
あっくん「というかその言い方だと
このサーカスに何が潜んでいるか
知ってるんだね。」
ゼオス「それを話しに呼んだんだ。
何が潜んでいるか、もちろん…知らん。」
あっくん(ズコッ!!)
ゼオス「少なくとも高レベルなR勢が
潜んでるのは間違いない。
だからお前に提案だ。」
あっくん「何?」
ゼオス「裏に潜る」
あっくん「スマッシュホッケーとかを
開催してる側、運営にですか。」
ゼオス「まぁな、調査するとこは限られてるが。
屋根裏部屋か、もしくは地下に秘密がありそうだ。」
あっくん「本会場にはないの？」
ゼオス「ない。100パーない。
断言するが、本会場では
収まらない大きさだと俺は思う」
あっくん「大きい？」
ゼオス「山勘だがな」
あっくん「チッ…」
ゼオス「すまん(コワ…)」
あっくん「じゃあ僕らはどうすれば」
ゼオス「俺は天井を探ってくる。
お前は地下を探れ。」
あっくん「…了解。騙されたと思ってやるわ」
ゼオス「ソッチが言うか…」
〜路地裏〜
ジャリジャリ…
鎖がR勢の首を絞める
きよはる「アンタ何か知ってるでしょ?
私がサーカスに目立つように置いていた監視カメラ、
君が触ったの見たよ?
サーカスについて知ってること、
知られたくないことを吐け」
R勢「ジ…ジリマゼン…」
きよはる「…」
EP40 嘘の証
〜5年前〜
ゴシャッ!!ゴシャッ!!
ゴシャッ!!ゴシャッ!!
10歳の時
きよはる「正当防衛」
中坊R勢「あ…グお…」
はじめて人を殴りころした
罪悪感は無かった。
R勢は報いを受けて当然だから
母親と私に手をあげる
クソ以下の父。
父と母は私を家に置き去りにして
どこかに行ってしまった。
母「ごめんね…はる…すぐに帰ってくるからね。」
それは優しかった母親の目ではなかった。
黒く瞳孔が渦巻く。
母親は嘘をついたのだ。
私は嘘を見抜く特技を取得した。
自警団に入ったのはそれからだ。
スタン「スゥ〜…ハァ〜…」
きよはる「…たばこ！？」
見たところ12、3歳。私と二つくらい
しか年が違わない男が
タバコを吸ってやってきた。
スタン「お前…いくつだ。」
きよはる「10」
スタン「ガキが」
きよはる「そんなに変わらないでしょ」
スタン「…いや変わるさ。お前は正真正銘のガキ。
俺は13で、多少グレても支障はない」
そういってタバコをへし折り、
R勢の亡骸に擦り付ける
きよはる「…馬鹿じゃね」
スタン「馬鹿はお前だ。その若さで人を
手にかける理由が俺にはわからんな。」
きよはる「別に理由なんてない。
クソは全部なくなったほうがいい。
褪せた空もR勢も全部全部！！」
ジャララララ！！
鎖をスタンに向け放つ
スタン「鎖の投げ方0点」
ギギギ…
瞬く間にきよはるの背後を取り、
ぐるぐる巻きにする
きよはる「は…や…」
スタン「ころす気で鎖を投げた。
その度胸は褒めてやる。」
首を締め上げる
スタン「容易に人を殺められる
行動力を持ち合わせておいて
お前が野良猫でいる権利はない。」
きよはる「くっ…」
スタン「お前は飼い猫だ
R撲滅隊ってデッカい城のな」
きよはる「嫌だ…絶対行かない」
そういうとスタンの手が離れる
スタン「断るのか。何故だ？
焼肉腹一杯食えるぞ。」
きよはる「何⁉絶対行くゥ!!」
スタン「お前誰だよ。」
きよはる「撲滅隊の猫ですニャア!!」
スタン「…」
〜サーカス客席〜
きよはる「ハァアアアアアアアア!⁉」
唐突の罵声に客席がどよめく
きよはる「アイッツら…!!自分の持ち場で何してんの!?」
モニターを見る
きよはる「クラーレはいいとして…
ヒナタはアクションシアターでお題に答える以前に
ライバルをふるぼっこにしてる！！
あっくんはアリーナの中にすらいない！！
どうなってんだか…ん？」
足元をふと見下ろすと
透明な糸のようなモノが落ちている
きよはる「これは…」
ぎゃああああああ！！
唐突に悲鳴が聞こえる
きよはる「！！？」
観客「助けてくれぇぇ！！」
巨大な蜘蛛の巣のようなものに
大勢が絡められていく。
きよはる「なんだコレ…」
鎖を手に取り、
クモの巣に向かって投擲する
〜ロボボボンカース会場〜
クラーレ「やばい…死にそう」
ボンカス「オオオオオオ!!!!」
ゴリラをかたどった巨大なロボットが
唸りながらハンマーを振り回す
ズドオオォン!!
ゴリラは中心に居り、
クラーレはその周囲に
円形に配置された橋上に立つ
クラーレ（ハンマーが飛んできた瞬間に
剣でダメージ与えるしかないか！！）
ボンカス「『アルティメットハンマー！！』」
クラーレ「もらったぁぁ！！」
ガキュイン！！
硬すぎて通らない
クラーレ「うそぉん！！」
ゼオス「兄ちゃん！！手ぇかすぞ！！」
クラーレ「え？」
頭上から声がすると…
ゴッ！！
ハンマーがゴリラの頭にヒットする
ボンカス「グオオアアア！！」
ゼオス「怖気づくな若いの！！
橋の上から飛んで斬り込め！！」
クラーレ「はい！！うおぉぉぉ！！」
ザシュザシュ！！
ロボの両腕を切断する！！
ボンカス「グォオ…」
停止する
休憩室〜
クラーレ「小型ロケットと発射装置があるって聞いてたのに！！」
ゼオス「お前新人だな…そんなの昔からだぞ。」
クラーレ「え？昔？」
ゼオス「ここは昔、とある大王によって
グランプリが開催されたところだ。」
クラーレ「王国だったんですか？」
ゼオス「ああ。大王にはライバル視していた者が
いてな、その者を倒すためだけに作られたんだ。
今のゴリラロボもだ。そして負けた。」
クラーレ「間抜けすぎる…」
ゼオス「開催当時は栄えていたが、
終了してからは寂れていき、
やがてサーカスとして
娯楽として再利用されることになった」
クラーレ「あ、俺R勢を探してるんだった！！
もう行かなきゃ…」
ゼオス「!!…君もか…」
クラーレ「へ？」
ゼオス「ついてこい。アマネ殿も一旦つれてここをでる」
〜教会〜
治安の悪さ故に
娯楽として暴力さえも
起こったスタンサファイア地区。
辛くも死んでしまった人の
鎮魂はこの教会で行われる。
ゼオス「神官。ここにいるんだろ？」
神官「なんだ？和紙はいそがしいぞ」
偉そうな口調で言う
ゼオス「何を馬鹿な。
今回、行方不明者が数名出ている
お前が関係しているとしか思えんわ」
神官マオーン。
グランプリを開催した王の末裔。
サーカスを指揮している。
傲慢な性格で、この地区で起こる
厄介事は大抵コイツのせい
マオーン「ふん。神官であるワシに
なんたる不敬。ゼオス。
貴様も元サーカス小屋の団員だろう！
元団長の私によく言えたものだ」
ゼオス「俺は非R勢の味方だ。
お前なんぞ主と思ったことはない！！」
マオーン「なんだと⁉生意気な!!
いい情報を知っていたが
教える気が失せた!!じゃあな!!」
そういって教会を出てどこかに行ってしまった。
ゼオス「…ハナから教える気など
微塵もなかっただろうに」
あっくん「あれでも人間なんだ…」
クラーレ「ゼオスさん大丈夫ですか?」
ゼオス「問題ない。付き合わせてすまんな。
君たちのもう一人の仲間を探しに行こう。」
ゴシャッ!!ゴシャッ!!
ゴシャッ!!ゴシャッ!!
10歳の時
きよはる「正当防衛」
中坊R勢「あ…グお…」
はじめて人を殴りころした
罪悪感は無かった。
R勢は報いを受けて当然だから
母親と私に手をあげる
クソ以下の父。
父と母は私を家に置き去りにして
どこかに行ってしまった。
母「ごめんね…はる…すぐに帰ってくるからね。」
それは優しかった母親の目ではなかった。
黒く瞳孔が渦巻く。
母親は嘘をついたのだ。
私は嘘を見抜く特技を取得した。
自警団に入ったのはそれからだ。
スタン「スゥ〜…ハァ〜…」
きよはる「…たばこ！？」
見たところ12、3歳。私と二つくらい
しか年が違わない男が
タバコを吸ってやってきた。
スタン「お前…いくつだ。」
きよはる「10」
スタン「ガキが」
きよはる「そんなに変わらないでしょ」
スタン「…いや変わるさ。お前は正真正銘のガキ。
俺は13で、多少グレても支障はない」
そういってタバコをへし折り、
R勢の亡骸に擦り付ける
きよはる「…馬鹿じゃね」
スタン「馬鹿はお前だ。その若さで人を
手にかける理由が俺にはわからんな。」
きよはる「別に理由なんてない。
クソは全部なくなったほうがいい。
褪せた空もR勢も全部全部！！」
ジャララララ！！
鎖をスタンに向け放つ
スタン「鎖の投げ方0点」
ギギギ…
瞬く間にきよはるの背後を取り、
ぐるぐる巻きにする
きよはる「は…や…」
スタン「ころす気で鎖を投げた。
その度胸は褒めてやる。」
首を締め上げる
スタン「容易に人を殺められる
行動力を持ち合わせておいて
お前が野良猫でいる権利はない。」
きよはる「くっ…」
スタン「お前は飼い猫だ
R撲滅隊ってデッカい城のな」
きよはる「嫌だ…絶対行かない」
そういうとスタンの手が離れる
スタン「断るのか。何故だ？
焼肉腹一杯食えるぞ。」
きよはる「何⁉絶対行くゥ!!」
スタン「お前誰だよ。」
きよはる「撲滅隊の猫ですニャア!!」
スタン「…」
〜サーカス客席〜
きよはる「ハァアアアアアアアア!⁉」
唐突の罵声に客席がどよめく
きよはる「アイッツら…!!自分の持ち場で何してんの!?」
モニターを見る
きよはる「クラーレはいいとして…
ヒナタはアクションシアターでお題に答える以前に
ライバルをふるぼっこにしてる！！
あっくんはアリーナの中にすらいない！！
どうなってんだか…ん？」
足元をふと見下ろすと
透明な糸のようなモノが落ちている
きよはる「これは…」
ぎゃああああああ！！
唐突に悲鳴が聞こえる
きよはる「！！？」
観客「助けてくれぇぇ！！」
巨大な蜘蛛の巣のようなものに
大勢が絡められていく。
きよはる「なんだコレ…」
鎖を手に取り、
クモの巣に向かって投擲する
〜ロボボボンカース会場〜
クラーレ「やばい…死にそう」
ボンカス「オオオオオオ!!!!」
ゴリラをかたどった巨大なロボットが
唸りながらハンマーを振り回す
ズドオオォン!!
ゴリラは中心に居り、
クラーレはその周囲に
円形に配置された橋上に立つ
クラーレ（ハンマーが飛んできた瞬間に
剣でダメージ与えるしかないか！！）
ボンカス「『アルティメットハンマー！！』」
クラーレ「もらったぁぁ！！」
ガキュイン！！
硬すぎて通らない
クラーレ「うそぉん！！」
ゼオス「兄ちゃん！！手ぇかすぞ！！」
クラーレ「え？」
頭上から声がすると…
ゴッ！！
ハンマーがゴリラの頭にヒットする
ボンカス「グオオアアア！！」
ゼオス「怖気づくな若いの！！
橋の上から飛んで斬り込め！！」
クラーレ「はい！！うおぉぉぉ！！」
ザシュザシュ！！
ロボの両腕を切断する！！
ボンカス「グォオ…」
停止する
休憩室〜
クラーレ「小型ロケットと発射装置があるって聞いてたのに！！」
ゼオス「お前新人だな…そんなの昔からだぞ。」
クラーレ「え？昔？」
ゼオス「ここは昔、とある大王によって
グランプリが開催されたところだ。」
クラーレ「王国だったんですか？」
ゼオス「ああ。大王にはライバル視していた者が
いてな、その者を倒すためだけに作られたんだ。
今のゴリラロボもだ。そして負けた。」
クラーレ「間抜けすぎる…」
ゼオス「開催当時は栄えていたが、
終了してからは寂れていき、
やがてサーカスとして
娯楽として再利用されることになった」
クラーレ「あ、俺R勢を探してるんだった！！
もう行かなきゃ…」
ゼオス「!!…君もか…」
クラーレ「へ？」
ゼオス「ついてこい。アマネ殿も一旦つれてここをでる」
〜教会〜
治安の悪さ故に
娯楽として暴力さえも
起こったスタンサファイア地区。
辛くも死んでしまった人の
鎮魂はこの教会で行われる。
ゼオス「神官。ここにいるんだろ？」
神官「なんだ？和紙はいそがしいぞ」
偉そうな口調で言う
ゼオス「何を馬鹿な。
今回、行方不明者が数名出ている
お前が関係しているとしか思えんわ」
神官マオーン。
グランプリを開催した王の末裔。
サーカスを指揮している。
傲慢な性格で、この地区で起こる
厄介事は大抵コイツのせい
マオーン「ふん。神官であるワシに
なんたる不敬。ゼオス。
貴様も元サーカス小屋の団員だろう！
元団長の私によく言えたものだ」
ゼオス「俺は非R勢の味方だ。
お前なんぞ主と思ったことはない！！」
マオーン「なんだと⁉生意気な!!
いい情報を知っていたが
教える気が失せた!!じゃあな!!」
そういって教会を出てどこかに行ってしまった。
ゼオス「…ハナから教える気など
微塵もなかっただろうに」
あっくん「あれでも人間なんだ…」
クラーレ「ゼオスさん大丈夫ですか?」
ゼオス「問題ない。付き合わせてすまんな。
君たちのもう一人の仲間を探しに行こう。」
EP41 失踪
~アクションシアター~
いません。
その一言が脳内をぶち抜いた
あっくん「は?ヒナタが?」
ゼオス「いないだと?」
司会者「はい…数日前から行方が分からないままで」
クラーレ「んな馬鹿な…」
〜テント上〜
あっくん「どこ行ったのアイツ」
ゼオス「ボム使いヒナタ。こちらでもその名は轟いてる」
クラーレ「…俺もう一回探してくる」
ジャラジャラ…
鎖が降り鳴らされる
あっくん「!?」
きよはる「あ、ゼオスもいたの
残念だけどヒナタは来ないよ」
あっくん(…いつの間に…!!）
胡坐をかいて頬杖をついて
座っている
クラーレ「それはどういう・・・」
きよはる「ホント私は馬鹿だ。
君達を連れてこれば
いい経験になるとか思ってた
私が馬鹿だった。
君達は弱いのに」
ゼオス「…」
きよはる「ヒナタは行方知れず。
でも同時に手がかりが見つかった。
ここからは私だけで行く。
あっくんとクラーレは
もう帰って。できれば幹部を呼んで。
巻き込んですまなかったね。」
フッ…
消える
クラーレ「きよはるさん…」
ゼオス「…ほっとけ。
俺はあいつの言う通りにした方がいいと思う」
強烈な圧に怖気づく
クラーレ「っ」
〜スマッシュホッケー観客席〜
クラーレ「…」
あっくん「…」
ザァァァァ…
外で大雨が降り注ぐ
クラーレ「俺って弱いのかな…」
手のひらを見つめる
さつじんきの刀が握られている
あっくん「それは…ね」
クラーレ「今回の失踪もアイツの差し金なら
黒シャツ野郎を倒すなんて夢のまた夢だ。」
あっくん「…できないと言われたんなら
できると証明すればいい。
自分は大丈夫だって。
僕は動くよ。」
そういって立ち、
テントを出て行く
クラーレ「俺もいく」
あっくん「!…そうでないとね」
ゼオス「…俺はあえて反対しないが
やるならまずは一般人の避難だろ」
〜ロボカス会場〜
バァン！！
勢いよくドアを開ける
きよはる「皆さーん！！今からこの会場…
いや、全テントを閉鎖しまーす！！
R勢の襲撃に備えて閉鎖しまーす！！」
そのアナウンスは地区全体に
響き渡った
「閉鎖？なんで？」
「R勢？閉鎖だってー」
がやがや…
テントから人が減っていき、
やがて一人になる
きよはる「…さぁて、そろそろ仕事しますか」
ジャラ…
鎖を肩に巻き付け
ドオン！
天井の骨組みに向かって飛び移る
きよはる「あった…糸」
糸をたぐい寄せる
きよはる「これをたどれば…」
糸をたどって走り出す
いません。
その一言が脳内をぶち抜いた
あっくん「は?ヒナタが?」
ゼオス「いないだと?」
司会者「はい…数日前から行方が分からないままで」
クラーレ「んな馬鹿な…」
〜テント上〜
あっくん「どこ行ったのアイツ」
ゼオス「ボム使いヒナタ。こちらでもその名は轟いてる」
クラーレ「…俺もう一回探してくる」
ジャラジャラ…
鎖が降り鳴らされる
あっくん「!?」
きよはる「あ、ゼオスもいたの
残念だけどヒナタは来ないよ」
あっくん(…いつの間に…!!）
胡坐をかいて頬杖をついて
座っている
クラーレ「それはどういう・・・」
きよはる「ホント私は馬鹿だ。
君達を連れてこれば
いい経験になるとか思ってた
私が馬鹿だった。
君達は弱いのに」
ゼオス「…」
きよはる「ヒナタは行方知れず。
でも同時に手がかりが見つかった。
ここからは私だけで行く。
あっくんとクラーレは
もう帰って。できれば幹部を呼んで。
巻き込んですまなかったね。」
フッ…
消える
クラーレ「きよはるさん…」
ゼオス「…ほっとけ。
俺はあいつの言う通りにした方がいいと思う」
強烈な圧に怖気づく
クラーレ「っ」
〜スマッシュホッケー観客席〜
クラーレ「…」
あっくん「…」
ザァァァァ…
外で大雨が降り注ぐ
クラーレ「俺って弱いのかな…」
手のひらを見つめる
さつじんきの刀が握られている
あっくん「それは…ね」
クラーレ「今回の失踪もアイツの差し金なら
黒シャツ野郎を倒すなんて夢のまた夢だ。」
あっくん「…できないと言われたんなら
できると証明すればいい。
自分は大丈夫だって。
僕は動くよ。」
そういって立ち、
テントを出て行く
クラーレ「俺もいく」
あっくん「!…そうでないとね」
ゼオス「…俺はあえて反対しないが
やるならまずは一般人の避難だろ」
〜ロボカス会場〜
バァン！！
勢いよくドアを開ける
きよはる「皆さーん！！今からこの会場…
いや、全テントを閉鎖しまーす！！
R勢の襲撃に備えて閉鎖しまーす！！」
そのアナウンスは地区全体に
響き渡った
「閉鎖？なんで？」
「R勢？閉鎖だってー」
がやがや…
テントから人が減っていき、
やがて一人になる
きよはる「…さぁて、そろそろ仕事しますか」
ジャラ…
鎖を肩に巻き付け
ドオン！
天井の骨組みに向かって飛び移る
きよはる「あった…糸」
糸をたぐい寄せる
きよはる「これをたどれば…」
糸をたどって走り出す
EP42 対価
〜教会前〜
マオーン「チッ…観客が逃げていく！！
このままでは対価が支払えん…！！」
そういって教会内に
入っていく
クラーレ「対価ってなんだ？観客？」
マオーン「!!」
クラーレ「今の様子だと…
一般人が行方知れずになったのには
お前の仕業…」
マオーン「喧しい！！『ファイアバトン！！』」
ブワッ！！
炎のスティックが舞う
クラーレ「無駄だ」
それを吸収する
マオーン「何⁉」
クラーレ「悪いな。俺の剣は相手の能力をコピーできるんだ」
ボォオオオオオ…
剣が炎を纏う
クラーレ「お前の能力はサーカスか？」
マオーン「ふん。隠す必要もない。
私の能力は代々受け継がれてきたものだからな」
クラーレ「へぇ…
まぁ敵には違いないか」
スッ
一気に間合いを詰める
クラーレ「インフェルノダッシュ」
剣を突進し、軌道に炎が舞い散る
マオーン「ぐっ…」
しかしそれをギリギリ受け流す
クラーレ(へぇ…意外と体術もいけるかぁ)
マオーン「吹き飛べ！！『火のわくぐり！』」
炎のリングを生成し、
それをくぐり纏って突進する
しかし効果がない
クラーレ「炎とか水とか氷とか
俺にはほぼ効かない。」
マオーン「何だと⁉」
クラーレ「俺勘違いしてたかも
行方不明の元凶って
お前じゃなかったんだな。
お前みたいな雑魚が
あんな大掛かりな失踪事件を起こせない」
マオーン「何だと…！！」
顔が真っ赤に膨れあがる
マオーン「『トランポリン！！』」
空中に大ジャンプし、
クラーレに突進する
ガキィ！！
クラーレ「っ」
マオーン『ヒュージバルーン！！』
パァアアアアン!!
凄まじい音とともに破裂する
クラーレ「いってぇな…
やればできるじゃん」
マオーン「吹き飛べぇ!!」
追加で巨大な風船を追加する
それは教会を埋め尽くすほどだ
クラーレ「道連れにする気か⁉」
慌てて教会から逃げ去る
ドッパアアアアアアァン!!!!
空間が歪むほどの威力で
爆発し、教会が粉々になる
クラーレ「ッチ…」
逃げれたにせよ
教会が粉々になるほどの爆発で無事なはずがない
マオーン「一気に劣勢だなぁ！大丈夫か？笑」
クラーレ「ぬかせやピエロ野郎…!ケッホ…」
〜ボンカス地下空間〜
ヒナタ「…なんだここは」
目の前に広がるのは
蜘蛛の巣のようなもので
張り巡らされた巨大な空間
ヒナタ「あれは…人！？」
見上げると
糸に所々人が絡まっており、
より上には壊されたであろう
ロボンカスが
ヒナタ「上は外につながってるのか
じゃあいっちょ爆発させて…」
爆弾を取り出したところで止まる
ヒナタ「…」
あっくん『考えろよ爆発小僧』
爆弾を地面に投げつける
ドォォン！！
ヒナタ「ヒャッホー！」
凄まじいスピードで上まで吹き飛び、
穴から脱出する
ヒナタ「考えれば簡単なことだぜ
爆風つかって脱出すればいいんだ！
さぁて…爆弾おとして蜘蛛の巣を空爆だ」
ヒュウゥゥゥゥ・・・
ドオオォン！！
特大ボムを蜘蛛の巣に向かって絨毯爆撃
ヒナタ「ヒャッハァ！！出てこいR勢！！
蜘蛛か⁉蜘蛛なら火は苦手だろ⁉出てこい！！」
ゼオス「発言が矛盾してるぞ若造()」
ヒナタ「誰?お前?敵か味方か半分か」
ゼオス「何だ半分て。俺は味方だ。
お前の他の撲滅隊員とお前を探してたところだ」
天内ヒナタ…
思った通りの狂人だ。
少し暴れただけでこの災害レベル
R勢側も文断したがるわけだ…
ゼオス「とはいえまだ未熟だ。
では素晴らしい提案をしよう。
俺の弟子にならないか？」
ヒナタ(何言ってんだコイツ・・・)
ゼオス「その能力は使いこなせば
強いが、お前の脳みそじゃあ無理って話だ。
とにかくR勢の居場所を探るぞ。」
ヒナタ「お、おう?
なら、この下が怪しいぜ?蜘蛛の巣がビッシリだ」
焼野原と化した蜘蛛の巣一体を指さすと
???「私の巣に入っているのは誰だ?」
ヒナタ「⁉」
ゼオス「誰だ!?」
二人が振り向くと
二人よりも3寸ほど小さい少女が立っている
目は隠れており、白い長髪だ。
少女「汚い…汚い…私の巣から出て行って…」
ヒナタ「こんな所で何やってんだガキが…」
そういって少女に触れようとしたとき…
ゼオス「触るな!!」
ス…
少女の手から蜘蛛糸が出る・・・
少女『川』
ヒナタ「!?」
ズドオォォン！！
白い刃物と化した細い糸が何本も
ヒナタに向かって一直線に飛ぶ
ゼオス「大丈夫か！？」
ヒナタ（なんだ今の…コイツが
ハンマーで軌道をずらしてくれなかったら…
即死だったんじゃあ…）
ワイヤーのように細い糸は
あらゆるものを切断させる
少女『ほうき』
ヒナタ「また何か来るのか…⁉」
細い糸が猛スピードで
接近し、やがて透明な斬撃となってヒナタを襲う
ドシュッ！！
ヒナタ「あぶねぇな」
ゼオス「天内！！相手の能力が
わからない内は爆撃は控えろ」
ヒナタ「チッ…」
少女「…」
スッ…
指を振る
ゼオス「油断するな！！」
少女「ダイヤ」
その瞬間、
糸が縦横無尽に降り注ぐ
ゼオス(逃げ場のない交差の一撃！！)
ドンッ！！
勢いよく踏み込む
ゼオス『鬼殺し火炎ハンマー！！』
炎を纏った巨大なハンマーが炸裂し
糸が焼け落ちる
少女「へぇ・・・凄い」
ゼオスの目の前に急接近する
ヒナタ「ハンマー野郎」
ゼオス「ゼオスと呼べ‼！」
少女「そう…あなたゼオスっていうんだね」
ヒュガガガガガ！！
鋼糸とハンマーによる攻防が繰り広げられる
ゼオス「ペッタンペッタン！！細い糸を
薄く伸ばすぜぇ！！」
少女「・・・」
ハンマー技には
鬼殺しハンマーがあり、
糸が焼き切れていく
ゼオス「おらおらそんなもんか嬢ちゃん！！」
少女「私にも名前があるの。」
ゼオス「！！」
糸が背後から接近する
ゼオス(後ろから忍ばせてたのか！)
ボオオオオン！！
突如糸が爆発する
ヒナタ「ゼオスだったか！！？
てめぇは死なせねぇよ！！」
ゼオス「能力がわからないうちは・・・」
ヒナタ「わかってるよ！！糸を操れるんだろ！！？」
少女『肆段梯子』
頭上から糸が大量に降り注ぐ
ゼオス「ヒナタ。絨毯爆撃許可。」
ヒナタ「あいよ！！」
手榴弾を懐から23つ出し
ピンを抜きまくる
少女「うわ」
ヒナタ「プレゼント！」
ドドドドドドドドド！！
絨毯爆撃が糸を焼き払う
少女「『蜘蛛』」
グサグサッ！！
蜘蛛のような足が二人の
脇腹、肩を貫く
ゼオス「ガハッ」
ヒナタ「ゲホッ」
少女「蜘蛛、巣作り」
糸でできたであろう蜘蛛が
巣を作り出す。
ゼオス「そりゃ反則だろ・・・」
ヒナタ「あやとりで作った糸を
具現化させるとか・・・」
少女「うるさいなぁ…
侵入してきたのはソッチでしょ。」
ヒナタ「テメェが失踪問題の犯人か」
少女「うん。そうだよ。
思いのほか、あの神官なんとか
って男が役に立たなかったから
自分で食料調達。」
ゼオス「お前に食われるのかよ・・・」
少女「うるさいな蜘蛛、『足』。」
再び二人に蜘蛛足が飛び…
ジャリジャリ・・・
少女「？」
聞き覚えのある鎖音
きよはる『二重結び』
鎖で蜘蛛足を纏めて
縛りつぶす
少女「はやっ…」
きよはる「ちょっと〜
なんでゼオスさんもいるの〜？」
ゼオス「俺はチビ3人の面倒を見てただけだ
文句を言いたいとこだがその必要もないか」
きよはる「ふーん。まぁヒナタも見つかったし
これはこれでいっか」
少女「ちょっと！！
無視しないでよ！！私は赤十邇よ！！」
きよはる「あ、そう。
じゃあ…それは鎖じゃないんだね。」
少女の腹部を指さす
少女「なっ・・・」
鎖が少女をぐるぐる巻きに
拘束していた。
きよはる「赤十邇は今いる奴でも
最低でも6番だよ。
5番のムマタ兄弟よりも強いなら
君は今頃私らを皆苦戦させてる。」
少女「…え？」
マオーン「チッ…観客が逃げていく！！
このままでは対価が支払えん…！！」
そういって教会内に
入っていく
クラーレ「対価ってなんだ？観客？」
マオーン「!!」
クラーレ「今の様子だと…
一般人が行方知れずになったのには
お前の仕業…」
マオーン「喧しい！！『ファイアバトン！！』」
ブワッ！！
炎のスティックが舞う
クラーレ「無駄だ」
それを吸収する
マオーン「何⁉」
クラーレ「悪いな。俺の剣は相手の能力をコピーできるんだ」
ボォオオオオオ…
剣が炎を纏う
クラーレ「お前の能力はサーカスか？」
マオーン「ふん。隠す必要もない。
私の能力は代々受け継がれてきたものだからな」
クラーレ「へぇ…
まぁ敵には違いないか」
スッ
一気に間合いを詰める
クラーレ「インフェルノダッシュ」
剣を突進し、軌道に炎が舞い散る
マオーン「ぐっ…」
しかしそれをギリギリ受け流す
クラーレ(へぇ…意外と体術もいけるかぁ)
マオーン「吹き飛べ！！『火のわくぐり！』」
炎のリングを生成し、
それをくぐり纏って突進する
しかし効果がない
クラーレ「炎とか水とか氷とか
俺にはほぼ効かない。」
マオーン「何だと⁉」
クラーレ「俺勘違いしてたかも
行方不明の元凶って
お前じゃなかったんだな。
お前みたいな雑魚が
あんな大掛かりな失踪事件を起こせない」
マオーン「何だと…！！」
顔が真っ赤に膨れあがる
マオーン「『トランポリン！！』」
空中に大ジャンプし、
クラーレに突進する
ガキィ！！
クラーレ「っ」
マオーン『ヒュージバルーン！！』
パァアアアアン!!
凄まじい音とともに破裂する
クラーレ「いってぇな…
やればできるじゃん」
マオーン「吹き飛べぇ!!」
追加で巨大な風船を追加する
それは教会を埋め尽くすほどだ
クラーレ「道連れにする気か⁉」
慌てて教会から逃げ去る
ドッパアアアアアアァン!!!!
空間が歪むほどの威力で
爆発し、教会が粉々になる
クラーレ「ッチ…」
逃げれたにせよ
教会が粉々になるほどの爆発で無事なはずがない
マオーン「一気に劣勢だなぁ！大丈夫か？笑」
クラーレ「ぬかせやピエロ野郎…!ケッホ…」
〜ボンカス地下空間〜
ヒナタ「…なんだここは」
目の前に広がるのは
蜘蛛の巣のようなもので
張り巡らされた巨大な空間
ヒナタ「あれは…人！？」
見上げると
糸に所々人が絡まっており、
より上には壊されたであろう
ロボンカスが
ヒナタ「上は外につながってるのか
じゃあいっちょ爆発させて…」
爆弾を取り出したところで止まる
ヒナタ「…」
あっくん『考えろよ爆発小僧』
爆弾を地面に投げつける
ドォォン！！
ヒナタ「ヒャッホー！」
凄まじいスピードで上まで吹き飛び、
穴から脱出する
ヒナタ「考えれば簡単なことだぜ
爆風つかって脱出すればいいんだ！
さぁて…爆弾おとして蜘蛛の巣を空爆だ」
ヒュウゥゥゥゥ・・・
ドオオォン！！
特大ボムを蜘蛛の巣に向かって絨毯爆撃
ヒナタ「ヒャッハァ！！出てこいR勢！！
蜘蛛か⁉蜘蛛なら火は苦手だろ⁉出てこい！！」
ゼオス「発言が矛盾してるぞ若造()」
ヒナタ「誰?お前?敵か味方か半分か」
ゼオス「何だ半分て。俺は味方だ。
お前の他の撲滅隊員とお前を探してたところだ」
天内ヒナタ…
思った通りの狂人だ。
少し暴れただけでこの災害レベル
R勢側も文断したがるわけだ…
ゼオス「とはいえまだ未熟だ。
では素晴らしい提案をしよう。
俺の弟子にならないか？」
ヒナタ(何言ってんだコイツ・・・)
ゼオス「その能力は使いこなせば
強いが、お前の脳みそじゃあ無理って話だ。
とにかくR勢の居場所を探るぞ。」
ヒナタ「お、おう?
なら、この下が怪しいぜ?蜘蛛の巣がビッシリだ」
焼野原と化した蜘蛛の巣一体を指さすと
???「私の巣に入っているのは誰だ?」
ヒナタ「⁉」
ゼオス「誰だ!?」
二人が振り向くと
二人よりも3寸ほど小さい少女が立っている
目は隠れており、白い長髪だ。
少女「汚い…汚い…私の巣から出て行って…」
ヒナタ「こんな所で何やってんだガキが…」
そういって少女に触れようとしたとき…
ゼオス「触るな!!」
ス…
少女の手から蜘蛛糸が出る・・・
少女『川』
ヒナタ「!?」
ズドオォォン！！
白い刃物と化した細い糸が何本も
ヒナタに向かって一直線に飛ぶ
ゼオス「大丈夫か！？」
ヒナタ（なんだ今の…コイツが
ハンマーで軌道をずらしてくれなかったら…
即死だったんじゃあ…）
ワイヤーのように細い糸は
あらゆるものを切断させる
少女『ほうき』
ヒナタ「また何か来るのか…⁉」
細い糸が猛スピードで
接近し、やがて透明な斬撃となってヒナタを襲う
ドシュッ！！
ヒナタ「あぶねぇな」
ゼオス「天内！！相手の能力が
わからない内は爆撃は控えろ」
ヒナタ「チッ…」
少女「…」
スッ…
指を振る
ゼオス「油断するな！！」
少女「ダイヤ」
その瞬間、
糸が縦横無尽に降り注ぐ
ゼオス(逃げ場のない交差の一撃！！)
ドンッ！！
勢いよく踏み込む
ゼオス『鬼殺し火炎ハンマー！！』
炎を纏った巨大なハンマーが炸裂し
糸が焼け落ちる
少女「へぇ・・・凄い」
ゼオスの目の前に急接近する
ヒナタ「ハンマー野郎」
ゼオス「ゼオスと呼べ‼！」
少女「そう…あなたゼオスっていうんだね」
ヒュガガガガガ！！
鋼糸とハンマーによる攻防が繰り広げられる
ゼオス「ペッタンペッタン！！細い糸を
薄く伸ばすぜぇ！！」
少女「・・・」
ハンマー技には
鬼殺しハンマーがあり、
糸が焼き切れていく
ゼオス「おらおらそんなもんか嬢ちゃん！！」
少女「私にも名前があるの。」
ゼオス「！！」
糸が背後から接近する
ゼオス(後ろから忍ばせてたのか！)
ボオオオオン！！
突如糸が爆発する
ヒナタ「ゼオスだったか！！？
てめぇは死なせねぇよ！！」
ゼオス「能力がわからないうちは・・・」
ヒナタ「わかってるよ！！糸を操れるんだろ！！？」
少女『肆段梯子』
頭上から糸が大量に降り注ぐ
ゼオス「ヒナタ。絨毯爆撃許可。」
ヒナタ「あいよ！！」
手榴弾を懐から23つ出し
ピンを抜きまくる
少女「うわ」
ヒナタ「プレゼント！」
ドドドドドドドドド！！
絨毯爆撃が糸を焼き払う
少女「『蜘蛛』」
グサグサッ！！
蜘蛛のような足が二人の
脇腹、肩を貫く
ゼオス「ガハッ」
ヒナタ「ゲホッ」
少女「蜘蛛、巣作り」
糸でできたであろう蜘蛛が
巣を作り出す。
ゼオス「そりゃ反則だろ・・・」
ヒナタ「あやとりで作った糸を
具現化させるとか・・・」
少女「うるさいなぁ…
侵入してきたのはソッチでしょ。」
ヒナタ「テメェが失踪問題の犯人か」
少女「うん。そうだよ。
思いのほか、あの神官なんとか
って男が役に立たなかったから
自分で食料調達。」
ゼオス「お前に食われるのかよ・・・」
少女「うるさいな蜘蛛、『足』。」
再び二人に蜘蛛足が飛び…
ジャリジャリ・・・
少女「？」
聞き覚えのある鎖音
きよはる『二重結び』
鎖で蜘蛛足を纏めて
縛りつぶす
少女「はやっ…」
きよはる「ちょっと〜
なんでゼオスさんもいるの〜？」
ゼオス「俺はチビ3人の面倒を見てただけだ
文句を言いたいとこだがその必要もないか」
きよはる「ふーん。まぁヒナタも見つかったし
これはこれでいっか」
少女「ちょっと！！
無視しないでよ！！私は赤十邇よ！！」
きよはる「あ、そう。
じゃあ…それは鎖じゃないんだね。」
少女の腹部を指さす
少女「なっ・・・」
鎖が少女をぐるぐる巻きに
拘束していた。
きよはる「赤十邇は今いる奴でも
最低でも6番だよ。
5番のムマタ兄弟よりも強いなら
君は今頃私らを皆苦戦させてる。」
少女「…え？」
EP43 蜘蛛手のアザレア
ザシュザシュ！
きよはる鎖で蜘蛛の巣を振り払う
ゼオス「ありがとう」
ヒナタ「チッ…俺が苦戦するとは」
きよはる「じゃあ、ヒナタは
あっくんとクラーレの補助に行ってきて。
ゼオスさんは観客や村人を地区外に
避難させて。私はこの少女を問い詰めてから
ヒナタと合流するから」
ゼオス「了解」
ヒナタ「わかった」
二人がテント外へ出る
少女「ちょっと！！助けてよ！！」
きよはる「はぁ？鎖で結構きつく縛ってるのに
まだ喋れるんだね。
助ける。ねぇ…行方不明者を渡せば
解放してあげるよ」
少女「そんなのどーだっていいから
早く解放しろ！！」
きよはる「！！！？？？？」
何このクソガキ。
過去最高で害悪！！
きよはる「あのね？私、行方不明者、助けたい。
君は、ここから、解放してほしい。
だから、引き換えに、欲しいモノ」
少女「知らないそんなの！
ピェエエエエーン…」
きよはる「！？」
ギョッ！！
きよはる（本当に知らないのか？
だったらさっきまでの糸裁きはどういう・・・）
少女「おっ・・・おえ‘‘ぇえ‘‘え‘‘えぇぇ！！」
吐瀉する
きよはる「うっわ…もういいよ。
ゲロまで吐かれるともう・・・ね」
そういって鎖を外そうと
少し緩め始めた瞬間
メキメキ…ギギギ…
少女の背中から巨大な蜘蛛のような足が8本飛び出る
？？？「ううぅぅん…」
きよはる「！！」
ジャラ…
きよはる「『八重結び！！』」
鎖の鞭をその足に向かって振り下ろす
ドドォォン！！
きよはる「！！？」
いない。
あるのは腸がぽっかり空いた
少女の亡骸だけだった
???「パァパァ・・・ごはぁんマダぁぁぁ？？」
きよはるの背後にいたのは
巨大な蜘蛛の足8本をもつ人だった。
歩き方、風情は蜘蛛そのもので、
顔だけが人だ。
きよはる(さっきの少女の中で生きていたのか？
コイツがR勢？少女を操り人形にしていたのか？)
頭がこんがらがる中、その蜘蛛女は
喋り続ける
???「そうかぁ…じゃあ鎖の君が
ごはんなんだぁ・・・」
きよはる「ごはん？何の話かさっぱりだけど
アナタがこの騒動の発端っぽいね」
ダンッ！！
勢いよく踏み込み、8本の足を拘束しようとする
キィン…！！
きよはる「！！」
EP44 泥沼
ガギギギギギギ！！！
アザレアの節足ときよはるの鎖の
攻防が火花を散らす
アザレア「ハハッ！」
きよはる「くっ…」
じわじわとかすり傷が増えていく
きよはる「善悪の区別もついてないんだね」
アザレア「団長の言うことは全て善だぁ！」
ザシュザシュ！！
また掠り傷が増えてしまう
きよはる『二重結び』
鎖を上に振り上げるが
空を切る
アザレア「外れだぁぁ」
ギャリギャリ・・・
天井の照明の金具に鎖が絡まり
きよはる「君熱いのすき？」
アザレア「あぁぁあ？」
グイィ！！
金具が外れ、照明の炎がまき散らされる
きよはる「それじゃあ、がんバーナー！！」
ボオオオォォォ！！
アザレア「うわぁ火だぁ！」
素早く飛びのく
煙によってお互いの位置姿が見えなくなる
きよはる「…」
ガタン…ガラッ…ゴトン…
瓦礫や骨組みが焼け落ちていく
ギュアッ！！
そんな中、火の粉を斬って
アザレアが急接近する！
きよはる「!!」
アザレア「お刺身になれぇ！」
ガッ!!ゴッ!!
節足による刺突攻撃が
繰り出され、
きよはるがそれを鎖で応戦する
きよはる（速い…またスピードが
上がった…!炎の中なのになんでこれほど…！
低い角度から凄まじい速さで打ち込んでくる…
これじゃあ本当に蜘蛛だ…!!）
ギャリリリリリ・・・！！！
テントの両端を鎖で引っ張り、
引きちぎり、
あえて燃え広がるように仕向ける
アザレア「？」
きよはる「燃えろ燃えろ・・・」
鎖に燃える布が絡みつき、
燃える鞭と化す
きよはる「『スパイラルウィップ』」
ギャギャギャギャギャ！！
アザレア(火事の中で更に炎をまき散らした⁉)
バキッ！
後ろ脚1対を地面に突き刺し、
他6本の足を使って
まき散らされた炎を弾く
アザレア「？」
弾いた炎の隙間からきよはるが
現れる
きよはる「『アイアンローラー』」
ギャリリリリ！！
自身を覆うように鎖を振り
地面を抉るほどの速度範囲で回転する
ドォォォォン！！
アザレアに直撃する
きよはる（どうだ!?）
アザレア「いいなぁ頭いい子！いい子！」
不快な声が煙中から聞こえる
きよはる「これでもダメか」
アザレア「これでもダァメ！『裏極…』」
メキメキ…
アザレア『蟲毒の沼地』
きよはる「！！」
身の危険を感じ、テント外へ素早く出る
ドボボボボォォォ！！
巨大なテントが底なしの沼
のようなものに沈んでいく
きよはる「毒の沼⁉」
ボコボコ…
アザレア『毒々喝祭！！』
猛毒の沼地で暴れまくり、
飛沫を周囲に飛ばす
きよはる「！」
飛沫を鎖ではじくが
鎖までも解けてしまう
きよはる（どんだけ強酸なんだ…）
アザレア『束生しおり糸』
強靭な糸を巻き付けた足を一なぎし、
きよはるに打撃を与える
きよはる「かはっ…！！」
ドッ・・・
膝から崩れ落ちる
EP45 苦悶の糸
アザレア「蜘蛛糸って何本にも重なれば飛行機も止められるんだって〜」
きよはる「…」
アザレア「まぁ私はその糸よりもさらに強靭な糸を扱ってるけど」
きよはる（後だしジャンケンのように
出てきた大技の数々・・・到底かなわない）
アザレア「当ててあげる。
君は撲滅隊で唯一真面な人間でかつ、
撲滅隊の幹部たちの中で一番弱いんだ」
きよはる「…!!」
アザレア「それでみんなみたく強くなりたいから
自分も狂人になろうとしてるんだね？
哀れにも」
きよはる「…」
〜入隊時〜
スタン「新しく入るきよはるだ。よろしく頼むぞお前ら。」
きよはる「あ、よろしくお願いしま」
ドスッ！！
黒刀がきよはるの頬を
かすめる
さつじんき「・・・お前は？」
きよはるの目の前まで接近する
とてつもない威圧感をまとって
きよはる「き、北条きよはるです…」
さつじんき「へぇ…」
スタン「さつじんき。新しく入った奴に
威圧すんのやめろ。」
さつじんき「お前が来る前に、
同僚が3人身罷った。
お前はR勢を倒したいって気持ちで
入ったんだろうがな、
これだけは覚えろ」
きよはる「…‼」
固唾をのむ
さつじんき「自分が死んだら、
悲しむやつがいる奴がいることを忘れんな。
迷惑だからだ。だから死ぬな。」
撲滅隊の人は狂人でも
仁義から外れた人はいなかった。
（それでも普通の神経じゃ
初対面に刀で脅すなんてできないけど）
〜神楽坂の喪中〜
さつじんき「…」
冷たく横たわる
それを冷たい視線で見下ろす
きよはる「…アンタが言ったんでしょ。
迷惑だって…」
入隊時にあんなに「死ぬな」と
圧を掛けてきた人が
私よりも先に逝った。
きよはる「たしかに迷惑だ…」
ポロポロと涙が零れ出る
きよはる「ほんとに…邪魔だなぁ…あれ？
なんで、涙が…ぅ…」
死後の後処理なんてどうとでもなる。
問題は…「精神力」。
一人いなくなっただけで
これじゃあ…とても務まらない。
スタン先輩いいなぁ…
あんなに強い能力と精神力なら
きっと頼られて信頼されるだろうなぁ。
アタルフさんすごいなぁ
あのパラソル裁きなら
皆背中を任せられる…
他にもクラーレ、ヒナタ、あっくん
新人たちにも
もう先を越されそうだ…
もっと頭を狂わせないとダメなんだ
狂人にならなきゃ…
もっと狂えば
パシン！！
スタンに軽くビンタされる
きよはる「・・・あ・・・え？」
トパルフ地区外れの焼き肉屋…
スタン「馬鹿野郎」
きよはる「え？」
スタン「馬鹿野郎」
気の抜けた声で
あえてもう一度言う
きよはる「あ、いや聞こえてます」
スタン「お前はR勢を倒すのを頑張ってる。
頑張ってウチのネコをやってる。
だから焼肉。食え。入隊時の約束だ。」
きよはる「あ、ありがとうございます。」
箸を持ち、御飯を進める
スタン「…お前、頭大丈夫か？」
きよはる「え？なんですか急に」
スタン「頭は正常か？」
あ、ようするに自分が真面な人間かどうかってこと…
きよはる「わかりません…」
スタン「…」
きよはる「自分が子供の頃と同じく真面な人間であるべきなのか
生きるために狂人であるべきなのか。わからないです。」
スタン「…」
スッ
きよはるの額に人差し指をつけ、
スタン「バーン」
きよはる「…は？」
唐突な子供だましに面食らう
スタン「はい。ただいまお前は撃たれました。
こえーな。死体が喋ってやがるぞ」
きよはる「ちょっ、ふざけないでいただきたい！！」
スタン「なんてな」
手を広げる
スタン「無礼講の席で何ぬかしてんだ。
お前は狂人って言葉を難しく考えすぎだ。」
きよはる「そうですか？」
スタン「俺らが使う狂人は
人生を無駄なく楽しむやつらを言うんだ。
多少のメリハリは考慮するがな」
きよはる「…」
スタン「無理に狂人になれとは言わない。
真面目でもいい。自己を貫け、
人生を楽しめ。」
きよはる「・・・よし。」
箸を勢いよくもって焼肉御飯をむさぼる
きよはる「じゃあ私は遠慮しません！！
先輩の貯金を破壊します！！！」
スタン「お前ホント切り替え早いな。」
EP46 澪標
アザレア「撲滅隊はみんな狂人だからね
辛いね。ろくでもない仲間のために
自分も同類になろうと頑張るその姿。
私は大好きだよ。良かったら…」
きよはる「いいよ」
アザレア「?」
きよはる「私は初心を貫くから」
バチッ・・・！！
火打ち石を使い
溶けずに残った
鎖に火花を散らす
アザレア「また火？」
きよはる「いくぞR勢！」
ジャララララ…！！
燃焼する鎖のムチをアザレアにぶつける
アザレア「うっとうしいな・・・」
ギャギギギギギギ！！
アザレアの蜘蛛足と鎖のムチが打ち合う
アザレア（さっきよりも加速した！？
さっきまでの狡猾な戦い方は何処に・・・）
バキィ！！
ついにアザレアの顔面に傷をつける
きよはる「ッシャア！」
アザレア（火打石で鎖に火をつけ、
高温で火力を上げている…
守りには回らず、攻撃に集中している…！！）
蜘蛛足を地面に勢いよくつけ、
アザレア「鬱陶しいな『裏極・・』」
きよはる「させない！！まだ撃たせない！！」
バキィッ！！
高温を伴った鎖鞭でアザレアを背後から打つ
ギャリリリリリ…
鎖をアザレアの体中に巻き付け・・・
アザレア「縛られっ…」
グン・・・ドォ！
渾身の力で上に投げ飛ばし、
宙に浮いたアザレアを鞭で後方へ叩き飛ばす
ドドドドドドドドド！！！
アザレア「なんてパワー・・！！」
ドォン！！
足と鞭による攻防が凄まじい地響きを生む
アザレア「今度こそ終わりよ！『裏極 蟲毒の沼地』」
きよはる「あああああああああ！！」
ズズゥウン・・・
〜しばらくしてテント外に
クラーレが駆け付けるが
ザァアアアアアアア・・・
猛毒の雨が降りそそぐ
クラーレ「…きよはるさん？」
返答はなく、
アザレアがきよはるを鎖ごと吸収している。
周辺は腐敗した地面で埋め尽くされており、
あちらこちらにテントの燃えカス、
鉄屑、黒く錆びた鎖が散らばっている
アザレア「あれぇ？またお客？でも待ってね。
この子を吸収する」
きよはるを毒で溶かし吸収している
クラーレ「…」
人を食べる。
しかしそんなことはクラーレに
とってはどうでも良かった。
あったのは、目の前で大事な撲滅隊の仲間を
葬ったR勢に対しての
クラーレ「ぶっころしてやる！！」
純粋な怒り。
共に刀を抜く。
アザレア「もう戦闘する気分じゃないけど」
ガギギギギギギ！！
蜘蛛足で刀の斬撃を受けて
すかさず反撃をする
アザレア『毒々喝祭！！』
猛毒の沼飛沫をクラーレに向かって放つ
クラーレ「『回転斬り・縦！！』」
その毒をものともせず弾き返す！！
アザレア「隙だらけ！」
ズドォン！！
前足2本でクラーレを刀ごと
弾き飛ばす
クラーレ「ぐっ！！」
アザレア「今日のおかずは糸そうめんと刀かな？」
EP47 鼻垂れ小僧
アザレア「3日かそこらしか話してもいない人が
やられたくらいでそんなに怒る？」
クラーレ「・・・」
アザレア「R勢と同じく非R勢なんて腐るほどいるだろうに」
クラーレ「うるさい。同じにするな。」
アザレア「まぁ、どちらにせよ、
あなたはもうじき私の手駒よ」
クラーレ（…おかしい…これだけの強酸が
充満していて少しも匂いがしない。
俺が知ってる薬品じゃないのか？）
アザレア「何かいろいろ考えてるみたいだけど
意味ないよ？」
ギュア！！
クラーレの目の前まで接近する
クラーレ（はやっ・・）
アザレア『束生しおり糸』
ドゴッ！！
腹部に炸裂する
クラーレ「かはっ・・・！！」
ダダダ！！
怯んだところを
前足3本でクラーレが壁に固定される
クラーレ「ぐっ…しまっｔ…」
アザレア「哀れねぇ…あれだけの怒りを込めても
結局この程度…」
グギギギギギ…！！
首がみるみる閉まっていく
クラーレ「あっ・・・かはっ・・・」
ふと気絶しかけたとき
目が後方の鎖にいく。
クラーレ（・・・）
錆びた鉄の鞭。
きよはるの戦いの痕が
刻まれている
クラーレ（鉄製の鎖…錆びてる
…炎を使って闘ったのか…最後まで…）
アザレア「全部終わりよ」
クラーレ（いやでも…それなら…
コイツの足も錆びていても不思議じゃないはず…
同じ鉄なら…鉄なら…鉄！？）
アザレアの蜘蛛足は8本とも
光沢を放っている。
おまけに鉄の鎖を溶かす毒を
浴びても少しも溶けなかった。
クラーレ「ぐっ…あああ・・」
ドスッ！！
刀を握りなおし、
足元の腐った地面に突き刺す
きよはる『私たちは今から
死ぬほど攻撃されて痛みを受ける。
これくらいの痛みは
前もって感じとかないと、
いざ実践になったときに発狂するぞぉ？』
クラーレ「くっ・・・くくく・・」
アザレア「刀を地面に突き立てた⁉」
クラーレ「毒を喰らったおかげで倒し方がわかったよ」
アザレア「!?」
そういった途端、
刀が紫色に染まる
クラーレ「毒を持って毒を制す
『ポイズンソード！！』」
ザシュッ！！
アザレア「!?」
蜘蛛足8本の内の1本を斬り落とす
アザレア「え？え？えええええええぇ？」
酷く困惑する
クラーレ「悪いな。俺は刀で触れたものを
コピーできるんだ。こんだけ毒が飛び散った
腐った地面に触れればポイズンになる。」
アザレア「そんな…！馬鹿な！」
クラーレ「きよはるさんが教えてくれた。」
アザレア「！？」
クラーレ「きよはるの鎖は鉄製。
炎の影響で黒くなってた。
でも君の足は無傷。つまり鉄じゃない。
そして毒。お前の毒では
お前の足は溶けない。
だから俺はお前の足を構成する
金属はステンレス鋼か白金か
そこらだと思った。…まぁ」
アザレア「あが…」
クラーレ「99パー、白金だろうけど」
ザシュザシュザシュ！！
ザシュザシュザシュ！！
ザシュ！！
残りの足7本を両断する
クラーレ「いずれも塩酸で溶ける」
アザレア「あ…」
ドサッ…
全ての足を失い、動けなくなる
クラーレ「最後に何か言い残すことは…」
アザレア「私は悪くない！私は！助けて！
助けて！助けて！助けてよぉぉ！」
クラーレ「！」
予想外にも命乞いをする
クラーレ「そうか俺はお前を屠る」
ギリギリ…
アザレアの首に刃が入っていく
アザレア「嫌だ…嫌だ…
助けて団長…」
ザシュ…
首の骨に刃が入ったところで
意識がなくなる
『駄目だわ…』
男女が手足のない赤子を
サーカスのテント内の
客席に置き去りにする
『こんな手足のない子はウチの子じゃない』
『彼らは間違っている。
これは値段のつけられない宝だ。』
サーカスの団長らしき男が
その赤子を抱きかかえる
『もっとバランスを意識しろ！
ボールと一体になれ！』
ぴしゃりと鞭打つ音が響き、
手足の無い少女に強引に玉乗りをさせる
『何度も言うがお前は俺の子供じゃないから
勘違いするなよ？』
『それでもあなたは私の父親なの』
団長が少女を振り払う
『お前はもうだめだな。
稼げないモノはウチにはいらねぇ。』
ドサッ！
少女を野に放つ
『手足もないようなやつは
虫みたいに地を這いずり回っとけ！
ハハハハハハハハ！！』
クラーレ（なんだこれ・・・
アザレアの記憶か？）
『寒いね・・・私と一緒だね・・・』
小さな蜘蛛に語りかける
『君は何人も知らない魅力を持っているね。
素晴らしい』
上半分が黒、下半分が
白色の髪の男が声をかける
クラーレ（誰だコイツ⁉）
その男が
8本の義肢を彼女に差し出す。
『僕は不幸な人間の味方だ。
君はこの足を使いこなせるかな？』
そういってほほ笑む
アザレア『これがあれば…また
団長に喜んでもらえる』
クラーレ(・・・)
ザシュ！！
首を完全に両断する
クラーレ「過去にどんな扱いを受けていたとしても
Rをすることは許さない」
そういいつつも
そっ・・・
アザレアの亡骸に優しく手を触れる
ザァアアア…
毒で汚染されたサーカス一帯を洗い流すように
大雨が降り注ぐ
EP48 戦争の予兆
スタンサファイア地区の遠征により、
撲滅隊新人隊員3人と
ベテラン隊員1人が犠牲になった。
あっくん「無事だったのクラーレ」
ゼオス「住民の避難はちゃんと終えたぞ」
クラーレ「…そうか」
そういいながらきよはるの
鎖を握りしめる
ヒナタ「お前…きよはるは？」
クラーレ「…」
首を静かに横に振る
あっくん「そっか…」
そうして
生き残った3人組はクラーレを真ん中に
静かに肩を組み合った
ゼオス「…俺は?(´;ω;｀)」
〜酒場〜
アタルフ「…そうか。きよはるが」
マスタ「あれスタンは？」
酒樽の上で横になっている
スタン「黙れ。俺をしばらく寝かせろ。」
アタルフ「…」
マスター「…」
明らかに落ち込んだ様子だ。
スタン(お前はそれでよかったのか…
死んでも良かったのかきよはる…)
マスター「これで2人いなくなったのか…」
アタルフ「残ってるのは俺ら3人、クラーレ、あっくん、ヒナタ
コハル、合計7人か。」
コハル「マズいことになるかもね」
アタルフ「いたのかお前」
マスター「マズいって何が？」
コハル「スタンサファイア地区で
クラーレ一行が打ち取ったアザレアというR勢。
調べた結果、『ブラックアサシン』という組織
が絡んでいたことが判明したよ」
アタルフ「トパルフ地区の最恐戦力か。
つーかお前よく調べたな。怠け癖治ったのか？」
コハル「グウ…」
アタルフ「そうでもないな」
マスター「今の話が本当なら、
自分たちの戦力を削られたことで
全面戦争になるかもな」
アタルフ「!!…まずいな」
マスター「え？俺テキトーに一旦だけど…」
アタルフ「十分あり得る。
早急に戦力を固めるぞ。
総動員で対策だ！！」
〜トパルフ地区 ブラックアサシンアジト〜
アキ「そうか…」
円盤焼きを食いながら
コンテナに腰掛け、
下を見下ろす
アキ「アザレアが逝ったかぁ」
るあ「まぁね。でも、俺は責めはしないよ。
撲滅隊を潰す合法的な言い訳が作れたし」
アキの横で飄々と喋る
マクレン「はぁ、僕が初めて紹介した子なのになぁ」
シーバ「残念やけどな、これで相手方は
大事な大根柱を一つ失ったようやで」
ユウメ「大黒柱ね」
アキ「モグ…ゴクリ…」
食べ終えるとアキは勢いよくコンテナの
上に乗り、トパルフ地区のR勢およそ4000人に告げる
アキ「俺たちは今この瞬間から
新しいステップに入る！！」
掛け声が響く
アキ「R撲滅隊に喧嘩を売る。
どんな強者でも関係ない。
非R勢、中立勢、邪魔な奴は皆ぶっ潰して…」
ざわざわとR勢達がどよめきを見せる
アキ「俺らR勢がこの世界の暗雲を全て牛耳るんだ。」
るあ「こっちだってだぁいじな仲間を一人
失ったんだぞぉ〜？じゃあ、攻め入るしかないよな！？」
R勢「オオオオオオオオォォ！！」
歓声が響き渡り、トパルフ地区内
のR勢は奮い立っていく
Season4~バトデラ事変~
EP49 兄と殺人鬼
Rをするなら当然複数人。それを撲滅するなら道理上1人だろう。
ならどちらにも属さない者ならどうだろう。
中立。ましてや過去にRも非Rも裏切ったことのある者ならば尚更。
廃病院での撲滅隊との戦いからかなりの時が過ぎようとしていた。
屋上での闘争劇で、俺は格の違いを見せつけられた。
雨の降る廃病院の屋上で、小柄で白髪の…撲滅隊の隊長である
「マスター」に一瞬でやられてしまった。
当時の赤十邇…巨大な力をもったR勢組織の首領たる「意地」というものが働いたのか…
今思えば馬鹿馬鹿しい。負けを認めない上、
かつて慕ってくれた弟まで手にかけてしまう。
「兄貴‼︎」
ありし日の弟のその言葉と共に
俺、「神楽坂 慧(通称けいちゃ)」は思考から覚める。
けいちゃ「…アヤト」
弟の名前を呟いた。
撲滅隊本部のあるポヨヨモンド地区の
はずれにある廃工場。
軍需工場だったからか、
鉄砲玉に使われた鉄や錫の焼ける匂いが微かに鼻を突く。
鼻を詰まみながら、
「クセェ…」
とだけ言って、白く長めの髪を揺らしながら、けいちゃは廃工場を後にした。
〜ポヨヨモンド地区 バトデラ霊園〜
パン‼︎パン‼︎
手を合わせる音が、墓場に響く。
それに応えるかのようにそよ風が吹き
灰色の短髪が揺れる。
クラーレ「さつじんきさん…きよはるさん…皆さんのおかげで今、
撲滅隊でなんとか生き延びられています…どうか安らかに…」
赤十邇との戦いでは、さつじんきを
アザレアとの戦いでは、きよはるを失った。
二人とも何だかんだ言って撲滅隊のために戦ってくれたのだ。
クラーレ「俺が必ずトロモフを…R勢を倒しますから…安心して…」
入ってそれほど時間は経っていないとはいえ
仲間の身罷りを目の当たりにしては
悲しさが込み上げる。
クラーレ「…あれ?」
墓参りを終えて、霊園をあとにしようと思ったその時、
頭の上に妙な感覚を覚える。クラーレが上を見やると、
けいちゃ「反応が鈍いな。小僧。」
クラーレ「ええ！？」
なんとクラーレの頭の上に、黒い半袖短パンに白いレースを
羽織った神楽坂慧が胡座を掻いて鎮座していたのだ。
クラーレ「え、けいちゃさん⁉︎一体どうやって…
全く重さを感じなかった…」
けいちゃ「気配を消せば体重も消せる。ニュートンの言葉だ。」
クラーレ「頭に乗ってくるニュートンとか想像したくないですわぁ…」
そうして鍛錬と情報交換の話を思い出す。
クラーレ「あ、何か情報を持ってきてくれたんですか？」
けいちゃ「いや墓参り。」
クラーレ「アンタもかーい…さつじんきさんのですね。」
けいちゃ「…お前たちの仲間もだ。」
クラーレ「！」
そう言ってクラーレと同じように手を合わせる
けいちゃ「アヤト…俺だ。墓参りにきたぞ…
今更どの面下げてって感じだよなぁ…?」
涙混じりの声でつぶやく
けいちゃ「撲滅隊にしても同じだ。
だから裏切った罪を償いたい。俺はどうすればいいんだろうな…」
そういって墓石を抱きしめる
クラーレ「撲滅隊の皆は、あなたのことを責めないと思いますよ」
けいちゃ「…なんだと?」
クラーレ「あ、いや〜…そういうのって撲滅隊の皆は気にしないんじゃないかな〜って」
慰めるつもりで咄嗟に口走ったことを後悔する
実際、撲滅隊の人は優しく、この上なく狂っている。
クラーレ「だから…罪を償いたいって思うなら
昔みたいに、撲滅隊に入ってR勢を倒していくのが一番だと思います。」
けいちゃ「俺が？撲滅隊に？」
クラーレ「はい」
けいちゃ「…フッ…はははは…」
目を逸らして苦笑する。
けいちゃ「俺は完璧主義だ。一度言ったことは曲げない。
口先だけの撲滅隊にはもうならない。
もし俺が入りたいと思うなら、結果で示す。
認めてもらうにはそれしかないだろう」
クラーレ「は、はぁ。」
けいちゃ「さて、ここからは重大な情報だ。
ブラックアサシンが動き出した」
クラーレ「え?」
禁制区域、トパルフ地区を拠点とした
首領 黒星千秋の率いる
最強R勢組織である。
クラーレ「どういうことだ…」
けいちゃ「詳しい策略は知らないが、構えておいた方がいい。
ただ漁村のスタンサファイア地区が襲われたのも
奴らの仕業だ。他の地区を侵略して、
最終的には撲滅隊を潰そうとしているはず。」
バリケードでブラックアサシンはトパルフ地区から
動けないため、遠隔操作でアザレアを派遣したのだ。
クラーレ「バリケードがあるから大丈夫じゃあ…」
けいちゃ「あんなものをアテにするか。
果たしていつまでもつだろうなぁ。
まあいい。ただこれだけは教えてやる。」
クラーレ「?」
けいちゃ「ブラックアサシンのやつらは
お前らが今まで相手にしてきた
R勢よりも別格に強いぞ。」
強烈な圧と共にそう繰り出す
クラーレは五臓六腑共々震え、
霊園をあとにした
ならどちらにも属さない者ならどうだろう。
中立。ましてや過去にRも非Rも裏切ったことのある者ならば尚更。
廃病院での撲滅隊との戦いからかなりの時が過ぎようとしていた。
屋上での闘争劇で、俺は格の違いを見せつけられた。
雨の降る廃病院の屋上で、小柄で白髪の…撲滅隊の隊長である
「マスター」に一瞬でやられてしまった。
当時の赤十邇…巨大な力をもったR勢組織の首領たる「意地」というものが働いたのか…
今思えば馬鹿馬鹿しい。負けを認めない上、
かつて慕ってくれた弟まで手にかけてしまう。
「兄貴‼︎」
ありし日の弟のその言葉と共に
俺、「神楽坂 慧(通称けいちゃ)」は思考から覚める。
けいちゃ「…アヤト」
弟の名前を呟いた。
撲滅隊本部のあるポヨヨモンド地区の
はずれにある廃工場。
軍需工場だったからか、
鉄砲玉に使われた鉄や錫の焼ける匂いが微かに鼻を突く。
鼻を詰まみながら、
「クセェ…」
とだけ言って、白く長めの髪を揺らしながら、けいちゃは廃工場を後にした。
〜ポヨヨモンド地区 バトデラ霊園〜
パン‼︎パン‼︎
手を合わせる音が、墓場に響く。
それに応えるかのようにそよ風が吹き
灰色の短髪が揺れる。
クラーレ「さつじんきさん…きよはるさん…皆さんのおかげで今、
撲滅隊でなんとか生き延びられています…どうか安らかに…」
赤十邇との戦いでは、さつじんきを
アザレアとの戦いでは、きよはるを失った。
二人とも何だかんだ言って撲滅隊のために戦ってくれたのだ。
クラーレ「俺が必ずトロモフを…R勢を倒しますから…安心して…」
入ってそれほど時間は経っていないとはいえ
仲間の身罷りを目の当たりにしては
悲しさが込み上げる。
クラーレ「…あれ?」
墓参りを終えて、霊園をあとにしようと思ったその時、
頭の上に妙な感覚を覚える。クラーレが上を見やると、
けいちゃ「反応が鈍いな。小僧。」
クラーレ「ええ！？」
なんとクラーレの頭の上に、黒い半袖短パンに白いレースを
羽織った神楽坂慧が胡座を掻いて鎮座していたのだ。
クラーレ「え、けいちゃさん⁉︎一体どうやって…
全く重さを感じなかった…」
けいちゃ「気配を消せば体重も消せる。ニュートンの言葉だ。」
クラーレ「頭に乗ってくるニュートンとか想像したくないですわぁ…」
そうして鍛錬と情報交換の話を思い出す。
クラーレ「あ、何か情報を持ってきてくれたんですか？」
けいちゃ「いや墓参り。」
クラーレ「アンタもかーい…さつじんきさんのですね。」
けいちゃ「…お前たちの仲間もだ。」
クラーレ「！」
そう言ってクラーレと同じように手を合わせる
けいちゃ「アヤト…俺だ。墓参りにきたぞ…
今更どの面下げてって感じだよなぁ…?」
涙混じりの声でつぶやく
けいちゃ「撲滅隊にしても同じだ。
だから裏切った罪を償いたい。俺はどうすればいいんだろうな…」
そういって墓石を抱きしめる
クラーレ「撲滅隊の皆は、あなたのことを責めないと思いますよ」
けいちゃ「…なんだと?」
クラーレ「あ、いや〜…そういうのって撲滅隊の皆は気にしないんじゃないかな〜って」
慰めるつもりで咄嗟に口走ったことを後悔する
実際、撲滅隊の人は優しく、この上なく狂っている。
クラーレ「だから…罪を償いたいって思うなら
昔みたいに、撲滅隊に入ってR勢を倒していくのが一番だと思います。」
けいちゃ「俺が？撲滅隊に？」
クラーレ「はい」
けいちゃ「…フッ…はははは…」
目を逸らして苦笑する。
けいちゃ「俺は完璧主義だ。一度言ったことは曲げない。
口先だけの撲滅隊にはもうならない。
もし俺が入りたいと思うなら、結果で示す。
認めてもらうにはそれしかないだろう」
クラーレ「は、はぁ。」
けいちゃ「さて、ここからは重大な情報だ。
ブラックアサシンが動き出した」
クラーレ「え?」
禁制区域、トパルフ地区を拠点とした
首領 黒星千秋の率いる
最強R勢組織である。
クラーレ「どういうことだ…」
けいちゃ「詳しい策略は知らないが、構えておいた方がいい。
ただ漁村のスタンサファイア地区が襲われたのも
奴らの仕業だ。他の地区を侵略して、
最終的には撲滅隊を潰そうとしているはず。」
バリケードでブラックアサシンはトパルフ地区から
動けないため、遠隔操作でアザレアを派遣したのだ。
クラーレ「バリケードがあるから大丈夫じゃあ…」
けいちゃ「あんなものをアテにするか。
果たしていつまでもつだろうなぁ。
まあいい。ただこれだけは教えてやる。」
クラーレ「?」
けいちゃ「ブラックアサシンのやつらは
お前らが今まで相手にしてきた
R勢よりも別格に強いぞ。」
強烈な圧と共にそう繰り出す
クラーレは五臓六腑共々震え、
霊園をあとにした
EP50 指を咥えて
夜の酒場はとても静かで
まばたきをする音すら聞こえてしまいそうだ。
いつもはにぎやかなあっくんも、ヒナタも、
ジュースを片手に息をひそめてしまう。
クラーレ、ヒナタ、あっくんの三人は
夜中に酒場のバーで日頃のR勢討伐の疲れを癒していた。
ここは撲滅隊本部から少しだけ離れた酒場。
撲滅隊員の集いの場であり、会議もこの場で開かれる。
店主はR勢から守ってもらっているお礼に
撲滅隊員にこの場を提供してくれているのだ。
「お客さんら、夜中に宴会とは明日に差し障りがあるのでは？」
店主がそう小声で言う。
手元には綺麗にカットされた氷の山がある。
ザクザクザク…と氷を小型ナイフで器用に研いでいく音は
3人の心を穏やかにさせる。
「ちょっとした会議ですよ会議」
クラーレが慌てて応える。
と同時に話をどう切り出そうかと内心慌てている。
『ブラックアサシンが動き始めている』
昼間のけいちゃの言葉を思い出す。
ブラックアサシンは巨大組織。
戦うとなれば無事ではすまない。
彼らを閉じ込めているバリケードも
壊されるのは時間の問題だろう。
ならば当然こちらも迅速に動かなければならない。
「ねぇクラーレ。さっきから黙ってどうかした?」
「大将‼︎ビール追加‼︎」
「レモンジュースでしょそれ。」
あっくんがクラーレを心配して尋ねる。
同時に、ヒナタにツッコミをいれる。
「あのさ…」
しぶしぶ切り出す
「ブラックアサシンが動き出した」
そういって二人を見ると
「はぁ?」
ヒナタはまるっきり興味が無さそうだ。
レモン汁に酢酸入れて飲んだためか
顔が引き締まっている。
「それ前にも聞いたけど本当?バリケードがあるから大丈夫じゃないの?」
緑茶を飲みながら回転する椅子をグリッサードのように揺らす
すると
バアン‼︎
と勢いよくドアが開く。
同時にアタルフが入ってくる
「コハルテメェ‼︎なんで夜な夜な酒場に来て寝てやがんだ‼︎今日の宿直はテメェだろうが‼︎」
それを聞いた三人は驚愕する。
なんと自分たちが座っていたカウンター席の
後ろでコハルが寝ていたのだ。
入ってきた時は全く気が付かなかった。
コハル「んあ?」
アタルフ「お前らも明日R勢の討伐で忙しいんだから寝ろよ…って何だこの刺激臭は」
アタルフが鼻をつまむ。
ヒナタ「あ、悪い。王水ジュース作ろうとしてつい…」
アタルフ「酒場で劇薬を作るな。」
クラーレ「すいません。ブラックアサシンのことでちょっと相談を…」
アタルフ「…‼︎」
驚いた様子でクラーレを見ると
コハルの首を掴んで外へ向く。
アタルフ「…お前らは寝ろ。頼むから首を突っ込むな。」
クラーレ達のような若手が独断で行動をした時は
もれなくアタルフの鉄拳制裁がついてくるはずだが、
今回は無かった。
ただただ、三人がブラックアサシンの話をするのを
やめさせ、静かに拒絶し、酒場を去っていった。
あっくん「どうしたんだろう。そんなに危ない話はしてないけど…」
クラーレ「俺行ってくるよ。」
〜酒場前の道〜
クラーレ「アタルフ‼︎さっきのはどういう意味ですか‼︎
なんで撲滅隊が危ういのに話に関わったらダメなんですか⁉︎」
アタルフ「…奴らは喧嘩って次元じゃない。
殺し屋。アサシンなんだよ。命の取り合いだ。厳しい戦いになる。」
クラーレ「じゃあ尚更人手が必要じゃ…」
パチンッ
音もなく、10mも離れていたにも関わらず
クラーレの額をデコピンした。
クラーレ「うっ…」
音もなく来てた…全く見えなかった…
アタルフ「死んだ奴は土に還るだけ。
どれだけ多くの人脈に恵まれても死ぬ時は一人だ。
お前らは若すぎる。いいか?判断を見誤るな。
これは大人の戦いだ。お前らに出る幕は無い。
3人とも次の会議には出なくていい。
普段通りR勢を討て。」
クラーレ「…」
何も言い返せず、その場に立ち尽くしていた。
〜ヒナタの家〜
ヒナタ「アタルフがそんなことを？」
クラーレ「うん。だから俺たちは参加するなって」
あっくん「若手を思いやっての決断だね。従うしかないのかな」
クラーレ「それにしたってこんな仕打ちは初めてだよ」
そういうとヒナタは頭を掻き
ヒナタ「仕方ねぇよ。元撲滅隊の隊長だもん。ブラックアサシンのボスは。」
クラーレ「‼︎」
そうだった。かつて黒星千秋はアタルフ達の仲間だったんだ。
あっくん「…ここはアタルフさんの言う通りにするべきだよ。」
ヒナタ「そうだな。足手纏いになる。」
クラーレ「え?…」
そんな…じゃあ先輩達が戦っているのを指を咥えて見ていろって言うのか?
納得できない…
まばたきをする音すら聞こえてしまいそうだ。
いつもはにぎやかなあっくんも、ヒナタも、
ジュースを片手に息をひそめてしまう。
クラーレ、ヒナタ、あっくんの三人は
夜中に酒場のバーで日頃のR勢討伐の疲れを癒していた。
ここは撲滅隊本部から少しだけ離れた酒場。
撲滅隊員の集いの場であり、会議もこの場で開かれる。
店主はR勢から守ってもらっているお礼に
撲滅隊員にこの場を提供してくれているのだ。
「お客さんら、夜中に宴会とは明日に差し障りがあるのでは？」
店主がそう小声で言う。
手元には綺麗にカットされた氷の山がある。
ザクザクザク…と氷を小型ナイフで器用に研いでいく音は
3人の心を穏やかにさせる。
「ちょっとした会議ですよ会議」
クラーレが慌てて応える。
と同時に話をどう切り出そうかと内心慌てている。
『ブラックアサシンが動き始めている』
昼間のけいちゃの言葉を思い出す。
ブラックアサシンは巨大組織。
戦うとなれば無事ではすまない。
彼らを閉じ込めているバリケードも
壊されるのは時間の問題だろう。
ならば当然こちらも迅速に動かなければならない。
「ねぇクラーレ。さっきから黙ってどうかした?」
「大将‼︎ビール追加‼︎」
「レモンジュースでしょそれ。」
あっくんがクラーレを心配して尋ねる。
同時に、ヒナタにツッコミをいれる。
「あのさ…」
しぶしぶ切り出す
「ブラックアサシンが動き出した」
そういって二人を見ると
「はぁ?」
ヒナタはまるっきり興味が無さそうだ。
レモン汁に酢酸入れて飲んだためか
顔が引き締まっている。
「それ前にも聞いたけど本当?バリケードがあるから大丈夫じゃないの?」
緑茶を飲みながら回転する椅子をグリッサードのように揺らす
すると
バアン‼︎
と勢いよくドアが開く。
同時にアタルフが入ってくる
「コハルテメェ‼︎なんで夜な夜な酒場に来て寝てやがんだ‼︎今日の宿直はテメェだろうが‼︎」
それを聞いた三人は驚愕する。
なんと自分たちが座っていたカウンター席の
後ろでコハルが寝ていたのだ。
入ってきた時は全く気が付かなかった。
コハル「んあ?」
アタルフ「お前らも明日R勢の討伐で忙しいんだから寝ろよ…って何だこの刺激臭は」
アタルフが鼻をつまむ。
ヒナタ「あ、悪い。王水ジュース作ろうとしてつい…」
アタルフ「酒場で劇薬を作るな。」
クラーレ「すいません。ブラックアサシンのことでちょっと相談を…」
アタルフ「…‼︎」
驚いた様子でクラーレを見ると
コハルの首を掴んで外へ向く。
アタルフ「…お前らは寝ろ。頼むから首を突っ込むな。」
クラーレ達のような若手が独断で行動をした時は
もれなくアタルフの鉄拳制裁がついてくるはずだが、
今回は無かった。
ただただ、三人がブラックアサシンの話をするのを
やめさせ、静かに拒絶し、酒場を去っていった。
あっくん「どうしたんだろう。そんなに危ない話はしてないけど…」
クラーレ「俺行ってくるよ。」
〜酒場前の道〜
クラーレ「アタルフ‼︎さっきのはどういう意味ですか‼︎
なんで撲滅隊が危ういのに話に関わったらダメなんですか⁉︎」
アタルフ「…奴らは喧嘩って次元じゃない。
殺し屋。アサシンなんだよ。命の取り合いだ。厳しい戦いになる。」
クラーレ「じゃあ尚更人手が必要じゃ…」
パチンッ
音もなく、10mも離れていたにも関わらず
クラーレの額をデコピンした。
クラーレ「うっ…」
音もなく来てた…全く見えなかった…
アタルフ「死んだ奴は土に還るだけ。
どれだけ多くの人脈に恵まれても死ぬ時は一人だ。
お前らは若すぎる。いいか?判断を見誤るな。
これは大人の戦いだ。お前らに出る幕は無い。
3人とも次の会議には出なくていい。
普段通りR勢を討て。」
クラーレ「…」
何も言い返せず、その場に立ち尽くしていた。
〜ヒナタの家〜
ヒナタ「アタルフがそんなことを？」
クラーレ「うん。だから俺たちは参加するなって」
あっくん「若手を思いやっての決断だね。従うしかないのかな」
クラーレ「それにしたってこんな仕打ちは初めてだよ」
そういうとヒナタは頭を掻き
ヒナタ「仕方ねぇよ。元撲滅隊の隊長だもん。ブラックアサシンのボスは。」
クラーレ「‼︎」
そうだった。かつて黒星千秋はアタルフ達の仲間だったんだ。
あっくん「…ここはアタルフさんの言う通りにするべきだよ。」
ヒナタ「そうだな。足手纏いになる。」
クラーレ「え?…」
そんな…じゃあ先輩達が戦っているのを指を咥えて見ていろって言うのか?
納得できない…
EP51 未練がまだある
〜翌朝酒場〜
アタルフ「すまないな。朝から集まってもらって」
マスター「気にすんな‼︎」
アタルフ「お前が言うな。」
寝起きの隊長にツッコミをいれる
スタン「…いつかは来ると思っていたことだ。今更、どうということはない。」
コハル「スピー…スピー…」
いつも通り寝ている。
ゼオス「おい…起こさなくていいのか？この女」
アタルフ「いいですよゼオスさん。コイツは話を聞かなくても
やるべきことは全てこなせる。」
ゼオス「天才かよ」
ゼオス。サーカスで新たに加わった熟練の非R勢で
扱いが難しいハンマーを巧みに扱う歴戦の猛者だ。
アタルフ「怪我は治りましたか?」
ゼオス「ああ。完治だ。俺もきよはるやお前達によく助けてもらったことがある。
今回は力を貸すぜ。」
アタルフ「ありがたい。」
コハル「暑苦しいハンマーオヤジは良しとして
若手衆はどこ行ったの?」
ゼオス「てめぇ…怒」
アタルフ「今回の戦争には参加させない。
若すぎる。経験がなさすぎる。」
コハル「ふーん。まあいっか。
会議終わったら起こして〜ゼウスくん」
ゼオス「ゼオスだ。あと寝るなよ。」
アタルフ「今回の会議はブラックアサシンとの戦争についてだ。
スタンサファイア地区は撲滅隊の管轄下。被害があったのなら
黙っていられねえ。」
マスター「そう。相手も相当な数だ。聞けば数千にもなるらしい。
だから小回りが効くようになるべく少人数で動きたい。
俺、アタルフ、コハル、スタン、ゼオスの五人で統率及び幹部の始末を行う。」
コハル「おーいいな〜マスターちゃん。急に隊長っぽいオーラ出てる。」
拍手喝采を送る
スタン「お前結局起きるのね」
アタルフ「バリケードはもう保たねえはずだ。今にも壊れる。
五つの地区のうち、撲滅隊のあるポヨヨモンド地区、財団の森林があるエメDラルド地区には
絶対入れさせるな‼︎奴らの根城があるトパルフ地区…少なくともスタンサファイア地区、ギガルビー地区に抑えろ‼︎」
全員「了解‼︎」
そう喋り終えた途端…
バァン‼︎
勢いよく扉が開き、クラーレが入ってくる
アタルフ「お前…‼︎」
クラーレ「アタルフ‼︎俺たちにも参加させてください‼︎この通りです‼︎」
アタルフ「…‼︎お前何度言えばわかるん…」
ガシャン‼︎
木製の椅子が凄まじい勢いで飛び、クラーレの頬を掠める。
クラーレ「っ…」
次の瞬間、空気が歪むような威圧感とともにスタンが口を開く
スタン「クラーレ…」
クラーレの顔を覗き込む
スタン「クソガキがァ…舐めてんじゃねえぞ…
会議に来るなって言われたはずだよなぁ??なんで来たんだ?」
クラーレ「ひっ…うあ…」
思わず目を背けてしまう
コハル(あらあら…それはダメだよクラーレちゃん)
スタン「俺の目を見ろ。○すぞ。」
ドッ‼︎
クラーレの鳩尾を蹴り上げる
クラーレ「ガハッ‼︎」
スタン「お前…今日で撲滅隊やめろ。
忠告を守れないガキに明日の命が保証されると思うなよ?」
クラーレ「い、嫌です‼︎」
それを聞いたスタンが目を見開きこめかみを軋ませる。
スタン「嫌…だと?勘違いするな。新人の思い上がりが。大きな戦いで戦果を上げたからと言って調子に乗るな」
クラーレ「う…あ…」
鳥肌と痙攣が止まらない。
スタン「クソガキ。明日来た時にまだいたら…本当に○す」
そう言って椅子を取り、もとの位置に着席した。
クラーレは全く動くことも出来ず、
会議は終わり、アタルフ以外皆帰っていった。
アタルフ「クラーレ…大丈夫か。」
クラーレ「すみませんアタルフさん…俺…自分が少しでも強くなったと思って…
思い上がっていました…ごめんなさい…」
それを聞いたアタルフが倒れたクラーレを優しく起こす。
アタルフ「スタンは自分が育てた若手を多く失ってる。
それだけにお前に死んでほしくないんだ。
若く可能性に溢れたお前らは生きなければならない。」
クラーレ「…俺…撲滅隊を抜けたくないです…」
涙を流してそう言う
アタルフ「お前スタンの怒りを買いすぎだ。
あの人を前にして目を逸らすのは熊に対して背を向けるようなものだ。」
クラーレ「…」
アタルフ「とりあえず今日は帰れ…明日酒場でどうするか考えろ」
クラーレ「はい」
アタルフ「すまないな。朝から集まってもらって」
マスター「気にすんな‼︎」
アタルフ「お前が言うな。」
寝起きの隊長にツッコミをいれる
スタン「…いつかは来ると思っていたことだ。今更、どうということはない。」
コハル「スピー…スピー…」
いつも通り寝ている。
ゼオス「おい…起こさなくていいのか？この女」
アタルフ「いいですよゼオスさん。コイツは話を聞かなくても
やるべきことは全てこなせる。」
ゼオス「天才かよ」
ゼオス。サーカスで新たに加わった熟練の非R勢で
扱いが難しいハンマーを巧みに扱う歴戦の猛者だ。
アタルフ「怪我は治りましたか?」
ゼオス「ああ。完治だ。俺もきよはるやお前達によく助けてもらったことがある。
今回は力を貸すぜ。」
アタルフ「ありがたい。」
コハル「暑苦しいハンマーオヤジは良しとして
若手衆はどこ行ったの?」
ゼオス「てめぇ…怒」
アタルフ「今回の戦争には参加させない。
若すぎる。経験がなさすぎる。」
コハル「ふーん。まあいっか。
会議終わったら起こして〜ゼウスくん」
ゼオス「ゼオスだ。あと寝るなよ。」
アタルフ「今回の会議はブラックアサシンとの戦争についてだ。
スタンサファイア地区は撲滅隊の管轄下。被害があったのなら
黙っていられねえ。」
マスター「そう。相手も相当な数だ。聞けば数千にもなるらしい。
だから小回りが効くようになるべく少人数で動きたい。
俺、アタルフ、コハル、スタン、ゼオスの五人で統率及び幹部の始末を行う。」
コハル「おーいいな〜マスターちゃん。急に隊長っぽいオーラ出てる。」
拍手喝采を送る
スタン「お前結局起きるのね」
アタルフ「バリケードはもう保たねえはずだ。今にも壊れる。
五つの地区のうち、撲滅隊のあるポヨヨモンド地区、財団の森林があるエメDラルド地区には
絶対入れさせるな‼︎奴らの根城があるトパルフ地区…少なくともスタンサファイア地区、ギガルビー地区に抑えろ‼︎」
全員「了解‼︎」
そう喋り終えた途端…
バァン‼︎
勢いよく扉が開き、クラーレが入ってくる
アタルフ「お前…‼︎」
クラーレ「アタルフ‼︎俺たちにも参加させてください‼︎この通りです‼︎」
アタルフ「…‼︎お前何度言えばわかるん…」
ガシャン‼︎
木製の椅子が凄まじい勢いで飛び、クラーレの頬を掠める。
クラーレ「っ…」
次の瞬間、空気が歪むような威圧感とともにスタンが口を開く
スタン「クラーレ…」
クラーレの顔を覗き込む
スタン「クソガキがァ…舐めてんじゃねえぞ…
会議に来るなって言われたはずだよなぁ??なんで来たんだ?」
クラーレ「ひっ…うあ…」
思わず目を背けてしまう
コハル(あらあら…それはダメだよクラーレちゃん)
スタン「俺の目を見ろ。○すぞ。」
ドッ‼︎
クラーレの鳩尾を蹴り上げる
クラーレ「ガハッ‼︎」
スタン「お前…今日で撲滅隊やめろ。
忠告を守れないガキに明日の命が保証されると思うなよ?」
クラーレ「い、嫌です‼︎」
それを聞いたスタンが目を見開きこめかみを軋ませる。
スタン「嫌…だと?勘違いするな。新人の思い上がりが。大きな戦いで戦果を上げたからと言って調子に乗るな」
クラーレ「う…あ…」
鳥肌と痙攣が止まらない。
スタン「クソガキ。明日来た時にまだいたら…本当に○す」
そう言って椅子を取り、もとの位置に着席した。
クラーレは全く動くことも出来ず、
会議は終わり、アタルフ以外皆帰っていった。
アタルフ「クラーレ…大丈夫か。」
クラーレ「すみませんアタルフさん…俺…自分が少しでも強くなったと思って…
思い上がっていました…ごめんなさい…」
それを聞いたアタルフが倒れたクラーレを優しく起こす。
アタルフ「スタンは自分が育てた若手を多く失ってる。
それだけにお前に死んでほしくないんだ。
若く可能性に溢れたお前らは生きなければならない。」
クラーレ「…俺…撲滅隊を抜けたくないです…」
涙を流してそう言う
アタルフ「お前スタンの怒りを買いすぎだ。
あの人を前にして目を逸らすのは熊に対して背を向けるようなものだ。」
クラーレ「…」
アタルフ「とりあえず今日は帰れ…明日酒場でどうするか考えろ」
クラーレ「はい」
EP52 戦争の火弾
〜酒場〜
クラーレはカウンター席で突っ伏していた。
昨日に感じたあの威圧感と
『明日来てまだいたら本当に○す』
何度思い出しても恐怖だった。
しかし、トロモフを倒すと決めた以上は
撲滅隊から抜けたくない。
せっかく出来た仲間ともお別れなどクラーレには耐えられなかった。
店主「お客さんも大変ですね。目を逸らしただけで破門とは」
クラーレ「なんで知ってるんですか」
これまで多くの悩み相談にのってきた店主は
情報を得るのが人一倍早かった。
店主「私も撲滅隊だったからわかります。
あなたのように、先輩から破門にされかけたこともありますし。」
そう言って義足となった片足を見せる。
R勢にやられたのだ。
クラーレ「‼︎…そうなんですか。」
店主「ただね…それが自分のためだったのだと
だいぶ経ってから気づくんです。
目線を重視する力を得られたり…」
クラーレ「…」
店主「先輩の言うことは周り回って自分のためになるんです。」
クラーレと店主が話していると
ドォン‼︎
勢いよく扉が開く
スタン「お前…まだいたのかよ。撲滅隊から消えろと言ったよなあ」
クラーレ「ス…スタンさん…」
スタン「ん?」
クラーレ「俺…まだ未熟者で、強くもなんともないですが
撲滅隊の役に立ちたいんです‼︎R勢による犠牲は二度と出したくないんです‼︎
もう一度チャンスをください‼︎」
スタン「…」
沈黙が続くと…
スタンは何かを察知したように瞼をピクリと動かすと
スタン「口閉じとけ」
クラーレ「⁉︎」
ドオオオオン‼︎
酒場のドアから爆発が起きる
スタンはクラーレと店主を抱え、
間一髪で爆発を避ける
クラーレ「な…なんだ?」
スタン(チッ…襲撃か…
建物…骨組みの損傷が激しいな。じきに倒壊する…
周囲は火が回っている。上から脱出する！)
そう言って床に触れると
ズズゥゥン‼︎
巨大な土の壁が生え、天井を破壊する。
そしてスタンは俺と店主を抱えたまま
大穴の空いた天井から軽々と脱出する。
「攻め込みますか?」
「いやええわ。どうせ奴なら脱出するやろ。」
襲撃者と思わしき人の声がする
その直後、ピンッという音がする
スタン「ッ‼︎…クラーレ‼︎店主を守れ‼︎」
クラーレ「えっ…」
スタン「撲滅隊の役に立ちたいなら動けノロマ‼︎」
スタンが怒鳴り、クラーレは刀を抜く。
ドォン‼︎
クラーレ「やっぱ手榴弾か‼︎」
爆破がクラーレと店主に直撃する刹那、
スタンの土壁がそれを防ぐ。
クラーレ「店主‼︎俺が背中を守ります‼︎どこか安全な所に‼︎」
店主「すまない…‼︎」
下っ端「させると思うか⁉︎逝けええ！」
ナイフを持った下っ端数人が切り掛かってくる
クラーレ「悪いけどなあ…俺も一応死線は潜ってんだよ‼︎」
ザンザンッ‼︎
下っ端を切り捨てる
下っ端「後ろがガラ空きだ‼︎」
クラーレ「っ」
虚をつかれるが
パリィン‼︎
瓶が割れる音と共に下っ端が倒れる
店主「元撲滅隊を舐めるな」
クラーレ「あ、ありがとうございます。
R勢はスタンさんが相手をしてくれてる…
今のうちに逃げてください」
店主「わかった。撲滅隊本部に行って応援を呼んでくる」
下っ端×10「スタンだ‼︎手柄を取るぞぉぉ！！」
スタン「アホが」
中指二本を下に向ける
ゴシャゴシャッ‼︎
下っ端が跡形もなく潰れる
スタン「さて、そこにいるのは分かってる。出てこい。」
燃え盛る炎の中から人影が出てくる
黒髪に金色の瞳。独特の喋り方。
⁇?「なーんや。隠れんぼでもしよか〜思ったのに」
スタン「…ブラックアサシンのシーバだったか…」
シーバ「おぉ！名前知ってくれてんの?嬉しいことやなあ。」
ブラックアサシン 第七邇 シーバ
シーバ「ホンマにあの人は賢いで〜?情報通である酒場と同時に幹部を一人始末しようなんて
そんで俺を出向かせたんや‼︎賢いと思わん⁉︎どっちに転んでも俺らが得や‼︎」
スタン「慢心も甚だしい。少なくともお前を向かわせた『あの方』はとんでもない馬鹿なんだな」
シーバ「ああ…?なんやと?テメェ…あの方を馬鹿にしたかぁ?
それは早くあの世に逝かせてほしいって遺言か?それとも…」
ブワッ‼︎
一瞬でスタンと距離を詰める
シーバ「俺と喧嘩がしたいってことかあ⁉︎」
スタン「‼︎…はっや…」
ドドドドドドドド‼︎
目にも止まらない速さで拳を連打する
スタン「速いが俺を捕らえるに至らない。」
すんでのところで土の壁でガードしていた
シーバ「良い反応や‼︎だがこれならどうや！！」
シーバは先程と同じ体制で拳を繰り出し、
スタンはそれを土壁でガードする
しかし
ドゴオオオン‼︎
轟音と共に土壁が打ち砕かれ、
そのままスタンの右頬を掠める
スタン(なんだコイツ…拳が掠っただけで頬が裂けた…
さらに土の壁を拳で壊しやがった…さっきと同じ体制だったから
おそらくは能力だな…)
シーバ「とことん反応がいいなぁお前‼︎顔面に印鑑おしたろ思ったのに」
スタン「じゃあインクはテメエの血で代用してやるよ」
スタンが反旗を翻すようにシーバと距離を詰める
シーバ(アホが…俺と接近戦するとか張り合いなさすぎるわ…)
そしてシーバの右ストレートをスタンは下にかがんで避けると同時に
シーバの足元に手を触れる
そして
ズアアアアアアアアア‼︎
シーバの足元の地面だけ急上昇する
シーバ「うがああああ‼︎」
スタン「上へ参りまーす。そして〜」
シュンッ…
スタン「下に参りまーす」
シーバの乗っていた土壁が消え、
地上へ真っ逆さまになる
シーバ「うおおお…‼︎」
だが地面に激突する直前に
シーバ「なーまーぬーるーいーんーだーよっ‼︎」
ドゴッ！
落下の衝撃を利用して拳を地面に突き立てると
大地が4つに割れていく
シーバ「地割れ‼︎」
スタン「マジか…」
さっきの土壁粉砕にもこれを使ったってわけか…
地割れによって裂けた部分から距離を取ろうとした瞬間…
ドドドドドドドドドドドド‼︎
巨大な土の壁がシーバとスタンを囲うようにそびえ生えてくる
シーバ「輪環土壁‼︎
スタン「…こりゃあスゲー。能力被ったなあ。」
天高く生える土の壁を見上げて感心する
シーバ「俺の土俵からは逃さへんで?
地の果てまで追い詰めて殴り潰したるわスタン」
そういって楽しそうに首を鳴らした
クラーレはカウンター席で突っ伏していた。
昨日に感じたあの威圧感と
『明日来てまだいたら本当に○す』
何度思い出しても恐怖だった。
しかし、トロモフを倒すと決めた以上は
撲滅隊から抜けたくない。
せっかく出来た仲間ともお別れなどクラーレには耐えられなかった。
店主「お客さんも大変ですね。目を逸らしただけで破門とは」
クラーレ「なんで知ってるんですか」
これまで多くの悩み相談にのってきた店主は
情報を得るのが人一倍早かった。
店主「私も撲滅隊だったからわかります。
あなたのように、先輩から破門にされかけたこともありますし。」
そう言って義足となった片足を見せる。
R勢にやられたのだ。
クラーレ「‼︎…そうなんですか。」
店主「ただね…それが自分のためだったのだと
だいぶ経ってから気づくんです。
目線を重視する力を得られたり…」
クラーレ「…」
店主「先輩の言うことは周り回って自分のためになるんです。」
クラーレと店主が話していると
ドォン‼︎
勢いよく扉が開く
スタン「お前…まだいたのかよ。撲滅隊から消えろと言ったよなあ」
クラーレ「ス…スタンさん…」
スタン「ん?」
クラーレ「俺…まだ未熟者で、強くもなんともないですが
撲滅隊の役に立ちたいんです‼︎R勢による犠牲は二度と出したくないんです‼︎
もう一度チャンスをください‼︎」
スタン「…」
沈黙が続くと…
スタンは何かを察知したように瞼をピクリと動かすと
スタン「口閉じとけ」
クラーレ「⁉︎」
ドオオオオン‼︎
酒場のドアから爆発が起きる
スタンはクラーレと店主を抱え、
間一髪で爆発を避ける
クラーレ「な…なんだ?」
スタン(チッ…襲撃か…
建物…骨組みの損傷が激しいな。じきに倒壊する…
周囲は火が回っている。上から脱出する！)
そう言って床に触れると
ズズゥゥン‼︎
巨大な土の壁が生え、天井を破壊する。
そしてスタンは俺と店主を抱えたまま
大穴の空いた天井から軽々と脱出する。
「攻め込みますか?」
「いやええわ。どうせ奴なら脱出するやろ。」
襲撃者と思わしき人の声がする
その直後、ピンッという音がする
スタン「ッ‼︎…クラーレ‼︎店主を守れ‼︎」
クラーレ「えっ…」
スタン「撲滅隊の役に立ちたいなら動けノロマ‼︎」
スタンが怒鳴り、クラーレは刀を抜く。
ドォン‼︎
クラーレ「やっぱ手榴弾か‼︎」
爆破がクラーレと店主に直撃する刹那、
スタンの土壁がそれを防ぐ。
クラーレ「店主‼︎俺が背中を守ります‼︎どこか安全な所に‼︎」
店主「すまない…‼︎」
下っ端「させると思うか⁉︎逝けええ！」
ナイフを持った下っ端数人が切り掛かってくる
クラーレ「悪いけどなあ…俺も一応死線は潜ってんだよ‼︎」
ザンザンッ‼︎
下っ端を切り捨てる
下っ端「後ろがガラ空きだ‼︎」
クラーレ「っ」
虚をつかれるが
パリィン‼︎
瓶が割れる音と共に下っ端が倒れる
店主「元撲滅隊を舐めるな」
クラーレ「あ、ありがとうございます。
R勢はスタンさんが相手をしてくれてる…
今のうちに逃げてください」
店主「わかった。撲滅隊本部に行って応援を呼んでくる」
下っ端×10「スタンだ‼︎手柄を取るぞぉぉ！！」
スタン「アホが」
中指二本を下に向ける
ゴシャゴシャッ‼︎
下っ端が跡形もなく潰れる
スタン「さて、そこにいるのは分かってる。出てこい。」
燃え盛る炎の中から人影が出てくる
黒髪に金色の瞳。独特の喋り方。
⁇?「なーんや。隠れんぼでもしよか〜思ったのに」
スタン「…ブラックアサシンのシーバだったか…」
シーバ「おぉ！名前知ってくれてんの?嬉しいことやなあ。」
ブラックアサシン 第七邇 シーバ
シーバ「ホンマにあの人は賢いで〜?情報通である酒場と同時に幹部を一人始末しようなんて
そんで俺を出向かせたんや‼︎賢いと思わん⁉︎どっちに転んでも俺らが得や‼︎」
スタン「慢心も甚だしい。少なくともお前を向かわせた『あの方』はとんでもない馬鹿なんだな」
シーバ「ああ…?なんやと?テメェ…あの方を馬鹿にしたかぁ?
それは早くあの世に逝かせてほしいって遺言か?それとも…」
ブワッ‼︎
一瞬でスタンと距離を詰める
シーバ「俺と喧嘩がしたいってことかあ⁉︎」
スタン「‼︎…はっや…」
ドドドドドドドド‼︎
目にも止まらない速さで拳を連打する
スタン「速いが俺を捕らえるに至らない。」
すんでのところで土の壁でガードしていた
シーバ「良い反応や‼︎だがこれならどうや！！」
シーバは先程と同じ体制で拳を繰り出し、
スタンはそれを土壁でガードする
しかし
ドゴオオオン‼︎
轟音と共に土壁が打ち砕かれ、
そのままスタンの右頬を掠める
スタン(なんだコイツ…拳が掠っただけで頬が裂けた…
さらに土の壁を拳で壊しやがった…さっきと同じ体制だったから
おそらくは能力だな…)
シーバ「とことん反応がいいなぁお前‼︎顔面に印鑑おしたろ思ったのに」
スタン「じゃあインクはテメエの血で代用してやるよ」
スタンが反旗を翻すようにシーバと距離を詰める
シーバ(アホが…俺と接近戦するとか張り合いなさすぎるわ…)
そしてシーバの右ストレートをスタンは下にかがんで避けると同時に
シーバの足元に手を触れる
そして
ズアアアアアアアアア‼︎
シーバの足元の地面だけ急上昇する
シーバ「うがああああ‼︎」
スタン「上へ参りまーす。そして〜」
シュンッ…
スタン「下に参りまーす」
シーバの乗っていた土壁が消え、
地上へ真っ逆さまになる
シーバ「うおおお…‼︎」
だが地面に激突する直前に
シーバ「なーまーぬーるーいーんーだーよっ‼︎」
ドゴッ！
落下の衝撃を利用して拳を地面に突き立てると
大地が4つに割れていく
シーバ「地割れ‼︎」
スタン「マジか…」
さっきの土壁粉砕にもこれを使ったってわけか…
地割れによって裂けた部分から距離を取ろうとした瞬間…
ドドドドドドドドドドドド‼︎
巨大な土の壁がシーバとスタンを囲うようにそびえ生えてくる
シーバ「輪環土壁‼︎
スタン「…こりゃあスゲー。能力被ったなあ。」
天高く生える土の壁を見上げて感心する
シーバ「俺の土俵からは逃さへんで?
地の果てまで追い詰めて殴り潰したるわスタン」
そういって楽しそうに首を鳴らした
EP53 大地の衝突
R勢によって倒壊してしまった酒場から
パチパチと火花が散る。
シーバの土の絶壁に取り囲まれたスタンが軋みをあげる
スタン「皆の酒場を潰したお前らは死んでも許さない。」
シーバ「ああ?」
戦闘モードに入っていたシーバは首を傾げる。
スタン「酒場は情報交換なんてくだらねぇモンのために造られたものじゃない。
地区の住民や撲滅隊が、お前らから受けた心身の傷を癒すために、店主が提供してくれた憩いの場だ。
決してお前らが踏み躙っていい場所じゃない」
怒りをあらわにスタンがシーバに強烈な視線を向ける
シーバ「知ったこっちゃないわ‼︎
だからなんだ?悔い改めろってか?
お前ら非R勢が弱っちいから攻められただけやろうが!」
スタン「何だと…」
スタンの怒りなど全く気にせず
いけしゃあしゃあと語る。
シーバ「んなもん糞でも転がして建て直せやアホ」
言い終わらないうちにスタンは
シーバとの距離を詰め、
ゴシャッ…と一撃を入れる
シーバ「…っ。何やこれ…顎が爆発したで…」
スタン「じゃあテメエを今すぐ始末して
肥溜めにぶち込んでやるよ」
シーバ「いつの時代やねんそれぇ‼︎」
シーバも負けじと拳を叩き込む
スタン「悪いな。俺はマトモに殴り合う気は毛頭ない。」
そういうと、シーバの拳をサッと躱し、
疾風のようなバックステップで距離をとる。
シーバ「⁉︎なんやて?」
スタン「能力で決めさせてもらう。」
そういって両手をかざすと、
土がみるみる肥大化し、やがては巨大な大岩となる
それをシーバへとぶつける
スタン「岩座一墜‼︎ 」
ゴッ‼︎
シーバ「グゥアアアアアア‼︎」
あまりの重さに叫び狂う。
スタン「固いな…普通なら1秒ももたねえのに。」
赤く膨れ上がったシーバの顔を不思議そうに眺める
シーバ「テメェ…」
スタン「安心しろ。肥溜めにぶち込んで弔ってやるからな。」
そういってスタンがシーバに手をかけようとすると…
ドルルルルルル‼︎
という音と共にシーバが地面へと沈んでいく
シーバ「死んでたまるかぁ‼︎『土潜り‼︎』」
スタン「何だと!」
シーバ「今回はこれくらいにしといてやる‼︎次会った時は覚えとけや‼︎スタン‼︎」
そう言って地の底深くに消えていった。
スタン「それはこっちのセリフだ」
〜撲滅隊本部〜
診療室では店主が治療を受けていた。
少しばかり被弾したらしい。
クラーレ「すみません…俺が未熟なばかりに…」
店主「気にしなくても良い。失敗して覚えていくものだ。」
するとガラッと扉が開き、スタンが入ってくる
スタン「店主。怪我は?」
店主「どうってことはない。」
スタン「良かった…申し訳ないが、酒場は完全に焼失してしまいました。」
店主「今はそれよりも、助かったことを喜ぶんだ。」
スタン「はい。」
店主「私はスタンに…そしてこの子に助けられた。
ほんとうにありがとう。」
クラーレ「いや…その…」
照れ臭そうに俯く
スタン「クラーレ」
真っ直ぐな目線をクラーレに向ける
クラーレ「はい」
スタン「俺はお前の撲滅隊入りを今ここで認める。
だがな、ブラックアサシンは言った通り、危険なんだ。
お前らが死んでしまうのを見たくはない。
だからといって意志を否定しようとは思わない。」
クラーレ「…」
スタン「だからクラーレ。これはお前次第だ。
命に関わるリスクがあっても…お前はこの戦争に参加するか」
クラーレはこの言葉を聞いてたいそう戦慄いた。
同時に嬉しくもあった。誰も、親でさえも
ここまで真っ直ぐな目を向けて話してくれた人はいなかったから
クラーレ「参加します。もとより命をかける覚悟です。」
スタン「…分かった。じゃあ明日、正式に作戦会を開くからお前も来い。」
クラーレ「はい‼︎」
パチパチと火花が散る。
シーバの土の絶壁に取り囲まれたスタンが軋みをあげる
スタン「皆の酒場を潰したお前らは死んでも許さない。」
シーバ「ああ?」
戦闘モードに入っていたシーバは首を傾げる。
スタン「酒場は情報交換なんてくだらねぇモンのために造られたものじゃない。
地区の住民や撲滅隊が、お前らから受けた心身の傷を癒すために、店主が提供してくれた憩いの場だ。
決してお前らが踏み躙っていい場所じゃない」
怒りをあらわにスタンがシーバに強烈な視線を向ける
シーバ「知ったこっちゃないわ‼︎
だからなんだ?悔い改めろってか?
お前ら非R勢が弱っちいから攻められただけやろうが!」
スタン「何だと…」
スタンの怒りなど全く気にせず
いけしゃあしゃあと語る。
シーバ「んなもん糞でも転がして建て直せやアホ」
言い終わらないうちにスタンは
シーバとの距離を詰め、
ゴシャッ…と一撃を入れる
シーバ「…っ。何やこれ…顎が爆発したで…」
スタン「じゃあテメエを今すぐ始末して
肥溜めにぶち込んでやるよ」
シーバ「いつの時代やねんそれぇ‼︎」
シーバも負けじと拳を叩き込む
スタン「悪いな。俺はマトモに殴り合う気は毛頭ない。」
そういうと、シーバの拳をサッと躱し、
疾風のようなバックステップで距離をとる。
シーバ「⁉︎なんやて?」
スタン「能力で決めさせてもらう。」
そういって両手をかざすと、
土がみるみる肥大化し、やがては巨大な大岩となる
それをシーバへとぶつける
スタン「
ゴッ‼︎
シーバ「グゥアアアアアア‼︎」
あまりの重さに叫び狂う。
スタン「固いな…普通なら1秒ももたねえのに。」
赤く膨れ上がったシーバの顔を不思議そうに眺める
シーバ「テメェ…」
スタン「安心しろ。肥溜めにぶち込んで弔ってやるからな。」
そういってスタンがシーバに手をかけようとすると…
ドルルルルルル‼︎
という音と共にシーバが地面へと沈んでいく
シーバ「死んでたまるかぁ‼︎『土潜り‼︎』」
スタン「何だと!」
シーバ「今回はこれくらいにしといてやる‼︎次会った時は覚えとけや‼︎スタン‼︎」
そう言って地の底深くに消えていった。
スタン「それはこっちのセリフだ」
〜撲滅隊本部〜
診療室では店主が治療を受けていた。
少しばかり被弾したらしい。
クラーレ「すみません…俺が未熟なばかりに…」
店主「気にしなくても良い。失敗して覚えていくものだ。」
するとガラッと扉が開き、スタンが入ってくる
スタン「店主。怪我は?」
店主「どうってことはない。」
スタン「良かった…申し訳ないが、酒場は完全に焼失してしまいました。」
店主「今はそれよりも、助かったことを喜ぶんだ。」
スタン「はい。」
店主「私はスタンに…そしてこの子に助けられた。
ほんとうにありがとう。」
クラーレ「いや…その…」
照れ臭そうに俯く
スタン「クラーレ」
真っ直ぐな目線をクラーレに向ける
クラーレ「はい」
スタン「俺はお前の撲滅隊入りを今ここで認める。
だがな、ブラックアサシンは言った通り、危険なんだ。
お前らが死んでしまうのを見たくはない。
だからといって意志を否定しようとは思わない。」
クラーレ「…」
スタン「だからクラーレ。これはお前次第だ。
命に関わるリスクがあっても…お前はこの戦争に参加するか」
クラーレはこの言葉を聞いてたいそう戦慄いた。
同時に嬉しくもあった。誰も、親でさえも
ここまで真っ直ぐな目を向けて話してくれた人はいなかったから
クラーレ「参加します。もとより命をかける覚悟です。」
スタン「…分かった。じゃあ明日、正式に作戦会を開くからお前も来い。」
クラーレ「はい‼︎」
EP54 狼煙が上がる
カーンカーン…
錆びた鉄骨同士が打ち合う音が
夜の静けさの中で埠頭全体に響く。
トパルフ地区の埠頭にはブラックアサシンのアジトがある。
山々と積まれたコンテナを繋げ、内部を改装した巨大な建物だ。
そしてその中で歪な話し声がする。
シーバ「申し訳ありまへん…確実に
仕留めるつもりだったのですが…」
先日の酒場襲撃における撲滅隊幹部暗殺の失敗を詫びる
アキ「君ともあろう人が意外だね。聞くには随分と派手な襲撃だったそうじゃないか…」
首領の黒星千秋。通称『アキ』がソファに座りながら苦笑する。
シーバ「ああ。幹部の…スタンの力を見誤ってもうたんですわ」
アキ「あらら。スタンかぁ…そりゃあ不運なこった」
アキとスタンは一時期、撲滅隊として行動を共にする仲だったために
その強さを目の当たりにしていた。
シーバ「せやけどなぁ…次は必ず仕留めさせてもらいますぜ?」
青筋をビキビキと軋ませる
シーバ「この芝愁一から逃げられる思うたら大間違いや…」
アキ「それは頼もしい。頑張ってくれたまえ。」
パンと手を合わせる
『シーバ』という男は非常に執念深い男だった。
能力も、大地を砕き割ったり、土の壁で逃げ場をなくしたりするような
妨害特化であるため、勝敗を決定付けるのは己の「拳」のみ。
長丁場の勝負を、その執念深さで幾度となく勝ち続ける。
R勢には珍しい戦闘好きである。
アキ「時は熟した。今回の酒場襲撃を初めとして、''
俺たちは撲滅隊との戦争をここに宣言する！
まずは撲滅隊の上層部を怒らせろ‼︎
下層の隊員を標的に狙え‼︎奴らの敵意を買い占めろ‼︎」
総組員「はい！!」
そうしてアキは外へ出て行く…
るあ「どうかしたのかい。急に外へ出て」
No.2の仙水留空。通称るあがアキに話しかける
アキ「何でもないさ仙水。…そうだ。お前にだけは教えとかないとね」
るあ「?」
アキ「今回の戦争。まず最初のステップについてだが…マスターを狙え」
るあ「…おお。これはまたトンデモなく無謀な…」
アキ「これは一般論だ。今まで奴らが戦ってきたR勢はね、マスターがいたから倒されているんだ。
るあ「だからマスターが戦闘不能になれば勝機はあると…」
アキ「そ！話のわかる奴で助かるよ」
るあ「理解はしたけど、納得はできないねぇ。
戦闘不能にするとはいえ、相手はあの撲滅隊隊長のマスター。
その辺の蒙昧なR勢を幾千幾万幾億と積み上げても不可能だ。」
アキ「それは策を考えてある。安心すれば良いよ。」
るあ「…へぇ楽しみなこった。」
〜撲滅隊本部〜
コハル「酒場に行けなくなるなんて残念だね。」
眠そうな顔を上げて残念がる
アタルフ「だが、スタンと店主、クラーレが無事だったことを喜ぶべきだ。」
ゼオス「それはそうとスタン、クラーレ。体調は大丈夫か。」
スタン「どーってことねぇよ。」
多少の傷を負ったクラーレに対し、スタンは無傷だ。
クラーレ「大丈夫です」
マスター「…ついに始まったな。戦争が。」
どこか悲しそうな口調でつぶやく
アタルフ「ああ。」
今まで戦ってきたR勢はまだ規模が小さい方だった。
だが今回は複数の地区を横断しての戦い。事実上の大規模戦争だった。
コハル「バリケードは何処へやら…ウチの財団への信頼は終ぞ危ういままだよ」
ニコニコと血管をピリつかせる
スタン「相手幹部のシーバの能力だ。穴を掘ってバリケードを掻い潜りでもしたんだろ」
アタルフ「穴掘り…地面系統の能力か…」
そういって顎に手を当てる
コハル「強すぎない?」
青ざめる
クラーレ「寝ながら戦う能力もかなり恐ろしいかと…」
アタルフ「今回襲ってきた幹部は第七邇のシーバ。
以降、また襲撃される可能性がないとは言い切れない‼︎
広範囲をくまなくパトロールしろ‼︎怪しい者を見たら必ず仲間に報告するように‼︎」
そういって写真をボードに貼り付ける。
アタルフ「そしてボスの黒星千秋を筆頭に
No.2 第九邇 仙水るあ、
No.3 第八邇 マクレン、
第七邇 シーバ、そしてムマタゆうめゴンには特に注意しろ‼︎」
全員「はい‼︎」
錆びた鉄骨同士が打ち合う音が
夜の静けさの中で埠頭全体に響く。
トパルフ地区の埠頭にはブラックアサシンのアジトがある。
山々と積まれたコンテナを繋げ、内部を改装した巨大な建物だ。
そしてその中で歪な話し声がする。
シーバ「申し訳ありまへん…確実に
仕留めるつもりだったのですが…」
先日の酒場襲撃における撲滅隊幹部暗殺の失敗を詫びる
アキ「君ともあろう人が意外だね。聞くには随分と派手な襲撃だったそうじゃないか…」
首領の黒星千秋。通称『アキ』がソファに座りながら苦笑する。
シーバ「ああ。幹部の…スタンの力を見誤ってもうたんですわ」
アキ「あらら。スタンかぁ…そりゃあ不運なこった」
アキとスタンは一時期、撲滅隊として行動を共にする仲だったために
その強さを目の当たりにしていた。
シーバ「せやけどなぁ…次は必ず仕留めさせてもらいますぜ?」
青筋をビキビキと軋ませる
シーバ「この芝愁一から逃げられる思うたら大間違いや…」
アキ「それは頼もしい。頑張ってくれたまえ。」
パンと手を合わせる
『シーバ』という男は非常に執念深い男だった。
能力も、大地を砕き割ったり、土の壁で逃げ場をなくしたりするような
妨害特化であるため、勝敗を決定付けるのは己の「拳」のみ。
長丁場の勝負を、その執念深さで幾度となく勝ち続ける。
R勢には珍しい戦闘好きである。
アキ「時は熟した。今回の酒場襲撃を初めとして、''
俺たちは撲滅隊との戦争をここに宣言する！
まずは撲滅隊の上層部を怒らせろ‼︎
下層の隊員を標的に狙え‼︎奴らの敵意を買い占めろ‼︎」
総組員「はい！!」
そうしてアキは外へ出て行く…
るあ「どうかしたのかい。急に外へ出て」
No.2の仙水留空。通称るあがアキに話しかける
アキ「何でもないさ仙水。…そうだ。お前にだけは教えとかないとね」
るあ「?」
アキ「今回の戦争。まず最初のステップについてだが…マスターを狙え」
るあ「…おお。これはまたトンデモなく無謀な…」
アキ「これは一般論だ。今まで奴らが戦ってきたR勢はね、マスターがいたから倒されているんだ。
るあ「だからマスターが戦闘不能になれば勝機はあると…」
アキ「そ！話のわかる奴で助かるよ」
るあ「理解はしたけど、納得はできないねぇ。
戦闘不能にするとはいえ、相手はあの撲滅隊隊長のマスター。
その辺の蒙昧なR勢を幾千幾万幾億と積み上げても不可能だ。」
アキ「それは策を考えてある。安心すれば良いよ。」
るあ「…へぇ楽しみなこった。」
〜撲滅隊本部〜
コハル「酒場に行けなくなるなんて残念だね。」
眠そうな顔を上げて残念がる
アタルフ「だが、スタンと店主、クラーレが無事だったことを喜ぶべきだ。」
ゼオス「それはそうとスタン、クラーレ。体調は大丈夫か。」
スタン「どーってことねぇよ。」
多少の傷を負ったクラーレに対し、スタンは無傷だ。
クラーレ「大丈夫です」
マスター「…ついに始まったな。戦争が。」
どこか悲しそうな口調でつぶやく
アタルフ「ああ。」
今まで戦ってきたR勢はまだ規模が小さい方だった。
だが今回は複数の地区を横断しての戦い。事実上の大規模戦争だった。
コハル「バリケードは何処へやら…ウチの財団への信頼は終ぞ危ういままだよ」
ニコニコと血管をピリつかせる
スタン「相手幹部のシーバの能力だ。穴を掘ってバリケードを掻い潜りでもしたんだろ」
アタルフ「穴掘り…地面系統の能力か…」
そういって顎に手を当てる
コハル「強すぎない?」
青ざめる
クラーレ「寝ながら戦う能力もかなり恐ろしいかと…」
アタルフ「今回襲ってきた幹部は第七邇のシーバ。
以降、また襲撃される可能性がないとは言い切れない‼︎
広範囲をくまなくパトロールしろ‼︎怪しい者を見たら必ず仲間に報告するように‼︎」
そういって写真をボードに貼り付ける。
アタルフ「そしてボスの黒星千秋を筆頭に
No.2 第九邇 仙水るあ、
No.3 第八邇 マクレン、
第七邇 シーバ、そしてムマタゆうめゴンには特に注意しろ‼︎」
全員「はい‼︎」
EP55 極悪姉弟再来
会議以降、撲滅隊によるパトロールは
早速開始された。
僕、クラーレも捜査に加わっている。
ちなみにヒナタとあっくんもパトロールに参加しているが、
怪しいものを見かけたら戦わずに報告しろと言われていた。
だが…
〜スタンサファイア地区〜
潮風と漁村の雰囲気で心が安らぐ…が
ヒナタ「見つからねえ〜〜‼︎」
大声で騒ぐ
あっくん「何なの?黙って仕事できないの?義務教育受けてないの？」
ヒナタ「受けてねえわ‼︎んなもん‼︎俺らの一族はアウトローがモットーなんだよ‼︎」
ドヤ顔で言う
あっくん「一族郎党腐ってるね」
ヒナタ「もう泣きたいわ‼︎クラーレとも何故か別行動だしよ‼︎なんで
よりによってパトロール⁉︎しかもなんでお前と⁉︎」
あっくん「こっちが聞きたい」
ヒナタ「せめて揉め事起こってくれねぇと仕事捗らんわ‼︎」
すると、「ぎゃああ‼︎」と漁村の公園から悲鳴が聞こえてくる
ヒナタ「やった!揉め事だ‼︎」
あっくん「バチが当たるよ…」
二人が悲鳴がしたところへ駆けつけると
そこにいたのは…
「姉貴〜来たぜぇ。悲鳴に釣られて不謹慎な奴らだ。」
「ん〜?誰かと思えばこの前廃病院で見た三下じゃないかい。
残念。撲滅隊ガチャハズレだよ。」
ヒナタ「ムマタ…ゆうめゴン…!」
あっくん「…」
公園で遊んでいた子供達を二人で虐めていたムマタ兄弟。
掴んでいた子供を投げ捨てると…
ユウメ「ねえ〜?下っ端ちゃん。相手しなよ。」
相変わらずの猫撫で声で挑発する
ヒナタ「…俺が相手する。その間にあっくんは本部に連絡を…」
ドン‼︎
言い終わらないウチにあっくんが
二人へ目がけて飛びかかる
ヒナタ「あっくん‼︎」
あっくん「さつじんきを弄んだお前らは絶対許さない‼︎」
そう言って空中で回転し、
あっくん「突風おろし‼︎」
強烈なカカト落としを繰り出す。
しかし…
ドゴッ‼︎
弟のソウルによってガードされる
ソウル「甘いなあお前。あの廃病院で何を見てたんだ?」
あっくん「チィッ…」
ユウメ「そんなアナタに鞭をプレゼント‼︎」
鞭があっくんに直撃する刹那…
ピシャッ…
飛んできた爆弾によってガードされ、
鞭の摩擦で火が付く
ユウメ「おっと…」
ヒナタ「あっくん避けろ‼︎」
ドオオン‼︎
轟音と共に爆破する
あっくんはそれを間一髪で避け、
反応遅れたソウルは被弾する
ソウル「ぐうぅああ…‼︎」
ユウメ「良い機転だねぇ…爆発小僧ちゃん。」
ヒナタ「…」
(このまま二人で連携をとられると…攻略するのは厄介だ…なら)
ドン‼︎
ヒナタはユウメ目がけてタックルし、
そのまま後方へと押し出す。
ユウメ「⁉︎」
ソウル「姉貴⁉︎」
ソウルの意識が削がれた瞬間…
ヒナタの考えを読んだあっくんがソウルに
蹴りを食らわせる
ソウル「くっ…くくく…」
ガシッ!
あっくん「‼︎」
あっくんの足を掴む
ソウル「悪いが俺は打たれ強くてなあ…
何を考えてるかは知らねえが、お返しだ‼︎」
あっくん「させないよ」
バキッ‼︎
ソウルの拳と、あっくんの蹴りが打ち合う
しかし、ソウルがあっくんのもう片方の足を掴み
ドゴッ‼︎
地面へと叩きつける
あっくん「ぐっ‼︎」
ソウル「俺ら姉弟を分けて連携を断ったところを
仕留める気だったかい?残念。俺は一人でも強いぜ」
あっくん「…へえ。凄いね」
ソウル「?」
あっくん「痛覚が鈍ってるんじゃない?自分の打たれ強さを過信しすぎ。」
ソウル「何を…ゴフッ…」
吐血する
投げ落とされる寸前に
鳩尾を突いていたのだ
あっくん「次は○すよ。確実に。」
そう言って笑みを零す
狂気で溢れた笑みを。
ピシャピシャピシャン‼︎
鞭を打つ音が鳴り響く
ユウメ「ほらほらほら‼︎出てきなよ‼︎
私一人なら倒せるんでしょう⁉︎」
ヒナタ(くそっ…やっぱりコイツ…この姉は強い…
鞭の振り方に全く隙がねえ…ナイフみたいに切れる…
爆弾を投げ込んでも弾かれる…)
ユウメ「アンタ、あの風を使う子よりも年上なんでしょう?
潔くあの子を逃してアンタはカッコよく往生したらいいのに」
そしてヒナタとの距離を詰め、懐にしまっていた銃を引き抜く
ユウメ「みいつけた」
ヒナタも負けじと爆弾を投げつけようとするが
鞭によって弾かれ、さらに腕に鞭が巻きつく
ヒナタ「くっ…」
ユウメ「チェックメイトだね。坊や。」
引き金を抜こうとしたその瞬間…
「俺の仲間から離れろクソ女」
ユウメ「⁉︎」
後ろから気配もなく振り下ろされたのは
傘。ユウメはそれをすんでのところで躱す。
ヒナタ「アタルフ‼︎連絡したほんの数分で…」
アタルフ「その傷、危ないから包帯巻いとけ。
下手すれば裂けるぞ」
そう言って救急箱を渡す
ヒナタ「はい‼︎」
ユウメ「アタルフかぁ…厄介な奴が来たねえ。ちょっと時間かけ過ぎちゃったかな?」
パァン‼︎
引き金を抜き、銃弾がアタルフに飛ぶが
アタルフ「俺に当たるかそんなモノ」
軽々と躱す
ユウメ「ウソ…銃弾を避けた⁉︎…なら鞭でめった打ちにしてあげるわ‼︎」
ヒュンヒュンと鞭を振り回し、
ユウメ「スパイラルウィップ‼︎」
ギャリリリリリリ‼︎
回転する鞭による逃げ場のない連撃
アタルフ「速いが、対処は可能だ」
涼しい顔で順当に連撃を避けていく
ユウメ「なぁッ‼︎」
アタルフ「今度は俺の番だな…」
そういうと、音もなく傘による轟速のフルスイングが飛び、
ゴオオオ‼︎
ユウメの鳩尾を掠める
ユウメ「あっぶな…」
アタルフ「冥土の見上げに鉛でもどうぞ」
ユウメの銃をスイングと同時に掠めとり、
バァン‼︎
太ももに撃つ
ユウメ「ぐぅあああ…!」
足の痛みに嘆き叫ぶ
アタルフ「トドメだクソ女」
ユウメ「何この人…ヤバすぎるでしょ…」
すると…
ブウウウウウン…‼︎
バイク音とともに銃弾がアタルフに飛ぶ
アタルフはそれをまた避ける
ソウル「姉貴ぃ‼︎させるかオラぁ‼︎」
煙幕を投げつけ…
ユウメ「今日はこれくらいかな」
ユウメがヒナタから奪った爆弾を
負傷したヒナタに投げつける
アタルフ「‼︎…まずい‼︎間に合わん‼︎」
すると
あっくん「おおおお‼︎」
ドゴッ‼︎
蹴りで爆弾を弾き飛ばす
ドオオオオオン‼︎
爆破するが、幸い三人に怪我はないが
ソウル「次は絶対倒す‼︎」
ユウメ「慰謝料払ってもらうからね〜?」
そういうと二人はバイクに乗ってその場を立ち去ってしまった
迅速な撤退だ。
あっくん「待てえ‼︎」
アタルフ「おい、深追いするな…」
あっくん「…」
アタルフ「ひとまずは医者だ…」
ヒナタ「すまねえ…二人とも…」
あっくん「うん。分かった。」
〜ギガルビー地区〜
コハル「うええ…なんで私がこんな暑いところに…」
廃病院前でパトロールをする
コハル「…ん?」
人通りの少ないはずの
ギガルビー地区で二人乗りをするバイクの影が…
コハル「おかしいなぁ…こんな所で…」
そして
コハル「二人乗りは危険だし、注意しないとなぁ〜♪」
笑みを浮かべながらバイクのあとを追い始めた。
早速開始された。
僕、クラーレも捜査に加わっている。
ちなみにヒナタとあっくんもパトロールに参加しているが、
怪しいものを見かけたら戦わずに報告しろと言われていた。
だが…
〜スタンサファイア地区〜
潮風と漁村の雰囲気で心が安らぐ…が
ヒナタ「見つからねえ〜〜‼︎」
大声で騒ぐ
あっくん「何なの?黙って仕事できないの?義務教育受けてないの？」
ヒナタ「受けてねえわ‼︎んなもん‼︎俺らの一族はアウトローがモットーなんだよ‼︎」
ドヤ顔で言う
あっくん「一族郎党腐ってるね」
ヒナタ「もう泣きたいわ‼︎クラーレとも何故か別行動だしよ‼︎なんで
よりによってパトロール⁉︎しかもなんでお前と⁉︎」
あっくん「こっちが聞きたい」
ヒナタ「せめて揉め事起こってくれねぇと仕事捗らんわ‼︎」
すると、「ぎゃああ‼︎」と漁村の公園から悲鳴が聞こえてくる
ヒナタ「やった!揉め事だ‼︎」
あっくん「バチが当たるよ…」
二人が悲鳴がしたところへ駆けつけると
そこにいたのは…
「姉貴〜来たぜぇ。悲鳴に釣られて不謹慎な奴らだ。」
「ん〜?誰かと思えばこの前廃病院で見た三下じゃないかい。
残念。撲滅隊ガチャハズレだよ。」
ヒナタ「ムマタ…ゆうめゴン…!」
あっくん「…」
公園で遊んでいた子供達を二人で虐めていたムマタ兄弟。
掴んでいた子供を投げ捨てると…
ユウメ「ねえ〜?下っ端ちゃん。相手しなよ。」
相変わらずの猫撫で声で挑発する
ヒナタ「…俺が相手する。その間にあっくんは本部に連絡を…」
ドン‼︎
言い終わらないウチにあっくんが
二人へ目がけて飛びかかる
ヒナタ「あっくん‼︎」
あっくん「さつじんきを弄んだお前らは絶対許さない‼︎」
そう言って空中で回転し、
あっくん「突風おろし‼︎」
強烈なカカト落としを繰り出す。
しかし…
ドゴッ‼︎
弟のソウルによってガードされる
ソウル「甘いなあお前。あの廃病院で何を見てたんだ?」
あっくん「チィッ…」
ユウメ「そんなアナタに鞭をプレゼント‼︎」
鞭があっくんに直撃する刹那…
ピシャッ…
飛んできた爆弾によってガードされ、
鞭の摩擦で火が付く
ユウメ「おっと…」
ヒナタ「あっくん避けろ‼︎」
ドオオン‼︎
轟音と共に爆破する
あっくんはそれを間一髪で避け、
反応遅れたソウルは被弾する
ソウル「ぐうぅああ…‼︎」
ユウメ「良い機転だねぇ…爆発小僧ちゃん。」
ヒナタ「…」
(このまま二人で連携をとられると…攻略するのは厄介だ…なら)
ドン‼︎
ヒナタはユウメ目がけてタックルし、
そのまま後方へと押し出す。
ユウメ「⁉︎」
ソウル「姉貴⁉︎」
ソウルの意識が削がれた瞬間…
ヒナタの考えを読んだあっくんがソウルに
蹴りを食らわせる
ソウル「くっ…くくく…」
ガシッ!
あっくん「‼︎」
あっくんの足を掴む
ソウル「悪いが俺は打たれ強くてなあ…
何を考えてるかは知らねえが、お返しだ‼︎」
あっくん「させないよ」
バキッ‼︎
ソウルの拳と、あっくんの蹴りが打ち合う
しかし、ソウルがあっくんのもう片方の足を掴み
ドゴッ‼︎
地面へと叩きつける
あっくん「ぐっ‼︎」
ソウル「俺ら姉弟を分けて連携を断ったところを
仕留める気だったかい?残念。俺は一人でも強いぜ」
あっくん「…へえ。凄いね」
ソウル「?」
あっくん「痛覚が鈍ってるんじゃない?自分の打たれ強さを過信しすぎ。」
ソウル「何を…ゴフッ…」
吐血する
投げ落とされる寸前に
鳩尾を突いていたのだ
あっくん「次は○すよ。確実に。」
そう言って笑みを零す
狂気で溢れた笑みを。
ピシャピシャピシャン‼︎
鞭を打つ音が鳴り響く
ユウメ「ほらほらほら‼︎出てきなよ‼︎
私一人なら倒せるんでしょう⁉︎」
ヒナタ(くそっ…やっぱりコイツ…この姉は強い…
鞭の振り方に全く隙がねえ…ナイフみたいに切れる…
爆弾を投げ込んでも弾かれる…)
ユウメ「アンタ、あの風を使う子よりも年上なんでしょう?
潔くあの子を逃してアンタはカッコよく往生したらいいのに」
そしてヒナタとの距離を詰め、懐にしまっていた銃を引き抜く
ユウメ「みいつけた」
ヒナタも負けじと爆弾を投げつけようとするが
鞭によって弾かれ、さらに腕に鞭が巻きつく
ヒナタ「くっ…」
ユウメ「チェックメイトだね。坊や。」
引き金を抜こうとしたその瞬間…
「俺の仲間から離れろクソ女」
ユウメ「⁉︎」
後ろから気配もなく振り下ろされたのは
傘。ユウメはそれをすんでのところで躱す。
ヒナタ「アタルフ‼︎連絡したほんの数分で…」
アタルフ「その傷、危ないから包帯巻いとけ。
下手すれば裂けるぞ」
そう言って救急箱を渡す
ヒナタ「はい‼︎」
ユウメ「アタルフかぁ…厄介な奴が来たねえ。ちょっと時間かけ過ぎちゃったかな?」
パァン‼︎
引き金を抜き、銃弾がアタルフに飛ぶが
アタルフ「俺に当たるかそんなモノ」
軽々と躱す
ユウメ「ウソ…銃弾を避けた⁉︎…なら鞭でめった打ちにしてあげるわ‼︎」
ヒュンヒュンと鞭を振り回し、
ユウメ「スパイラルウィップ‼︎」
ギャリリリリリリ‼︎
回転する鞭による逃げ場のない連撃
アタルフ「速いが、対処は可能だ」
涼しい顔で順当に連撃を避けていく
ユウメ「なぁッ‼︎」
アタルフ「今度は俺の番だな…」
そういうと、音もなく傘による轟速のフルスイングが飛び、
ゴオオオ‼︎
ユウメの鳩尾を掠める
ユウメ「あっぶな…」
アタルフ「冥土の見上げに鉛でもどうぞ」
ユウメの銃をスイングと同時に掠めとり、
バァン‼︎
太ももに撃つ
ユウメ「ぐぅあああ…!」
足の痛みに嘆き叫ぶ
アタルフ「トドメだクソ女」
ユウメ「何この人…ヤバすぎるでしょ…」
すると…
ブウウウウウン…‼︎
バイク音とともに銃弾がアタルフに飛ぶ
アタルフはそれをまた避ける
ソウル「姉貴ぃ‼︎させるかオラぁ‼︎」
煙幕を投げつけ…
ユウメ「今日はこれくらいかな」
ユウメがヒナタから奪った爆弾を
負傷したヒナタに投げつける
アタルフ「‼︎…まずい‼︎間に合わん‼︎」
すると
あっくん「おおおお‼︎」
ドゴッ‼︎
蹴りで爆弾を弾き飛ばす
ドオオオオオン‼︎
爆破するが、幸い三人に怪我はないが
ソウル「次は絶対倒す‼︎」
ユウメ「慰謝料払ってもらうからね〜?」
そういうと二人はバイクに乗ってその場を立ち去ってしまった
迅速な撤退だ。
あっくん「待てえ‼︎」
アタルフ「おい、深追いするな…」
あっくん「…」
アタルフ「ひとまずは医者だ…」
ヒナタ「すまねえ…二人とも…」
あっくん「うん。分かった。」
〜ギガルビー地区〜
コハル「うええ…なんで私がこんな暑いところに…」
廃病院前でパトロールをする
コハル「…ん?」
人通りの少ないはずの
ギガルビー地区で二人乗りをするバイクの影が…
コハル「おかしいなぁ…こんな所で…」
そして
コハル「二人乗りは危険だし、注意しないとなぁ〜♪」
笑みを浮かべながらバイクのあとを追い始めた。
EP56 スリープvsスリープ
R勢組織「ブラックアサシン」とR撲滅隊の戦いが
本格的になりつつある。
皆の憩いの場であった酒場の襲撃から始まり、
そしてヒナタとあっくんがムマタゆうめゴンと衝突した。
ヒナタとあっくんは、アタルフの駆けつけもあって、なんとか
難を逃れたが、ムマタゆうめゴンは逃走していた。
アタルフ「初っ端から無茶しやがって…怪しい奴を見かけたら報告しろって言っただろうが」
傷を負ったヒナタを担ぎながらあっくんを咎める。
あっくん「ごめん…感情的になりすぎた」
ムマタゆうめゴんは、あっくんの恩人であり親代わりでもあった「さつじんき」の仇だ。
アタルフ「…気持ちは分かるが、生き急ぐな。
それじゃあ、いつまで経っても仇は取れねえぞ。」
あっくん「はい…」
ヒナタ(…何も出来なかった…ムマタゆうめゴンなんて何度も戦ってきた相手なのに…
もしかして俺…あんまり強くねえのか?…クソ…クソォォ…)
傷だらけで意識が朦朧とする中、ヒナタは悔しさで懊悩していた。
〜ギガルビー地区〜
火山によって一層濃い灰空の下で
二人乗りのバイクが過疎化した道路を走る。
ユウメ「すまないねえ…足が重傷で歩けそうにないよ」
ソウル「ああ、今はとりあえず治療だな。姉貴はとりあえず
傷が治るまで酒場で安静にしといてくれ」
ユウメ「そうさせてもらうよ」
酒場というのは全ての地区に必ず一つずつあるモノだが、
R勢、非R勢のどちらにも属さない。
誰でも安心して立ち寄れる憩いの場として造られた場所。
''戦闘とは無縁な場所。だからこそ、その立ち位置を無視し、
酒場を襲撃したブラックアサシンのことを撲滅隊は許せないのだ。
ソウル「店主、傷が治るまで頼む。」
ギガルビの店主「おお、これはひどい傷だ…直ちにオペの準備をしよう」
そう言って酒場の店主にユウメを預け、
ソウルは酒場を後にする
〜廃病院屋上(赤十邇の元アジト)〜
ソウル「撲滅隊幹部のヒナタとあっくんにはかなりの傷を負わせた。もうじき仕留める。
ただ、姉貴は重傷だ。」
アキ『初戦から良い仕事だね。引き続き頼むよ』
電話越しにトップの黒星千秋と連絡をとる
ザッザッ…
突然、足音とともに短髪の女が現れる
コハル「やっと追いついた〜。なぁんだ、結局この病院跡か。良い思い出ないんだよねぇ」
ソウル「⁉︎」
突然の声にソウルが驚愕する
コハル「電話聞いてたよ?ブラックアサシン。しかも誰かと思えば、あの時のR勢姉弟じゃ〜ん。」
ニヤついた笑みを浮かべる
ソウル「いつの間に…‼︎この病院を通過して戻ってくるまでかなりの距離は走ったぞ…どうやって…」
ダンッ‼︎
言い終わらないうちにコハルが一瞬で間合いを詰める
コハル「私の大好きな『さつじんき』を葬ったんだよねえ?じゃあ君も昏睡する義務があるよねえ‼︎」
ソウル(速い…‼︎先手を取られた‼︎)
鋼鉄の枕が豪速で振り下ろされ、
ソウルはそれを両腕を使い、間一髪でガードする
ソウル「…っ」
コハル「おわぁ‼︎良い反応だねえ!でもねぇ、意識が枕にいきすぎだよ」
ドゴン！！
ソウルの両腕を掻い潜り、鳩尾に凄まじい蹴りを食らわせる
ソウル「グハッ…‼︎(なんだこの蹴りの威力は…‼︎本当に女か⁉︎)」
コハル「内臓を狙ったんだけどなぁ〜。瞬時に筋肉を固めたねぇ。でも骨は折れたねぇ」
ソウル「チィッ…!離れろサイコ女ァ‼︎」
ソウルが素早くアッパーを繰り出す
コハル「おっと」
コハルがそれを見切り、後方へ下がる
ソウル「出会いがしらに肋骨折りやがって‼︎許さねぇ!『スリープスモッグ‼︎』
シュゥゥゥ…
相手を眠らせる煙を放つ
コハル「うわぁ…‼︎眠くなってきたぁ…!…なんてね。想定内だよぉ」
瞬時にガスを躱す
コハル「子供騙しが通用するかぁ!」
ソウル「…」
コハルの突進と同時、ソウルの顔から笑みが溢れる
ソウル「馬鹿が‼︎かかったな‼︎ナイトキャップ‼︎」
歪なナイトキャップをコハルの頭に被せる
コハル「っ…グゥゥ…」
コハルは突如眠ってしまう
ソウル「その帽子を被ったらずっと眠った状態になる。
帽子を外せば起きれるが、生憎お前は一人だ。
残念だったな。こっからは俺の番だ」
全体重を拳に乗せ、強烈なパンチをコハルに放つ
バキイイイイ‼︎‼︎
コハル「ぐっ…‼︎」
しかしコハルは倒れない
ソウル「今のでダウンしねえとはなあ。だがお楽しみはこれからだ。」
そういって小型のナイフを取り出し、コハル目掛けて振りまくる
ソウル「おまえは一息では倒さないぜ‼︎徹底的に苦しみを与えて葬ってやる‼︎」
だが、ソウルのナイフは、いくら振ってもコハルに当たらない。
ソウル「なんだ?どうなってる?」
シュバババババ‼︎
細やかな動きでナイフを紙一重で避けている
ソウル「クソが‼︎こうなったら直に殴り飛ばしてやるよ‼︎」
ガシッ…‼︎
コハルが寝ながら振り抜かれたソウルの拳を掴む。
ソウル「何だと⁉︎」
コハル「油断したねぇ。私は寝てからが真骨頂だよ」
相変わらず、コハルの目は閉じている。寝たままだ。
そしてコハルはソウルの拳を掴みながら、
もう一方の手でソウルに手刀を振るうが、
ソウルはこれを受け止める
ソウル「だから何だってんだよ‼︎オラァ‼︎頭蓋骨叩き割ってやる‼︎」
コハル「いいよぉ‼︎さぁゴッツンコだぁ‼︎」
お互いに両腕が封じられ、ソウルが頭突きの体制に入り、
コハルもそれに応じる
ゴシャッ‼︎
互いの頭が激しくぶつかり合う
コハル「うぁ…かった…い…」
コハルが弾かれてしまう
ソウル「馬鹿が‼︎俺の打たれ強さを忘れたか⁉︎」
そうしてソウルがコハルの枕を奪い、
ドゴン！‼︎
さっきとは逆方向から大打撃を喰らわせる
コハルは打撃を受けすぎて体がふらつく。
コハル「うわぁ…こりゃあ痛いなぁ…(コイツ…以前よりも格段に強くなってるな…)」
赤十邇との戦いでコハルはムマタゆうめゴンを二人まとめて倒したことがあった。
コハル「こうなったら根比べだ。かかってこぉい。」
コハルが手招きで挑発をかます
ソウル「やかましい‼︎これで俺の勝ちだ‼︎」
拳を振り上げ、コハル目掛けてスイングする
ガキィン‼︎
ソウル「‼︎?」
その拳を、コハルは額で受け止める。
コハル「捕まえたあ〜…」
ソウルの両手をガッチリと掴み、嬉しそうにつぶやく
ソウル「ドアホが‼︎もう一回頭蓋骨を叩き割ってやる‼︎」
再びソウルが頭突きの構えをし、コハルの頭目掛けて頭蓋を振るう
コハル「かかったね…」
コハルは笑みを浮かべ、眠ったまま鼻の穴から風船のようなものを膨らませる
ぷくぅ…
ソウル「?…なんだこれ?」
コハル「爆裂鼻提灯‼︎」
ドパァアアン‼︎
巨大化した風船が激しく割れ、十分に引き付けられたソウルの頭部に直撃する
ソウル「ぐあああ‼︎」
ソウルがふらついたところで
コハルが枕を拾う
コハル「お返しダァ〜」
ゴパァン‼︎
気の抜けた声とともに閃光のようなフルスイングでソウルを枕で殴り潰す
ソウル「ぐふぅああ‼︎」
その一撃でソウルの頭部の三分の一が破壊され、
ソウルはそのまま倒れる
ソウル「…う…ああ…あ…」
コハル「私の粘り勝ちだよぉ〜」
目が覚めたコハルが頭から流れる血をなめる
ソウル「す…まね…え……あ…ね…き…」
コハル「…」
コハルは倒れたソウルに近づく
ガッ…
頭を踏みつける
ソウル「…え…ああ…?」
コハル「…」
コハルは微笑んでソウルの耳元まで顔を近づけると
コハル「R勢如きが勝手に感傷に浸るな。
お前の過去なんて聞きたくもないし知りたくもない。
今まで一般人にしてきた仕打ち。心から反省して逝け。」
ゴキ‼︎
そういうと鈍い音とともにソウルの首を軽くへし折った
本格的になりつつある。
皆の憩いの場であった酒場の襲撃から始まり、
そしてヒナタとあっくんがムマタゆうめゴンと衝突した。
ヒナタとあっくんは、アタルフの駆けつけもあって、なんとか
難を逃れたが、ムマタゆうめゴンは逃走していた。
アタルフ「初っ端から無茶しやがって…怪しい奴を見かけたら報告しろって言っただろうが」
傷を負ったヒナタを担ぎながらあっくんを咎める。
あっくん「ごめん…感情的になりすぎた」
ムマタゆうめゴんは、あっくんの恩人であり親代わりでもあった「さつじんき」の仇だ。
アタルフ「…気持ちは分かるが、生き急ぐな。
それじゃあ、いつまで経っても仇は取れねえぞ。」
あっくん「はい…」
ヒナタ(…何も出来なかった…ムマタゆうめゴンなんて何度も戦ってきた相手なのに…
もしかして俺…あんまり強くねえのか?…クソ…クソォォ…)
傷だらけで意識が朦朧とする中、ヒナタは悔しさで懊悩していた。
〜ギガルビー地区〜
火山によって一層濃い灰空の下で
二人乗りのバイクが過疎化した道路を走る。
ユウメ「すまないねえ…足が重傷で歩けそうにないよ」
ソウル「ああ、今はとりあえず治療だな。姉貴はとりあえず
傷が治るまで酒場で安静にしといてくれ」
ユウメ「そうさせてもらうよ」
酒場というのは全ての地区に必ず一つずつあるモノだが、
R勢、非R勢のどちらにも属さない。
誰でも安心して立ち寄れる憩いの場として造られた場所。
''戦闘とは無縁な場所。だからこそ、その立ち位置を無視し、
酒場を襲撃したブラックアサシンのことを撲滅隊は許せないのだ。
ソウル「店主、傷が治るまで頼む。」
ギガルビの店主「おお、これはひどい傷だ…直ちにオペの準備をしよう」
そう言って酒場の店主にユウメを預け、
ソウルは酒場を後にする
〜廃病院屋上(赤十邇の元アジト)〜
ソウル「撲滅隊幹部のヒナタとあっくんにはかなりの傷を負わせた。もうじき仕留める。
ただ、姉貴は重傷だ。」
アキ『初戦から良い仕事だね。引き続き頼むよ』
電話越しにトップの黒星千秋と連絡をとる
ザッザッ…
突然、足音とともに短髪の女が現れる
コハル「やっと追いついた〜。なぁんだ、結局この病院跡か。良い思い出ないんだよねぇ」
ソウル「⁉︎」
突然の声にソウルが驚愕する
コハル「電話聞いてたよ?ブラックアサシン。しかも誰かと思えば、あの時のR勢姉弟じゃ〜ん。」
ニヤついた笑みを浮かべる
ソウル「いつの間に…‼︎この病院を通過して戻ってくるまでかなりの距離は走ったぞ…どうやって…」
ダンッ‼︎
言い終わらないうちにコハルが一瞬で間合いを詰める
コハル「私の大好きな『さつじんき』を葬ったんだよねえ?じゃあ君も昏睡する義務があるよねえ‼︎」
ソウル(速い…‼︎先手を取られた‼︎)
鋼鉄の枕が豪速で振り下ろされ、
ソウルはそれを両腕を使い、間一髪でガードする
ソウル「…っ」
コハル「おわぁ‼︎良い反応だねえ!でもねぇ、意識が枕にいきすぎだよ」
ドゴン！！
ソウルの両腕を掻い潜り、鳩尾に凄まじい蹴りを食らわせる
ソウル「グハッ…‼︎(なんだこの蹴りの威力は…‼︎本当に女か⁉︎)」
コハル「内臓を狙ったんだけどなぁ〜。瞬時に筋肉を固めたねぇ。でも骨は折れたねぇ」
ソウル「チィッ…!離れろサイコ女ァ‼︎」
ソウルが素早くアッパーを繰り出す
コハル「おっと」
コハルがそれを見切り、後方へ下がる
ソウル「出会いがしらに肋骨折りやがって‼︎許さねぇ!『スリープスモッグ‼︎』
シュゥゥゥ…
相手を眠らせる煙を放つ
コハル「うわぁ…‼︎眠くなってきたぁ…!…なんてね。想定内だよぉ」
瞬時にガスを躱す
コハル「子供騙しが通用するかぁ!」
ソウル「…」
コハルの突進と同時、ソウルの顔から笑みが溢れる
ソウル「馬鹿が‼︎かかったな‼︎ナイトキャップ‼︎」
歪なナイトキャップをコハルの頭に被せる
コハル「っ…グゥゥ…」
コハルは突如眠ってしまう
ソウル「その帽子を被ったらずっと眠った状態になる。
帽子を外せば起きれるが、生憎お前は一人だ。
残念だったな。こっからは俺の番だ」
全体重を拳に乗せ、強烈なパンチをコハルに放つ
バキイイイイ‼︎‼︎
コハル「ぐっ…‼︎」
しかしコハルは倒れない
ソウル「今のでダウンしねえとはなあ。だがお楽しみはこれからだ。」
そういって小型のナイフを取り出し、コハル目掛けて振りまくる
ソウル「おまえは一息では倒さないぜ‼︎徹底的に苦しみを与えて葬ってやる‼︎」
だが、ソウルのナイフは、いくら振ってもコハルに当たらない。
ソウル「なんだ?どうなってる?」
シュバババババ‼︎
細やかな動きでナイフを紙一重で避けている
ソウル「クソが‼︎こうなったら直に殴り飛ばしてやるよ‼︎」
ガシッ…‼︎
コハルが寝ながら振り抜かれたソウルの拳を掴む。
ソウル「何だと⁉︎」
コハル「油断したねぇ。私は寝てからが真骨頂だよ」
相変わらず、コハルの目は閉じている。寝たままだ。
そしてコハルはソウルの拳を掴みながら、
もう一方の手でソウルに手刀を振るうが、
ソウルはこれを受け止める
ソウル「だから何だってんだよ‼︎オラァ‼︎頭蓋骨叩き割ってやる‼︎」
コハル「いいよぉ‼︎さぁゴッツンコだぁ‼︎」
お互いに両腕が封じられ、ソウルが頭突きの体制に入り、
コハルもそれに応じる
ゴシャッ‼︎
互いの頭が激しくぶつかり合う
コハル「うぁ…かった…い…」
コハルが弾かれてしまう
ソウル「馬鹿が‼︎俺の打たれ強さを忘れたか⁉︎」
そうしてソウルがコハルの枕を奪い、
ドゴン！‼︎
さっきとは逆方向から大打撃を喰らわせる
コハルは打撃を受けすぎて体がふらつく。
コハル「うわぁ…こりゃあ痛いなぁ…(コイツ…以前よりも格段に強くなってるな…)」
赤十邇との戦いでコハルはムマタゆうめゴンを二人まとめて倒したことがあった。
コハル「こうなったら根比べだ。かかってこぉい。」
コハルが手招きで挑発をかます
ソウル「やかましい‼︎これで俺の勝ちだ‼︎」
拳を振り上げ、コハル目掛けてスイングする
ガキィン‼︎
ソウル「‼︎?」
その拳を、コハルは額で受け止める。
コハル「捕まえたあ〜…」
ソウルの両手をガッチリと掴み、嬉しそうにつぶやく
ソウル「ドアホが‼︎もう一回頭蓋骨を叩き割ってやる‼︎」
再びソウルが頭突きの構えをし、コハルの頭目掛けて頭蓋を振るう
コハル「かかったね…」
コハルは笑みを浮かべ、眠ったまま鼻の穴から風船のようなものを膨らませる
ぷくぅ…
ソウル「?…なんだこれ?」
コハル「爆裂鼻提灯‼︎」
ドパァアアン‼︎
巨大化した風船が激しく割れ、十分に引き付けられたソウルの頭部に直撃する
ソウル「ぐあああ‼︎」
ソウルがふらついたところで
コハルが枕を拾う
コハル「お返しダァ〜」
ゴパァン‼︎
気の抜けた声とともに閃光のようなフルスイングでソウルを枕で殴り潰す
ソウル「ぐふぅああ‼︎」
その一撃でソウルの頭部の三分の一が破壊され、
ソウルはそのまま倒れる
ソウル「…う…ああ…あ…」
コハル「私の粘り勝ちだよぉ〜」
目が覚めたコハルが頭から流れる血をなめる
ソウル「す…まね…え……あ…ね…き…」
コハル「…」
コハルは倒れたソウルに近づく
ガッ…
頭を踏みつける
ソウル「…え…ああ…?」
コハル「…」
コハルは微笑んでソウルの耳元まで顔を近づけると
コハル「R勢如きが勝手に感傷に浸るな。
お前の過去なんて聞きたくもないし知りたくもない。
今まで一般人にしてきた仕打ち。心から反省して逝け。」
ゴキ‼︎
そういうと鈍い音とともにソウルの首を軽くへし折った
EP57 怒髪衝天
〜R撲滅隊本部〜
いつもであれば、静かであるはずの撲滅隊本部が
今は静寂感もカケラもない、応急処置や怪我人の
介護の音で満ちている。
マスター「…」
腕を組み、運ばれていく怪我人達を見つめる。
アタルフ「戦争開始からずっと…下っ端が狙われている。
怪我で済んだ奴は御の字。酷けりゃあ四肢がもがれちまったり、最悪の場合は…」
言葉を濁す
マスター「そっか…」
そう言って立ち上がり、
本部の扉を開け、どこかへ立ち去って行く。
アタルフ「?どこに行くんだマスター」
マスター「ちょっとね。」
アタルフ「…怒りは抑えろよ」
マスター「分かってるよ」
マスターが立ち去ると同時、
血だらけのコハルが帰ってくる
コハル「アタルフく〜ん。私ボロボロだよ〜。
ムマタゆうめゴンのソウルって子は倒しといたよ〜」
涼しい顔でそう告げる
アタルフ「マジでボロボロじゃねえか…‼︎ってかマジかよ…‼︎
ソウルを倒したのか⁉︎」
コハル「う〜ん。余裕でね。さぁてもう眠いから寝ま〜す。」
ソファにゴロンと横になる
アタルフ「…まあ。今回は許すわ。」
驚愕した顔でそういうと
スタン「いい戦果だな。最初の勝ち星だ。」
タバコを吸いながら関心する
アタルフ「…」
スタン「どうした?」
アタルフ「いや、俺の思い違いかも知れねえが…
ムマタゆうめゴン、二人同時に倒すべきだったかもしれねえ。」
スタン「どういうことだ?」
アタルフ「奴らはR勢とはいえ、凄まじい絆で結ばれていた。
もしそれが急に断ち切られでもしたら、どうなるか…」
〜ギガルビー地区の酒場〜
チリンチリン…
扉のベルが鳴り、ドアが開く
シーバ「入るでー」
ゆうめ「…なんだシーバか」
シーバ「なんだとは何やねん。誰を期待したんや。」
ゆうめ「さぁね」
シーバ「…まあええ。傷はどないや?」
ゆうめ「医者からは安静にするよう言われてるけどね、
大分動ける。問題ない。」
そう言って足を上下して見せる
シーバ「それは良かったわ。俺も背骨折れとったけど完治したわ。
怒りのパワーで治した。」
そう言って背中を思い切り叩く
ゆうめ「どういう理論だい…」
そうして少し考えると
ゆうめ「まぁ…わからなくもないけどねぇ。
その理屈。」
シーバ「?」
ゆうめ「私もねぇ、最愛の弟を殺られて…黙ってもいられない。」
ゆうめは、弟ソウルを幾度となく守ってきた。
ソウルはそんな姉、ゆうめの後をついて周り、
慕い、子供の頃なら離れた途端に泣き出した。
そんなソウルがゆうめにとっては可愛い以外の何者でもなかった…
ゆうめ「今まで本気で怒ったことなんてなかったんだけどねぇ…」
シーバ「…‼︎」
ゴゴゴゴ…
突如として空気が重くなる
ゆうめ「今この瞬間…‼︎悲歌慷慨のあまり…五臓六腑が捻り切れそうなほど
怒り浸透状態なんだよ…‼︎ソウル…誰がやったのかは知らないけど、
撲滅隊は絶対に潰してやるわ‼︎」
シーバ(…とんでもねえ威圧感やわユウメ…やはりこの女は
素晴らしい才能に溢れた逸材や…‼︎)
〜トパルフ地区前 バリケード〜
超がつくほどの静寂さゆえに
立ち寄る者に不安を抱かせる。
古びたバリケード。その奥には危険な
地帯が広がっているのだ。
ユウキ「静かだねえ…嵐の前の静けさ。とでも言おうかな。」
ヨシヒロ「まさにその通りです。ただ、戦争の嵐はもうやってきていますが」
ユウキ「あっはは。あの程度ではまだ嵐とは言わないね。
まだ小雨レベルだよ」
ヨシヒロ「そうですか?」
ユウキ「さて、財団の信頼に関わるし、
バリケードの点検をしよう」
ヨシヒロ「そうですね」
いつもであれば、静かであるはずの撲滅隊本部が
今は静寂感もカケラもない、応急処置や怪我人の
介護の音で満ちている。
マスター「…」
腕を組み、運ばれていく怪我人達を見つめる。
アタルフ「戦争開始からずっと…下っ端が狙われている。
怪我で済んだ奴は御の字。酷けりゃあ四肢がもがれちまったり、最悪の場合は…」
言葉を濁す
マスター「そっか…」
そう言って立ち上がり、
本部の扉を開け、どこかへ立ち去って行く。
アタルフ「?どこに行くんだマスター」
マスター「ちょっとね。」
アタルフ「…怒りは抑えろよ」
マスター「分かってるよ」
マスターが立ち去ると同時、
血だらけのコハルが帰ってくる
コハル「アタルフく〜ん。私ボロボロだよ〜。
ムマタゆうめゴンのソウルって子は倒しといたよ〜」
涼しい顔でそう告げる
アタルフ「マジでボロボロじゃねえか…‼︎ってかマジかよ…‼︎
ソウルを倒したのか⁉︎」
コハル「う〜ん。余裕でね。さぁてもう眠いから寝ま〜す。」
ソファにゴロンと横になる
アタルフ「…まあ。今回は許すわ。」
驚愕した顔でそういうと
スタン「いい戦果だな。最初の勝ち星だ。」
タバコを吸いながら関心する
アタルフ「…」
スタン「どうした?」
アタルフ「いや、俺の思い違いかも知れねえが…
ムマタゆうめゴン、二人同時に倒すべきだったかもしれねえ。」
スタン「どういうことだ?」
アタルフ「奴らはR勢とはいえ、凄まじい絆で結ばれていた。
もしそれが急に断ち切られでもしたら、どうなるか…」
〜ギガルビー地区の酒場〜
チリンチリン…
扉のベルが鳴り、ドアが開く
シーバ「入るでー」
ゆうめ「…なんだシーバか」
シーバ「なんだとは何やねん。誰を期待したんや。」
ゆうめ「さぁね」
シーバ「…まあええ。傷はどないや?」
ゆうめ「医者からは安静にするよう言われてるけどね、
大分動ける。問題ない。」
そう言って足を上下して見せる
シーバ「それは良かったわ。俺も背骨折れとったけど完治したわ。
怒りのパワーで治した。」
そう言って背中を思い切り叩く
ゆうめ「どういう理論だい…」
そうして少し考えると
ゆうめ「まぁ…わからなくもないけどねぇ。
その理屈。」
シーバ「?」
ゆうめ「私もねぇ、最愛の弟を殺られて…黙ってもいられない。」
ゆうめは、弟ソウルを幾度となく守ってきた。
ソウルはそんな姉、ゆうめの後をついて周り、
慕い、子供の頃なら離れた途端に泣き出した。
そんなソウルがゆうめにとっては可愛い以外の何者でもなかった…
ゆうめ「今まで本気で怒ったことなんてなかったんだけどねぇ…」
シーバ「…‼︎」
ゴゴゴゴ…
突如として空気が重くなる
ゆうめ「今この瞬間…‼︎悲歌慷慨のあまり…五臓六腑が捻り切れそうなほど
怒り浸透状態なんだよ…‼︎ソウル…誰がやったのかは知らないけど、
撲滅隊は絶対に潰してやるわ‼︎」
シーバ(…とんでもねえ威圧感やわユウメ…やはりこの女は
素晴らしい才能に溢れた逸材や…‼︎)
〜トパルフ地区前 バリケード〜
超がつくほどの静寂さゆえに
立ち寄る者に不安を抱かせる。
古びたバリケード。その奥には危険な
地帯が広がっているのだ。
ユウキ「静かだねえ…嵐の前の静けさ。とでも言おうかな。」
ヨシヒロ「まさにその通りです。ただ、戦争の嵐はもうやってきていますが」
ユウキ「あっはは。あの程度ではまだ嵐とは言わないね。
まだ小雨レベルだよ」
ヨシヒロ「そうですか?」
ユウキ「さて、財団の信頼に関わるし、
バリケードの点検をしよう」
ヨシヒロ「そうですね」
EP58 罠にハマる
〜トパルフ地区 苦悶の森〜
トパルフ地区を囲うように生える針葉樹林。
自死や死体の遺棄が絶えない恐ろしい樹海。
そんな静けさの中から足音が響く
マスター「…いるんだろう。ブラックアサシン。出てこい」
大声で言い放つ
アキ「これはこれは…久しぶりだねぇ。マスター。」
慈しみを含んだような声で言う
マスター「アキ…R勢になったお前なんて俺の知人にすら値しない。」
アキ「…新米の撲滅隊員を片っ端から処理していれば、
いずれ幹部が訪ねてくると思ってたよ。まさか隊長が来るとは思ってなかったけどね。
しかもご丁寧に、バリケードまで壊していただいてね。」
マスターによって開けられたバリケードの大穴を指差す
マスター「関係ない。お前はここで俺が叩き潰す。」
この世のものとは思えない殺気を放つ
アキ「人の地区に入ってきてまで何言ってんだ⁉︎」
ドゴッ‼︎
腰の振りもなしに豪速の拳が飛ぶ
マスター「っ…」
マスターはその拳を皮一枚でかわす
マスター(拳が掠っただけで切れる…)
アキ「早速サヨナラァ‼︎」
瞬きの瞬間に数十もの拳が飛ぶ
ドドドドドドドド‼︎
マスター「当たらねえよ!ンなもん!」
それを皮一枚で順当に避けていく
アキ「いいねぇ‼︎さすがはマスター!新米ちゃんを幾千積み重ねても釣り合わない速さだ‼︎」
マスター「もらったぞクソ野郎!」
ドゴン！
アキの攻撃を掻い潜り、さらに強烈なハイキックをコメカミに命中させる！
アキ「グァ…」
マスター「まだまだ!『波止め‼︎』」
体制の崩れたアキの額に動きを封じる波動技を打ち込む。
しかし、同時にアキはハイキック後の足を掴む。
アキ「ああ、言い忘れていたが、俺は打撃を喰らって意識を失ったことは一度もない」
マスター「!!…(波止めが効かない!?…けいちゃの時は上手くいったのに)」
そう言ってアキはマスターの足の関節を決めにかかる
マスター「甘いんだよ!」
ゴキゴキ…!
マスターは足の関節を外し、関節技を回避する
アキ「へぇ凄いじゃん!関節とか外せるモンなんだねぇ。痛いとかないの?」
しかし、マスターの足首は掴まれたまま
マスター「いい加減、離れろオラ!!」
もう片方の足で膝蹴りを打ち込む
アキ「ぐお…!!」
膝蹴りが鳩尾にクリーンヒットし、
マスターの足は解放される。
アキ「極致能 バーサーカー!!」
距離をとった刹那、アキが独特のオーラをまとう…
マスター「何だ…これは…!」
アキ「攻防一体だ」
ドンッ…!
踏み込みと同時に
アキは音速でマスターとの距離を詰める！
マスター(速くなった…!)
アキ「顔面を壊してやる」
ドゴゴゴゴゴゴ!!
真っ黒な目を見開き、
マスターの顔目掛けて蹴りを
連続で繰り出す
マスター「くっ…(なんとか受け流しはしたが…やはり速度が上がっている!)」
アキ「さぁ殴り合おう!一方的な殴り合いを!!」
猛スピードで連撃を繰り出す
マスター「一方的なら殴り合いじゃなくなるだろ!!」
マスターも同じく拳による連撃を繰り出す
ドガガガガガ!!!!
凄まじい打撃の打ち合いに発展し、
周囲の木々が、飛び散った打撃の風圧で倒れ始める
マスター「今度こそもらったぞ!」
ガガガガガガ!
激しく飛び交う打撃を掻い潜り、
アキの腹部に拳を5、6発叩き込む。
アキ「がぁあ!いいねえ!素晴らしいよマスター!もっと魅せてくれ!」
ドゴッ！
そう言ってアキも打撃の隙間を掻い潜って
前蹴りをマスターの鳩尾に炸裂させる
マスター「くはっ…!(攻撃の速度が、また上がった!威力も増大している!)」
膝から崩れ落ちる
アキ「危ない奴だ。頭が吹っ飛ぶところだったぞ。打撃の空気圧だけで肉が切れるなんてなあ。」
首から血が滴り落ちる
マスター「うるせえな、お前は致命傷だ。遺言は聞かない」
アキ「そうだなぁ、俺もそろそろ死にそうだし、ここからは合理的に仕留めさせてもらう」
そう言って距離をとる
マスター(合理的に…?何を言って…)
ジジ…
何かが這いずり寄ってくる音がする…
ズドドォォォォン…!!
大地が砕けると同時に
巨大な木の根がマスターに巻きつくように生えてくる
マスター「うっ!!(固定された…!!)」
パチパチパチ…
拍手をする音が響き
森の奥から一人男が現れる
るあ「ブラボーブラボー。流石はマスター。端から見ていたけど規格外な男だ。
黒星さんにここまでの怪我を負わせるとはね」
出てきたのはブラックアサシン No.2 仙水るあ
アキ「いいねぇ…るあ。タイミングは完璧だ。」
るあ「恐れ入るよ」
マスター「誰だ…お前は…‼︎(この木…!体に巻きついて抜けられない…!
この男の能力か?)」
アキ「悔しかろう。目の前に後輩共を危機に陥れた男がいるのに
手も足も出ないなんてなあ」
そう言って動けなくなったマスターを嘲り笑う
るあ「動くな。動けば動くほど体力を吸い取られるぞ。」
マスター「ぐうう…!」
るあ「念の為、もう少しキツく絞めておくか。
どうせこの男は、殺しても死なない。」
アキ「ああ。とりあえずは棺桶に封じておくか。」
マスター「…何を言ってやがる…」
ドスッ!!
突如、真後ろから十文字の銛で腹部を貫かれる
マスター「かっ…あ…」
マクレン「君は幸せそうだねえ…」
突いたのはNo.3のマクレン
完全に虚をつかれた
マスター(この男…音も殺気もしなかった…目視しても生気が感じられない…)
後出しジャンケンのように出てきたトップ3の幹部による不意打ち。
マスターの戦意と意識が失われる
マクレン「でも今の君の不幸な顔は大好きだよ。」
そう言ってマクレンは銛を引き抜くと
マクレン「この化け物をどうするの?」
アキ「この男は今仮死状態だ。こうなるとどれだけダメージを喰らわせようとしても無駄だ。
『トパルフの墓場』に、トロモフと同じように棺桶に封じ込めておけ」
マクレン「了解」
トロモフという生命体はこの星の者ではなかった…
異様とも言える生命力に満ち溢れていたが、
問題があった。
力の半分しか出すことができない。
それでも強大な力を持っていたが、
撲滅隊などの非R勢との戦争を控えていたトロモフは
失ったもう半分の力を探し続けた。
それも束の間、
その力を見つけることが出来ずに、
非R勢に倒されてしまった。
そして自分を倒した者の中には
覚えのある気配がした。
白銀の髪の毛、宇宙を思わせる青い瞳。
圧倒的な殲滅力。
赤子のようだったが、その力は絶大で、
トロモフは圧倒された。
マスター。トロモフの片割れ。
ついに見つけた。求めていた半分の力。
だがトロモフはマスターに触れることも
叶わず、無慈悲にも封印された。
そう死ななかったからだ。
トロモフとマスターの合体した完全体でなければ
死ぬことはできない。死ぬことは許されないのだ。
数年の時が経ち、
マスターはブラックアサシンによって封印された。
今もなお封じられているトロモフも世界のどこかに存在する。
完全体となれば非R勢は絶望的となる。
R撲滅隊の最強の戦力であるマスターがいなくなり、
逆に最強の戦力がR勢側についてしまう。
マスターとトロモフを巡って、
今後、R勢と非R勢の戦いはこれまで以上に苛烈となるだろう
トパルフ地区を囲うように生える針葉樹林。
自死や死体の遺棄が絶えない恐ろしい樹海。
そんな静けさの中から足音が響く
マスター「…いるんだろう。ブラックアサシン。出てこい」
大声で言い放つ
アキ「これはこれは…久しぶりだねぇ。マスター。」
慈しみを含んだような声で言う
マスター「アキ…R勢になったお前なんて俺の知人にすら値しない。」
アキ「…新米の撲滅隊員を片っ端から処理していれば、
いずれ幹部が訪ねてくると思ってたよ。まさか隊長が来るとは思ってなかったけどね。
しかもご丁寧に、バリケードまで壊していただいてね。」
マスターによって開けられたバリケードの大穴を指差す
マスター「関係ない。お前はここで俺が叩き潰す。」
この世のものとは思えない殺気を放つ
アキ「人の地区に入ってきてまで何言ってんだ⁉︎」
ドゴッ‼︎
腰の振りもなしに豪速の拳が飛ぶ
マスター「っ…」
マスターはその拳を皮一枚でかわす
マスター(拳が掠っただけで切れる…)
アキ「早速サヨナラァ‼︎」
瞬きの瞬間に数十もの拳が飛ぶ
ドドドドドドドド‼︎
マスター「当たらねえよ!ンなもん!」
それを皮一枚で順当に避けていく
アキ「いいねぇ‼︎さすがはマスター!新米ちゃんを幾千積み重ねても釣り合わない速さだ‼︎」
マスター「もらったぞクソ野郎!」
ドゴン！
アキの攻撃を掻い潜り、さらに強烈なハイキックをコメカミに命中させる！
アキ「グァ…」
マスター「まだまだ!『波止め‼︎』」
体制の崩れたアキの額に動きを封じる波動技を打ち込む。
しかし、同時にアキはハイキック後の足を掴む。
アキ「ああ、言い忘れていたが、俺は打撃を喰らって意識を失ったことは一度もない」
マスター「!!…(波止めが効かない!?…けいちゃの時は上手くいったのに)」
そう言ってアキはマスターの足の関節を決めにかかる
マスター「甘いんだよ!」
ゴキゴキ…!
マスターは足の関節を外し、関節技を回避する
アキ「へぇ凄いじゃん!関節とか外せるモンなんだねぇ。痛いとかないの?」
しかし、マスターの足首は掴まれたまま
マスター「いい加減、離れろオラ!!」
もう片方の足で膝蹴りを打ち込む
アキ「ぐお…!!」
膝蹴りが鳩尾にクリーンヒットし、
マスターの足は解放される。
アキ「極致能 バーサーカー!!」
距離をとった刹那、アキが独特のオーラをまとう…
マスター「何だ…これは…!」
アキ「攻防一体だ」
ドンッ…!
踏み込みと同時に
アキは音速でマスターとの距離を詰める！
マスター(速くなった…!)
アキ「顔面を壊してやる」
ドゴゴゴゴゴゴ!!
真っ黒な目を見開き、
マスターの顔目掛けて蹴りを
連続で繰り出す
マスター「くっ…(なんとか受け流しはしたが…やはり速度が上がっている!)」
アキ「さぁ殴り合おう!一方的な殴り合いを!!」
猛スピードで連撃を繰り出す
マスター「一方的なら殴り合いじゃなくなるだろ!!」
マスターも同じく拳による連撃を繰り出す
ドガガガガガ!!!!
凄まじい打撃の打ち合いに発展し、
周囲の木々が、飛び散った打撃の風圧で倒れ始める
マスター「今度こそもらったぞ!」
ガガガガガガ!
激しく飛び交う打撃を掻い潜り、
アキの腹部に拳を5、6発叩き込む。
アキ「がぁあ!いいねえ!素晴らしいよマスター!もっと魅せてくれ!」
ドゴッ！
そう言ってアキも打撃の隙間を掻い潜って
前蹴りをマスターの鳩尾に炸裂させる
マスター「くはっ…!(攻撃の速度が、また上がった!威力も増大している!)」
膝から崩れ落ちる
アキ「危ない奴だ。頭が吹っ飛ぶところだったぞ。打撃の空気圧だけで肉が切れるなんてなあ。」
首から血が滴り落ちる
マスター「うるせえな、お前は致命傷だ。遺言は聞かない」
アキ「そうだなぁ、俺もそろそろ死にそうだし、ここからは合理的に仕留めさせてもらう」
そう言って距離をとる
マスター(合理的に…?何を言って…)
ジジ…
何かが這いずり寄ってくる音がする…
ズドドォォォォン…!!
大地が砕けると同時に
巨大な木の根がマスターに巻きつくように生えてくる
マスター「うっ!!(固定された…!!)」
パチパチパチ…
拍手をする音が響き
森の奥から一人男が現れる
るあ「ブラボーブラボー。流石はマスター。端から見ていたけど規格外な男だ。
黒星さんにここまでの怪我を負わせるとはね」
出てきたのはブラックアサシン No.2 仙水るあ
アキ「いいねぇ…るあ。タイミングは完璧だ。」
るあ「恐れ入るよ」
マスター「誰だ…お前は…‼︎(この木…!体に巻きついて抜けられない…!
この男の能力か?)」
アキ「悔しかろう。目の前に後輩共を危機に陥れた男がいるのに
手も足も出ないなんてなあ」
そう言って動けなくなったマスターを嘲り笑う
るあ「動くな。動けば動くほど体力を吸い取られるぞ。」
マスター「ぐうう…!」
るあ「念の為、もう少しキツく絞めておくか。
どうせこの男は、殺しても死なない。」
アキ「ああ。とりあえずは棺桶に封じておくか。」
マスター「…何を言ってやがる…」
ドスッ!!
突如、真後ろから十文字の銛で腹部を貫かれる
マスター「かっ…あ…」
マクレン「君は幸せそうだねえ…」
突いたのはNo.3のマクレン
完全に虚をつかれた
マスター(この男…音も殺気もしなかった…目視しても生気が感じられない…)
後出しジャンケンのように出てきたトップ3の幹部による不意打ち。
マスターの戦意と意識が失われる
マクレン「でも今の君の不幸な顔は大好きだよ。」
そう言ってマクレンは銛を引き抜くと
マクレン「この化け物をどうするの?」
アキ「この男は今仮死状態だ。こうなるとどれだけダメージを喰らわせようとしても無駄だ。
『トパルフの墓場』に、トロモフと同じように棺桶に封じ込めておけ」
マクレン「了解」
トロモフという生命体はこの星の者ではなかった…
異様とも言える生命力に満ち溢れていたが、
問題があった。
力の半分しか出すことができない。
それでも強大な力を持っていたが、
撲滅隊などの非R勢との戦争を控えていたトロモフは
失ったもう半分の力を探し続けた。
それも束の間、
その力を見つけることが出来ずに、
非R勢に倒されてしまった。
そして自分を倒した者の中には
覚えのある気配がした。
白銀の髪の毛、宇宙を思わせる青い瞳。
圧倒的な殲滅力。
赤子のようだったが、その力は絶大で、
トロモフは圧倒された。
マスター。トロモフの片割れ。
ついに見つけた。求めていた半分の力。
だがトロモフはマスターに触れることも
叶わず、無慈悲にも封印された。
そう死ななかったからだ。
トロモフとマスターの合体した完全体でなければ
死ぬことはできない。死ぬことは許されないのだ。
数年の時が経ち、
マスターはブラックアサシンによって封印された。
今もなお封じられているトロモフも世界のどこかに存在する。
完全体となれば非R勢は絶望的となる。
R撲滅隊の最強の戦力であるマスターがいなくなり、
逆に最強の戦力がR勢側についてしまう。
マスターとトロモフを巡って、
今後、R勢と非R勢の戦いはこれまで以上に苛烈となるだろう
EP59 異常事態
〜バトデラ財団〜
アタルフ「久しぶりです。宇梶ユウキ殿。」
礼儀正しく訪問する
ユウキ「いいよいいよ。堅苦しい挨拶はよしてくれ。」
財団の代表であるにもかかわらず、黒シャツ一丁羅で
アタルフを代表室に招き入れる。
ヨシヒロ「…それで、今日はどういったご用件で?」
アタルフ「マスターが行方不明だ。恐らくだが、棺桶に入れられた。」
単刀直入に述べる
ヨシヒロ「!?」
ユウキ「…」
ヨシヒロは驚愕した様子で後ずさりする
ユウキは少し驚いたように瞼をピクリと動かす。
ヨシヒロ「一大事ではないですか!!…しかも棺桶!?その中にトロモフが入りでもしたら…!!」
ユウキ「やめろデブ。それは禁句だ。」
ヨシヒロ「申し訳ありません…(ヤブ…藪ヨシヒロです…)」
アタルフ「…ああ。察しの通り、俺たち撲滅隊は今ブラックアサシンとの戦いで手間取っている。
そんな中でマスターが戦線離脱。さらにはトロモフの復活という最悪のシナリオが浮上してるんだ。」
ユウキ「…で?」
アタルフ「お前たち財団にとっても困るだろう。
これ以上R勢の強さが増してしまうと、管理下にある地区が脅かされる。」
ヨシヒロ「だから我々の戦力を寄越せとでも言うつもりか…?何様のつもりなのだ!?」
血管ビキビキになる
ユウキ「黙ってくれドブ」
また静止する。もはや罵詈雑言である。
ヨシヒロ「申し訳ない…」
アタルフ(絶対わざとだな…)
ユウキ「いいよ。元々撲滅隊は俺らと協力し合ってきたし、
R勢に強くなられると困る。力を貸すよ。声を掛ければ味方はいくらでもいる。
兵は用意するよ。」
ヨシヒロ「なっ…よろしいのですか代表…!」
アタルフ「ありがたい(宇梶ユウキ…まるで朝廷だな…)」
ユウキ「しかし、いつまでも離れた地区同士で睨み合っているワケにもいかなくないか?」
アタルフ「どういうことだ?」
ユウキ「ブラックアサシンは酒場とか一般人を関係なく害を与えてるけど
君ら撲滅隊はその道徳を重んじて行動を制限される。その時点で不利だよ。」
アタルフ「…確かにそうだが…」
ユウキ「正義を名乗るにはそれ相応の責任が生じる。
悪を名乗るならそれ相応の報いを受ける
でも中立ならどうかな?正義にも悪にも囚われない自由な派閥さ。」
アタルフ「何が言いたい?」
ユウキ「簡単なこと。俺ら財団は撲滅隊のアシストをする。
住民は一定期間こちらの施設で保護させてもらう。
君らは虐殺、根絶やし、大暴れ、好きに動いてくれて良い。
壊れた建物は終戦後に修復するよ。」
アタルフ「…いいのか?」
不敵な笑顔とともに言い渡された条件は
決して悪いものではなかった。
むしろ財団の負担だ。
ユウキ「いいよ。俺は子供たちが笑って暮らせる未来のためなら
喜んで自分を犠牲にする。」
アタルフ「…感謝する(毎回思うことだが、何故この男はいつも撲滅隊に良くしてくれるんだ…本心が読めない)」
〜ブラックアサシンアジト〜
アキ「マスターは戦線離脱。良い戦果だ」
るあ「これでR勢の勝機は五分五分ってところかな。
あとはトロモフの棺桶を見つけてマスターと融合させれば
R勢は100%。ほぼ勝ちだよ。」
シーバ「残念やわ…なんで連れてってくれなかったんや」
マクレン「君は初っ端からド派手に襲撃したでしょ。」
十文字銛にこびりついた藻をはらいながら言う
るあ「…あれ、そういえばユウメがいないよ」
アキ「あいつならエメDラルド地区の森林に行ってるぜ。」
るあ「特訓かな。」
アキ「恐らくな」
そう言ってアキは勢いよく立ち上がり、
アキ「マスターがいなくなった今、撲滅隊は弱体化の一方だ!徹底的に追い込め!」
全員「了解!!」
〜撲滅隊本部〜
ダン!!
机を叩く音が響く
ゼオス「くそッ…!こんなタイミングで若がぁ…!」
マスターの戦線離脱によって
多くの幹部が動揺を隠せない
アタルフ「帰ったぞ〜」
財団へ取引に行っていたアタルフが帰ってくる
クラーレ「アタルフ…‼︎どうだったんですか!」
アタルフ「承諾してくれた。戦力の共有と、一般区民の保護。
これで安心して戦争と向き合える」
スタン「…とはいえ、暴れすぎるなよ。」
財団に疑念を抱くスタンが水をさす。
コハル「わぁい。暴れられるぞぉ」
あっくんやヒナタよりも後に怪我を負ったコハルが
完治して戻ってくる
スタン「復帰早えな。大丈夫か?」
コハル「問題ないよ。ちょうど今暴れたいと思っていたところなんだ。」
クラーレ「外でどぞ」
すると、勢いよく診療室のドアが開き…
ヒナタ「ビッグなニュースだ。」
ヒナタが出てくる。後ろからひょこっとあっくんの姿も見える。
クラーレ「…?」
ヒナタ「もしもトパルフ地区に直に入ってブラックアサシンに挑むことになったら…
あの荒野をよく知ってるガイドマンが必要だよなあ」
そう言って本部の出入り口を見やる
かっかっ…
扉から出てきたのは
見覚えのある凶暴そうな見た目をした男だった
全員「!!」
クラーレ「お前は!」
「さあ聞こうか…お前らのマスターはどうなったんだ?」
六波羅煽斗…ROA
アタルフ「久しぶりです。宇梶ユウキ殿。」
礼儀正しく訪問する
ユウキ「いいよいいよ。堅苦しい挨拶はよしてくれ。」
財団の代表であるにもかかわらず、黒シャツ一丁羅で
アタルフを代表室に招き入れる。
ヨシヒロ「…それで、今日はどういったご用件で?」
アタルフ「マスターが行方不明だ。恐らくだが、棺桶に入れられた。」
単刀直入に述べる
ヨシヒロ「!?」
ユウキ「…」
ヨシヒロは驚愕した様子で後ずさりする
ユウキは少し驚いたように瞼をピクリと動かす。
ヨシヒロ「一大事ではないですか!!…しかも棺桶!?その中にトロモフが入りでもしたら…!!」
ユウキ「やめろデブ。それは禁句だ。」
ヨシヒロ「申し訳ありません…(ヤブ…藪ヨシヒロです…)」
アタルフ「…ああ。察しの通り、俺たち撲滅隊は今ブラックアサシンとの戦いで手間取っている。
そんな中でマスターが戦線離脱。さらにはトロモフの復活という最悪のシナリオが浮上してるんだ。」
ユウキ「…で?」
アタルフ「お前たち財団にとっても困るだろう。
これ以上R勢の強さが増してしまうと、管理下にある地区が脅かされる。」
ヨシヒロ「だから我々の戦力を寄越せとでも言うつもりか…?何様のつもりなのだ!?」
血管ビキビキになる
ユウキ「黙ってくれドブ」
また静止する。もはや罵詈雑言である。
ヨシヒロ「申し訳ない…」
アタルフ(絶対わざとだな…)
ユウキ「いいよ。元々撲滅隊は俺らと協力し合ってきたし、
R勢に強くなられると困る。力を貸すよ。声を掛ければ味方はいくらでもいる。
兵は用意するよ。」
ヨシヒロ「なっ…よろしいのですか代表…!」
アタルフ「ありがたい(宇梶ユウキ…まるで朝廷だな…)」
ユウキ「しかし、いつまでも離れた地区同士で睨み合っているワケにもいかなくないか?」
アタルフ「どういうことだ?」
ユウキ「ブラックアサシンは酒場とか一般人を関係なく害を与えてるけど
君ら撲滅隊はその道徳を重んじて行動を制限される。その時点で不利だよ。」
アタルフ「…確かにそうだが…」
ユウキ「正義を名乗るにはそれ相応の責任が生じる。
悪を名乗るならそれ相応の報いを受ける
でも中立ならどうかな?正義にも悪にも囚われない自由な派閥さ。」
アタルフ「何が言いたい?」
ユウキ「簡単なこと。俺ら財団は撲滅隊のアシストをする。
住民は一定期間こちらの施設で保護させてもらう。
君らは虐殺、根絶やし、大暴れ、好きに動いてくれて良い。
壊れた建物は終戦後に修復するよ。」
アタルフ「…いいのか?」
不敵な笑顔とともに言い渡された条件は
決して悪いものではなかった。
むしろ財団の負担だ。
ユウキ「いいよ。俺は子供たちが笑って暮らせる未来のためなら
喜んで自分を犠牲にする。」
アタルフ「…感謝する(毎回思うことだが、何故この男はいつも撲滅隊に良くしてくれるんだ…本心が読めない)」
〜ブラックアサシンアジト〜
アキ「マスターは戦線離脱。良い戦果だ」
るあ「これでR勢の勝機は五分五分ってところかな。
あとはトロモフの棺桶を見つけてマスターと融合させれば
R勢は100%。ほぼ勝ちだよ。」
シーバ「残念やわ…なんで連れてってくれなかったんや」
マクレン「君は初っ端からド派手に襲撃したでしょ。」
十文字銛にこびりついた藻をはらいながら言う
るあ「…あれ、そういえばユウメがいないよ」
アキ「あいつならエメDラルド地区の森林に行ってるぜ。」
るあ「特訓かな。」
アキ「恐らくな」
そう言ってアキは勢いよく立ち上がり、
アキ「マスターがいなくなった今、撲滅隊は弱体化の一方だ!徹底的に追い込め!」
全員「了解!!」
〜撲滅隊本部〜
ダン!!
机を叩く音が響く
ゼオス「くそッ…!こんなタイミングで若がぁ…!」
マスターの戦線離脱によって
多くの幹部が動揺を隠せない
アタルフ「帰ったぞ〜」
財団へ取引に行っていたアタルフが帰ってくる
クラーレ「アタルフ…‼︎どうだったんですか!」
アタルフ「承諾してくれた。戦力の共有と、一般区民の保護。
これで安心して戦争と向き合える」
スタン「…とはいえ、暴れすぎるなよ。」
財団に疑念を抱くスタンが水をさす。
コハル「わぁい。暴れられるぞぉ」
あっくんやヒナタよりも後に怪我を負ったコハルが
完治して戻ってくる
スタン「復帰早えな。大丈夫か?」
コハル「問題ないよ。ちょうど今暴れたいと思っていたところなんだ。」
クラーレ「外でどぞ」
すると、勢いよく診療室のドアが開き…
ヒナタ「ビッグなニュースだ。」
ヒナタが出てくる。後ろからひょこっとあっくんの姿も見える。
クラーレ「…?」
ヒナタ「もしもトパルフ地区に直に入ってブラックアサシンに挑むことになったら…
あの荒野をよく知ってるガイドマンが必要だよなあ」
そう言って本部の出入り口を見やる
かっかっ…
扉から出てきたのは
見覚えのある凶暴そうな見た目をした男だった
全員「!!」
クラーレ「お前は!」
「さあ聞こうか…お前らのマスターはどうなったんだ?」
六波羅煽斗…ROA
EP60 寝返り、這い寄る漁師
〜撲滅隊本部〜
皆が驚愕した顔で一人の男を見ていた。
元R増殖隊隊長。「ROA」。
しかし、この男は以前にクラーレによってトドメを刺されたはずだ。
当然驚きは隠せない。しかも何を言い出すかと思えば…
ROA「喜べ、俺はお前ら撲滅隊のガイドとして暴れてやる」
腹筋バキバキの腹部をパンと叩き、大声で告げる
全員「…」
沈黙はなおも続く。
ROA「…え。なんか言ってくれよ」
唐突に縮こまる。
皆が驚きを隠せない中、
スタンが口を開く
スタン「ヒナタお前、アタルフかマスターに許可はとったのか?
百歩譲って、この元R増殖隊の隊長が俺らに寝返りたいと本気で言っていたとする。
だが、それをマスターやアタルフが認めるはずがないだろ」
軽くヒナタに圧をかける。
ヒナタ「今はいないけど…マスターは承諾したぜ」
アタルフ「なんだと…」
スタン「マスターが?」
〜昨晩 エメDラルド地区〜
マスター「で?お前は寝返りたいの?なんで?」
巨木の枝に踏ん反り返って
ヒナタとROAを見下ろす
ROA「…俺は自分のしてきた悪行の…罪の重さを思い知った。」
クラーレとの戦闘を思い出す
ヒナタ「…」
ROA「''だからよぉ…俺は償いたいんだよ。R勢として積み上げてきた今までの罪を…
できるかできないかじゃねぇ。やらなきゃならないことがある…男なら。」
そしてROAは木の下で土下座する
ROA「頼むマスター!俺は腹を括った!このまま何もせずに朽ちるのは情けねえ!
一度きりの人生!後悔はしたくない!撲滅隊に入れてくれ!」
ヒナタ「ROA…」
ROAは本気だった。その口調、
目の奥の光から、ヒナタはROAの成長が感じ取れた。
マスター「…いいよ」
ROA「へ?」
あっさり過ぎる応答にROAが
思わず動揺の言葉をこぼす
マスター「お前面白いな。そんなに凄い巨躯なのに弱いし、思いの外繊細だし…」
そうして木の上から降りると
マスター「一度きりの人生…いや二回目かだなお前は。
後悔したくないって気持ちはよく伝わった。
撲滅隊の入隊。俺は許す。」
ROA「ありがとうございます!」
マスター「ただ、皆は納得しないと思う。
たとえ俺が認めても、元R勢でしかも隊長…
認めてもらうには実績で示せ。
それがお前に課された入隊選別試験だ」
ROA「はい!」
アタルフ「マスターも成長したなあ。そんなことを言うようになるとは。」
関心した様子で指を顎に当てる
コハル「…まあいいんじゃないかな。マスターが認めたなら。」
あっくん「僕もそう思う。というかどうでもいい。」
寝起きのあっくんも賛同する。
ヒナタ「いたのかお前…」
スタン「…わかった。ただ、ROA。皆が認めても俺は認めねえ。
否定するわけじゃあないが、保留だ。
疑いが晴れるまでの間、俺の側で行動するように。」
ROA「は、はい。」
まだ完全ではないが、
新たな撲滅隊員が増えた。
〜トパルフ霊園〜
R勢のたむろする最恐の地区、
トパルフ地区の5分の1の面積を占める墓場。
墓場には今まで倒されたR勢、倒した非R勢が埋められている。
そんな中で、十文字の銛を地面に突き刺し、弔う男の姿が。
マクレン「今日も豊漁でした。ありがとう。」
感謝の意の込められた目線の先には
ボロボロになった老若男女の首があった。
小柄な手を髑髏の頬に触れさせ、笑みを浮かべる。
マクレン「でもねぇ、今日も僕は不幸だったよ。
幸せそうな撲滅隊員が見つからないんだ。
悲惨な境遇から入隊した子が多いからかな。」
るあ「またお人形遊びか?マクレン」
静まり返っている墓場の中、
気配もなくマクレンに声をかける
マクレン「るあ…か。何?今は皆の喪中なんだ。」
るあ「とんだ墓参りだが…すまないね。ただ、君にとって最高の獲物があるんだ。
撲滅隊幹部の子でね。」
マクレン「…へぇ。どんなの?」
るあ「体格に恵まれたハンマー使い。
非R勢の皆に昔から慕われてきた。
最近は撲滅隊のマトモな人材として重宝され始めた男。」
マクレン「…わぁ」
生気の感じられない目が少しばかり輝く
るあ「ゼオス。それがお前の獲物の名だ。始末してくれ。アキの伝言だ。」
マクレン「…うん。最近骨のある奴を殺してないからちょうどいいや。
ハンマー使い。ゼオスかぁ…楽しみだなぁ…」
そう言って墓場を出て、ゼオスの目撃された場所へと向かった。
皆が驚愕した顔で一人の男を見ていた。
元R増殖隊隊長。「ROA」。
しかし、この男は以前にクラーレによってトドメを刺されたはずだ。
当然驚きは隠せない。しかも何を言い出すかと思えば…
ROA「喜べ、俺はお前ら撲滅隊のガイドとして暴れてやる」
腹筋バキバキの腹部をパンと叩き、大声で告げる
全員「…」
沈黙はなおも続く。
ROA「…え。なんか言ってくれよ」
唐突に縮こまる。
皆が驚きを隠せない中、
スタンが口を開く
スタン「ヒナタお前、アタルフかマスターに許可はとったのか?
百歩譲って、この元R増殖隊の隊長が俺らに寝返りたいと本気で言っていたとする。
だが、それをマスターやアタルフが認めるはずがないだろ」
軽くヒナタに圧をかける。
ヒナタ「今はいないけど…マスターは承諾したぜ」
アタルフ「なんだと…」
スタン「マスターが?」
〜昨晩 エメDラルド地区〜
マスター「で?お前は寝返りたいの?なんで?」
巨木の枝に踏ん反り返って
ヒナタとROAを見下ろす
ROA「…俺は自分のしてきた悪行の…罪の重さを思い知った。」
クラーレとの戦闘を思い出す
ヒナタ「…」
ROA「''だからよぉ…俺は償いたいんだよ。R勢として積み上げてきた今までの罪を…
できるかできないかじゃねぇ。やらなきゃならないことがある…男なら。」
そしてROAは木の下で土下座する
ROA「頼むマスター!俺は腹を括った!このまま何もせずに朽ちるのは情けねえ!
一度きりの人生!後悔はしたくない!撲滅隊に入れてくれ!」
ヒナタ「ROA…」
ROAは本気だった。その口調、
目の奥の光から、ヒナタはROAの成長が感じ取れた。
マスター「…いいよ」
ROA「へ?」
あっさり過ぎる応答にROAが
思わず動揺の言葉をこぼす
マスター「お前面白いな。そんなに凄い巨躯なのに弱いし、思いの外繊細だし…」
そうして木の上から降りると
マスター「一度きりの人生…いや二回目かだなお前は。
後悔したくないって気持ちはよく伝わった。
撲滅隊の入隊。俺は許す。」
ROA「ありがとうございます!」
マスター「ただ、皆は納得しないと思う。
たとえ俺が認めても、元R勢でしかも隊長…
認めてもらうには実績で示せ。
それがお前に課された入隊選別試験だ」
ROA「はい!」
アタルフ「マスターも成長したなあ。そんなことを言うようになるとは。」
関心した様子で指を顎に当てる
コハル「…まあいいんじゃないかな。マスターが認めたなら。」
あっくん「僕もそう思う。というかどうでもいい。」
寝起きのあっくんも賛同する。
ヒナタ「いたのかお前…」
スタン「…わかった。ただ、ROA。皆が認めても俺は認めねえ。
否定するわけじゃあないが、保留だ。
疑いが晴れるまでの間、俺の側で行動するように。」
ROA「は、はい。」
まだ完全ではないが、
新たな撲滅隊員が増えた。
〜トパルフ霊園〜
R勢のたむろする最恐の地区、
トパルフ地区の5分の1の面積を占める墓場。
墓場には今まで倒されたR勢、倒した非R勢が埋められている。
そんな中で、十文字の銛を地面に突き刺し、弔う男の姿が。
マクレン「今日も豊漁でした。ありがとう。」
感謝の意の込められた目線の先には
ボロボロになった老若男女の首があった。
小柄な手を髑髏の頬に触れさせ、笑みを浮かべる。
マクレン「でもねぇ、今日も僕は不幸だったよ。
幸せそうな撲滅隊員が見つからないんだ。
悲惨な境遇から入隊した子が多いからかな。」
るあ「またお人形遊びか?マクレン」
静まり返っている墓場の中、
気配もなくマクレンに声をかける
マクレン「るあ…か。何?今は皆の喪中なんだ。」
るあ「とんだ墓参りだが…すまないね。ただ、君にとって最高の獲物があるんだ。
撲滅隊幹部の子でね。」
マクレン「…へぇ。どんなの?」
るあ「体格に恵まれたハンマー使い。
非R勢の皆に昔から慕われてきた。
最近は撲滅隊のマトモな人材として重宝され始めた男。」
マクレン「…わぁ」
生気の感じられない目が少しばかり輝く
るあ「ゼオス。それがお前の獲物の名だ。始末してくれ。アキの伝言だ。」
マクレン「…うん。最近骨のある奴を殺してないからちょうどいいや。
ハンマー使い。ゼオスかぁ…楽しみだなぁ…」
そう言って墓場を出て、ゼオスの目撃された場所へと向かった。
EP61 爆弾魔の地獄の訓練
〜エメDラルド地区〜
静寂の森の中で二つの怒号が聞こえる
ゼオス「貴様が戦うの上で最も重要なのは『素振り』と『狡猾さ』のみだ!
いくら凄まじい爆弾を作っても投擲力がなければ投げれない!狡猾でなければ応用できない!!」
ハンマーを片手に大声を張り上げる
ヒナタ「ヒギャアアアアアアアア!」
あまりの訓練のキツさに咆哮をあげる
本格化したゼオスによるヒナタへのしごき。
その場のノリで強くなりたいとは言ったものの
ここまでの訓練は予想していなかった。
〜数日前 酒場跡地〜
ヒナタ「ゼオスさん、アンタこの前弟子入りを推奨してきたよな?あれ。俺も賛同するわ。」
R勢に襲撃され、焼け跡となった酒場で、
空き樽の上に座ったゼオスとヒナタが飲み物を飲みながら話す。
ゼオス「…ほう?」
意外といった顔で目を見開く。
ヒナタ「聞いたんだよ。アタルフから。アンタの武勇伝。
トロモフとの戦争の中でゼオスっていう豪傑が名のあるR勢を一人で一掃したって
マスターが進むための活路をアタルフと開けたって!」
ゼオス「…そんなことあったっけ?」
照れ臭そうに空を見上げる。
仲間思いで重厚な様を持つ反面、こういう褒め言葉の連続には弱いゼオスである。
ヒナタ「そんなの聞かされた上、本人から直々にスカウトされたら、行くっきゃないっしょ!
頼むぜ!弟子入り!」
ゼオス「…後悔するなよ?」
という会話から早3日。ギブアップ寸前である。
ヒナタ「ああ…川…川が…向こうにいるのは…母さん?」
バゴッ!
ヒナタの頬を軽く引っ叩く。
ゼオス「なに三途の川見てやがんだ」
ヒナタ「ゴフッ!」
ゼオス「言い出しっぺはお前だ。俺は推薦していない。良ければと思って言っただけ」
ヒナタ「じゃあ言い出しっぺアンタじゃん!」
ヒナタが音を上げるのも無理はなかった。
訓練とは素振りは砲丸。腰を鍛えるのに巨大な爆弾を抱えさられた上、
その体制から左右に腰を振らねばならない。最悪、胴が割れる地獄。
さぼれば火をつけられる。頭の訓練はゼオスとの組手。
しかし、ゼオスはハンマーを持っていなくても、俊敏さと頭の回転の速度は異常。
丸腰状態にもかかわらず、爆弾持ちのヒナタを幾度となくノックアウトさせる
※爆弾の火花一つでも当たれば休憩。
ゼオス「さぁ、腰の振りと素振りが終わったら組手だ。」
ヒナタ「きゅ…きゅうけーを…」
ゼオス「強くなりたいならいらんだろ。」
ヒナタ「えぇ…」
いやいや…確かに強くなりたいとは言ったけどこの訓練は
聞いてねえよ。何?
悩みを聞いてくれる優しい友達が実は自覚のない毒舌家で、
飛んでくる毒入りアドバイス…中断したいけど相手は善意でやってるからなかなか止められない奴…
そう、ゼオスは善意でやってる。故に止められない地獄。
その後、何度か三途の川を思い描いた末、ヒナタは気絶した。
静寂の森の中で二つの怒号が聞こえる
ゼオス「貴様が戦うの上で最も重要なのは『素振り』と『狡猾さ』のみだ!
いくら凄まじい爆弾を作っても投擲力がなければ投げれない!狡猾でなければ応用できない!!」
ハンマーを片手に大声を張り上げる
ヒナタ「ヒギャアアアアアアアア!」
あまりの訓練のキツさに咆哮をあげる
本格化したゼオスによるヒナタへのしごき。
その場のノリで強くなりたいとは言ったものの
ここまでの訓練は予想していなかった。
〜数日前 酒場跡地〜
ヒナタ「ゼオスさん、アンタこの前弟子入りを推奨してきたよな?あれ。俺も賛同するわ。」
R勢に襲撃され、焼け跡となった酒場で、
空き樽の上に座ったゼオスとヒナタが飲み物を飲みながら話す。
ゼオス「…ほう?」
意外といった顔で目を見開く。
ヒナタ「聞いたんだよ。アタルフから。アンタの武勇伝。
トロモフとの戦争の中でゼオスっていう豪傑が名のあるR勢を一人で一掃したって
マスターが進むための活路をアタルフと開けたって!」
ゼオス「…そんなことあったっけ?」
照れ臭そうに空を見上げる。
仲間思いで重厚な様を持つ反面、こういう褒め言葉の連続には弱いゼオスである。
ヒナタ「そんなの聞かされた上、本人から直々にスカウトされたら、行くっきゃないっしょ!
頼むぜ!弟子入り!」
ゼオス「…後悔するなよ?」
という会話から早3日。ギブアップ寸前である。
ヒナタ「ああ…川…川が…向こうにいるのは…母さん?」
バゴッ!
ヒナタの頬を軽く引っ叩く。
ゼオス「なに三途の川見てやがんだ」
ヒナタ「ゴフッ!」
ゼオス「言い出しっぺはお前だ。俺は推薦していない。良ければと思って言っただけ」
ヒナタ「じゃあ言い出しっぺアンタじゃん!」
ヒナタが音を上げるのも無理はなかった。
訓練とは素振りは砲丸。腰を鍛えるのに巨大な爆弾を抱えさられた上、
その体制から左右に腰を振らねばならない。最悪、胴が割れる地獄。
さぼれば火をつけられる。頭の訓練はゼオスとの組手。
しかし、ゼオスはハンマーを持っていなくても、俊敏さと頭の回転の速度は異常。
丸腰状態にもかかわらず、爆弾持ちのヒナタを幾度となくノックアウトさせる
※爆弾の火花一つでも当たれば休憩。
ゼオス「さぁ、腰の振りと素振りが終わったら組手だ。」
ヒナタ「きゅ…きゅうけーを…」
ゼオス「強くなりたいならいらんだろ。」
ヒナタ「えぇ…」
いやいや…確かに強くなりたいとは言ったけどこの訓練は
聞いてねえよ。何?
悩みを聞いてくれる優しい友達が実は自覚のない毒舌家で、
飛んでくる毒入りアドバイス…中断したいけど相手は善意でやってるからなかなか止められない奴…
そう、ゼオスは善意でやってる。故に止められない地獄。
その後、何度か三途の川を思い描いた末、ヒナタは気絶した。
EP62 山火事と湿気
〜撲滅隊本部〜
ブラックアサシンとの開戦から早くも二週間が過ぎようとしていた
撲滅隊幹部達はR勢陣営の対策および立ち回りを話し合っていた
アタルフ「今のところ、撲滅隊幹部達に死人はないが、若手が急激に蹂躙され始めている!」
アタルフが大声で話す。マスターがいなくなってしまったために、
アタルフが隊長代理を務める。
スタン「…俺らの怒りを買うためか…マスターが戦線離脱してもなお若手を狩るとはな」
腕を組んでちゃっかりタバコを吸う
ゼオス「許せん奴らだ…!とはいえ、若手を鍛えねばならんな…ヒナタは最近やる気を
出したようで、訓練にも取り組んでくれているが…」
ヒナタ「はい…ほうでふね(そうですね)」
師匠であるゼオスとの組手により、
呂律が回らなくなるほど顔が腫れている
あっくん「どんな訓練したらこうなるの?」
コハル「きっと爆弾を受け続けて忍耐力を鍛えてるんだよ」
サラッとエグい訓練法を述べて笑う。
クラーレ「…欠けていないとはいえ、僕らの中に怪我人は出てる。慎重に行くべきだ…」
脱線しようとしていた会話を元に戻す
アタルフ「相手のソウルはコハルが倒し、その後の戦況は変わらない。
これ以上の犠牲は出したくない。下っ端を蹂躙し、幹部の情報を聞き出すんだ!
雑魚に構うな!手を汚すなら幹部!!全存在をかけてブラックアサシンを倒すんだ!」
士気が上がる
相手陣営で残す幹部はボスのアキ、るあ、マクレン、シーバ、ユウメの5人だ
ゼオス「っし。そうと決まればヒナタ!森に訓練に行くぞ!」
ヒナタ「の…望むところだ…!」
訓練が馴染んできたのか、呼びかけに対する声が良くなっている。
〜日没後 エメDラルド地区の森林前〜
ゼオスとヒナタは日没後に森の中で鍛錬を行う。
自然が豊富であり、道も険しい。
歩くだけでも脚力が鍛えられる。
ゼオスは入隊前からこの森で鍛錬していた。
ゼオス「時間も限られている。鍛錬はできる間にやっておいた方がいい。」
歩きながらそういう。
ヒナタ「ゼオスさん…俺ってやっぱり才能がないんですよね。」
ゼオス「ん?」
ヒナタ「あっくんやクラーレは才能に溢れ、R勢と戦うのにすぐ順応してたんすよ
対して俺は爆弾。壊すことしか能がない。
二人や皆みたいな思いやりに欠けてるように感じんだよ…」
ゼオス「…ヒナタ。才能って言葉は簡単に使っちゃいけねえ。」
ヒナタ「え?」
ゼオス「才能なんて誰も持ちはしない。始めは皆、何も持たない弱い赤ん坊だ
他人に手助けされて覚えていくもの。他人と背比べをしているんじゃない。
戦う相手はいつも自分自身だ。
その努力の結晶を、怠け者共が『才能』って一括りにしてんだよ」
ヒナタ「才能は…ない…?」
ゼオス「ああ。そして、そういった努力を10年と続ければ立派なものさ。
そして今度はお前が人を手助けしてやるのさ」
ニカッと笑う
ゼオス「そしてお前はまだまだ強くなれる!要領良くやろうとするな!
泥臭く努力しろ!」
ヒナタ「はい!!」
そうしてゼオスとヒナタが森付近の道路を歩いていると
下っ端「ゼオスさん!ヒナタさん!」
ゼオス、ヒナタ「！？」
大声で駆け寄ってくる撲滅隊の下っ端が
下っ端「も、森が!!燃えてます!!」
ゼオス「何だと!?」
ヒナタ「ええ!?」
それを聞いたゼオスが駆け出し、森の奥へと向かう。
ヒナタもそれに続く
〜森の中〜
炎がパチパチと音を立てながら燃え広がる。
森の草木は次々と燃え尽き始める
R勢下っ端「あああ…やっちまった…やっちまった…!」
火をつけたであろうブラックアサシンの手駒達が怯える
ゼオス「貴様…自分が何をしているのか…分かっているのか…」
空気が歪むほどの重圧を下っ端数人に浴びせる
下っ端「ひぃぃぃぃ!」
叫びながら逃げていくと…
ザシュッ!ザシュッ!
鈍い音と共に下っ端達の首が掻っ切られる
マクレン「なんで逃げるの。死ぬまで戦いなよ。往生際が悪い。」
立ち込める火の中から出てきたのは第八邇のマクレン。
片手に鋭い銛を持ち、付着した血をなめる。
そして…
アキ「おやおや…不謹慎な奴らだなぁ。水も持って来ずに火災現場にやってくるとは
死ににきたのかい?」
ブラックアサシン首領の黒星千秋がマクレンの後ろから現れる
それを見たゼオスとヒナタが戦慄する
ゼオス「やはり貴様らの仕業かぁ…!ノコノコと出てきてくれて感謝する。
覚悟しろ」
そう言ってハンマーを片手にアキに突っ込み、
巨大なハンマーをアキに振るう
ドゴン！
アキ「いいねぇ流石に速い。歴戦の猛者と言われるだけはある!」
軽々とかわす
アキ「お返しに打撃をどうぞ!」
ゴウン!
豪速の蹴りがゼオスの頬を掠める
ゼオス(何という蹴り…!掠っただけで頬が切れる…!)
ヒナタ「黒星千秋!!お前の相手は俺だ!」
そう言ってヒナタは爆弾をアキに投げようとすると…
マクレン「僕は君の相手をするけどねぇ」
ヒナタ「うっ…!」
気配もなくヒナタの背後をとる
ヒナタ「近づくんじゃねえ!」
生成した手榴弾のピンを抜き、マクレンに投げつける
マクレン「手榴弾かぁ…ピンを抜いてすぐ投げるのはダメなんじゃない?」
そう言って爆発寸前の手榴弾を銛で弾き返すが、
跳ね返された手榴弾は、ヒナタがすかさず投げた別の爆弾と衝突し、
マクレンの方へ再び飛んでくる
マクレン「何…」
ヒナタ「読み通りなんだよ!」
ドオオオオオオン
爆風がマクレンに飛ぶ
マクレン「(コイツ…頭の回転が早い…)『水掻 き銛 !!』」
銛を空を描くように凪ぎ、黒い水の斬撃が爆風を弾く
マクレン「…少し掠ったかな」
ヒナタ「ば、爆発を防いだだと…」
目の前で起こった芸当に戦慄する
ブラックアサシンとの開戦から早くも二週間が過ぎようとしていた
撲滅隊幹部達はR勢陣営の対策および立ち回りを話し合っていた
アタルフ「今のところ、撲滅隊幹部達に死人はないが、若手が急激に蹂躙され始めている!」
アタルフが大声で話す。マスターがいなくなってしまったために、
アタルフが隊長代理を務める。
スタン「…俺らの怒りを買うためか…マスターが戦線離脱してもなお若手を狩るとはな」
腕を組んでちゃっかりタバコを吸う
ゼオス「許せん奴らだ…!とはいえ、若手を鍛えねばならんな…ヒナタは最近やる気を
出したようで、訓練にも取り組んでくれているが…」
ヒナタ「はい…ほうでふね(そうですね)」
師匠であるゼオスとの組手により、
呂律が回らなくなるほど顔が腫れている
あっくん「どんな訓練したらこうなるの?」
コハル「きっと爆弾を受け続けて忍耐力を鍛えてるんだよ」
サラッとエグい訓練法を述べて笑う。
クラーレ「…欠けていないとはいえ、僕らの中に怪我人は出てる。慎重に行くべきだ…」
脱線しようとしていた会話を元に戻す
アタルフ「相手のソウルはコハルが倒し、その後の戦況は変わらない。
これ以上の犠牲は出したくない。下っ端を蹂躙し、幹部の情報を聞き出すんだ!
雑魚に構うな!手を汚すなら幹部!!全存在をかけてブラックアサシンを倒すんだ!」
士気が上がる
相手陣営で残す幹部はボスのアキ、るあ、マクレン、シーバ、ユウメの5人だ
ゼオス「っし。そうと決まればヒナタ!森に訓練に行くぞ!」
ヒナタ「の…望むところだ…!」
訓練が馴染んできたのか、呼びかけに対する声が良くなっている。
〜日没後 エメDラルド地区の森林前〜
ゼオスとヒナタは日没後に森の中で鍛錬を行う。
自然が豊富であり、道も険しい。
歩くだけでも脚力が鍛えられる。
ゼオスは入隊前からこの森で鍛錬していた。
ゼオス「時間も限られている。鍛錬はできる間にやっておいた方がいい。」
歩きながらそういう。
ヒナタ「ゼオスさん…俺ってやっぱり才能がないんですよね。」
ゼオス「ん?」
ヒナタ「あっくんやクラーレは才能に溢れ、R勢と戦うのにすぐ順応してたんすよ
対して俺は爆弾。壊すことしか能がない。
二人や皆みたいな思いやりに欠けてるように感じんだよ…」
ゼオス「…ヒナタ。才能って言葉は簡単に使っちゃいけねえ。」
ヒナタ「え?」
ゼオス「才能なんて誰も持ちはしない。始めは皆、何も持たない弱い赤ん坊だ
他人に手助けされて覚えていくもの。他人と背比べをしているんじゃない。
戦う相手はいつも自分自身だ。
その努力の結晶を、怠け者共が『才能』って一括りにしてんだよ」
ヒナタ「才能は…ない…?」
ゼオス「ああ。そして、そういった努力を10年と続ければ立派なものさ。
そして今度はお前が人を手助けしてやるのさ」
ニカッと笑う
ゼオス「そしてお前はまだまだ強くなれる!要領良くやろうとするな!
泥臭く努力しろ!」
ヒナタ「はい!!」
そうしてゼオスとヒナタが森付近の道路を歩いていると
下っ端「ゼオスさん!ヒナタさん!」
ゼオス、ヒナタ「！？」
大声で駆け寄ってくる撲滅隊の下っ端が
下っ端「も、森が!!燃えてます!!」
ゼオス「何だと!?」
ヒナタ「ええ!?」
それを聞いたゼオスが駆け出し、森の奥へと向かう。
ヒナタもそれに続く
〜森の中〜
炎がパチパチと音を立てながら燃え広がる。
森の草木は次々と燃え尽き始める
R勢下っ端「あああ…やっちまった…やっちまった…!」
火をつけたであろうブラックアサシンの手駒達が怯える
ゼオス「貴様…自分が何をしているのか…分かっているのか…」
空気が歪むほどの重圧を下っ端数人に浴びせる
下っ端「ひぃぃぃぃ!」
叫びながら逃げていくと…
ザシュッ!ザシュッ!
鈍い音と共に下っ端達の首が掻っ切られる
マクレン「なんで逃げるの。死ぬまで戦いなよ。往生際が悪い。」
立ち込める火の中から出てきたのは第八邇のマクレン。
片手に鋭い銛を持ち、付着した血をなめる。
そして…
アキ「おやおや…不謹慎な奴らだなぁ。水も持って来ずに火災現場にやってくるとは
死ににきたのかい?」
ブラックアサシン首領の黒星千秋がマクレンの後ろから現れる
それを見たゼオスとヒナタが戦慄する
ゼオス「やはり貴様らの仕業かぁ…!ノコノコと出てきてくれて感謝する。
覚悟しろ」
そう言ってハンマーを片手にアキに突っ込み、
巨大なハンマーをアキに振るう
ドゴン！
アキ「いいねぇ流石に速い。歴戦の猛者と言われるだけはある!」
軽々とかわす
アキ「お返しに打撃をどうぞ!」
ゴウン!
豪速の蹴りがゼオスの頬を掠める
ゼオス(何という蹴り…!掠っただけで頬が切れる…!)
ヒナタ「黒星千秋!!お前の相手は俺だ!」
そう言ってヒナタは爆弾をアキに投げようとすると…
マクレン「僕は君の相手をするけどねぇ」
ヒナタ「うっ…!」
気配もなくヒナタの背後をとる
ヒナタ「近づくんじゃねえ!」
生成した手榴弾のピンを抜き、マクレンに投げつける
マクレン「手榴弾かぁ…ピンを抜いてすぐ投げるのはダメなんじゃない?」
そう言って爆発寸前の手榴弾を銛で弾き返すが、
跳ね返された手榴弾は、ヒナタがすかさず投げた別の爆弾と衝突し、
マクレンの方へ再び飛んでくる
マクレン「何…」
ヒナタ「読み通りなんだよ!」
ドオオオオオオン
爆風がマクレンに飛ぶ
マクレン「(コイツ…頭の回転が早い…)『
銛を空を描くように凪ぎ、黒い水の斬撃が爆風を弾く
マクレン「…少し掠ったかな」
ヒナタ「ば、爆発を防いだだと…」
目の前で起こった芸当に戦慄する
EP63 不幸者